【ソールズベリ 新章】 月からの呼び声
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■シリーズシナリオ
担当:夢村円
対応レベル:3〜7lv
難易度:難しい
成功報酬:3 G 69 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:01月11日〜01月21日
リプレイ公開日:2005年01月19日
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●オープニング
新年。
聖夜祭節も終わり、古き年が新しい年へと変わる。
それを象徴する一つの出来事が、ニューセイラムへとやってきた。
「ねえ、そっちのお片付け終わった?」
「うん、あとちょっと」
「こっちはもうすぐ終わりだよ〜」
子供達の元気な声。
「これは、どっちに持っていけばいいんだい?」
「ああ、それはそこの納屋においておいて、後で子供達の部屋に‥‥その荷物はこっちにお願いできますか?」
派手な服装の女達が運ぶ荷物を、クレリックの若者と老人達が指揮して整頓していく。
「私たちもお手伝いいたしましょう」
旅の者や、街の住人たちの協力もあって、程なく荷物の運搬と人の移動は終了し、内部の整理もほぼ完了した。
「‥‥無事、終わったようだな。ご苦労」
「あ、ライル様。はい、なんとか」
青年は見回りにやってきたであろう領主に、敬意を込めて頭を下げた。
「この度は子供達の為に館を開放して頂きましてありがとうございます」
「気にするな。早急に移動が可能だったのは我が館だけだったからな」
苦笑しながらソールズベリ領主 ライル・クレイドは少し前まで自分の仕事場だった館を見上げた。
オールド・セイラムとの確執、街を割りかねないトラブルが起きたのはほんの少し前の事。
自分の狭量に今でこそ笑えるが、当時は本当に大変だったのだ。
冒険者達がいなかったらどうなっていたことか‥‥。
だからこそ、彼は今回の孤児院の開設に私財を投入し、執務用の館も開放した。
この孤児院は、冒険者達の提案で出来たものであると同時に二つの街の融和の象徴となってくれるはず。
オールドセイラムの子供達を受け入れ、新しい街で教育と仕事を与える。
教会建設、新市街拡張。
今は、外部からの労働者などでまかなっている仕事を最終的には街の住民達で、賄えるようにする。
旧市街の建物に使われている石材や、木材を新市街の建設工事に使い、新しい居住区を広げていく。
予算の問題もあり、一気には進まないが、一つ一つ叶えていこうとライルは考えていた。
「この孤児院は、街の発展の重要な根幹となるやもしれぬ。ローランド司祭。彼らをよろしくお願いする」
「はい、お任せください。私も、この街の‥‥孤児でした。他人事ではありませぬゆえ」
セイラム侯ライルは孤児院建設にあたり、その代表者をジーザス教教会より招き入れた。
司祭を代表としサポートに身寄りのない老人達が付く。教会と旧都市の融和を目指す為の案であり、教会も反対せず、若い青年司祭を派遣してきた。
自ら望み、名乗り出たというやる気のある司祭を子供達も、老人も受け入れ人間関係も良好に見えた。
向こうで旅の詩人が奏でる優しい竪琴が、人々の疲れた心を癒し、子供達を微笑ませる。
「‥‥守っていきたいものだな」
「はい」
二人の青年は顔を見合わせ、大切な者を見守るように静かに微笑んでいた。
「子供が行方不明?」
知らせを受けたライルは書類を見る手を止め、顔を上げた。
「はい。ライル様。最近街の中で何人かの子供の姿が見えなくなっております。数日過ぎても戻ってこないので、いくつか届けも出ているようです」
ニューセイラムの街の中で子供が。それは由々しき事態だった。
「行方不明になった子に共通点は無いのか?」
「‥‥家族と上手く行っていない、もしくはケンカなどをしていた子供が多いようでございます。大きな声では言えませんが‥‥酷い仕打ちを受けていた子も」
どんなに整っているように見える街でも、そこが人の住むところであるかぎり闇は生まれるのだと、ライルは苦い思いを噛んだ。
ふと、思いつき執務官に問いかける。
「孤児院の子供達はどうなのだ?」
「ローランド司祭の連絡では特に問題は無いようです。年長の子供達幾人かが街の掃除や、店の売り子の手伝いなどを始めたとも‥‥」
「この件については、調査が必要だな。ギルドに連絡を。冒険者を派遣してもらおう。我々も情報を集めるのだ。またローランド司祭にも連絡して、暫く子供達から目を離さないようにと伝えてくれ」
「解りました」
部屋を出て行く執務官を見送りながら、城の窓からライルはニューセイラムの街並みを見つめた。
理由は無いが、感じる。
この街に迫りつつある黒い影を‥‥。
【依頼場所 ソールズベリ セイラム市街
依頼内容 行方不明中の子供の捜索】
そんな依頼がキャメロットの冒険者ギルドに貼り出され、依頼を受けた冒険者達がキャメロットに旅立つ頃、ニューセイラムの街では事件が、大きく動こうとしていた。
「あ、司祭! お仕事終わったよ」
「ご苦労様。さあ、帰りましょう」
子供達を迎えに来た司祭は、一人、二人、とその数を数えた。
「おや? ティトとエリサがいませんね? どうしました?」
「あれ? さっきまでここにいたのに‥‥」
「あ、あそこ。あそこの吟遊詩人の歌を聴いてるよ」
小さな指が指し示した先には、街の片隅で静かに竪琴を引く銀の髪の吟遊詩人と、その側で奏でる音にうっとりと聞きほれる子供達が居た。
「! あの調べは‥‥」
険しくなった司祭の顔に、子供達は目を瞬かせた。
「あ! ティトとエリサがあの人についていくよ。他の子も‥‥」
「いいですか? 皆さんは今すぐ館に戻ってください。二人は、私が連れ戻します。いいですね! 走って!」
普段は優しい司祭の厳しい命令に、子供達は何かを感じたのだろう。真っ直ぐ走り帰った。
そして‥‥
街にたどり着いた冒険者達は聞くことになる。
帰り着いた子供達と、ティトと、エリサの泣き声にも似た叫びを。
「司祭様が、帰ってこないの!」
「きっと、あいつらに捕まったんだ。お願い、司祭様を捜して! 助けて!」
●リプレイ本文
キャメロットからソールズベリまでの道のりは遠く、長い‥‥。
冒険者達は急ぎ足で道を歩いた。
「いいかい? こっちが新市街で、こっちが旧市街。新市街は新しく出来たばかり。旧市街は‥‥」
仲間達にウォル・レヴィン(ea3827)は街の様子を説明した。
「なるほど。まずは聞き込み。それから‥‥」
「町全体の調査であるな。こちらの人手は多くない。シフール飛脚を雇えればよかったのだが」
マックス・アームストロング(ea6970)の言葉に仲間達は苦笑した。すっかり当てにしていた彼だったがシフール飛脚ギルドからはあっさり不許可の返事が帰る。
「まあ、なんとかなる、いやなんとかするもんだ。とにかく頑張ろうぜ!」
手を伸ばしガイン・ハイリロード(ea7487)はマックスの肩をぽん、と叩いた。かなり背伸びをして、だが。
「そうであるな! すまないのである!」
顔を上げたマックスの向こうでソルティナ・スッラ(ea0368)は真っ直ぐに指を前に差し出す。
「ほら、見えてきたようですよ。ソールズベリ。セイラムの街が‥‥」
彼らの間に見えない緊張と予感が走り抜けていった。
「司祭様が、帰ってこないの!」
「きっとあいつらに捕まったんだ。お願い、司祭様を捜して! 助けて!」
街についた冒険者達は孤児院で子供達に泣き縋られた。
戸惑う彼らに一人の老人が苦しげに告げる。
「この子達の親代わりでもあるローランド司祭が二日前から行方不明になっておるのです」
「俺達の事、覚えているかい?」
「司祭は私達が絶対に助け出すから信じておくれ」
膝をつき、目を合わせたウォルと朴培音(ea5304)の笑顔に子供達は頷いた。
「大丈夫だから、落ちついてゆっくり順を追って話してみてくれないか?」
励まされて、子供達は涙を拭いた。司祭様の為に。
「聞いた歌はどんな歌詞だった? それを聞いてどんな気持ちになった?」
ウォルの問いにティトとエリサと呼ばれた子供達が前に出る。彼らが一番最後まで司祭と一緒にいたのだという。
「あのさ、銀の髪の人の歌を聞いてたら凄く気持ちがホカホカしてきたんだ。昔、母さん達と一緒にだった時みたいに。それで‥‥」
「一緒に行こう、って家族になろうって。司祭様が声をかけてくれるまで嬉しくて他の事どうでもいいって思ったの」
ぎゅっ‥‥
懸命に言葉を捜す子供達にリシーブメモリーをかけたディアッカ・ディアボロス(ea5597)は拳を強く握る。
読んでしまった二人の心の中の言葉『母さんに会いたい』『家族と暮らしたい』
大事な世界に踏み込んでしまった後悔が胸を過ぎる。
「じゃあ、どの辺で司祭と別れたか教えておくれ?」
「それから、その吟遊詩人や仲間、あと司祭様の風貌もね」
「何でもするよ。だから司祭様をお願い!」
冒険者達の問いに子供達は精一杯の思いを込めて答え始めた。
城を訪れた来訪者をセイラム侯ライル・クレイドは待たせなかった。
「この度は依頼を受けてくれて感謝する」
「いえ、こちらこそ。面会をご許可頂きありがとうございます」
「ライル様ぁ、誘拐事件を解決したいんですよねぇ。情報全部出していただけますかぁ?」
正式な貴族の礼儀をもってお辞儀をするアリアス・サーレク(ea2699)に対してエリンティア・フューゲル(ea3868)は変わらぬマイペースだ。
ライルは小さく苦笑するが、何も言わなかった。
「行方不明の子供は六人。そして彼らや犯人は新市街にはいない。確認できたのはそれだけだ」
「と、言うことはセイラムの街の外にいる可能性が高いということですね」
「旧市街の闇の住人に繋ぎはとれませんかぁ?」
街の見取り図を受取ったアリアスの横から間延びした声がライルに告げた。アリアスは頭を抱えてため息をつく。ウォルがいたらまたかと思ったかもしれない。
だが
「無理だ」
ライルはきっぱり答えを跳ね返した。
「オールド・セイラムは今、闇の住人達の自治を認めた。命令はできぬ」
言い分は解るが‥‥アリアスがある思いを噛んだ時、だが‥‥とライルは続けた。
「先生‥‥いや、タウ老を訪ねるがいい、力になってくれるだろう」
アリアスは笑みを浮かべると、お願いがある。とある事を控えめに告げた。ライルはその願いを快諾した。
エリンティアは、仕事の為に必要だから、と指折り数えて要求を告げた。ライルは頭を抱えながら執務官に手配を命じてくれた。
「すまないが、頼む‥‥」
呟くようなライルの言葉に部屋を出ようとした一人は軽く足を止めた。
「ライル様の期待に応えられる様に頑張りますねぇ」
あくまでマイペースなエリンティア。だがその言葉が信頼できるとライルはもう知っていた。
アリアスと、ウォル、エリンティアは旧市街にタウ老人を訪ねた。
「闇の住人の纏め役に会って裏の情報力を借りたいんですぅ」
そう願ったエリンティアの言葉にタウ老人は否を告げる。
「悪いが‥‥裏と言ってもここにいる者達は身を売って暮らしているだけの者達だ。そなた等が思うような力は無い」
「ですが! 事は子供と司祭の命に関わります。どうか、お知恵とお力をお貸しください」
「子供達は街の未来だ。それに‥‥この事件、ただの誘拐事件だけで終わるとは‥‥考えられない」
「‥‥一つ心当たりがある。それを教えよう」
立ち上がったタウ老人は窓辺に立った。彼の館はオールド・セイラムの入り口にあり、巨大遺跡ストーンヘンジを遠くに見下ろすことが出来た。
「知っているか? 若者達よ。あの遺跡は太陽と月を祭る太古の神殿だったと言われている。そしてこの街には昔、太陽と月を仰ぐ一族がいたと伝えられているのだ」
突然の老人の昔語りに冒険者達は首を傾げる。
「彼らは長い年月戦いを続け、数十年前突如姿を消した。だが‥‥」
其処で彼は言葉を切った。昔の変わりに今を語る。
「新しい街には彼らはいない。旧市街にも居ない。ならば居場所は第三の場所だ」
「ストーンヘンジ‥‥」
ウォルの呟きに老は頷いた。
「あの周辺には古い石窟や狩り小屋がいくつかある。今宵は満月。何かが‥‥動くやもしれん」
「「「ハイ!」」」
老人は冒険者を見送りながら‥‥遠い何かを見つめていた。
聞き込みで司祭の足取りを追っていたソルティナは培音と情報集めに徹した。
「銀の髪に金茶の瞳、随分と華やかな外見の司祭様ですのね」
「子供達にかかった魔法を解いた直後に狙われたようだな‥‥」
二人を逃がした直後、現れた仲間らしき者に捕まえられたと、子供達は語った。
よろめきながら歩く司祭の姿が子供達と、詩人と一緒に目撃されている。
そして、ディアッカが街での最後の足取りを捕まえた。
「彼らは街を出て行ったらしい。方向は北 ストーンヘンジ方向だ!」
満月の夜。
月魔法の使い手相手に戦いを避けたい宵だと、ウォルは舌を打った。
だが事は急を要する。
遺跡の中央に人の気配と‥‥かすかな光が見えたのを急ぎ足の彼らが見つけた時、何かが耳を過ぎった。
『月に守られし、我が子らよ〜♪ 心を預け、眠りなさい〜♪』
「くっ‥‥!」
甘やかで優しい、まるで母の子守唄のように‥‥冒険者達の心を揺り動かす。
それが、呪歌だと気づいた時にはマックスと培音、ガインが膝を付いていた。戦意と敵意が‥‥消えていく。
オーラの力で防御をしたソルティナとアリアスを除く残りの三人も身体が前に進まない。
その術力を切り裂く強い声が聞こえるまでは‥‥
「しっかりして! 自分の心を強く持つのです!」
「黙りなさい‥‥」
「ウワッ!」
正気を取り戻す彼らの前で、前で数人の術師が魔法を紡ごうとしているのが見て取れた。中心に子供達と蹲る司祭。‥‥揺れる力場。
「あれは!」
ディアッカは声を上げた。月魔法ムーンフィールド。
「待て!」
手を伸ばしたアリアスの眼前で月光色の幕が閉じようとした時。
フッ!
かき消すように魔法の幕が消えた。
「何? 一体?」
怪訝そうな顔を浮かべる術師の一瞬の隙をついてバチン! アリアスはニードルホイップを打ちこんだ。
回避した術師の場所からソルティナが中の子供と司祭を庇うように中央に立つ。
図らずも彼女と、そう銀の髪の『女』吟遊詩人と正面から向き合う事となる。
「儀式の邪魔をして頂いては困るのですが‥‥」
銀色の髪、月色の瞳。美しい娘の柔らかい声。だが言葉には言外の意志と意味が込められていた。
『邪魔者よ、立ち去れ』
と。
ソルティナは振り払うように声を上げる。
「子供達を返して頂きます。彼らを待つ人の所へ」
「彼らはそれを望むでしょうか? 不幸な子、恵まれぬ子、私の呼びかけに答えたのはそういう子たちです。私は彼らを新しい家族と役目に導くために‥‥」
「未来は彼らが自分で決める。魔法や人の意志で決められる事じゃないんだ!」
「音楽を悪用するなあ! 伏せろ!」
背後から聞こえた声にウォルは子供達を庇い身を屈めた。
淡い薄桃の光が彼の頭上を越えて行く。オーラショットが目の前の女に吸い込まれると見えたが、
フワッ。
銀色の光と共に彼女の姿は掻き消えた。いつの間にか周囲にいたはずの術師の姿も見えない。
影に溶けたように‥‥
『今日はひとまず引きましょう。未来の我が一族に嫌われてはなりませんから』
マックスの頭に響くその声は告げた。
『でも次の邪魔は許しませんわよ。大いなる月の名にかけて‥‥』
「しっかり。司祭! ローランド司祭!」
培音が子供達の中、一人膝をつくローランドを支えた。額に触れた手に、生暖かい感触が濡れる。
「血‥‥!」
逃亡した敵を冒険者達は追うことはしないと決めた。
彼らにとって何より大切な事は、子供と司祭の命を守る事‥‥。
だから急ぎ司祭をかかえた培音は、自らの手から落ちた一滴の血が、遺跡をかすかに揺らしたことに気づかなかった。
『あの男‥‥まさか? まあいい。種は撒かれた‥‥』
「司祭の具合はどう?」
心配そうに寝台を覗き込むガインに大丈夫とエリンティアは笑う。
「衰弱してましたけどぉ、ポーションのおかげで命の心配はないですよぉ」
「よかったのである」
マックスも胸を撫で下ろしたようだ。だが、腕を組み考える。考えずにはいられない。
「しかしあやつらの意図は、正体は一体?」
答える者、答えられる者は誰もいなかった。
保護された子供達は孤児院の一室にいた。身体と心は頑なままで。
余計な事を、と言わんばかりに睨みつける子もいる。
「あの人達は僕達を幸せにしてくれる、って言った! 僕達は選ばれた子なんだって!」
と、優しい歌が彼らの耳に届く。
ディアッカの声は銀の詩人とは違う優しさで静かに心を解きほぐしていく。その感覚に子供達は驚いていた。
「これは‥‥あの人達と同じ‥‥魔法?」
「魔法で‥‥僕達を?」
瞬きする子供達に、冒険者達はゆっくりと手を差し伸べた。
「なあ、辛いことがあるんなら俺達が聞いてやる。だから話してみろ」
「家族とは、家庭とはいいものですよ」
「全部、ぶちまけてスッキリするんだね。そうすれば大丈夫」
「逃げ出したいこともあったのかもしれない。でもここは君達の故郷だろ。ライル侯や沢山の人が、君達を見守っている。もちろん、俺達もだ。だから、信じてやりなおさないか?」
その後、部屋で何があったかは、子供達も冒険者も口を噤む。
幾人かの子供達は家に帰り、数名は孤児院に預けられた。それが、目に見えた唯一の結果である。
セイラム侯ライルは、彼らへの保護を与えた。
子供の親の抗議もあった。だがライルは完全に冒険者との約束を守ったのだった。
孤児院の少年ティトは中庭で歌う一人の少年を見つける。顔や、手足の痣が目立っていた彼は‥‥
「あれ? 司祭様と冒険者が助けた新入り?」
彼は、ゆっくりと立ち上がると、足音を潜ませて外へと向かう。
その夜、月の灯りの中、一つと、一つの小さな影が孤児院を抜け出し闇へと消えていった。
それをまだ、誰も知らない‥‥。