【ソールズベリ 新章】 月の行く先
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■シリーズシナリオ
担当:夢村円
対応レベル:5〜9lv
難易度:やや難
成功報酬:4 G 12 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:02月25日〜03月07日
リプレイ公開日:2005年03月04日
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●オープニング
ソールズベリ領主、ライル・クレイドは今日も仕事に埋もれていた。
領主の仕事は見かけほど楽なものではない。
真面目にこなそうと思えば間違いなく激務と言える。
現時点では相談役のタウ老人がおり、街の意見などを取りまとめる評議会などがあるものの、殆どの執務をライルは一人でこなしていた。
少しでもこの街を良い街にする。
その為に彼は、今は全精力を注いでいた。
「日曜学校の設立に、自治組織の強化‥‥取入れるべき課題だが‥‥実践には人手が必要だな。教会との連係も‥‥」
そんな多忙な領主の元に、面会を求める者が来ていると使用人が告げたのは、丁度執務官との打ち合わせが一段落ついたひとときだった。
「面会? 誰だ。一体?」
基本的にライルは用件のある人間の面会を断りはしない。
特に依頼をした冒険者などはフリーパス状態ですらある。
ただ、流石に会いたい人間全てに会うわけにはいかない。身元確認は使用人の当然の仕事であった。筈である。だが‥‥
「こちらにお連れしておりますゆえ‥‥どうぞ」
「領主様、お初にお目にかかります」
カタン。椅子の動く音と共にライルは立ち上がった。
入室を促した使用人の背後に既に、もうその客がいる?
その時ライルは気がついた。どこか虚ろな使用人の目。まさか、魔法に?
「使用人の方をお責めにならないで下さいませ。失礼とは思いましたが‥‥我々の身元の証明もかねましてこのような事を致しました」
そう言ってゆっくり入ってきた者達をライルは深い呼吸と共に見つめた。
一人は薄い月光色の髪をした上背のある逞しい青年だった。彼は前に立つ女性、いや娘と言える人物に付き従うように無言で立っている。
そして、彼を従えるように立つ娘は、年のころ18、9だろうか。細く白い手には竪琴を持っている。
流れる長い銀色の髪、月色の瞳には人を導く強い光があった。
ライルは勿論、彼女との面識は無い。
だが、報告は受けていた。この外見の人物に心当たりが‥‥ある。
「お前は‥‥まさか‥‥」
「はい、我々の事を皆様は月の一族と、お呼びのようですわ」
シュン! 鋭い音を上げて剣が抜かれた。寸分違わずその切っ先は娘の目の前に当てられていた。
「よくも我が前に顔を出せたな。領内で子供たちを誘拐し連れ去ろうとした罪を忘れたとは言わさんぞ!」
だが、彼女はまったく揺ぎ無い瞳でライルを見つめる。
背後に控える青年が、かすかに動こうとするのを手で制するとニッコリと微笑んでみせる。
「私どもに罪あると仰せならば、それを受け入れますわ。ですが‥‥私は誘いを受けて参りましたの。酒を酌み交わそうとおっしゃる冒険者の方の。ご領主様の許可を得ているとのことでは?」
「お前達は‥‥何者だ? 何の用があってソールズベリに来た?」
「ここは、我が母、我が一族の故郷なのです‥‥。母をこの地に眠らせ、一族の安住の地を故郷に‥‥と」
「この地に住みたいと申すか‥‥」
「はい、漂泊の旅に生きてきた我らにとって、ソールズベリに戻ることが長き一族の悲願でありましたから‥‥」
ライルは剣を鞘に戻した。元々、脅す以上の意味を持って抜いたわけではない。
領主の目に戻ったライルは二人を見た。
「この地に住むが目的なら、何故あのような‥‥いや‥‥」
テーブルに戻り、何かを羊皮紙に書き記すを呼び、ライルはそれを預けた。
そして無言で立つ二人に向かってこう言ったのだった。
「冒険者との約束の場を設けよう。そこでお互いに話し合うがいい。その結果を聞いてそなた等の罪、そして一族の今後を受け入れるか判断する。質問に答えるのだな?」
「言えない事、知らぬ事意外は全て‥‥」
頷く娘にライルはフフンと笑った。口で言うほど簡単な考えと行動を持つ者だとは思っていない。背後に仕える者も含めてだ。
だが‥‥。彼は立ち上がった。
「会談までの間、そなた等の居場所は用意しよう。これ以上の騒ぎは起こすなよ」
「仰せのままに」
去っていく二人を確認すると、監視と準備を部下に指示したのだった。
キャメロットの冒険者達はセイラム領主、ライル・クレイドからの依頼を受けて深く考えた。
幾度か相対した月の一族が出頭してきたという。
しかも、セイラムに住みたいと願い出て‥‥。
ライルはギルドを通した正式な依頼として冒険者に、彼らの話を聞き、月の一族に対してどう判断するべきか意見を聞かせよ。と言って来たのだった。
彼らには言いたいことも聞きたいこともいろいろある。
セイラムやストーンヘンジ、月の一族の文献に残らない話が聞けるだろうか。
そして、何より‥‥
彼らが何故、こんなことをしたのか。何を思っていたのか。
彼らは何なのか? それが、知れるかもしれない。例え、僅かでも‥‥
冒険者は、この易しくて難しい依頼に何を思うのだろうか。
月の行く先はまだ見えない。
●リプレイ本文
それは、堅苦しい会談、という形ではなく会食、という形で行われることになった。
セイラムの街を、一時とはいえ騒がせた者達と冒険者との判断の場。
無論、月の一族と呼ばれる者達もまたこの場で決して戦わぬ、と誓って集ってくる。
まだ、冬の色を纏う冴えた空気の中で、人は何を思い、何を語るのか‥‥。
セイラム侯ライルは飾ってみたテーブルの上の花を見ながら黙って考えていた。
「まず、厳しい事をいうようだけど、君達の行動は決して正しいことじゃ無かった。俺が言うまでも無いけどそれは解ってくれよ」
会談が始まって何より先に、ウォル・レヴィン(ea3827)はその真っ直ぐな瞳と同じくらい真っ直ぐな思いをルイズにぶつけた。
月の一族の長、ルイズはその背にたった一人の青年を伴ってその場にやってきた。
流れるような銀の髪と月光色の瞳はゆっくりとマントを脱いでお辞儀をした。
装飾品は不思議な金の首飾りだけ。純白のローブを着た娘の姿をゆっくりと見つめたのは今回が初めてだったような気がする、と冒険者の何人かは思ったかもしれない。
目の覚めるような美女ではないが、瞳に深い思いを刻む女性に見えた。
「そうですわね‥‥でも、私達にはあの時、あれ以上の事が思いつかなかったのですわ。愚昧なる身としては‥‥」
彼女は目を閉じ、静かに苦笑する。
街で最初に出会った子供は、膝を抱え歌に聞き入っていた。
『どうして孤児達には助けてくれる人がいるのに、俺達には助けてくれる人がいないんだろ‥‥』
そんな呟きが聞こえてきたと時、もう気持ちは止まらなかったのだ。
「移転したてで人手は足りない。新しい街がどんなに大変か、少し見れば解るだろうに足元見すぎだ、勝手すぎないか?」
「少し、落ち着いて‥‥では、仮に貴方達が移住‥‥帰還と言うべきでしょうか? が許された場合は、どの様な生活を予定しているかをお聞かせ頂けませんか? いろいろとご不満がおありのようですけど」
ずっと共にこの事件を追いかけていた仲間の気持ちが解るからこそソルティナ・スッラ(ea0368)はその熱い思いを一度制して、ルイズに問うた。
礼儀正しい誠実な言葉に、ルイズは小さく微笑むとそうですわね、と呟いて少し考えた後に続けた。
「私達の故郷となるこの街の為に、働かせていただきたいですわ。できる限りのことはしたいと考えておりますから」
「その言葉に、嘘は無いんだろうな?」
ウォルはこの時までまだ、強く射抜く目線をルイズに送っていた。
「はい」
と、ルイズはそれから逃げることなく答えた。
「なら、いい。反省の気持ちがあるなら、行動で示せ。俺が言うのはそれだけだ」
軽く、でも優しい笑みでウォルは後ろに下がった。
「住む場所が無いのはつらいことです。もう悪い事をしないというならば受け入れてもいいと私も思います」
ルーウィン・ルクレール(ea1364)の言葉にソルティナは視線を他の仲間に向けて巡らすが、反論はどこからも出ない。
それが冒険者が出した結論だと解った。
「じゃあ、みんなでのんびり楽しみましょうかぁ」
のほほんとした声でエリンティア・フューゲル(ea3868)は笑いかける。
小さな笑みと、柔らかい空気。場も優しく微笑んでいた。
ルイズはエル・サーディミスト(ea1743)は楽しそうに談笑している。
「へえ、さくらんぼの柄が‥‥」
「内臓を整えると言われています。あとは、コンフリーの花と根は打ち身に良く効くとか‥‥、実用的なもので無いところではほれ薬とかもありますよ」
「ほれ薬‥‥、いいなあ」
エルは今回の依頼での彼らを知らない。
だからこそ、無垢な思いでルイズに問うた。
「昔、ソールズベリに住んでいた頃はどんな生活をしてたのか知らないけど、ソールズベリの人たちの生活も昔とは違ってきてると思うんだ。今までの問題もあるし、軋轢も生じると思うの。それでも、キミたちは、今住んでる人たちの生活を、もう脅かさないって誓える〜?」
「今、一族の誰も古いソールズベリを知りません。母が死に、この地に戻り、今のこの地が私達のソールズベリですわ。それを脅かすことはもう致しません。月にかけて」
「そっか、なら僕が言うこともないや♪ あ、薬草について何か知ってる?」
エルはそう言って無垢に笑うと、話を変えた。話題転換のテクニックではなく純粋な興味からだ。
彼女が知っていたかどうかは解らないが、古代ケルトには自然崇拝の影に生まれた薬草の技術が多く有る。
旅の中母から受け継いだと言うその話題は、薬草について十分詳しかったつもりの彼女にとっても興味深いものとなった。
「随分、楽しそうですわね‥‥」
「彼女にとって今まで、あのように気軽に話し合える相手はいなかったからでしょう」
少し横で二人の様子を見つめていたロゼッタ・デ・ヴェルザーヌ(ea7209)は突然話しかけられた声にふと横を向いた。
いつの間にか立っていた青年が、彼女に差し出した果汁の杯を受取るとロゼッタは彼を見つめた。
ルイズの後ろに従っていた彼なら‥‥、ロゼッタはずっと持っていた疑問を投げかけて見ることにしたのだ。
「貴方がたは、本当に子供達の味方でしたの?」
「どういうことでしょうか?」
「この一連の行動に他意はありませんでしたの? 街に乱を起こし、危害を加えるなどの。何故、子供達を救うという方法に、誘拐という手段を取り、儀式など行わなければならなかったのです? その意味をお聞かせ頂けませんか?」
くすっ。
「何を、笑っておいでなのですか?」
青年の小さな笑いにロゼッタは眉を上げた。失礼、と前置いて彼は問いに誠実に答える。
「今、我が一族は十数名。そのルイズを除く全ては故郷を持たず、あるいは無くした者達。先代の母長に救われた者達なのです」
勿論、私も。そう言って彼は言葉を捜す。ゆっくりと。
「先代の母長はルイズを連れた旅の中、孤独の子供達に手を差し伸べて来ました。時に正当に、時に強引に。それを見て育ってきたルイズには、本当に他の手段は思いつかなかったのでしょうね」
「では、何故それを止めなかったのです? 間違っていると思うなら‥‥」
「間違っているとは思いませんでしたよ。我々は、どん底の思いから母長に救われました。我々が悪役となることで繋がりを取り戻した親子も見てきました。儀式は単に心のけじめに過ぎません。自分を受け入れてくれる場、心の支えという種を私達は蒔いただけなのですよ」
暫く、沈黙したロゼッタの顔にふと、覗き込むように青年は視線を送った。
「どうしました?」
「あたしは、忘れておりましたの。自分に相手を受けとめられる腕と身体がある事を。言葉だけではなく心底相手の身になる為には身体ごと相手を受け入れようとしなければいけませんわね」
微笑む彼に、ふいと彼女は諌めるような目を見せた。小さく指を立てて叱る。
「でも、貴方方も忘れておりましたのよ。相手に思いを伝える言葉を。お互いさまですわね」
「そうですね」
二人はそれぞれ苦笑していた。楽しそうに‥‥。
ライルと司祭は最初から殆ど口を出さないと決めていた。
もし、月の一族を受け入れると決まれば、誘拐の件も秘すと考えていたのだ。
「司祭、怪我の事はよろしいのか?」
「私も悪かったのです。邪教の者が子供を攫うと決め付けておりまして‥‥」
恥じ入るように笑うとローランドは十字架に軽く口付けた。聖母セーラに仕える者としては恥じ入るべきことだ。
「あの提案も、彼女達が宜しければお受けしましょう」
マックス・アームストロング(ea6970)は司祭に提案をしていた。司祭の怪我を彼らのせいにしない。そして‥‥
「仕事は沢山あるですよぉ〜。孤児院で子供達の世話やぁ、街の増築の手伝いなんかもありますぅ。人手は必要。思いっきり手伝ってもらいましょう〜」
ひょっこりと二人の会話にエリンティアは明るく割り込んだ。
「以前ライル様は『住人は勿論、多くの人に住み良い街を』『全ての者を認めわごうする街を目指して』と言っていましたぁ」
「良く覚えておるな‥‥」
「勿論です〜。月の一族も『全ての者を認め〜』に入りますよねぇ。ライル様ぁ」
領主として敬う様子の欠片も無い、だが‥‥一人の友人としての言葉としてそこには真実の思いがあった。
「ああ、そうだな」
領主、いや、一人のライル・クレイドという人物の返した言葉にエリンティアはニッコリと微笑を返した。
「父祖の地、って言ったよな。何か、伝説とか伝わっているのか?」
会食も終盤に差し掛かってきた頃、ウォルは気になっていたことを聞いてみた。
「かつて、月の一族がこの地を追われた理由。その理由を俺は知りたい。それが再びこの地を襲う事は無いんだろうな?」
それぞれに合わされていた杯、交わっていた言葉が止まった。
「それは、僕も知りたいですぅ。30年前に起きたドラゴンの襲撃の事とか何か、聞いてませんかぁ?」
冒険者達の視線がルイズに集まる。暫く思い出すように目を閉じていたルイズは、目を開けると後ろに立っていた青年に目配せをした。
彼は自分の竪琴を取り出すと、軽く弦を合わせる。
「魔法ではありませんから、聞いていただけますか?」
誰も止める者がいないのを確認して、彼女は深く息を吸い込んだ。
遠き故郷に思いを馳せる
広き草原、緑の野
月と星と太陽と、風が守りし我らの大地よ。
石の柱は神の寝所
月と太陽に閉ざされて
聖なる眠りに夢を見る 大地が守りし我らの神よ。
汝 今を望むのか
なれば決して扉を開けてはならぬ。
汝 過去を望むのか
扉の向こうにそれはある。
今を愛し、望むなら、決して扉を開けてはならぬ。
遠き故郷に思いを馳せる‥‥
遠き故郷に祝福を‥‥
拍手をするには不似合いなほど、その歌と、声は美しく、冒険者達は暫し全てを忘れた。
歌が止まり、竪琴の音が消え、二人がゆっくりとお辞儀をした時、初めて気付いたように目を覚ます。
「これが、私の母が私に残した歌です。母は故郷について多くを語りませんでした。ただ、遺跡には大いなる力が眠っていると。そして‥‥かつて自分は過ちを犯したとも。その過ちが過去の災いを招いたのかもしれませんが、私は解りません」
過ち、それは何だろう? 大いなる力とは何なのか‥‥。謎を解くには鍵がまだ、足りないような気がしていた。
「母は自らが犯した罪の代償だと言って、故郷に焦がれながらも戻ることなく死にました。私は母の思いを継いでこの地で、母が残したたった二つのもの。歌と、私に流れる血を守って行きたいのです」
つっ‥‥、差し出された手があった。
「ローランド司祭‥‥」
「冒険者から頼まれました。貴女が良ければ‥‥ぜひ私達と共に」
「少しでも、ゆっくりでも分かり合うのがいいと思います。まずは、友達になりましょう。できるはずです。きっと」
ルーウィンはそう言って軽く手を叩いた。それは拍手と呼ばれる音。
ルーウィンに続き、ソルティナ、ウォル、ロゼッタ。エルやマックス、エリンティアも‥‥笑いかける。
最後にライルが静かに手を叩いた時、
「お帰りなさいですぅ」
差し出された手をゆっくり取った彼女は、その手を、そして優しく抱きしめられたエリンティアの腕も振り払う事はしなかった。
遠く彷徨っていた月が、久しぶりに帰るべき地平にたどり着いたことを、彼らは感じ、静かに見守っていた。
「ルイズ殿!」
帰り際、呼び止められた言葉にルイズは足を止めた。
「何でしょうか? マックス様?」
「歌はとても素晴らしかったである。で‥‥お願いがあるのである」
自分を見つめる目に、心臓の音が不思議に大きくなるのをなんとか止めながらマックスは、ルイズに告白をした。愛のではまだ無い。
「我が輩の、絵のモデルになっては下さるか?」
「‥‥機会がありましたら、喜んで」
あからさまなまでに嬉しそうな顔を、彼は見せるとまた、真面目な顔を作った。
「我が輩も考えたのである。言葉だけでなく思いを伝える方法を、と。だが、言葉もまた大事である。だから」
だから、もう一度言い直すとマックスは強く目を前に向けた。
「語らおう、楽しかったことも、悲しかったことも」
「はい。ありがとうございます」
風が、荒涼たる冬の平原と、ストーンヘンジを吹き抜けていく。
その地に呼吸するのは自分とただ風のみ。
陽動で、こちらに敵が来ないかと見回りを申し出たディアッカ・ディアボロス(ea5597)は何事も無いことに深く深呼吸して、石の神殿を見つめた。
魔法でも技術でも今の人は作れぬこの遺跡。一体誰が作ったのだろうか。一体何の為に?
それを知り、答える者はまだ、居なかった。
「太陽の、一族が戻ってきたら‥‥ですか?」
ルイズは領主や、司祭の手伝いをしながらふと冒険者からの問いを考えた。
古くは、宿敵とまで伝えられていたらしいが母から伝えられた記憶にそんな言葉は無い。
「一体、どんな方達なのでしょうか‥‥」
「ルイズさん、こちらをお手伝い頂けますか?」
「はい」
とりあえず出会うことがあったらその時に。
そう考えて彼女は記憶の扉を閉じて、現実に向かって歩き出した。
かくて、古き月の血筋はソールズベリに戻った。
それがどんな運命をこの地にもたらすのか。
未来を指し示す太陽との出会いまで、まだ暫しの時が必要である。