<五輪祭>子忍の章

■シリーズシナリオ


担当:ゆうきつかさ

対応レベル:3〜7lv

難易度:易しい

成功報酬:2 G 4 C

参加人数:15人

サポート参加人数:-人

冒険期間:09月26日〜10月01日

リプレイ公開日:2004年09月29日

●オープニング

●五輪祭
 我ら河童忍軍は未曾有の忍者不足に陥っている!
 4年に一度開かれていた『五輪祭』も参加者不足で未だに開催されていない。
 にも拘らず若い河童達はキュウリ泥棒に明け暮れている毎日だ!
 こんな状況が許されていいのか!
 ‥‥答えは否!
 我ら河童忍軍の伝統を絶やさぬためにも、『五輪祭』を開催せねばならんのだっ!
 例えそこに河童でないものがいたとしても‥‥。

 ‥‥五輪祭。
 それは河童忍軍の間で互いの技を競い合う祭り!
 河童忍軍は競技の審判を務める『麒麟衆』を頂点に『玄武衆』、『白虎衆』、『青龍衆』、『朱雀衆』の5衆が存在し、五輪祭にむけて各地に散らばり任務を遂行しながら己の技に磨き続けている。

 麒麟衆は純粋な河童だけが所属できるエリート忍軍。
 リーダーは九千坊と呼ばれる河童。
 キュウリの違いが分かる通な男。

 玄武衆は河童を愛す者達が所属する忍軍。
 河童以外の冒険者達も受け入れており、忍者であるかは拘らない。
 リーダーは亀の甲羅を背中に背負い、三日月の仮面を被った怪しい奴。
 変態と天才は紙一重である事を自ら証明したいらしい。
 誰かのツッコミがなかった場合は、夕日にむかって泣きダッシュ。

 青龍衆は実力のある者ばかりが所属する忍軍。
 河童以外の者も多数所属しており、任務に失敗した者にはキツ〜イお仕置きが待っているとか。
 リーダーはゴルゴと呼ばれるハードボイルド系の河童で、首に巻いた赤い布がトレードマーク。

 白虎衆はビジュアル重視の忍軍。
 表向きは旅芸人の一座をしているおり、色仕掛けなどを得意としているらしい。
 リーダーは河童の女性で、西洋文化を愛している。

 朱雀衆は異国の者達を中心に集められた忍軍。
 リーダーだった河童が亡くなったため、愛人だった女性がリーダーに。
 彼女は中華系の巨乳美女。
 甘い言葉で誘惑するぞ!

●子忍の章
「子忍の称号を得るためには、我々の出す試練を乗り越える必要がある。称号を得る事の出来る者は上位3人まで。順位によっては所属している忍軍にもポイントが入る。無所属の奴に参加権はないから覚悟しろ。また競技の審査は我々麒麟衆が担当する。河童以外のものが審査員に紛れ込んでいたら、それなりの処罰が待っているため覚悟しておくように」
 麒麟衆から派遣された忍者が冒険者達に睨みを利かす。
 各忍軍がギルドに出向き冒険者達を雇ったらしく、参加者の中には訳も分からず連れて来られた者も多い。
「また勝者のいる忍軍には石版の破片が与えられる。この破片は全部で12片ほど存在し、十二支の動物が彫られた物だ。この破片をより多く集めた者が五輪祭の勝者となる!」
 いまいち状況がつかめない冒険者達を前にして、麒麟衆の忍者が拳を握って熱く語る。
「最初の試練は子忍の試練! お前達には忍者屋敷に潜入してもらい、最初に宝を手に入れた者が勝者となる! 競技の開催日まではまだ時間があるから気合を入れて頑張れよっ!」
 そう言って麒麟衆の忍者は不気味な笑みを浮かべるのであった。

●今回の参加者

 ea0031 龍深城 我斬(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea0042 デュラン・ハイアット(33歳・♂・ナイト・人間・ビザンチン帝国)
 ea1050 岩倉 実篤(37歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea1628 三笠 明信(28歳・♂・パラディン・ジャイアント・ジャパン)
 ea2476 南天 流香(32歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea2497 丙 荊姫(25歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea2657 阿武隈 森(46歳・♂・僧兵・ジャイアント・ジャパン)
 ea2722 琴宮 茜(25歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea2841 紫上 久遠(35歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea3055 アーク・ウイング(22歳・♂・ウィザード・人間・ロシア王国)
 ea3511 柊 小桃(21歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3809 山浦 とき和(33歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea3829 跳 夏岳(33歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea4568 錬 金(64歳・♂・僧兵・ドワーフ・華仙教大国)
 ea5899 外橋 恒弥(37歳・♂・浪人・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

「朱雀衆は異国の人が多いらしいけど、どんな顔ぶれなのかな?」
 辺りをキョロキョロと見回しながら、アーク・ウイング(ea3055)が朱雀衆の面々を探す。
 五輪祭に参加する者達は自分の所属するチームの鉢巻を巻いているため、ぱっと見ただけでも何処のチームに所属しているかすぐ分かる。
「何だか胸躍るよね♪ よっし、頑張って子忍の称号を手に入れるぞ!」
 同じチームの仲間がいたため、跳夏岳(ea3829)がニコリと笑う。
 玄武衆以外はバランスよく振り分けられているため、参加者達にそれほど緊張感は無いようだ。
「白虎衆は見た目と西洋文化ですか。わたくしでも大丈夫ですかね? あちらのお酒に興味があるので」
 受付で白虎衆の鉢巻をもらい、南天流香(ea2476)が首領を探す。
 首領によってはあまり表に出たがらないため、広い会場の中から探し出すのは難しい。
「河童忍軍の祭典ねぇ。面白そうではあるな。暇潰しに参加してみるか」
 青龍衆首領の真似して、岩倉実篤(ea1050)が越後屋手拭いを首に巻く。
「しかし、何故に河童の忍軍なんだ。‥‥何か作為的なものを感じるな。だが、まあいい。こういう面白いことは存分に楽しませてもらおう」
 嫌な予感が脳裏を過ぎり、デュラン・ハイアット(ea0042)が辺りを睨む。
 妙にキナ臭い雰囲気がするものの、今は何の根拠も無いため動きようがない。
「世の中、昨今、嫁不足、子不足、忍者不足! 未来のジャパンの為にも、このとき和姐さんが一肌脱ごうじゃないか! ‥‥って、誰だい! 前後が解らないって言った奴は! どっちが前か解るように首に鈴をつけてやってんだろう? こっちが前だよ。ま・え!」
 くのいちの格好で五輪祭に参加し、山浦とき和(ea3809)が自分の胸をぽふりと叩く。
「あ、この間のエロガッパ発見!」
 以前の依頼で関わった事の河童を見つけ、とき和がいきなり背後から近づき甲羅を優しく撫でまわす。
「ゆ、許してカッパ! もう悪い事はしていないカッパ!」
 必要以上に怯えながら、河童が彼女に土下座する。
「ねえ見てやってよ〜。玄武衆の一員って意気込みに、鉢金に三日月を書き入れてきたんだよ? ほらお揃い〜☆ それにしても‥‥可愛いじゃないのさ、この甲羅! 中はどうなってるんだぃ?」
 無意味にあちこちをつつき、とき和がニコリと微笑んだ。
「それだけは勘弁カッパ!」
 大粒の涙を浮かべ、河童がダッシュで逃げていく。
「あら、もう帰っちゃうの。‥‥残念ねぇ」
 パタパタと手を振りながら、とき和が河童の背中を見送った。
「そういや青龍衆の首領って何処だ?」
 首領の姿が見当たらないため、龍深城我斬(ea0031)が辺りを探す。
「命が惜しいのなら‥‥後ろを向くな」
 突然、背後から声が聞こえ、我斬が警戒した様子で息を飲む。
「‥‥警告か?」
 日本刀に素早く手を掛け、我斬がボソリと呟いた。
「いや、癖だ。俺の命を狙う奴がいるんでな」
 物陰に隠れて様子を窺い、青龍衆の首領がニヤリと笑う。
「‥‥分かった。後ろは振り向かない」
 納得した様子で頷きながら、我斬が黙って刀をしまう。
「それでは健闘を祈る」
 そして青龍衆の首領は気配を消した。
 まるで最初から誰もいなかったかのように‥‥。

「まさか壁に油が塗られているとは‥‥」
 困った様子で壁を見つめ、三笠明信(ea1628)が溜息をつく。
 油でヌルヌルしているため、途中で何度も落ちてしまう。
「これじゃ、なかなか上れませんね」
 額に浮かんだ汗を拭い、琴宮茜(ea2722)が再び挑戦する。
「そんな事はない。こうやって気合を入れれば‥‥ほらな」
 ようやく壁を登りきり、デュランがその場に倒れこむ。
「リトルフライを習得しておけばよかったかな」
 同じ忍軍の人に手を貸してもらい、アークが何とか壁を上っていく。
「うおおおー、何じゃ坂こんな坂ーーーー!」
 雄たけびを上げて壁を登り、錬金(ea4568)が勢いあまって屋敷の屋根に着地する。
 その豪快さに審査員も感動し、金に1ポイントを与えて涙を流す。
「やっぱり最初が肝心よね」
 鉤爪のついた縄を投げ、とき和が余裕で上って行く。
 ここに罠があると思っていたため、すぐに対応できたらしい。
「みんな考えている事は同じですね」
 とき和と同じように鉤爪つきのロープを投げ、丙荊姫(ea2497)がクライミングスキルで壁を上る。
「ここは楽勝だったな」
 邪魔な連中の足を掴んで引き摺り下ろし、阿武隈森(ea2657)が別の忍者にぶち当てた。
「ちょっと! 気をつけてよね!」
 不満そうに森を睨み、柊小桃(ea3511)が頬を膨らませる。
「‥‥悪く思うな。これも勝負だからな」
 高笑いを上げながら、森が壁を上っていく。
「それじゃコイツの出番だな。‥‥アレ? 何処だっけ?」
 バックパックの中をゴソゴソと漁り、我斬が龍叱爪を取り出し両手にはめる。
「‥‥こんな事ならすぐに取り出せるようにするべきだったな」
 なかなか縄ひょうが見つからないため、実篤がバックパックの中を探す。
 他の試練に使用する道具もあるため、なかなか縄ひょうが見つからない。
「こういう時に道具は不便ですね」
 リトルフライを使って飛び上がり、流香が壁を越えていく。
「ひょっとして深読みしすぎたかな?」
 そんな中、夏岳は最初の予想が当たっているような気がしたため、壁を上りながら大粒の汗を浮かべるのであった。

「細い通路ってものはトラップの伝道だぜ、きっと」
 どんな罠にも対応できるようにするため、紫上久遠(ea2841)が作戦を練る。
 目の前の通路はひとりずつしか通る事が出来ないため、何かトラップがあった場合は一気に出遅れてしまうだろう。
「壁からなんか出てくるんだ、絶対に!」
 久遠の背中に慌てて隠れ、デュランがゴクリと唾を飲む。
「‥‥こういう場合は槍襖がお約束かね?」
 あちこちの壁に妙な穴があいていたため、我斬が必要以上に警戒する。
「一気に走りぬけたらグサリでしょうね」
 嫌な予感が脳裏を過ぎり、明信が大きな溜息をつく。
「だったら迂闊な行動は出来んな!」
 腹の底から声を出し、金が険しい表情を浮かべて腕を組む。
「でも進まなきゃ駄目だよね?」
 小石を何度か放り投げ、アークがしばらく様子を窺った。
「‥‥考えるより走った方が速いか」
 風読みを使って辺りの空気を読みながら、外橋恒弥(ea5899)が警戒した様子で辺りを睨む。
「悪いな! 先に行くぜ!」
 後ろを振り向きコアギュレイトの魔法をかけ、森が捕縛した参加者で壁を作って走り出す。
「仲間まで巻き込んでどうする!」
 参加者達の隙間を潜り抜け、実篤が全速力で通路を抜ける。
「何だか面倒な事になったな」
 迷う事なく走り出し、夏岳が転んだ参加者達を飛び越えた。
「罠があったらおしまいだね」
 足元を注意しながら、小桃が通路を進んでいく。
「‥‥その時はその時ね」
 濡れたタオルを口に巻き、流香が通路を進む。
「どうやらフェイクのようですね。通路には何のトラップもありません」
 そして茜は自分の通った通路を見つめ、大きな溜息をつくのであった。

「音が鳴ったらどうなるのかな? 槍でも降ってくるのかなあ」
 床にむかって小石を投げ、恒弥が反応が出るまで待つ。
「‥‥踏んだ途端に床が爆発するわけではないようだな。それとも重さが足らないのか?」
 何か嫌な予感がしたため、我斬が他の参加者達を蹴り飛ばす。
 それと同時に床から大きな音が鳴り、参加者達が慌ててその場から逃げ出した。
「大丈夫なのかな? 物凄く怖いけど‥‥」
 確認のため小石を床にむかって放り投げ、アークがつま先から踵にかけて床を踏むようにして歩く。
「これが踏んだら音がするって言う『不如帰張り』の床だね? 大丈夫だよ、こうすれば♪」
 周りの鴨居にぶら下がり、夏岳が足音を立てないようにして進む。
「要は床を踏まなければいいんだな」
 リトルフライを使い、デュランが夏岳の後に続く。
「‥‥甘いわね。お尻がガラ空きよ。もちろん老若男女関係なしっ!」
 両手を合わせて人差し指をピンと立て、とき和がデュランの尻に突き刺した。
「ぐおっ‥‥、なんて事を」
 信じられない様子でとき和を見つめ、デュランがその場に蹲る。
「ちょっ、ちょっと本気なの!?」
 さすがに身の危険を感じたため、流香がリトルフライを解除しとき和を睨む。
「‥‥これもまた運命よ」
 何処か遠くを見つめながら、とき和が妖しく口元を歪ませる。
「足音を立てないように進むしかないようですね」
 身の危険を感じたため、荊姫が忍び足を使って床を進む。
「ふっ、昔から言うじゃろう。『木を隠すには森の中』‥‥つまり、鳴る床が怖ければ物音を立てながら歩けば良いだけの事っ!!
 言葉どおりドタバタと足音を立てながら、金が堂々とした様子で音の鳴る床を歩いていく。
「随分と根性があるな。だったら俺も負けられねぇ」
 邪魔な参加者達を殴り飛ばし、森が音の鳴る床を突き進む。
「何の罠も無いようですね」
 安心した様子で床を見つめ、明信がホッとした様子で溜息をつく。
「‥‥単なる脅しでしたか」
 床をミシミシと鳴らし、茜が辺りを見回した。
 ‥‥やはり何も起こらない。
「音が鳴る床って忍者屋敷では当たり前のものなんだよね」
 全く怖がる様子もなく、小桃が平然とした顔で床を歩く。
「しかし、見事な鶯張りだな」
 そして実篤は床の音を楽しみながら、淡々とした様子で先に進むのだった。

「ご飯いっぱいだ〜!! こーゆーのって怪しそうに見えて、全然怪しくなかったりするんだよね〜」
 目の前の料理を全く警戒する事なく、小桃が美味しそうにパクパクと食べていく。
「やっぱり胡瓜は最高だな」
 味噌と蜂蜜をつけて胡瓜を食べ、我斬が食事を堪能する。
 どれも最高級の食材を使っているためか、全く箸が止まらない。
「物凄く美味しいけど‥‥罠じゃないよね?」
 出された料理が美味いため、アークが警戒した様子で箸を止めた。
「全部が罠じゃないって事さ」
 刺身や肉などの食べ物を避け、森が料理を食べていく。
「‥‥私は遠慮しておきます」
 呆れた様子で周りを見つめ、茜が黙って視線を逸らす。
「でも食べなきゃ失格なんだろ? 何かひとつは食べないとね」
 茜が食べるのを待ってから、とき和も料理を食べ始めた。
「あまり食べる気がしませんが‥‥」
 目の前の料理を箸で掴み、流香がひとくちだけ食べる。
「タダより怖いものはなしってか。そろそろこっちが疲れてきた所にあからさまに豪華な食事。怪しいって言ってるようなもんだと思うが‥‥」
 食べたフリしてコッソリ落とし、久遠が料理をなるべく口にしない。
「キュウリ以外の食べ物には興味無いしあんまり食べないからな。別にこれだけでも問題は無いんだろ?」
 美味しそうに胡瓜をかじり、恒弥が余裕の笑みを浮かべる。
「それじゃ、私も胡瓜を食うか。これが一番無難そうだしな」
 ポリポリと胡瓜をかじり、デュランが黙って箸をおく。
「本当なら何も口にしたくは無いのですが‥‥」
 険しい表情を浮かべながら、明信が胡瓜を一口だけかじる。
「こんなの楽勝だよ♪」
 審査員に気づかれないようにして料理の盛られた皿をすり替え、夏岳が空になった皿を掲げてニコリと笑う。
「‥‥ん? これは!? シェフを呼べ!」
 くわっと表情を険しくさせ、金が皿を片手に立ち上がる。
 しかし料理人は現れず、時間だけが過ぎていく。
「まぁ、座れ。腹が減っては戦が出来ぬというからな。とりあえず喰え」
 そんな中、実篤は料理の中に遅効性の毒が仕込まれている事に気づき、クスリと笑って酒を呑むのであった。

「宝箱が無防備に置かれてるなんて絶対怪しいよ!! 周りに落とし穴あったり、宝箱が妖怪だったりするんだから!!」
 警戒した様子で宝箱を睨みつけ、小桃が慎重に罠を外していく。
「フフフフフフフフ。全ては予定通りだ‥‥」
 不敵な笑みを浮かべながら、デュランが宝箱のトラップを作動させる。
 鍵穴から飛び出した針はデュランの眉間に当たり、ふしゅーっと勢いよく血を流す。
「やっぱり罠が仕掛けられているみたいだね。でも‥‥解除する事が出来ない」
 箸を使って鍵穴をガチャガチャとやり、夏岳がトラップを発動させ眉間にプスリと針が刺さる。
「‥‥面倒だな。てやっ!」
 六角棒でガンガン叩いた宝箱を壊し、森が子忍の巻物を手に入れた。
「鍵はこうやって開けるのですよ」
 鍵穴に針金を突っ込み、荊姫が罠を解除する。
「古典的な手だよな」
 わざと毒針を飛ばし、久遠が宝箱の鍵を開けた。
「やはりそうか。仕掛けが分かれば簡単だ」
 タガーを使って宝箱を抉じ開け、実篤が子忍の巻物を手に入れる。
 ここにまで実篤は適切な判断をしてきたため、追加で1ポイントプラスされた。
「ふっ‥‥わしに任せておけ」
 待っていましたとばかりに宝箱を睨みつけ、金が力任せに宝箱を殴って壊す。
「考えてみたら、それもありだよな」
 宝箱を持ち上げ、我斬が放り投げて破壊する。
「毒針だけならこれもいけますね」
 バーストアタックを放ち、流香が宝箱を粉々に砕く。
「ここはお約束」
 宝箱の横から後ろに回りこみ、茜が錠前をカチリと外す。
「これで試練も終わりですね。何とか罠は解除しましたが‥‥」
 高々と巻物を掲げ、明信がホッと溜息つく。
「一体何処が勝ったんだろ?」
 毒針の飛んだ宝箱の鍵を開け、アークが頭の中で計算する。
「どうやら俺達のチームらしいな」
 そして森は圧倒的な勝利を収め、みごと子忍の称号を得るのであった。

・結果発表
<青龍衆> 子の欠片を入手
阿武隈森       15    1位
岩倉実篤        5+1  3位
丙荊姫         0    9位
龍深城我斬      −2   11位
総合ポイント     19

<玄武衆>
山浦とき和       8    2位
紫上久遠        2    7位
錬金          1+1  7位
外橋恒弥       −5   14位
総合ポイント      7

<白虎衆>
琴宮茜         5    4位
柊小桃         3    6位
南天流香       −4   13位
総合ポイント      4

<朱雀衆>
三笠明信        5    4位
跳夏岳         0    9位
アーク・ウイング   −3   12位
デュラン・ハイアット −5   14位
総合ポイント     −3

<各首領のお言葉>
青龍『ふっ‥‥、当然の結果だな』
玄武『次は逆転勝利だぜ!』
白虎『‥‥(あまりのショックで倒れてしまう)』
朱雀『く、くやしぃ〜!』