丑忍の章

■シリーズシナリオ


担当:ゆうきつかさ

対応レベル:2〜6lv

難易度:普通

成功報酬:2 G 3 C

参加人数:15人

サポート参加人数:-人

冒険期間:10月13日〜10月18日

リプレイ公開日:2004年10月15日

●オープニング

●五輪祭
 我ら河童忍軍は未曾有の忍者不足に陥っている!
 4年に一度開かれていた『五輪祭』も参加者不足で未だに開催されていない。
 にも拘らず若い河童達はキュウリ泥棒に明け暮れている毎日だ!
 こんな状況が許されていいのか!
 ‥‥答えは否!
 我ら河童忍軍の伝統を絶やさぬためにも、『五輪祭』を開催せねばならんのだっ!
 例えそこに河童でないものがいたとしても‥‥。

 ‥‥五輪祭。
 それは河童忍軍の間で互いの技を競い合う祭り!
 河童忍軍は競技の審判を務める『麒麟衆』を頂点に『玄武衆』、『白虎衆』、『青龍衆』、『朱雀衆』の5衆が存在し、五輪祭にむけて各地に散らばり任務を遂行しながら己の技に磨き続けている。

 麒麟衆は純粋な河童だけが所属出来るエリート忍軍。
 リーダーは九千坊と呼ばれる河童。
 キュウリの違いが分かる通な男。

 玄武衆は河童を愛す者達が所属する忍軍。
 河童以外の冒険者達も受け入れており、忍者であるかは拘らない。
 首領は亀の甲羅を背中に背負い、三日月の仮面を被った怪しい奴。
 変態と天才は紙一重である事を自ら証明したいらしい。
 誰かのツッコミがなかった場合は、夕日にむかって泣きダッシュ。

 青龍衆は実力のある者ばかりが所属する忍軍。
 河童以外の者も多数所属しており、任務に失敗した者にはキツ〜イお仕置きが待っているとか。
 首領の名はゴルゴ。
 ハードボイルド系の河童で、首に巻いた赤い布がトレードマーク。

 白虎衆はビジュアル重視の忍軍。
 表向きは旅芸人の一座をしているおり、色仕掛けなどを得意としているらしい。
 首領は河童の女性で、西洋文化を愛している。

 朱雀衆は異国の者達を中心に集められた忍軍。
 首領だった河童が亡くなったため、愛人だった女性が首領になった。
 彼女は中華系の巨乳美女。
 甘い言葉で誘惑するぞ!

●丑忍の章
「丑忍の称号を得るためには、我々の出す試練を乗り越える必要がある。称号を得る事の出来る者は上位3名まで。順位によっては所属している忍軍にもポイントが入る。無所属の奴に参加権はないから覚悟しろ。また競技の審査は我々麒麟衆が担当する。河童以外の者が審査員に紛れ込んでいたら、それなりの処罰が待っているため覚悟しておくように」
 麒麟衆から派遣された忍者が冒険者達に睨みを利かす。
 各忍軍がギルドに出向き冒険者達を雇ったらしく、参加者の中には訳も分からず連れて来られた者も多い。
「また勝者のいる忍軍には石版の破片が与えられる。この破片は全部で12片ほど存在し、十二支の動物が彫られた物だ。この破片をより多く集めた者が五輪祭の勝者となる!」
 いまいち状況がつかめない冒険者達を前にして、麒麟衆の忍者が拳を握って熱く語る。
「次の試練は丑忍の試練! 他の試練に比べて運の要素が強くなっている。覚悟しておけよ」
 そう言って麒麟衆の忍者は不気味な笑みを浮かべるのであった。

●今回の参加者

 ea0031 龍深城 我斬(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea0042 デュラン・ハイアット(33歳・♂・ナイト・人間・ビザンチン帝国)
 ea0282 ルーラス・エルミナス(31歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea1628 三笠 明信(28歳・♂・パラディン・ジャイアント・ジャパン)
 ea2476 南天 流香(32歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea2478 羽 雪嶺(29歳・♂・侍・人間・華仙教大国)
 ea2497 丙 荊姫(25歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea2657 阿武隈 森(46歳・♂・僧兵・ジャイアント・ジャパン)
 ea2722 琴宮 茜(25歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea2841 紫上 久遠(35歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea3511 柊 小桃(21歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3809 山浦 とき和(33歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea4568 錬 金(64歳・♂・僧兵・ドワーフ・華仙教大国)
 ea5298 ルミリア・ザナックス(27歳・♀・パラディン・ジャイアント・フランク王国)
 ea5899 外橋 恒弥(37歳・♂・浪人・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

●闘牛試練
「前回は惜しくも2位に終わったが、ここで遅れを取り戻すぜ!」
 拳を高々と掲げ、玄武衆の首領が雄叫びを上げる。
「三日月の仮面とは変わった趣味ですね。しかし、仮面を被っているという事は、首領の愛する物は、正義、それともイギリスの脅威となっている変た‥‥いえ、これ以上は止めておきます」
 危うく首領を『変態』と言いかけたため、ルーラス・エルミナス(ea0282)が慌てた様子で首を振る。
 玄武衆奥義『おいなりクラッシュ』を喰らう危険があるため、首領の前で変態という言葉は禁句らしい。
「いま変態って言わなかったか!?」
 指の関節をパキポキと鳴らし、玄武衆の首領がルーラスに迫る。
「いえ、気のせいです。忘れてください」
 これ以上、首領を怒らせないようにするため、ルーラスが気まずい様子で視線をそらす。
「フォォ‥‥それならいいんだが‥‥」
 妙な封印でも解くつもりでいたのか、玄武集の首領が妙な声を出して頷いた。
「なんだか狙われているようだな。試練中に妨害される事はないと思うが注意しておこう」
 前回の試練で子忍の称号を得た事もあり、阿武隈森(ea2657)が警戒した様子で辺りを睨む。
 森の所属している青龍衆は前回の優勝チームであるため、他の参加者達から敵対心を持たれている。
「‥‥作戦は考えているのか?」
 いつの間にか森の背後に現れ、青龍衆の首領が腕を組む。
「最初から全ての試練に全力を以って取り組み、圧倒的な力で勝つのが望ましいのは確かだが、それはあくまで理想論だ。もし立て続けに青龍衆が勝ってしまったとしたら、残り3つの忍軍が一時的にせよ結託し、次の試練からは青龍叩きをするのは目に見えている。相手が一勢力の場合はともかく、複数勢力が互いに叩き合う状況下で、ひとつの勢力が突出するのは好ましくない。正直、今回は負けてもいいと思っている」
 決して後ろを振り向く事なく、森が小声で答えを返す。
「‥‥そうか。健闘を祈る」
 納得した様子で顎をさすり、青龍衆の首領が再び気配を消した。
「随分と余裕がありますね」
 瞳をキラリと輝かせ、琴宮茜(ea2722)がニコリと笑う。
 会話の内容までは聞こえなかったようだが、森達の事を少し警戒しているらしい。
「そりゃあ、そうだろ。よほど失敗をしない限り、俺達に負ける事はないからな」
 会場に運ばれた壁をじーっと見つめ、紫上久遠(ea2841)が自分自身に気合いを入れる。
 壁のひとつに鉄板が仕込まれているという話だが、ざっと見ただけではそれがどれだか分からない。
「忍者とは『心に刃を持つ者』だとか。己を常に研ぎ澄ますべく競技を行うというのも実に頷ける話だ。感服致した」
 所属しているチームが最下位という事もあり、ルミリア・ザナックス(ea5298)が壁を睨む。
「いよいよ、試練の始まりかぁ〜。今回は頑張るよ〜。‥‥でもハズレたらゴメンね〜」
 一瞬、妙な不安が過ぎったため、外橋恒弥(ea5899)がパタパタと手を振った。
「それじゃ、試練を始めるぞ。ヨォーイ、フォォ‥‥」
 間の抜けるような声を出し、麒麟衆の審判が奇妙な声を上げる。
 それと同時に参加者達が一斉に走り出し、目の前の壁を突き破っていく。
「闘牛、久しくチャージングを使っていないので、何やら突貫をして見たくなりました。オーラパワー全開、突貫行きます」
 ショートソードにオーラパワーを付与し、ルーラスがチャージングを使って目の前の壁を突き破る。
 壁と壁の間には少し距離があるため、加速をつけるとちょうどいい。
「‥‥飛ばしすぎだな。これは速さを競う競技ではない」
 冷静に試練の内容を分析し、森が少しだけペースを落とす。
「ここは下手に危ない賭けをする必要は無いでしょう」
 確実に得点を稼ぐため、茜が慎重に進んでいく。
「そんなんじゃ、俺に勝つ事はできないぜ〜」
 審判達から特別ポイントをゲットするため、久遠が気合いを入れて目の前の壁をブチ破る。
「いっくよ〜!! 突撃っ!!」
 壁にむかってグラビティキャノンを叩き込み、小桃がダッシュでガンガン進む。
「この様子だとみんな高得点狙いかな? 俺も頑張ろうっと」
 余裕の笑みを浮かべながら、恒弥がのんびり進む。
「ぜやぁああぁーー!! ちぇりゃぁああーーー!! でゃあぁあーーー!!!!」
 奇跡の十枚抜きを達成させるため、ルミリアがオーラパワーを使用後バーストアタックEXとスマッシュEXで、壁をぶった斬りながら突進した。
 その根性に審査員達が感動し、惜しみない拍手を送る。
「ここで止めておきましょう」
 5枚目の壁を破らずピタリと止まり、ルーラスが審査員達に頷いた。
「ま、今回はこんなモンだろ?」
 ルーラスと同じように5枚目で止まり、森がその場にしゃがみ込む。
「みんな考えている事は同じですね」
 5枚目の手前で立ち止まり、茜がほっと胸を撫で下ろす。
 あまり手前で止まった場合、根性なしと判断される可能性もあるため、5枚目で止まって正解らしい。
「よっしゃ、狙い通りだぜ♪」
 茜達のいる壁より先に進み、久遠が6枚目の手前で止まる。
「‥‥あれ? まだ鉄板じゃないの?」
 6枚目の壁で立ち止まり、小桃が大粒の汗を浮かべて驚いた。
「それじゃ、俺が一番かな」
 7枚目の壁まで突き破る事が出来たため、恒弥が満足した様子で笑みを浮かべる。
「ふぎゃ! くっ‥‥、やはりまだ修練が足りぬ‥‥」
 8枚目の壁に仕込まれていた鉄板に激突し、ルミリアが鼻血を吹いて気絶した。
 一応、審判達からボーナス点をもらったが、−4になっただけなのであまり喜べない。
「勝負の結果、丑忍の称号は恒弥のものだ。これから胸を張って生きるがよい!」
 そして審査員達は恒弥の事を褒め称え、惜しみない拍手を送るのだった。

●乳牛の試練
「はぁ〜い、玄ちゃん、元気してた?」
 くのいち装束に三日月を書き入れた鉢金を頭に巻き、山浦とき和(ea3809)が脳天気な声を上げる。
「俺を玄ちゃんって呼ぶんじゃねぇ! クロスアウトするぞ!」
 意味不明な言葉を呟き、玄武衆の首領がとき和を睨む。
「良いじゃないか〜玄武の玄ちゃん♪ 嫌だったら名前を教えておくれよ‥‥。黙って聞いてあげるか・ら。でも余りに似合わない場合は『そんなアホな!』って突っ込むよ?」
 玄武の耳元で囁きながら、とき和がニコリと微笑んだ。
「げ、玄武だよ」
 恥ずかしそうに頬を染め、玄武が気まずく視線をそらす。
「それと甲羅の中身を見せてくれる気になったかぃ?」
 甲羅をツンツンとつつき、とき和が玄武の事をからかった。
「‥‥1位になったらな」
 うまい言葉が見つからず、玄武が大袈裟に咳をする。
「あっちはやる気のようだねぇ。あたいらも気合いを入れて頑張るよ」
 妖艶な笑みを浮かべながら、朱雀衆の首領がニヤリと笑う。
「まあ‥‥私は前回の競技から『忍者』そのものに関しては素質も技量もなく、限りなく遠い存在‥‥ではありますが、まだまだ修行不足の身ゆえに更なる強さとお金を求めて、今回も懲りること無く『朱雀州所属』で頑張ってみようかと思います」
 乳牛の試練に参加するため気合いを入れ、三笠明信(ea1628)が朱雀衆の首領にむかって頭を下げる。
 朱雀衆の首領は力強く頷くと、明信にむかって手を振った。
「どれも似たような感じね。‥‥難しいわ」
 似たような雰囲気のする乳牛を見つめ、南天流香(ea2476)が首を傾げてしばらく悩む。
 乳牛には1〜10までの数字が割り振られており、乳の出る牛を当てる事によって得点が入るようになっている。
「前回は全くお役に立てませんでしたので‥‥頑張ります」
 白虎衆の首領に声をかけ、丙荊姫(ea2497)が気合いを入れた。
 試練中は不正を防ぐため乳牛を触る事が出来ないため、遠くから見て判断するしか方法はない。
「それにしても大きな乳だね。‥‥って、別にお乳の張り具合が羨ましいとか、嫉妬とかで選択したんじゃないよ? こんな私だってさらしで寄せれば何とかなる! ううっ、この物悲しい気持ちは何だろうね。秋だからよね、きっと」
 ほろりと流れた涙を拭い、とき和が気を取り直して乳牛達を観察した。
 乳牛はどれも乳が張っており、何だか悔しくなってくる。
「‥‥困りましたね。まさか番号を選択しなくてはならないとは‥‥」
 どれも似たような牛のため、明信が困った様子で溜息をつく。
 少なくともマイナス評価だけは避けたいようだ。
「わたくしの運を信じる事にしましたわ」
 自分の予想した乳牛の番号を布に書き、流香が審査員に手渡した。
「乳牛のお腹を触る事が出来れば正解する自信があったんですが‥‥」
 みんな似たような事を考えていた事もあり、荊姫が不満げに審判員達に視線をむける。
 審判達は厳しい表情を浮かべており、いまさらルールを変更するつもりはないらしい。
「きっと当たりは2と9ね。干支の二番目は丑だし、牛と九って似てるだろ。はい、玄ちゃんココで突っ込んで! ボケには突っ込み必須!」
 サラサラと布に文字を書き、とき和が玄武にむかってウインクする。
「肉と29(ニク)をかけているな。‥‥ハズレだ!」
 悲しそうに涙を流し、玄武がとき和にむかってハリセンを放つ。
「少し手加減したね。私に気があるのかい? それとも女だから? どっちにしても嬉しいねぇ」
 玄武の耳元でボソリと囁き、とき和がクスクスと笑う。
「次は私の番ですね。多分これと‥‥これだと思うんですが」
 自分と目があった乳牛を選び出し、明信が審査員からの答えを待つ。
 その結果、正解とハズレを選んだため、得点を得る事は出来なかったようである。
「みんな苦戦してますね」
 4頭選択した牛のうち3頭がハズレだったため、荊姫が−2ポイントの評価を受けた。
「わたくしは自分を信じてます」
 審査員達を見つめながら、流香が祈るようにして結果を待つ。
「正解はふたつ。不正解はひとつ。よって勝者は流香!」
 審査員達の言葉を耳にして、流香がホッと胸を撫で下ろす。
 この結果、流香が見事乳牛の試練をクリアし、ふたりめの丑忍として麒麟衆に認められるのであった。

●食牛の試練
「ふむ、気になって調べたのだが‥‥5つの忍軍はそれぞれ麒麟を中央に四方を守る聖獣だという。そして、前回の『子』、今回の『丑』、干支とか言うやつだな。時間や方角を示すのにも使われる。そして、この五輪祭の4年という周期。やはり何かあるな。私も知らない何かが‥‥」
 険しい表情を浮かべ、デュラン・ハイアット(ea0042)が汗を流す。
 何か恐ろしい計画があるような気もするのだが、それが何なのかは分かっていない。
「まぁ、難しい事は抜きにしようよ。今は試練の事だけ考えよう」
 綺麗な河童達に応援され、羽雪嶺(ea2478)が気合いを入れる。
「‥‥前回は失態をサラしてしまったな」
 前回のお仕置きを思い出し、龍深城我斬(ea0031)が溜息をつく。
 朱雀衆の首領は容赦がないため、お仕置きもキツイものだったらしい。
「ふっ‥‥古よりよく言われるじゃろう。『据え膳喰わぬは恥』と。そう、男子たる者出された料理に背を向ける事など有ってはならーん。例え毒入りだと判っていても敢えて貪り食う、それが『漢』じゃ!」
 料理人のプライドにかけて、錬金(ea4568)が全種類最大量で食べる事を決意する。
 この事により食べるのを止めるまで得点が入る事になったのだが、それが別の意味で危険な状況を生む事となる。
「肉は‥‥先ずは肩肉からいってみようか。折角食うんなら、美味しくな。‥‥別に早食いって訳でもないんだろ?」
 大きめな石で竈を作って鉄板を置き、簡単な味付けをしてから、我斬が肩肉、バラ肉、肝臓、外もも肉の順に肉を喰らう。
「うっ‥‥、この下腹部を襲う激痛は‥‥」
 腹の中をかき回されるような激痛に襲われ、我斬が青ざめた表情を浮かべて厠まで這っていく。
「選択を誤ったな。だが、私の選択は完璧だ。フ‥‥!」
 肝臓、肩ロースの順に肉を食べ、デュランが無言になると我斬を飛び越え厠にむかう。
「みんな慎重になり過ぎだよ。僕は成長期だから食べないとね」
 ばら肉、肩ロースの順に箸で掴んで口の中に放り込み、雪嶺がだんだん表情を強張らせる。
「なんだろう‥‥。妖精さんが見えるや」
 身体をカタカタと震わせながら、雪嶺が必死で痛みを我慢した。
「何をモジモジしておるのじゃ! 男だったらもう少し堂々とせんか!」
 豪快な笑みを浮かべながら、金が雪嶺の肩をドカンと叩く。
「‥‥みんな、ごめん!」
 一気に緊張がゆるんだため、雪嶺がダッシュで厠に走る。
「‥‥駄目だ。内側から鍵が掛けられている!」
 何度も厠の扉を叩き、我斬が悔しそうに唇を噛む。
「腹の中で牛達が暴れておるのじゃ。これは呪いじゃ、牛達の!」
 壁を突き破るほどの勢いで、金が厠の扉を力まかせにぶっ叩く。
「漢には譲れない時がある。‥‥許せ!」
 厠がひとつしかなかったため、デュランが最後の力を振り絞り、自らの聖域を死守しようと試みた。
「ぬおおお! 我が丑忍の試練、一片の喰い残しなし!」
 我慢の限界を超えたため、金が厠を掴んで持ち上げ放り投げ、拳を高々と掲げて雄叫びを上げる。
「‥‥逝ったか」
 そしてデュランは一番ハズレが少なかったため、食牛の試練の勝利者として丑忍の称号を得るのであった。

・結果発表
<白虎衆>
柊小桃(ea3511)         4   7
琴宮茜(ea2722)         3   8
南天 流香(ea2476)       2  −2 乳牛試練勝者
羽 雪嶺(ea2478)       −1  −1
総合ポイント          12(+ 4)

<青龍衆>
阿武隈森(ea2657)        3  18
丙荊姫(ea2497)        −4  −4
龍深城我斬(ea0031)     −12 −14
総合ポイント           6(−13)

<玄武衆>
外橋恒弥(ea5899)        5   0 闘牛試練勝者
紫上久遠(ea2841)        4   6
ルーラス・エルミナス(ea0282)  3   3
山浦とき和(ea3809)      −4   4
錬金(ea4568)        −20 −18
総合ポイント          −5(−12)

<朱雀衆>
ルミリア・ザナックス(ea5298) −4  −4
デュラン・ハイアット(ea0042)  2  −3 食牛試練勝者
三笠明信(ea1628)        0   5
総合ポイント          −4(− 2)