七音:音の波間アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 7人
サポート 0人
期間 02/04〜02/06
前回のリプレイを見る

●本文

 それは東京にある一軒のライヴハウスから始まる話。
 そのライヴハウス『SevenSeas』のオーナーの子の名は、ライヴハウスの名前と同じ、七海。
 七海は現在中学生だ。
 家の一階はライヴハウス、ということで音には小さな頃から親しんでいる。
 そしていつかは自分も、このライヴハウスで‥‥
 これはそんな淡い想いを抱く少年と、このライヴハウスにやってくるものたちの紡ぐ、物語なのである。

●TVアニメ『七海の音』声優募集
 TVアニメの声優を募集致します。
 職業が声優であろうと、俳優であろうと、ミュージシャンであろうと、拘りはありません。

●番組内容
 プロを目指すものも、趣味でとどまるものも、色々な音楽のありようを描いていくロックアニメ。
 『七海の音』というのはライヴハウスの名前とかけてあり、七海自身が中心になって何かする、というよりも七海に影響を与えていく者たちが中心である。
 途中で歌も流れることもあり、愛憎劇もあり、夢に向かってもあり。
 さまざまなものを含んだアニメだ。
 全十二話中、十話目は、ライヴハウスを借りてダンスの練習をする双子アイドル。そこに他の面々も加わって‥‥
 七海少年は歌手でもあり声優でもある、杉山瑠伽が演じる。

●補足
 実名でアニメ参加の場合、今現在の知名度などがアニメ世界に反映。
 一人二役は基本的には認められませんが、ガヤとして参加は可。
 ちょっとした端役は監督さんが引っ張ってきます。
 アニメの中でグループを組むというのももちろん大丈夫。
 話の内容は時と場合により少しずつ変動すること有り。

●今回の参加者

 fa0073 藤野リラ(21歳・♀・猫)
 fa0079 藤野羽月(21歳・♂・狼)
 fa1376 ラシア・エルミナール(17歳・♀・蝙蝠)
 fa3398 水威 礼久(21歳・♂・狼)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)
 fa4131 渦深 晨(17歳・♂・兎)
 fa4133 玖條 奏(17歳・♂・兎)

●リプレイ本文

●ステージ上で
「店長、お願いがあるんですけど‥‥ちょっといいですか?」
「お、風雅か。何だ?」
 事務所を覗き込み、店長の姿を見つけ中へと入る風雅。
「ちょっとステージ貸してほしいんです。ダンスの練習するにもステージあったほうが気合が入るし‥‥」
「ああ、別にいいぞ。客がいないうちなら好きに使って」
「ありがとうございます!」
 ぺこりと勢いよく頭をさげて出て行く風雅。
 事務所をでると、そこには兄の辰樹がいた。
「どうだった?」
「OKでたよ」
「よし、それじゃあがんばろう!」
 いそいそとホールへ戻り、ステージの上へたつ二人。
 軽く音を流しながら手をふり足を上げてダンスの練習。
「ちょっとずれてるよ兄さん」
「あってるって!」
 もめつつ仲良く切磋琢磨しながら練習する風雅と辰樹に向けられる視線。
「あ、凛さん」
「あ、私の事は気にしないで続けて続けて♪」
 と、凛は言うのだが、ガン見。気にならないほうが、おかしい。
 ステージ脇に陣取って間近で生アイドルのダンスとミーハー心丸出しだ。
「‥‥凛さんも一緒にどうですか?」
「え、一緒に? いいの? いいなら新たな分野への挑戦‥‥無謀でもやってやるわ!」
「あ、凛さんもやるんですか? どうぞどうぞ」
 誘いの言葉に気合を入れてステージに上がる凛。二人の間に入っていつでもOKな状態。
 ここで二人からダンス指導。
「それじゃあこんな感じで‥‥足は右右左、左右」
「手は上むけて右左くるっとぱって感じで」
「こう、かな? え? あれ? このステップがこうで‥‥こ、こう?」
「右足と左足が逆ですね」
「あと手も逆かな」
「‥‥私には無理‥‥! 若い子にはついていけないわ‥‥」
 初めてまだ五分もたっていないが凛はギブアップ。
 向き不向きがやっぱりあるみたい、と笑う。
 そして練習再開する二人。
 その流れる音を凝視しながら聞いていた凛は、アコースティックギターを取り出しその音を耳コピーで奏で始める。
 即興で音にあわせて、重なる音。
「風雅、そろそろ休憩」
「あ、うん」
 一段落で休憩。風雅は凛の傍に行く。
「お疲れ様♪ やっぱり流石ねぇ」
「ギターってコードを覚えるの大変じゃないですか?」
「そうね、本来は千以上あって大変だけど‥‥実際使うのは限られてるし、最初はひたすら暗記でも、好きな事な分、歴史や数式覚えるより得意!」
 と、このコードとかと実践してみせる凛。
「なるほど‥‥だから凛さんでも大丈夫なんですね」
「‥‥それは如何な意味かしら?」
「深い意味は‥‥」
 助けて兄さん、と視線を送る。今までその様子を笑いながらみていた辰樹がまぁまぁと押さえに入る。
「風雅も楽器やってみたら? 俺はベース練習してる最中だし」
「楽器かぁ‥‥」
 と、そこでライヴハウスの扉が開く。
 やってきたのは葉月だ。
「あ、葉月さん! この前兄の勉強を見て下さったと‥‥それでもし迷惑でなければ今から俺の宿題に付き合ってもらえませんか? ちょっと微分積分がわからなくて‥‥」
「ああ、それはかまわない」
 どこからともなくすちゃっと眼鏡取り出し装着する葉月。教える気は満々だ。

●休憩の間
「はい、教科書開く! ノートも開ける! 重要な箇所、基本はマーカーひいて覚えるんだっ!」
「はい、ええと‥‥兄さん?」
「うっ!」
 冬休みのスパルタ授業を思い出し、逃げ出そうとしていた辰樹を風雅が笑顔で引き止める。
「あの悪魔のような記憶が‥‥!」
「好意を無駄にしちゃ駄目だよ」
「俺は自分でやるので今回は遠慮‥‥」
 ダッシュで逃走! しようとしたのだが。
 はしっと服の裾をひっぱられがくっと体が傾く。
 みると、葉月がにっこり笑顔で裾を握っていて。
「弟が勉強してるのに逃げるのは良くない」
 辰樹捕獲されおとなしく椅子に座らされる。
 そして授業開始。
 すると遠くから華の歌声が聞こえてくる。

「 銀縁眼鏡を光らせて〜今日も来るぜスパルタンH 必殺技だぜ『ハイ補習』 」

「‥‥スパルタじゃない、多分優しい筈だぞ」
「わかりやすいです。おかげで応用も解けたし‥‥兄さん?」
 隣でぷるぷるする兄をみて首をかしげる辰樹。
「‥‥あ‥‥」
「「あ?」」
「明日友達に写させてもらうからいいんだー!」
 ガターンと音を立てて椅子から立ち上がりダッシュする辰樹。その俊敏さに二人は反応できない。
「‥‥逃げられるかなとは思っていたんだが本当に逃げられたな」
「兄さんしょうがないなぁ‥‥」
「もうあと少しだし、やってしまおう。もうすぐでてきそうなお茶菓子を楽しみに、風雅さん」
「そうですね」
 真面目に宿題を進めること五分。葉月の言ったように華がいろいろ持参でやってくる。
 その後ろには逃走した風雅。
「題して『似全身パン立体ver.〜立たないパンは死んでいる〜」よ! どう!? すごいでしょう!? 立ってるの!」
「華の力作よ‥‥またすごいものを‥‥」
「ある意味芸術だ、お華さん」
「俺も手伝ったんだよ。宿題が地獄なら手伝いはまさに天国だった‥‥! おいしいし〜」
 ぱくっと他にもあったクッキーを食べる風雅。
 辰樹もひとつ手にとって。
「美味しそう‥‥いただきます」
「因にそっちのクッキーはパズルになってるの。つまみ食いすると数が合わなくなるから」
「パズル!? た、食べ‥‥ご、ごめんなさい」
「嘘。食べて良いよ、キラちゃん」
 ほっと一安心。華の手作りおやつを和気藹々。
 その、隅っこで。
「お華さん、日頃世話になってるから」
 はい、と葉月は手を差し出す。華はなんだろうとそれを受け取る。
「少々早いかもだが、バレンタイン代わりの、一口チョコ。あまり有り難味もないかも知れないが‥‥どうぞ」
「8月からチョコ‥‥バレンタイン普通逆じゃない?」
 でもありがとう、という華。
 良い雰囲気。

●練習は力なり
 お腹もいっぱいになり、またそれぞれ思い思いの活動開始。
 もちろん風雅と辰樹はまた舞台の上へ。
 と、いつの間にか凛の音に加えてベースの音が混じりだす。
 その音をたどるといつの間にかいた礼久が真面目にベース練習中。
 風雅たちの視線に気がついて、顔を上げる礼久。髪はぼさぼさでいつもと違う。
「あ、すまねぇ、しばらく休止していたバンド活動がやっと再開されたんでな、ここで練習してるんだ」
「そうなんですか‥‥」
「継続は力になる。続けて行くうちに出会った事は決して無駄にならないぜ。っと、ちょっと顔洗ってくるかな‥‥」
 ぼーっとし始めた頭をしゃっきりさせるために礼久は立ち上がる。
 自分も慢心せず、目標に向かって頑張ろうとまた決意を固くする風雅。自然と、練習にも熱がこもる。
 こうして幾日もステージを借りて練習する二人。
 この日の練習はライヴが終わった後にステージを借りて。
 今日あったライヴはラシアも出演しており、真面目な二人の姿をぼんやりと眺めていた。
「‥‥振り付けもダンスの一部っちゃあ一部だよなあ‥‥」
 風雅と辰樹、練習のさいにふと思いつく。
 二人そろってラシアの方に向き。
「ラシアさん、よかったら‥‥歌のコツとか練習法教えてくれませんか?」
「お願いします!」
「コツに練習法ねぇ‥‥なんか特別なことやってたっけか‥‥まあヴォイストレーニングだの発声だのって基本的なことは毎日やってるけど。後は回数と場数じゃないのかなあ」
 今あんたたちがやってるようにね、とラシアは付け足す。
「当たり前っちゃ当たり前だけど、基礎の積み重ねなしでレベルアップする奴なんていないし。いるとすれば変人か天才のどっちかじゃない? 何てにやりとしながら言ってみる。向こうがどう取るかまでは分からないけど。でも、まぁ基本くらいはちょっとみてあげれるよ」
「ありがとうございます!」
 二人声を重ねて礼。そして、ラシアの特訓が、始まる。
「本当はライブ中のステージに引っ張り上げて、乱入っぽく歌わせる、ちょいスパルタをしようかとも思うんだけど‥‥」
「今でも十分スパルタです」
「き、厳しいとは思ってたけど‥‥」
 こうして、ちょっとずつの積み重ねで、二人は成長していく。
「ほらほら、まだまだいけるだろ?」
「が、がんばりますっ‥‥!」

●二人からのお礼
「皆さんにいろいろと教えてもらったんで‥‥兄さんと話して僕らからもなにかってことになったんです」
「皆さんにありがとうございましたの意味を込めて俺らからパラパラ伝授です」
 流れる曲にあわせて振り付け。
 見ているほうが楽しいからパスといっていたラシアもリズムを取ったりする。
「七海、手は逆だよ、ほらほら」
「あれー」
「凛さん‥‥俺はもう何も言わないよ‥‥」
「辰樹、何故目を逸らすっ!?」
「‥‥ははっ」
 そんな楽しげな様子をこっそり見守りつつみていた店長。
 店長はあることを思いつく。
「ライヴ、一個全員に任せてみるかなぁ‥‥」

●CAST
風雅:玖條 奏(fa4133)

辰樹:渦深 晨(fa4131)
凛:千音鈴(fa3887)
華:藤野リラ(fa0073)
葉月:藤野羽月(fa0079)
七海:杉山瑠伽

水威 礼久(fa3398)
ラシア・エルミナール(fa1376)