七音:絶賛逃走中アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 9人
サポート 0人
期間 01/18〜01/20
前回のリプレイを見る

●本文

 それは東京にある一軒のライヴハウスから始まる話。
 そのライヴハウス『SevenSeas』のオーナーの子の名は、ライヴハウスの名前と同じ、七海。
 七海は現在中学生だ。
 家の一階はライヴハウス、ということで音には小さな頃から親しんでいる。
 そしていつかは自分も、このライヴハウスで‥‥
 これはそんな淡い想いを抱く少年と、このライヴハウスにやってくるものたちの紡ぐ、物語なのである。

●TVアニメ『七海の音』声優募集
 TVアニメの声優を募集致します。
 職業が声優であろうと、俳優であろうと、ミュージシャンであろうと、拘りはありません。

●番組内容
 プロを目指すものも、趣味でとどまるものも、色々な音楽のありようを描いていくロックアニメ。
 『七海の音』というのはライヴハウスの名前とかけてあり、七海自身が中心になって何かする、というよりも七海に影響を与えていく者たちが中心である。
 途中で歌も流れることもあり、愛憎劇もあり、夢に向かってもあり。
 さまざまなものを含んだアニメだ。
 全十二話中、九話目は、とある女性から逃げ回るとある青年を中心に話は展開していく。
 七海少年は歌手でもあり声優でもある、杉山瑠伽が演じる。

●補足
 実名でアニメ参加の場合、今現在の知名度などがアニメ世界に反映。
 一人二役は基本的には認められませんが、ガヤとして参加は可。
 ちょっとした端役は監督さんが引っ張ってきます。
 アニメの中でグループを組むというのももちろん大丈夫。
 話の内容は時と場合により少しずつ変動すること有り。

●今回の参加者

 fa0073 藤野リラ(21歳・♀・猫)
 fa0079 藤野羽月(21歳・♂・狼)
 fa1339 亜真音ひろみ(24歳・♀・狼)
 fa1376 ラシア・エルミナール(17歳・♀・蝙蝠)
 fa3092 阿野次 のもじ(15歳・♀・猫)
 fa3398 水威 礼久(21歳・♂・狼)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)
 fa4131 渦深 晨(17歳・♂・兎)
 fa4133 玖條 奏(17歳・♂・兎)

●リプレイ本文

●穏やかな時間と逃走中
 いつものように溜まり場となっているライヴハウス『SeavenSeas』では現在優雅なティータイム。
 流れる音は、葉月のギターと歌。歌いながら曲を直したりと、歌詞を変えてみたりと自分の音を探している。そして、時々満足げに頷いてはまた続けていく。
 そこへ華がふんふふーんと鼻歌歌いつつ、何か持ってやってくる。その顔は自信満々。
「華どうしたのー?」
「ふっふっふ、似顔クッキー好評につき、今度は全身バージョンを作ってみたわ‥‥因に皆の身長比も実物と同じ!」
「華ああああ!?」
「あのクッキーの‥‥」
「え、俺のも風雅のもあるんですか?」
 妙にリアルなクッキーをそれぞれ思い出す。
「さささ、皆じゃじゃんと試食してみてよ!!」
 葉月は受け取り、それを見る。
「‥‥ブッ! ゲホッゴホッ」
「ちょっと、8月汚い!!」
「いや、噴きそうになっただけだから‥‥」
 飲み物飲みつつ受け取ったのがまずかったな、と葉月は思いつつ改めてクッキーをみる。
「あ、葉月にーちゃん笑ってる」
「なんで笑ってるの、いきなり!」
 自分のクッキーをみてにこやか葉月。突然そうなった彼をみてびっくり。
「もう、なんなのよー」
 と、ばぁんと扉が開いて勢い良く駆け込んできたのは礼久だった。
 あたりを、きょろきょろとする。
「頭からでも足からでもずずいと‥‥ってお? 礼久兄丁度良い所に。似全身クッキー試食し‥‥」
「すまん、俺はここを通るだけだ! 裏口使わせてもらうぜ! あ、女性が俺を訪ねて来ても知らないと言ってくれ!」
 そしてダッシュ。
 あっという間にその姿を消す。
「‥‥女の人に追われてるってどういうことだろ‥‥危険な香り!? 何で追われてんの!? 見つかっちゃダメなの!? まさか幼馴染みの女の子とか親の決めた婚約者とか禁断の恋の相手とか‥‥!」
「お華さん」
「華」
「何?」
「「全部口に出して言ってる」」
「え!? あ、うっかり」
「うーん、女の人ってどんな人なんだろう‥‥」
「ふむ‥‥‥‥良いな、婚約者」
「婚約者!?」
 しばらく考えていた葉月がぽつっと呟き全員反応。どうしてそう飛躍したのと問い詰めが、始まる。

●捜索中
「まったく、どこにいったんだ」
「お姉さん探し物かね。目が泳いでるよ。当てがないなら占ってあげるけど」
 きょろきょろしながら道行くひろみに声をかけたのは、黒ゴスロリ衣装の死神少女。
 今日もゲリラライヴを絶賛決行中。
 え、と少しとまどうひろみに構わずホルスターから模造銃を抜くと、こめかみに当てる。
「ロシアに生まれたからにはロシアンるーれっと。たたたたたたたOH! YEAH!」
 くてっと倒れるまねをして、そして顔をあげる死神少女。
「金運は上々、健康運はラッキーカラーは赤。あと早春は何か色々物ほしくなるから欲張りに要注意だ。なぜなら私は通りすがりの死神見習いザギ・ザラギ。そうそう生と命、二つ併せてMP消費合計!! ‥‥って誰が死の呪文だ」
 ノリツッコミも華麗にこなし、そのままたたーっと死神少女は走り去る。
「‥‥さっきの方どこかでお見かけた気がするので思わず声をかけてしまったけど。このパターンですとどこかで縁がつながっていそうですわね。袖振り合うも他生の縁ということで」
 残されたひろみはなんだったんだろう、と思うが、今はそれよりも。
「このあたりでいけそうなところか‥‥」
 立ち止まり考えるひろみの隣に、一台のバイクが止まる。それに乗っていた人物は、ひろみも知っている人物、ラシア。最近なかなか時間がとれず『SeavenSeas』を久しぶりに訪れようとしていた矢先に出会う。
「あ、ラシア、弟を知らないか?」
「弟? その辺でバイトしてるのはよくみたけど‥‥最近はどうかは知らない。アシが必要ならバイク貸すよ、へこましたら怒るけど。行くところはすぐのところだし」
「バイトは‥‥ここら辺はだいたい見て回ったし‥‥どこいくんだい?」
「ん、SeavenSeasだよ、知ってるだろ」
「懐かしいね」
「あーもしかしたらそこにいるのもありえるかも」
 と、いうことで。

●捕獲大作戦始動!
「‥‥マスターの人脈って侮れないわよね」
 突如現れた有名人に、凛は色めき立つ。ミーハースイッチオン。
「お邪魔するよ、懐かしいね、この店も。弟を知らないか? 最近この店に出入りしてるって噂を聞いて来たんだが‥‥」
 弟? と、首ひねりつつ問い返す面々。
「とりあえず似顔絵!」
「似顔絵? うーん‥‥」
 さらさらさら。
「弟の特徴? こんな感じかな」
 七海が持ってきた紙にさらっと弟を描くひろみ。だがしかし、よくわからない。
「あ、目が似てると言われるし、偽名を名乗ってる可能性もある」
 そんなやり取りを、ブラックコーヒー飲みつつラシアは眺める。
「平和だね‥‥」
「こんにちわ、遅くなって‥‥あれ、何してるんですか?」
 暇を見つけやってきた辰樹に風雅がかくかくしかじか、説明をする。
 なるほど、と納得。
「あ、ラシアねーさん! コーヒーのお供にクッキーを!」
 華は気がついて、あのクッキーを差し出す。
「ありがと‥‥って、全身ってパワーアップしてるな」
 と、そこで凛が何かに、気がつく。
「あれ? それって誰かに似てるような‥‥まさかね」
 そして、華も。
「もしや、お探しの男はこの男ですか‥‥?」
「礼久! そっくりじゃないか‥‥」
 と、いうことは。
 合致する符号。
「な、ぬぁんですってぇぇぇ!? 姉弟ー!? 初耳よ初耳!!!」
「そ、そうなのか? 弟はあの調子だ。周りに迷惑掛けてないか? それが心配なんだ‥‥そうだ、礼久を捕まえてくれたらお礼にあたしの行き付けの店のスィーツを奢ろう、それで協力してもらえないか?」
「「のった!!!!」」
 甘いものは、やっぱり好き。
「イエッサー! クレイス捜索隊出発します!! あ、携帯教えてください、みつけたら連絡するので!」
「礼久さんって葉月さんと合わせて何だか僕らのお兄さんって感じですよ。この前も兄弟のことでアドバイス? もらいましたし‥‥あ、そう言えば俺がココに来る時礼久さんの姿を見かけましたよ?」
「何ですって!? 凛、いってきます!!!」
「8月! 私たちも行くわよ! アコギもって!」
「なんでアコギ‥‥まぁいいか。何だって逃げるのか、か‥‥ふむ‥‥逃げたい理由があるから、が一番の理由なのだろうけれど‥‥」
「考えていないで行くわよ!」
 葉月引きずりでていく華。
 と、そこへ。
「風雅、はいこれ」
「え? これ何がはい‥‥兄さん?」
「風雅、ファンの子にみつかったら大変だから」
 紙袋を渡す辰樹、みて硬直する風雅。その中身は。
「水威さん、女の人のこと好きみたいだから見つかるかもしれないし」
「兄さん‥‥着ないよ」
「チッ!」
 袋の中身は女物の服。辰樹の野望は風雅の笑顔の前に破れる。
「ラシアねーちゃんはいかないの?」
「今更だし‥‥あんだけ動いてれば捕まるでしょ」
 その通り。

●捕獲活動。
 ひろみももう一度探しに出て、他の面々も独自に捜索開始。
「どっちへ行こうかな〜と‥‥えい」
 ぱたり。
「よし! こっち!」
 凛は運頼りの作戦にでる。
 風雅と辰樹もあたりをくるくる回って捜索。
 そして、華と葉月は。

「 許せMy Sister〜 素直になれないの〜
  逃げるのは 追いかけてきて欲しいから〜ぁぁ 」

 伴奏は葉月。即興で姉弟をテーマに曲を作り歌う。
「感動して礼久兄も出てくること必至‥‥の筈なのにいっこうに姿が見えないのは何故‥‥?」
「何故だろうね‥‥そういえばお華さんとこうしてあわせるのは初めてじゃないかな? なんだか‥‥楽しくて心が浮き立つな‥‥」
「あれ、言われてみれば‥‥っていたあああああ!!!」
 いい雰囲気だったのに、華はダッシュ。
 そして。
「捕獲!! 縄! 縄はないの8月!」
「‥‥ないね」
「くそ、見つからないと思ったのに唄がきこえてちょっとだけって覗いただけだったのに‥‥不覚!」
 無事、ミッション終了。

●クレイスの言い分
 ライヴハウスに全員集合。真ん中には礼久。
「なぜ逃げてたんだよ」
「姉貴にはなんか苦手意識があるんだよ、それに照れ臭いだろ、姉貴の出入りしていた場所に出入りしてるなんて」
「‥‥それだけ? 最近忙しくて話もろくにしてないだろ? 仕事とかどうなんだ? 順調なのか? ただ聞きたかっただけなのに」
「し、心配しなくても仕事はしっかりやってるよ、バイト辞めたのだってトラブルとかじゃねぇし、俺そんなに頼りねぇか? まだまだ姉貴からみればガキだろうけどよ」
 ふいっとそっぽ向きながら言う礼久。ひろみは溜息ついて、皆の方をみる。
「ふつつかな弟だがこれからも頼む」
「姉貴そんなこと言わなくていーって! つーか姉貴の方がよっぽど危なっかしいじゃんか喧嘩控えろよ」
「‥‥シスコン?」
 やり取りを見ていた凛が一言で総まとめ。
 その言葉に礼久は。
「はいはい、どうせ俺はシスコンさっ」
「姉弟仲良しが、一番いい事だな」
「そうね、姉弟仲良しなのは良いコトよね♪」
 そしてこの後しばらく、礼久はシスコンと言われ続けたのだった。

●CAST
水威 礼久(fa3398)

凛:千音鈴(fa3887)
華:藤野リラ(fa0073)
葉月:藤野羽月(fa0079)
辰樹:渦深 晨(fa4131)
風雅:玖條 奏(fa4133)
沙紀:阿野次 のもじ(fa3092)
七海:杉山瑠伽

ラシア・エルミナール(fa1376)

Special Guest
亜真音ひろみ(fa1339)