七音:救いの歌アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
5.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/10〜12/12
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前回のリプレイを見る
●本文
それは東京にある一軒のライヴハウスから始まる話。
そのライヴハウス『SevenSeas』のオーナーの子の名は、ライヴハウスの名前と同じ、七海。
七海は現在中学生だ。
家の一階はライヴハウス、ということで音には小さな頃から親しんでいる。
そしていつかは自分も、このライヴハウスで‥‥
これはそんな淡い想いを抱く少年と、このライヴハウスにやってくるものたちの紡ぐ、物語なのである。
●TVアニメ『七海の音』声優募集
TVアニメの声優を募集致します。
職業が声優であろうと、俳優であろうと、ミュージシャンであろうと、拘りはありません。
●番組内容
プロを目指すものも、趣味でとどまるものも、色々な音楽のありようを描いていくロックアニメ。
『七海の音』というのはライヴハウスの名前とかけてあり、七海自身が中心になって何かする、というよりも七海に影響を与えていく者たちが中心である。
途中で歌も流れることもあり、愛憎劇もあり、夢に向かってもあり。
さまざまなものを含んだアニメだ。
全十二話中、七話目は、風邪で死神少女ダウン。でもしなければならないライヴがある。面々はその手助けをする事に。
七海少年は歌手でもあり声優でもある、杉山瑠伽が演じる。
●補足
実名でアニメ参加の場合、今現在の知名度などがアニメ世界に反映。
一人二役は基本的には認められませんが、ガヤとして参加は可。
ちょっとした端役は監督さんが引っ張ってきます。
アニメの中でグループを組むというのももちろん大丈夫。
話の内容は時と場合により少しずつ変動すること有り。
●リプレイ本文
●彼女の秘密
「お見舞いに皆で行こう」
七海は、ライヴハウスにいた面々に一言。
「お見舞い?」
と、肉まんはふはふ中の凛は言う。
「うん、沙紀ちゃんがねー」
猫救出のために川に飛び込んで風邪引いちゃったんだよねー。
そんなこんなで彼女の家にいったのですが。
「‥‥お城? お城!?」
「すごい家だね‥‥」
「家だよ、中村さんこんにちわー」
すたすたと豪邸になれた感じで入って行く七海の後をついて行く。
そして。
「げほっ‥‥皆さんお見舞いありが‥‥ゲホゲホ、くしゅん!」
重症の沙紀です。
「沙紀ちゃん、起きちゃダメ、はい寝てて、布団かぶって」
「これお見舞いね、果物と‥‥」
「なぜか俺が買ってきた『都市伝説百科』」
「だって表紙をみるのもおぞましいんだもの、療養中の暇つぶしにどうぞ」
表紙から目を逸らしながら華は本を渡す。
「私からは桃缶。でも家と雰囲気があわないわね、桃缶‥‥沙紀って実はお嬢様だったのね‥‥怖くて周りの品物に触れないわ」
凛は桃缶渡し、あたりをきょろきょろ。
沙紀は、風邪でおかしな声でありがとうと答え、少しの沈黙。
「‥‥あのお願いがあるんですけど‥‥皆さんにライヴ代打をしてほしいんです。声が、こんなのだし‥‥」
「ライヴ代打?」
「沙紀ちゃんいいの?」
「うん‥‥」
沙紀は決心をして、皆の方へ顔を向ける。
「私、死神バンド、テケテケ様として活動しているんですが、手術前の子を激昂するライヴ、代打でお願いできないでしょうか。隠してたわけじゃないんですけど、私‥‥」
「沙紀ちゃんが妖か‥‥じゃない、テケテケ様!?」
「テケテケ様って、何?」
「うん、何?」
驚く華と、首を傾げる辰樹、そしてラシア。
「知らないの? テケテケ様だよ? 学校とかで‥‥」
「う〜ん‥‥聞いたことがあるような、無いような」
「テケテケ様‥‥そういえば、スタッフさん達が噂しているのを何度か耳にしたことがあるような‥‥あれ、学校で、だったかな‥‥??」
風雅も首ひねり悩む。
「学校で噂ビシビシだよ?」
「知らないよ‥‥俺、あんまり噂とか興味ないし」
ふいっと気まずそうに辰樹は顔反らしながら言う。
巷で噂の死神バンド、テケテケ様について。かくかくしかじか。
「なるほど‥‥代打ちとくればあたしの専門みたいなもんだけど‥‥年齢とか‥‥」
「ラシアねーちゃん、それはスペシャルってことでうまーく、納得してもらうんだよ、うん」
「知らない仲じゃないし、しっかり私も手伝うわ」
「私も」
「俺にも協力させて下さい」
「皆、ありがとうございます」
沙紀はぺこり、と頭を下げる。
「じゃ、これラシアねーちゃんの衣装‥‥こんな感じで」
七海がぺろっと渡した紙には衣装指定。
ラシアはそれをみて。
「‥‥辞退していい?」
冗談なのだけれども、目がちょっと本気だったとか。
●ライヴの準備、根回し、実は当日
死神バンドの代打ち、その準備には大忙し。
礼久も話を聞いて協力することに。
「場所は公園だからな、近所への根回しは事前にOKだ。楽器の微調整は任せてくれ。時間稼ぎもしっかりするぜ」
「よし、それじゃあいくわよドラちゃん、りんりん!」
「行くのはいいけど、なんでその格好なんですか華さん!」
「だって、とりにはいらなきゃいけないのは各種ボールでしょ!? それなら、それならこの格好しかないわよ!」
もしかして変装が趣味疑惑浮上。華は鼻眼鏡と野球帽で変装。分かる人にはすぐ分かる。
「ラシアも近くまで迎えに来てくれるみたいだし、あとは沙紀を連れ出すだけね、うまくいくといいんだけど‥‥」
「りんりん! 弱気はダメよ! やっぱり沙紀ちゃんが様子を見ないと‥‥ダメだもんね」
「華さん‥‥言ってることはかっこいいんですけど」
「その格好じゃね‥‥」
と、いつの間にか沙紀の家です。
「やるわよ、ドラちゃん」
「はい!」
「ボール投げ込み、せいやっ!」
「え、各種ボール全部ですか!?」
全部です。
作戦、開始。
一方その頃、ライヴ予定の公演では。
「兄さんたち大丈夫かな‥‥無事成功するといいんだけど‥‥」
「お華さんたちなら、大丈夫だろう」
「だといいですけど‥‥えっと、これはどの辺にセッティングすればいいですか?」
「これはそっちだぞ!」
「そっちですか。何だか普段は自分たちがライヴをする側なのでこうして準備するのは新鮮な感じが‥‥」
しみじみ言いながら風雅は準備を手伝う。葉月も楽器のセットなど色々と。
と、この準備を見て、人が集まってくる。
「‥‥早く皆が帰ってこないとまずそうだな‥‥」
「そうですね‥‥」
●死神様猛ダッシュ
「凛さん男前です」
「ふふ、任せて。沙紀が行く気なら協力は惜しまないわ。華と辰樹が囮をしてくれてる内に‥‥ああ、思い出すわ田舎時代‥‥」
沙紀の部屋からロープたらし、脱出中。
死神少女服へ着替えて、沙紀は少々無理しつつも、無事に地へ辿り着く。
「よし、それじゃ私も‥‥」
と、凛も脱出をと思った時、沙紀の部屋のドアが開く。
「あ」
沙紀の家の中村さんである。
大脱走計画、露呈。
「さ、沙紀逃げてー!!」
その絶叫は屋敷中に響いたとか。
その頃。
「遅いな‥‥もうそろそろ行かないと‥‥」
ご近所でバイク待機中のラシアは時計を見る。
沙紀、脱出予定時間をすぎること十分。
脱出失敗かな、と思っていたところに。
「沙紀早く早く!」
「と、言われても‥‥凛さん早い‥‥」
「お嬢様ー!!」
「中村さんきたー!」
「中村! お友達にここまでさせ無下に帰しては更木家の矜持に関わります、だから私は行くのです!!」
「‥‥病人急がせて‥‥」
しょうがない、とラシアは苦笑しながらバイクのエンジンをかける。
そのまま沙紀のところへ。
「乗って!」
「! はい!」
沙紀は無事に確保され、ラシアと公園付近まで。
「それじゃ、代打ちしっかりしてくるよ。激励とか励ましとか、なんかあたしの柄でもないような気もするけど、頼まれたからには手抜きなし。きっちり完遂しないとね。仮にもこれでメシ食ってたわけだし」
「宜しくお願いします。あの子に、大人になる勇気をお願いします」
「大人になる勇気‥‥OK、あたしたちが貸してやるよ。その代わり、ちゃんと返しに来るんだぜ。じゃなきゃ死神サマがさらっちゃうからね」
「はい!」
●死神ライヴ 未来進化型
「 ぐずぐずなんかしていられない
走り出さなきゃその背中突き飛ばしてやるぜ
TEKETEKETEKETEKE
さあ 汝に勇気を与えよう! 」
人が集まり、早くとせかされて場をつなぐように礼久は曲を披露。
ストリート出身の礼久はお手の物。
さらにバックの手伝いをする華も無事帰還。
あとは、テケテケ様登場を待つだけなのだ。
「兄さんお帰り」
「ただいま、こっちの準備は‥‥いつでも大丈夫みたいだね」
「何はともあれ、お疲れ様でした」
「ターゲットもしっかり来てるらしいよ、あそこ」
風雅の視線を追うと、人だかりからちょっと離れたところに少年が。
「あ」
「‥‥沙紀さん‥‥?」
そして、その後ろには見慣れた少女がごそごそ待機。
視線そちらに釘付けのうちに、わぁっと声があがる。
そこには、死神少女指定服装のラシアが。
黒のゴスロリ手袋レースガーター。各種白逆の十字架と星をちりばめ、髑髏の首輪に拳銃ホルダー。
でもそこはプロ、どんなことを思っていてもそれはきっちり隠し仕事をこなす。
沙紀指定の曲『死神万歳地獄』『ファントムレディ』をしっかり歌い上げ、残るはラスト一曲。
「最後の一曲は‥‥『BlueSOUL』」
「 勝手にしろと叫んで駆け出す GO JUST BlueSky
午後には雨も上がる
痛みや悲しみ受け入れた先に広がる無限のソラ
伸ばした手で星掴め!
どんな願いも
手を伸ばさなければトドかない!!
弱さしった、人の強さを知る
大きく一歩踏み込んで
奇跡前に跳べば追い風におされてカッコヨク跳べる 」
ラストのフレーズは、沙紀に事前に教えてもらっていた少年を見つけ、彼に投げかけるように。
歌い終わり、観客から呼び止められつつもラシアは颯爽とバイクに乗って退却。
それを確認し、沙紀は少年の後ろにコッソリ立つ。
「ふん。喰ってほしけりゃもっともっともっと足掻いて美味しい魂になるんだね☆ そしたら私が食べてあげるよ。あんたのためのライヴ、ちゃんと受け取りなよ!」
そのまま言い捨てて、だーっと沙紀も退却。
こうして無事に、ライヴは終わったのだった。
●後日
「皆さんありがとうございました。彼手術成功しました。ビデオも撮れてて」
「葉月さんとしっかりとりました」
「お華さんに任されたので」
「な、なんで8月そんなに笑顔なの!?」
「待って、ビデオって何」
「ライヴの様子の」
その言葉にラシアは固まる。
「抹消」
「しません〜!」
と、騒ぐ傍、風雅と辰樹は言葉を交し合う。
「ねえ、兄さん。俺たちの歌も、こんな風に誰かの心に届いてるかな」
「どうかなぁ‥‥」
それぞれ、心に思って。
「そういえば凛さんは? いませんよね」
「りんりんは」
「風邪ひいたってー」
うつったらしいです。
●CAST
沙紀:阿野次 のもじ(fa3092)
凛:千音鈴(fa3887)
華:藤野リラ(fa0073)
葉月:藤野羽月(fa0079)
辰樹:渦深 晨(fa4131)
風雅:玖條 奏(fa4133)
七海:杉山瑠伽
水威 礼久(fa3398)
ラシア・エルミナール(fa1376)