七音:聖なる夜にアジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/23〜12/25
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●本文

 それは東京にある一軒のライヴハウスから始まる話。
 そのライヴハウス『SevenSeas』のオーナーの子の名は、ライヴハウスの名前と同じ、七海。
 七海は現在中学生だ。
 家の一階はライヴハウス、ということで音には小さな頃から親しんでいる。
 そしていつかは自分も、このライヴハウスで‥‥
 これはそんな淡い想いを抱く少年と、このライヴハウスにやってくるものたちの紡ぐ、物語なのである。

●TVアニメ『七海の音』声優募集
 TVアニメの声優を募集致します。
 職業が声優であろうと、俳優であろうと、ミュージシャンであろうと、拘りはありません。

●番組内容
 プロを目指すものも、趣味でとどまるものも、色々な音楽のありようを描いていくロックアニメ。
 『七海の音』というのはライヴハウスの名前とかけてあり、七海自身が中心になって何かする、というよりも七海に影響を与えていく者たちが中心である。
 途中で歌も流れることもあり、愛憎劇もあり、夢に向かってもあり。
 さまざまなものを含んだアニメだ。
 全十二話中、八話目は、アイドルで双子の兄がメイン。身内クリスマスパーティーで、成長していく話となる。
 七海少年は歌手でもあり声優でもある、杉山瑠伽が演じる。

●補足
 実名でアニメ参加の場合、今現在の知名度などがアニメ世界に反映。
 一人二役は基本的には認められませんが、ガヤとして参加は可。
 ちょっとした端役は監督さんが引っ張ってきます。
 アニメの中でグループを組むというのももちろん大丈夫。
 話の内容は時と場合により少しずつ変動すること有り。

●今回の参加者

 fa0073 藤野リラ(21歳・♀・猫)
 fa0079 藤野羽月(21歳・♂・狼)
 fa1376 ラシア・エルミナール(17歳・♀・蝙蝠)
 fa3092 阿野次 のもじ(15歳・♀・猫)
 fa3398 水威 礼久(21歳・♂・狼)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)
 fa4131 渦深 晨(17歳・♂・兎)
 fa4133 玖條 奏(17歳・♂・兎)

●リプレイ本文

●たまには
 その日、兄弟は珍しく言い合っていた。
 そのまま、言い合いつつライヴハウスの扉を開けた。
「っ‥‥兄さん、いい加減その我侭な言動はどうにかしなよ、小さな子供じゃないんだから。少しは俺の気持ちも考えてよっ!」
「なっ‥‥」
 と、辰樹が風雅に言い返そうとした時だった。風雅の携帯がなり、仕事の呼び出し。
「‥‥事務所から呼び出しかかったから俺は行くよ」
「勝手に行けよ」
「‥‥お騒がせしてすみませんでした。失礼します」
 面々に頭を下げて風雅は、辰樹をおいていく。
 その背中に向かって。
「いっつも俺の後にくっついてくるお前の方が子供だろー!」
 力の限り叫んだ声は聞こえているのかいないのか。
 兄弟喧嘩の始まり始まり‥‥

●冬休みは宿題
「‥‥終わらない‥‥」
「僕も‥‥ラシアねーちゃん助け‥‥」
「自分でやれ」
 ライヴハウスのお暇な時間。
「家で頑張ってたんだけどなかなか‥‥」
「家で頑張ると終わらないよね、よし僕は遊びに‥‥」
「行っちゃだめ! ほらほらやりなさい! どこがわからないの、任せなさい!」
 ビシ、と二人の監督は凛が。少し前(?)まで高校生だったし、と自信満々に辰樹の問題とにらめっこを始める凛。
「‥‥」
 五分の沈黙。
「凛さん大人なのに分からないのー? じゃあ自分で‥‥あ、これ結構簡単。これなら俺解けるかも」
「おおお、辰樹兄ちゃんすごい!」
「最近の数学は難しくなったのね‥‥でも足し算と引き算ができれば生きていけるの、気にしないわっ!」
 問題なくノートを走る文字。
 その結果は。
「‥‥間違ってる」
「誰か助けてー!!」
「8月ー! とりあえず8月ー!! 華の手伝い私がするからチェンジー!!」
 と、葉月にヘルプの叫び。
 今ライヴハウスではクリスマスパーティーの準備が行われていた。
 呼ばれてエプロンはずしつつ裏から出てくる葉月。
「チェンジ。何をしたらいいんだ?」
「宿題をためている二人のお世話‥‥よろしくっ! 後は任せたっ!」
「それはだめだろう! ほらとっとと終わらせる!」
 どこからか、眼鏡取り出し装備。
「‥‥カムバック凛ねーちゃん‥‥」
「無駄口叩かずに手! ここはだな‥‥」
 どうやら二人の宿題は安泰の模様。
「ひぃぃぃ〜」
「進むんだけどプレッシャーが‥‥」
「そこ誤字!」
 鬼家庭教師様御降臨。
 ビシバシしつつ、葉月は『弟がいたらこんな感じかな‥‥』とふと思ったり。
 そして宿題を進めること一時間。
「皆進んでる? 差し入れ!」
「お華さん‥‥まだ宿題が‥‥」
「いいの、休憩も必要。にしても8月が勉強できるって意外‥‥絶対音楽バカだと思って‥‥」
 華は勉強中のノートをどけそこに、差し入れをおく。
「どう!? 似てるでしょ!? 試作品の似顔クッキーだぞ。ほらほら、ラシアねーさんも」
 ラシアのをとって、それをみせる華。
「‥‥似てるけど、妙にリアルな‥‥」
「お華さん、そのリアルさは微妙に食べにくい‥‥」
「のろわれそう‥‥」
「えー! せっかく作ったのに‥‥」
「華ー生地ってこれくらいー?」
 と、しゃかしゃか泡だて器で何かの生地まぜつつやってくる凛。くわっと華の目の色が変わる。
「泡だって溢れてるー! ストップストップやりすぎ!」
「あら‥‥料理は余り得意じゃないので‥‥コーチ、愛が厳しいですっ」
「厳しいからこその愛よ! もう‥‥皆も宿題終わりそうなら手伝わない? クリスマスパーティーの準備。むしろしましょう、はいドラちゃんも8月も大航海もねーさんもー」
「ま、暇だしね。辰樹も気分転換になるだろ」
「気分転換‥‥そうですね、宿題ももううんざり」
 気分転換は、宿題のことだけではない。
 試作ケーキなど作りつつ、和気藹々、そんな中で。
「そういえば、にーちゃん仲直りした?」
「う‥‥」
 七海、皆なんとなーく見守っていたことについて、辰樹に聞く。
「‥‥まだ‥‥」
「兄弟喧嘩は犬も食わない!」
「お華さんそれ違う」
「ま、まぁいいの! 兄弟なら喧嘩もするけど‥‥ね?」
 華は凛に話を振る。
「え、うーん‥‥とりあえず辰樹の何か言いたいこととかはあるの?」
 辰樹は手を止めて、どうしようかなと迷いつつも言葉を紡ぐ。
「風雅は人付き合い上手くいってるけど‥‥俺全然だし、勉強もできないし。すれ違いもあって‥‥いつも一緒にいるのがあたりまえだったのに最近そうじゃないし‥‥」
「一緒にいるのが当然になっちゃうと‥‥甘えてたの分からなくなっちゃうのよね‥‥辰樹はその傍若無人さがいいのよ! 大丈夫! 男はそれくらいでちょうどいいの!」
 ちょっと苦笑して、自分の重いと重ね、そして凛は辰樹は励ます。
「甘え‥‥傍若無人‥‥そうかな!? ありがとう! 元気でた!」
「‥‥傍若無人は励ましの言葉だったの?」
「ま、受け取り手次第‥‥なるようになるんじゃないかな」
 七海の呟きにラシアは答えて、見守る。
 そして無言で葉月も辰樹の頭をぽんぽんと。
「クリスマスまでに仲直りするの。あ、キラちゃんの好きなものって何かしら‥‥」
「風雅の? うーん‥‥甘いもの? フルーツとかかな‥‥ものすごくいっぱい食べるのに太らないんだから謎‥‥」
「うらやましい体‥‥!」
「本当にうらやましいわ‥‥ボディチェンジチェンジ!」
 厨房は、いつもの雰囲気に戻る。

●冬休みはお仕事
 一人で仕事、というのは空き時間が少しさびしい。
「どうした? 浮かない顔して、悩み事か?」
「あ、礼久さんも‥‥仕事ですか? お疲れ様です」
 風雅はしっかり挨拶。
「もしかして喧嘩したか?」
「え、あ‥‥わかりますか」
「弟って大変だよな、特に上が自分より強情で強気だったりするとなおさら苦労する、俺も姉がいるから分かるぜ」
 礼久の言葉に風雅は苦笑する。
「でもな、しっかり心配してくれてたりするんだぜ? 年の差は溝かもしれない、でも、お前たち双子だろ、溝なんてないも当然、しっかり心は繋がってると思うぜ? 反発するのはお互い心配してるからさ」
「心配‥‥そうですね‥‥」
 風雅は呟いて、自分の心を振り返る。
 ちょっと溜まっていたものが爆発しただけで、想いは変わらない。 
 変わらない。

●クリスマスの日
「あー‥‥遅くなっちゃった‥‥もう準備終わってるかな‥‥」
 急ぎ足でライヴハウスに向かう風雅。携帯に入っていたクリスマスパーティーを知らせるメール。
「風雅! 丁度いいところに!」
「あ、凛さん‥‥大量の買い物ですね‥‥僕も持ちます」
「ふふ‥‥パシリなのパシリ‥‥ありがとう。いろんな物買ってくるように指令もらって‥‥」
 荷物の大半を風雅に押し付けつつ凛は言う。
 風雅の視線は、何が入っているのかと荷物の中へ。
「あれ‥‥?」
 それらは、なんだか自分の好きなものばっかりのような気がして。
「ほらほら、早く!」
 急かされつつライヴハウスへ。扉を開けると、そこではもうクリスマスパーティーの準備はほぼ完了。
「凛さんに風雅さんもお帰りなさい! 準備ばっちりです!」
 沙紀はお帰りなさいと同時にライヴハウスどうですか、と二人に示す。
「うわぁ‥‥すごい」
「私はこれ奥に持って行って来るわね、沙紀も手伝ってー」
「はい!」
 風雅の手から荷物奪って二人は奥へ。
「風雅‥‥」
「兄さん‥‥」
 と、控え目な声で呼ばれて振り向くと、そこには辰樹。
 二人ともそれぞれ、決まり悪そうな表情。
 その雰囲気を先に破ったのは。
「ごめん、兄さん。この前は怒鳴ったりして‥‥」
「俺こそ、今までわがままばっかで‥‥苦労かけててごめん」
 しんみり、誤りあう空気。
「これからはちょっとは自分でフォローとか、周りともうちょっと上手く付き合えるように努力する!」
「俺さ‥‥絶対兄さんとロックがしたいんだ。だから‥‥」
 と、言葉にかぶさるようにパァンとクラッカーの音。
「無事仲直り‥‥おめでとう」
「元の鞘ってね。そうなるとは思ってたけど」
 そこに揃う面々にも心配されていたようで、二人は顔を見合わせる。
「はい、ケーキはドラちゃんのデコレーション! 途中で塩と砂糖を間違えそうになったり‥‥」
「は、華さんそれ内緒!」
「兄さんてば‥‥」
 明るい騒ぎの中、ケーキの争奪戦が始まるその中で華はこっそりとケーキは辰樹が頑張って作ったものだと風雅に耳打ち。
 それを聞いて、風雅は辰樹のもとへ向かう。
「お華さんお疲れ様。これ、美味しい」
「当たり前でしょ! 頑張って作ったんだから」
 葉月の手にあるのは似顔クッキー。華はつーんと照れながら答える。
 そんな隅っこでのやり取り。
 そして二人は。
「そういえばさっき風雅何か俺に‥‥」
「え、何? あ、兄さんそっちのケーキのほうが大きい!」
「や、これは俺の!」
 今までよりも、より一層絆は、深く。

●CAST
辰樹:渦深 晨(fa4131)

風雅:玖條 奏(fa4133)
凛:千音鈴(fa3887)
華:藤野リラ(fa0073)
葉月:藤野羽月(fa0079)
沙紀:阿野次 のもじ(fa3092)
七海:杉山瑠伽

水威 礼久(fa3398)
ラシア・エルミナール(fa1376)