Live×Live! 本番編アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 6万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/22〜10/24
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●本文

 とあるライヴハウス。
 そこでは今からライヴが行われる。
 外にはチケットを求めるものたちがいるがそれは完売。
 こればかりはどうしようもないのだ。
 だからこそ、ライヴに参加してくれる皆には最高のパフォーマンスを。
「では各々方、準備はOK?」
 その言葉に、舞台裏で集まったメンバーたちは頷く。
「これから初日の一発目、気合いれてやっていきま、しょう!!!」
 その声に掛声合わせて、それぞれ気持ちを高ぶらせていく。
 開演を知らせるブザーが鳴り、ホールから響く声。
 色違いのTシャツを着て。
 そして、いよいよ開演。

●本番
 いーよーいーよ、僕らの全部を発揮するときでっす!!
 曲とかの打ち合わせはもうばっちオッケイ!!
 あとは僕らのテンションあげて、心意気と、それからええと‥‥体調管理とかね。
 とにもかくにもがんばろう!!!

●まとめ
『Crimson Moon』
『rock on』
『Smile』
『Pulsate』
 曲順は公演毎にチェンジ。
 一日4公演の二日連続。

●今回の参加者

 fa1376 ラシア・エルミナール(17歳・♀・蝙蝠)
 fa2837 明石 丹(26歳・♂・狼)
 fa3461 美日郷 司(27歳・♂・蝙蝠)
 fa3861 蓮 圭都(22歳・♀・猫)
 fa4028 佐武 真人(32歳・♂・一角獣)
 fa4980 橘川 円(27歳・♀・鴉)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)
 fa5470 榛原 瑛(26歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●始まり、始まり
「ってこって、ライヴがんばろー!!」
 すでに客席はいっぱい。ライヴハウスの外には入れなかったものたちがたくさんいる。
 ここはライヴハウスのエントランス。中扉開ければ、そこはホールだ。
 その扉一枚越し、これからそこから、中へはいってライヴを始める。
 それぞれ色違いの、揃いのTシャツをきて準備はOK。
「やれることは全部やった‥‥はず。色々あったけど、ともあれ成功させないとねー。折角ここまでやってきたんだし」
 ラシア・エルミナール(fa1376)は黒のTシャツ。
「長かったような短かったような‥‥」
 今までを振り返る美日郷 司(fa3461)はカーキ色のTシャツ。いつもはギターにする呪いを、今日は手につけたミサンガへ。
 そしてその傍では榛原 瑛(fa5470)がテンションを高めている。
「あー、やっぱりライブ前のこのわくわく感っつのは、何度味わってもいいもんだよな」
「緊張も高揚感に繋がると思えば悪いものじゃないわ。ふふ、渋谷さんもTシャツにあってますよ」
「うん、似合ってて恐ろしいんだよね‥‥」
 首に下げたチェーンネックレスのリングを握りしめながら橘川 円(fa4980)は言い、渋谷蓮も笑う。
 円のTシャツの色はは紫で、蓮はどピンク。
「こう、年齢を感じさせない色だよねっ」
「ミソジーズがんばろうね」
 赤のTシャツを着た明石 丹(fa2837)はぽん、と蓮の肩を叩く。
「体調管理もばっちりだし、最高のステージにしようね」
「とにかく思いっきり楽しんで良い音作って皆が時間を忘れるくらい楽しいライヴに」
 欅(fa5241)は灰色のTシャツ。ぐっと、気合を入れていく。
「まあ、気負いすぎず、いつも通りに。緊張してる人はいませんかー。ほぐしてけー」
 佐武 真人(fa4028)は緑色のTシャツ。メンバーに気を回してフォローしていく。
「テンション上がりすぎた子はいませんかー。バテるぞ落ち着けー」
「大丈夫! 皆で気合のハイーターッチ!!」
 オレンジ色のTシャツを着た蓮 圭都(fa3861)はぴょんっと飛ぶ。
「ほらそこ屈む!」
「おいちゃんは屈むのな、はいはい」
 言われて苦笑しつつ真人はちょっとかがんでハイタッチ。
 圭都は全員としっかりそれを行っていく。
「そんじゃ、いこうか!!」
「おー」
「でもその前にー」
 ぐるっと、全員で肩を組んで、最後の息合わせ。
 これからの始まりに向けて、一区切りの、これまでの集大成を、楽しんでもらいに、そして自分たちも楽しみに。

●前半戦〜一日目ファースト!
 扉が開くと同時に高い声援が響く。
 舞台側でスタンバイしていたメンバーが音を生む。
 声援とそれに合わせて、ホールの中へ。
 花道通りながら集まってくれたオーディエンスに答える。
「『Crimson Moon』!!」
 今回のツインドラムは真人。髪はポニーテールで高く結いあげていた。
 それぞれが配置につけばドラムスティックの音は、二つ。
 男ヴォーカル二人を従えて、ラシアの声が大きく通る。

「 光もないこの夜に 浮かぶ血のような赤い月
  狂おしく 望んだ夜をこの腕に抱き 」

 ヴァイオリンの司と欅は、絡み合う。
 高音と低音。でも互いの音を押しつぶさずに、主張はしっかりと。
 そしてベースの圭都と潤はくるくるまわったりしながら音を合わせる。ふっと音の止まる瞬間にぱっとポーズを決めて、楽しそうに。
 そんな様子を円は見つつ。自分の音をしっかりと出す。

「 零れ落ちる赤い闇 狂気の目覚める身体
  獣と人を結ぶ鎖が断ち切れる 」

 一際高い、音。ラシアの声に丹と蓮の声が重なり、コーラスも入り華やかに。
 二つのドラムのリズムにベースとギターの音は幾重にも。
 そしてヴァイオリンがそこにまた重なる間奏。
 花道にいる丹と蓮が背中合わせで流す視線でホールを撫で上げれば、黄色い悲鳴が入る。
 それにならってラシアもかわりに投げキス。おおお、とまた声があがる。

「 欲望が渦巻いた この街に浮かぶCrimson Moon
  今宵も 血に飢えた狼が生まれる 」

 盛り上がりの高音からぐっと低音へと移り変わる。
 より深く下げて、その印象を深く。
 ふっと音を下げて、そこからまた、次の曲へと続く。

●中盤戦!〜その1
 一日目、最終公演。
 二曲目は『rock on』。
 持ち上げたテンションをそのまま、続けていく、とみせかけて。

「 待ち望んでたヒーローの登場みたいに
  颯爽と顔を上げていこう 」

 ミディアムスロー、声だけが重なる。
 その後に、一気に聞けと、テクを見せつけるように音の波。
 タイミングを合わせた溜め。瑛とトワのドラムの音がはじける。

「『らしさ』なんて事 気にしない
  今にとらわれちゃもったいない
  なりたい未来は 選んで変えていけ 」

 そして音のアクセントに三味線。
 圭都と真人の二人が並んで音を奏でる。
 舞台ギリギリまで前にでて、あおるように溌溂とした音。

「 rock on,be free(rock on,be free)
  冷めない熱情で
  猜疑心とか一切吹っ飛ばして
  keep’on movin’(keep on movin’)
  刹那じゃなくって
  続いてくキミの瞳の照らす先
  拡がる世界へ飛び立て 」

 勢いよく放つような歌は、盛り上がりを最高潮へと、作っていく。
 そしてそのまま、の勢いで、メンバー紹介。
 それぞれ持っている楽器の音色を響かせ自己アピールとサービス。
 アドリブも加えて、一日目、最後の曲に、入っていった。

●一日目と二日目の間
「一日目、おつかれええええ!!!」
 四公演終えて、毎回やることは違っている。
 それは相応に体力を消耗。
「三人とも‥‥ほら」
「ん、お?」
 ぽいっと司はヴォーカル三人にのど飴を投げる。
「‥‥ライブの生命線だろう‥‥声は」
 明日もまだあるんだからいたわっておけ、ということだ。
 そして、他のメンバーにも渡しておく。
「お腹がすいたわ‥‥」
 圭都はこれからの御飯に想いを馳せる。
 この一年、自分の食卓はちょっと豪華だった。差し入れ万歳。
「まだ明日もあるからめいっぱい食べて、あ、でも食べ過ぎ注意だけどがんばろうねー」
「そうね! 明日もJKがんばりましょう! うおっし、ついてこーい!」
「おー!」
 圭都と潤はまだまだ元気が残っているようで、そんな姿を真人は見守る。
「元気だ‥‥肉体的なものだけはいかんともし難い‥‥」
「まだ明日もあるから、体頑張れ」
「指先マッサージと、あと肩もほぐしておこう‥‥」
 欅は楽器のメンテナンスももちろん怠らない。いつもほんとにありがとうな相棒達、と気持ちを込めて。
「明日も今日と同じ‥‥それ以上のものを送りましょうね」
「今までの成果、出し切っちまおうぜ。まだ出し切れてない感じがするしな」
「そうだね、やるからには最高を。全部終わったら打ち上げもあるし、それも楽しみにね。僕は続けてライブに飛ぶから打ち上げには顔出せないんだけど、良かったら赤いTシャツは連れてってやってもらえると嬉しいな」
 丹の言葉にもちろん、と言葉が返る。
 どこで何をしていても、このライヴを一緒に行った仲間というのは変わらないのだから。
「これが終わって、打ち上げも終わったらどうしようかな‥‥っと、これは打ち上げの時に考えてもいいか。雑念は禁物と」
「うん、とにもかくにも、まだ明日も走り抜けようね!」
 でも今日は今日でお疲れ様。
 それぞれ英気を養い、また明日この場所へと戻ってくる。

●中盤戦!〜その2
「次が、ラストの曲になるけども、その前に今更のメンバー紹介!」
 二日目、最初の公演でのメンバー紹介。毎回しているこれも、その回ごとに内容が変わる。
「はい、ヴォーカル組ー!」
 軽く音は紡がれていく。
 花道にでてゆくヴォーカル三人。
「ラシア・エルミナール!」
 名前を呼ばれて、軽く音に乗せての即興歌。
「明石ー、丹!!」
「そして渋谷蓮!!」
 それぞれ即興で歌い、最後は三人で、音一つに合わせて歌いあげる。
 そのまま丹は他のメンバーも紹介。
「リズム隊! 蓮圭都、潤!!」
 呼ばれて二人も前へ、くるっと回って一回転、そして大きくジャンプ! 
 二人は行って帰って、場所をかわりつつうまく動く。
「美日郷司! 橘円! そして欅!」
 次の曲のために、司と円はヴァイオリン、そして欅はヴィオラを持っていた。
 それぞれのソロをもった後に、三つの音を重ねる。
 美しく、力強く。
 ベースの後に響くその音は、また雰囲気を一遍させる。
「紅陽、維澄!」
 二人もそれぞれソロと、長年一緒にやっている分息をあったものをみせる。
「佐武真人!!」
 ピアノの前にいる真人は、その指から音を繰り出す。
 激しくあり、流れるようであり、とピアノロックをそこで、聞かせる。
「トワ! 榛原瑛!」
 ドラムという楽器から動くことのできない二人。
 それぞれ、ソロで力強く音をはじきだす。途中でスティックをくるくると回したり、しっかりお遊びも入れて。
 そして最後は、全員で音を作り上げる。
 それは多彩に、音を生み尽くして、ふっと、止まる。

「『Smile』」

 その静かさの中、曲名を告げ、穏やかで、そしてどこかさみしげな音が流れ始めた。
 ヴァイオリンの下を走るヴィオラ。

「 今になって気づいたよ
  こんなにも大事だなんて
  ずっとわがまま言って
  傷つけ続けてゴメン
  きみの笑顔 もう曇らせないから 」

 歌声は掛け合うように重ね合う。
 ハモりとユニゾンを、少しだけ、優しくずらして、動きは、小さくまとまっていくように。
 響きの重なりあいの美しさを、醸し出していく。

●後半戦〜二日目ラスト!
「それじゃ最後の曲は‥‥『Pulsate』」
 丹が曲名を告げる。
 それと同時にトリプルギター、ツインベース、ツインドラムが華々しく。
 欅たちはそれぞれ掛け合わせるようにふりをいれつつ、蓮と潤も、『JKJK!』と思いつつ。
 そしてドラムは力強くありつつも、重すぎず。

「 光を飛び越し
  アクセル踏む
  全てが闇雲に流れても
  鼓動だけは離れない 」

 花道に出て、大きく動いて煽りながら。
 あがる腕をみつつ、時々しゃがんで観客の近くを走る。

「 人はヒトリ
  咲き誇り 散り
  花の残像を焼き付けていく 」

 音は疾走感あふれ、過ぎ去りまた戻ってくるようなもの。
 ヴォーカルの重なりは力強く、響く。
 動けるメンバーは花道へとでて、煽りつつ、自分たちも楽しんでやっていく。

「 生きる限り
  足を止めることはないから
  加速しながら駆け抜けて 」

 細かいリズムの中にメロディラインはしっかりと。
 円のトランペットの音が、また華やかさを加えていく。
 ドラムも、ギターも、トランペットも、ベースも、声も、重ねて、

「 音もない熱が
  降りつもり つもり
  ハヤく ハヤく急かすように
  心音に変わる 」

 圧倒的な音の押しをみせつけるように、聞かせつけるように、最後はすべての音をクラッシュする。
 終わりは、派手に、大胆に。
 遠慮なしに渾身の力を。
 今日一番の、大きな声援が返ってくる。
 二日目のラスト公演。三曲目で、これで本当に最後。
 このメンバーでライヴをする最後、かもしれない。
「皆ありがとー!!」
「はい手つないでー!!」
 舞台でまず一列に。
 手をつないで、オーディエンスも一緒になって、礼!
 長い間礼をし続けるメンバーに声と拍手は止まない。
 ライヴができたのも、こうして聞いてくれた人がいたからで、そのまま花道にでて、また礼。
 そして別の方向を向いて、礼!
 二日間のライブは、終わりを迎える。

●終ってまだ続く
「おーつーかーれっ!!」
「れーっす!!」
 ステージ、全公演終わって、スタッフたちも全員、安堵の顔。
 それぞれに残るのは、高揚感。
「あはははは、もうだめ、もうだめ。あと一公演やったら死ぬ」
「お疲れさまでしたー!」
「お疲れ様」
 それぞれ言葉を掛け合って、そしてふと気がつく。
「あら、はしゃいじゃって落しちゃったのかなぁ‥‥メッセージカード」
 ホールに一枚、メッセージカードが落ちているのに気がついた圭都はそれを拾う。
 そこには、それぞれの言葉が。

『小細工も手抜きも一切ナシ!』
 ラシアの言葉は、真っすぐにいつもの彼女を表すような。
『ようこそ、僕達の生きるライブ。君達に会いたかった』
 丹の言葉は、自分の進む道と、来てくれた人たち、来れなかった人への、言葉も含めて。
『歌え! 踊れ! ライヴだ!』
 蓮の言葉は、そのままに、ライヴに向けて。
『俺の音を聞け』
 真人の言葉は、茶目っけ含みつつまっすぐ一つ。
『楽しんだもん勝ち!!』
 瑛の言葉は、勢いをもって、書かれて。
『何時でも心で希望という名のビートを刻め』
 司の言葉は、未来をすえていくように。
『心に響いて感じたものを丸ごと、是非今日のお土産に』
 欅の言葉は、自分たちにもいえることで。
『今日この場に来てくれた皆に、最高の音楽と愛を』
 円の言葉は、最高のものを送ることを約束するように。
『楽しくて音楽、ノってけLIVE!』
 圭都の言葉は、全部を示すように。

 それらは、始まる前に思ったこと。
 でも、それは今回のライヴだけでなくてまだ続く活動にも通じるものがある。
 それぞれ色んな想いを抱えて、大所帯ライヴ、成功にて終了!
 そして打ち上げへ!