Live×Live!お疲れ様編アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当 玲梛夜
芸能 フリー
獣人 フリー
難度 易しい
報酬 不明
参加人数 7人
サポート 0人
期間 10/25〜10/27
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●本文

 音たくさんってよくない?
 ツインギターにツインドラムってよくない?
 すっごい盛り上がれると思わない?
 当初、やってみたいからやるんだ、という本当に渋谷蓮の思いつきで始まった大所帯ライヴは終わった。
 ひとつのライヴをみんなでつくろう。
 案だしから始まり、曲コンペ。そしてそのコンペで生まれた曲をアレンジ。
 舞台をどうするか、動きをどうするかなど長い時間をかけて組み上げてきた。
 そしてその成果となるライヴは、二日間、一日四公演という形で一つの終わりを迎えた。
 今日は無事に終わったライヴの打ち上げだ。
 場所は最初に意見を出し合ったAbySSをかりて。

「お疲れさまでしたー!!!!」
「うーっす!!!」
「ぶっちゃけまたやりたいー!!!!!」
「とにもかくにもお疲れ様、乾杯」
「カンパーーーーイ!!!!!!」

 料理もあり、音楽流れ、関係者や聞きつけてやってきた知り合いなどなど。
 それぞれライヴでのことや、これから思うこと、いろいろと、話を巡らせていくのだった。

●今回の参加者

 fa1376 ラシア・エルミナール(17歳・♀・蝙蝠)
 fa3461 美日郷 司(27歳・♂・蝙蝠)
 fa3861 蓮 圭都(22歳・♀・猫)
 fa4028 佐武 真人(32歳・♂・一角獣)
 fa4980 橘川 円(27歳・♀・鴉)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)
 fa5470 榛原 瑛(26歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●打ち上げ、開始!
『カンパーイ!!!!』
 と、いうことで。
『Live×Live!』も無事に終わり、都内某所のライヴハウス【AbySS】を借りての打ち上げ、兼反省会。
 その扉には『踊る打ち上げ会場』と、始まりの『踊る企画会議室』と合わせて蓮 圭都(fa3861)が書いたのだった。ちょっと微妙な似顔絵つきで。そこは御愛嬌。
 それをみた美日郷 司(fa3461)は「‥‥誰か踊るのか‥‥?」と榛原 瑛(fa5470)と渋谷蓮の方をちらりと見た。
「‥‥つか『踊る打ち上げ会場』ってなんだ。何俺は踊らねぇぞ。何だその目は目は」
「僕も踊らないよー!」
「渋谷は踊ればいいじゃねぇか。アンテナは余計なこと言わなくていいからな」
 二人は踊らない踊らない、と首を振ったが、そのうち踊ることになるのだろう。
 ふっと視線を感じて瑛は言ったが、それは瑛いわくアンテナの彼にさらりと、切り返される。
「水物は重いですよね、キレイなお姉さん専属の荷物持ちさん」
 欅(fa5241)はいい笑顔。
 そう言われたら手伝わないわけにはいかない。
 欅の持ってきたビールは飲みやすさが侮れないもので、飲みゆき好調、補充しているところだ。
 そしてそのキレイなお姉さん、橘川 円(fa4980)は幸せそうにお酒を飲んでいた。
「ふふ、ライブの後のお酒っておいしいのよね」
 知った者同士ばかりで、気心知った場所。
 まったりしつつ、結構、ぎゃーぎゃーとハッスルというカオスな雰囲気だった。
 ちなみに店内では、何故か蓮宅のワンコとニャンコがはねまわって、大興奮していた。
 そんなニャンコをラシア・エルミナール(fa1376)ははしっと捕まえてもふもふと触る。
「みんなライヴ素敵だったわー!!」
 と、ライヴハウスのオーナー、メアは両手広げてそれぞれをねぎらう。
 そんな彼女に佐武 真人(fa4028)はドーンとあるものを出す。
「お、なんか久しぶりだなぁ。俺からはこれ、ヴァジュルヌーボー五本だ」
「素敵っ!」
 わーい、とメアはそれを抱える。
「と、メアは後で話しあるから、あんまり飲むなよ?」
「? じゃあちょっとだけ、抑えておくわね」
 にやりとされて、何かなと頭の上にはクエスチョンマーク。
 ひとまず、始まったばかりの打ち上げはラシアの作ったフランス式の家庭料理から始まり、円の豪華お重五段セット、瑛のターキー丸ごと一羽どーん、そしてデザートには司のプリンどら焼き、欅のりんごのパウンドケーキ、他にもいろいろ‥‥よりどりみどりで圭都は食べつつ、タッパにつめつつ動いていた。
 打ち上げはまだ、始まったばかり。

●いままで、これから
「さってー、ひと段落したとこで一応反省ってか、楽しかったよ。皆とやれてよかった! 本当によかった、こうして動いてよかった! はいバトンタッチ!」
「それ反省じゃないけど‥‥まぁいいか。随分長い時間だった気もするけど、これで終わりとは何か寂しいね‥‥とりあえず疲れた」
 でも楽しかったとラシアは言う。
「なんとなく、しばらくはTVとかには出る気がしないね。いいだけやったし、しばらくは世界中回って路上アーティストでやっていこうかな。一応親の所にも寄って」
「そうだ、皆のアドレス聞いて良いかしら? 携帯知ってる人もいるけど住所もね、アナログに年賀状も結構好きなの。一区切りで道は先に続くんだから、この縁もちゃんと繋いでおきたいなって」
「いいね、あたしは通じるかわかんないけど‥‥」
「国際対応のケータイがあるよ!」
「なるほど」
「例え行く道が違えても、このライブで得た仲間は何よりの財産だし。今後もぜひ仲良くできたら嬉しいわね、はいこれ私の」
 赤外線でぴっと通信。
 それぞれ交換をして、話はまた元に戻る。
「欅君はー、どうだったー?」
「俺は曲製作の途中から参加だったんですよね。最初から通しの皆さんに色々教えて頂けたので助かりました‥‥!」
 その節はどうも、いえいえ、とそこでちょっとストップ。
「右も左も実力派ばかりだったので緊張‥‥って本番でもそういう意味でいい緊張してましたが、今回のライヴで少しでも皆さんに近づけたなら嬉しいかな。司さんと円さんとはめったにできないヴァイオリン系でご一緒できましたし、トリプルギターはちょっとクセになりそうです」
「ああ、音が合わさるのはとてもよかった‥‥」
「とにもかくにも、ライヴお疲れさまでした。いつもあっという間だけど今回は特に。大人数楽しかった、それしか出ません。無我夢中。思いつき万歳。ほんと、言い出してくれた渋谷さんに感謝です」
「うん、もっと感謝するといいよ!」
「これだけのメンバーで出来るのは‥‥まず無い事だし幸せな事だ‥‥」
 司は言って、メンバーを見回しありがとうを言う。
「欅と円には特に世話になったな‥‥この場に全員揃わなかったのは残念だが‥‥ライブ中では仕方ないな‥‥音好きらしい‥‥あとは、裏テーマとして圭都を助ける食プロジェクトだな。冷凍パスタソースを持ってきたから、あとで渡そう」
「わーい! ライヴ本当に楽しかった! ご飯も! メニューも豪華で‥‥ライブもだけど、これが終わっちゃうと思うと寂しいわ」
「しょぼりーぬ、涙をおふき。みんな言えば持ってきてくれる」
「‥‥そうね、住所もわかるし。今日はいっぱいタッパにつめて持って帰って満足しましょ!」
「圭都は‥‥たんとお食べなさいね。司も心配が絶えないな」
 圭都の頭をなでながら、真人は言う。
 真人自身も、ライヴで思ったことはもちろんたくさんあった。
「榛原とトワにはドラムで楽しませてもらったな。ありがとさん。このメンバーでやれて本当に良かった」
「レベル高いやつらばっかだったしそのくせキャラが濃いもんだから、面白かったしいい刺激になったな。佐武は、ドラム叩く時でもやっぱピアニストらしいな、鋭い感性っつーのかな。そういうのがあって、参考になったぜ。サンキュ」
「そりゃよかった。俺はこれから‥‥これからも変わらずにピアノだろうな。これだけ良い経験したんだ、またそれを糧に自分を成長させて、弾いて」
 自分にとって一つ、をもつ真人はとても楽しそうだった。
「ライブをきっかけにまた音楽の奥深さや厳しさ、なにより楽しさを再確認した感じだな。なんで、他の芸能活動と合わせて、もいっぺんライブ活動にも取り組んでいく予定。自分で限界決めちまったりしないで、日々是挑戦、だよな」
「いいことだね、それ! 常におっかけておっかけてー! 円嬢はどうするのー」
 今まで話を和やかに聞いていた円。
 言われて、そうねぇと少し、考える。
「ラシアさんはflickerとしてもペアで曲を作った同志としても、お世話になりました、ね。ライブでヴァイオリン属楽器をこんな大人数で弾けるとは思わなくて。楽しかったし嬉しかったわ。皆に沢山のありがとうを」
 言っても言い足りない。
 そしてこれからはどうするかというと、円は少しはにかんで続けた。
「昔からの夢があって。ゆくゆくは音楽プロデューサーになりたいの。だから緒方社長に相談して、今後はそういうお仕事も手がけられたらと思ってるわ。元々作曲することも多かったし、このライブでの経験‥‥アレンジは私にとっても大きな一歩よ。いつかはここにいる皆の演奏する曲をプロデュースさせてもらいたいわね」
 その夢がすぐに実現、はしないのはわかっているが、これから少しずつ積み重ねていつかは。
 そんな気持ちが伝わってくる。
「みんな色々だねぇー。僕はかわらずPassion、おろされない限りPassion、むしろあれ僕以外が司会してどうするのPassion。あと全国ツアーしたい、みんな飛び入りで、こいよ! 許す!」
「暫くはソロでやっていく予定だが‥‥飛び入りしようか。女帝が嫁に行った関係でバンドは一時凍結‥‥だろうし‥‥この機会にと手品修行に戻りそうな奴もいるし‥‥」
「お、ならきちゃうー?」
 司は自分のバンドメンバーを思い浮かべる。そしてこれからしばらくの活動について、蓮がいいならいつでもという結論に。
「俺はバンドと俳優仕事の両立ですかね‥‥スケジュールあえば飛び入りしに行きます」
 欅もそう言って挙手。ここにはライヴ好きが多い。
「私も! 全部でる! ‥‥って言いたいところだけど、一度実家の方に帰る予定なのよね。休止じゃないけど音楽の方は少しゆっくりになるかもしれないわ」
「えー」
 圭都の言葉に蓮はもったいないとブーイング。
「ほら、うち実家がお寺でしょ? 父さんはまだまだ元気だけど、先のこともあるから時間なんてあっという間だし、今すぐじゃないけどお婿さんも貰わないと」
 言いながらお腹減った、と近くにあったおにぎりをもしゃもしゃ。具はどうやら鮭だった様子。
「ああ、そっかそっか‥‥婿ー! 音楽に理解のある婿はおらんかー!!」
「でも悲観はしないわよ、そういう伝統を守っていける所に生まれた私もステージで歌う私も、どっちも大切な私だから」
 圭都だからこそ言える言葉。この環境があったからこそ今があるといっているようだった。
「そうね、みんなとても素敵だったわ!」
 と、ドーンと割り込んできたのはメアだった。
 ライヴを観客として、そして今ここでの話をきけば、皆がどれだけライヴに気持ち注いでいたかがよくわかると、嬉しそうだった。
「普通にライヴするのでも大変なのに、本当に、みんなお疲れ様。楽しませてくれてありがとう!」
 どういたしまして、と口々に答える。
 久しぶりに会っていても、音楽好きっこたちはそのブランクをあっという間に埋めるものだった。
「またこういうことできるといいわね!」
「だねー」
 まだまだ、ライヴの思い出も、これからのことも、抱えている思いはたくさんで、それをすべて話すには時間が足りなさすぎるのだった。

●幸せ色、ここに
「円も‥‥幸せそうで、よかった。気にかかってたんだが中々声かけられなくてな」
「瑛も‥‥今は、大切な人がいるんでしょ? 素直にそれを喜びたいと思ってるのよ、私」
 恋人同士だった過去をもつ二人は、微妙な距離感から前を向いて進む。
 それぞれの幸せを、祈りながら。
「このライブを機にやっとお前と向き合えたんだろうな。俺も。んー‥‥らしくねぇや」
「ふふ、そういう関係も素敵じゃないかしら。ね?」
 そうだな、と瑛は笑う。
 一区切りを迎えた二人の関係は、また新たな一面を迎える。
 一方こちらでも、幸せの到来が。
「酒飲み過ぎるなって言ってたけど、何? なにか新しいことしてまたわくわくさせてくれるの?」
「ああ、そうさね、何ぞ新しくってんなら、そうだな‥‥メアさんよ、嫁に来たりしてみない?」
「えー、いいわよー。お嫁にいっちゃういっちゃうー」
 冗談だろう、と思ったメアは軽く答える。それに真人は少し笑って、言葉をまだ続けた。
「本気も本気。幸せになる自信はあるけど、幸せにする努力も勿論させてもらうんで」
「‥‥本当に本気?」
「ああ」
「‥‥毎日ピアノ、弾いてくれる?」
「任せろ」
 ライヴハウスのはしっこで、二人は幸せムード。
 このまま穏やかに‥‥いくはずがなかった。
「真人君メアちゃんおめでとー!!」
「あら、聞かれてた、みたい?」
「だなぁ」
 二人は顔を見合せて苦笑。
 そして、あっという間に全体に広がるその話。
「‥‥めでたいな‥‥俺も‥‥嫁を探すか」
 司は幸せカップル誕生を目の前にし、呟いて頷く。
「いいなぁ‥‥俺も一度実家に帰ろう‥‥結婚報告で」
 おめでとう、と言いながら欅も呟く。思い浮かべるのは可愛い恋人で、やわらかく笑顔が漏れる。
「それじゃあお祝にーセッション!!」
 ぱっと手をあげていったのは圭都で。
「ちょ、圭都嬢、二人おめでとうって半紙にかいてさらにはっといて!」
「ラジャー!!」
 その流れになるのは誰もが予想済み。
 それぞれ楽器を手に持つ。
「お、やっぱりやるか。当然俺はピアノで。ここのピアノに触るのも久しぶりだなぁ」
 真人は喜々と手ぶらでピアノの元へ。
 メアもこい、と手をひいて、というのが今までとの違いだ。
 はい、と嬉しそうにちょっと照れくさそうにメアもついていく。
「この場にふさわしく華やかに! ヴァイオリンでお祝しなきゃ」
 円はヴァイオリンを構える。
「じゃあその華やかさをもっとということで俺も」
「‥‥では、さらに‥‥」
 ライヴではダブルヴァイオリン、そしてビオラだったがこの場では、トリプルヴァイオリン。
 楽器は同じでも、生み出す音は、それぞれだ。
「派手に行こうぜ!」
 瑛はドラム。
「んじゃぁ、この場にいなくて別の場所でライヴしてる仲間も、知ったら祝うだろうからその分気持ち上乗せでね!」
「そだね、気持は一緒だろうし。大勢の前でやるのもいいけど、知り合いだけでひっそりって言うのも悪くないし」
 ライヴは終わったばかり。
 でも音好きの彼らに終わりはない。
 ずっと音は続いて行くのと同じように、それぞれの道も、まだ続いて行く。
 ここは一つの通過点。
 まだまだ、まだまだ、音楽し足りない!