魔女×王子 共に歩む君アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/28〜09/01
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●本文
8月31日、夏休みが終わると同時に僕は18歳を迎える。18歳になれば、僕は魔法国の王位とやらを継承しなくてはならないらしい。正直、いまだに決心はつかないけれど、彼女達の出会いが僕にその勇気を少しずつ与えてくれている。
もう一つ、僕は決めなくてはいけない。でもこれは、本当に自分でもよくわからない。お願いだから誰か教えてくれ。いったい誰を選ぶべきなのか。彼女達はみんな、綺麗で可愛くて、元気で優しくて、本当に大好きなんだから!
〜声優募集〜
TVアニメ『魔女×王子』の続編、新番組『魔女(おとめ)が王子(ぼく)を狙ってる 〜カラフルピュア(CP)〜』の声優を募集いたします。新人・ベテラン関係なく、広く参加者を募集いたしますので、奮ってのご応募をお待ちしております。
〜作品内容〜
高校三年に進級した主人公『伊藤悠李(いとう・ゆうり)』は平凡を愛する普通の少年。しかし、彼には重大な秘密があった。それは、この世界とは別の世界に存在する『魔法国』の王子であるということであった。幼い頃に、この現代世界に預けられ、普通の子として育てられた悠李であったが、ある日を境に王子であることを告げられ、花嫁候補の魔女っ子達に迫られるようになるのだった。(『魔女×王子』までの設定)
さて、そんな生活にもようやく慣れ始めていた高校三年の初夏。悠李の周辺で、魔法国に関連する様々な事件が起きる様になる。それは、悠李が王位を継承することを快く思わない者達の行動によるものだった。悠李は、魔女っ子達に協力を仰ぎ、周囲に起きる不思議な事件の解決に乗り出す。(『魔女×王子CP』の設定)
今回の作品では、主人公と魔女っ子達の恋愛に重点を置きます。それに伴い、登場魔女っ子の人数を絞り固定化します。様々な事件を一緒に解決していくことにより、主人公と魔女っ子達は親密になっていき、いつしか主人公は本当の恋に目覚めます。魅力的な少女達の中から、主人公は誰を選ぶのか。今後の展開次第となります。
〜次話あらすじ〜
悠李が王位を継承し魔法国に行かなければならない時はあとわずか。悠李は友人達と楽しい夏休みを過ごしながら、深く悩んでいた。本当に自分が王位を継承すべきなのか、そして誰を花嫁にするかということを。
そんな悠李に、一通の手紙が届く。差出人不明のその手紙には、「今晩、大事な話があるので、校庭でお待ちしております」との内容が。手紙に従って校庭へときた悠李に、謎の人物から告げられる新たな事実。
王位継承する者が、こちらで過ごす理由。それは、この世界を愛し維持しなければならないため、であった。この世界は、はるか過去に魔法国の王が魔法で作り出し、代々王位を継承する者が維持し続けていたのだ。
深く衝撃を受ける悠李。その隙をつかれ、悠李は魔法のクリスタルに閉じ込められてしまう。悠李の危機を知り駆けつけた魔女っ子達が、クリスタルに魔法をかけるがビクともしない。クリスタルは、悠李の不安と悩みによる心の壁だったのだ。
魔女っ子達は、もう一度自分の想いと共に全力で魔法を唱える。その想いは悠李に届くのか、そして誰の想いに応えることができるのか‥‥。
〜主要登場人物〜
伊藤悠李 一見平凡そうな、気の弱い少年。実は、魔法国の王子であり、花嫁候補の魔女っ子達に追われる身。内に秘めた膨大な魔力のおかげで、外部からの魔法に大きな耐性を持っているが、自分が魔法を使うことは一切できない。今作の主人公。
伊藤美由 悠李の妹。悠一と由香里の娘で、悠李とは血のつながりはない。魔女の娘であるため、一応の魔法の素質はあるものの、現在は魔法は使えない。ある事件をきっかけに、魔法国の存在と悠李の出生を知ることになり、花嫁候補の魔女として数えられることになる。
魔女っ子達 悠李の花嫁候補として、魔法国より現代世界にやってきた魔女達。魔法で事件を起こし、悠李の気を引こうとしていた。しかし、お目付け役の監視や、現代世界の生活に馴染んできたこともあり、最近では無茶な魔法の使用を抑えるようになり、普通の生活の中で悠李の気を引くようにしているようだ。
マイト王 魔法国現国王。悠李の本当の父。国民に慕われる人望のある王で、彼の統治の下、魔法国は平穏無事な日々が過ぎている。現代世界の名、夢乃路舞斗。
事件の黒幕 現代世界で様々な事件を起こす黒幕。本来の目的は定かではないが、王子の王位継承を快く思わない一派の者であるとされる。
その他 悠李の親友、魔法国の使者(お目付け役)、魔女のマスコットなど
〜募集キャラ〜
魔女っ子(女性のみ)2〜4名
主人公の友人(男性のみ)1〜2名
魔女っ子のマスコットキャラ(男女可)若干名
その他 悠李の両親、妹、事件の黒幕など
〜作品備考〜
主人公伊藤悠李役には最近売り出し中のイケメン声優、南方雄治(みなかた・ゆうじ)を起用。
担当は、審査のうえイメージにあったキャラを担当していただきます。得意なタイプなど希望がありましたら、事前に申し出てください。
魔女っ子の基本設定として、『変身する』『変身後は想像を具現化する魔法を使える』があります。これらを踏まえて希望を出してください。
●リプレイ本文
●魔女×王子「共に歩む君」
「ユーリ、もうじき君の18の誕生日だ。わかっていると思うが、その日は王子として君が魔法国へと戻る日でもある。この半年、色々と戸惑うこともあったと思うが、それを乗り越え、元気な姿を見せてくれることを楽しみにしている」
肝試しの夜に、魔法国の使い黒猫のマルコ(CV:晨(fa2738))から渡された、マイト王(CV:梁井・繁(fa0658))の手紙。それは、8月31日の悠李(CV:南方)の誕生日に、魔法国から迎えに来るという内容であった。それからというもの、悠李は毎日思い悩むように過ごす。
「うむむ、困りましたのぅ。『あの事』をいつお伝えするべきか」
サッカーボールほどの髭の毛むくじゃら、魔法国のお目付け役バル爺(CV:河田 柾也(fa2340))は、悠李の机の上で神妙な顔つきで悩んでいた。
「やはり由香里殿からお伝えしていただいたほうが。しかし、今王子はお后選びで大変であろうし‥‥うむむ」
重大な何かを伝えることに迷っている様子のバル爺。しばらくそのように唸っていたが。
「明日、后を選ばれたときにお話しよう。‥‥はて、そういえば王子はいまいずこに?」
すでに日も沈むという時間、ふと気づいたようにバル爺はあたりを見回して首を傾げるのだった。
「呼び出して悪かったわね」
「いや全然」
夕暮れ時、街の広場で立っていた悟に、魔女グレース(CV:緑川メグミ(fa1718))が声をかけた。何か視線を逸らし恥ずかしそうな、少し憮然とした口調で話すグレースに、気が付いた様子もない柿本悟(CV:桐尾 人志(fa2341))。
「王子が花嫁を選んで‥‥まぁ、それは私でしょうけど! それで、魔法国に帰れば、私もこの世界には用がなくなるから‥‥その、いままでカッキーには世話されたというかしてあげたというか‥‥とにかくお礼を!」
「そうか、そうだよな。グレースともこれが最後か。いままで楽しかった、ありがとう。こっちで大変だったろうけど、ようやく自分の国に戻れることになって良かったな!」
「だから、私がお礼を‥‥カッキーは本当にそれでいいわけ‥‥?」
「え?」
どこか大人びた、別れを惜しみながらも爽やかに笑う悟に、グレースは視線を逸らしたまま少し寂しそうに呟く。
「なんでもないわよ! あら、あれ王子よね? なにしてるのかしら」
「ん? あっちにあるのは‥‥学校か?」
ふと、グレースは視線の先に悠李の姿を見つける。学校に向かっている悠李を、不審に思った二人は頷きあってその後を追うのだった。
学校の屋上では、風に吹かれながら一人の少女が物思いに耽っていた。
「王子が本当に好きなのは誰なのかしら‥‥何故こんなにも王子のことが気になる? 后になれるから? ううん、違う、そんなの関係ない。ただ、王子が私を好いてくれているのかそれだけが‥‥悠李‥‥」
疾風の魔女エル(CV:槇島色(fa0868))は、いつものクールな表情ではなく、どこか切ないような表情で悠李の名を小さく呟いた。
「‥‥あれは、王子!? それと女性?」
そんなエルの視線に、校庭にやってくる悠李の姿が映る。そして、彼に近づく女性のシルエットに、エルは締め付けられたかのように胸を押さえた。
「来てくれてありがとう、王子」
「貴女は‥‥」
「私はロキア、この世界の真実とあなたの役目について伝えに来ました」
「世界の真実と‥‥僕の役目?」
謎の女性からの手紙で呼び出され、学校に着いた悠李の前に現れた理知的な女性ロキア(CV:笹木 詠子(fa0921))は、かつてこの世界が魔法国によって作られ、代々その王位継承者が維持してきたことを伝える。
「そんな‥‥僕がこの世界を維持するなんて、そんなことできるわけないよ‥‥」
「でも、もうどうでもいい事ですね。‥‥今ここで、封印されちゃうんだから」
真実に動揺する悠李。そんな彼に落胆したようにため息をついたロキアは、呪文を唱える。すると、悠李の立っていた校庭に魔方陣が浮かび上がった。
「王子! そこから離れなさい!!」
異変に気づき姿を現すエル、しかし忠告も虚しく、悠李は巨大な水晶に閉じ込められてしまうのだった。
「魔法学園教師ロキア様‥‥これは大変なことになりました」
そして、その一部始終を見ていたマルコは、慌てた様子でバル爺達の下へと走り出すのだった。
「この水晶は彼の心の殻。世界への責任の不安、王子であることの不満、愛を理解することへの戸惑い、そういった負の感情によって生み出されたもの。‥‥随分厚い殻ね。本当にあなたたち、彼の事を想ってる?」
「くっ! 王子の封印を解きなさい!」
「無駄よ‥‥私を倒しても王子の封印は解けないわ。あくまでそれは王子の心なのだから」
ロキアへと竜巻を放つエルだが、ロキアはそれを簡単に弾き返し、小さく首を振った。
「おお、王子! なんということに!!」
「ロキア‥‥貴女何故‥‥」
「久しぶりねユカリ」
マルコに事情を聞いたバル爺、そして由香里や他の魔女達が駆けつけた。悠李の母、由香里(CV:鈴木 舞(fa2768))は水晶に閉じ込められた悠李と、ロキアの姿を見ると、険しい表情でロキアを睨みつける。
「あの子になんてことを‥‥」
「王子が頼りなく育ったのはあなたの責任よ」
「相変わらず貴女のやり方は強引ね」
「あなたこそ、その怒りっぽい性格どうにかしたほうがいいわよ?」
魔女の姿に変身した由香里。悠李を他の魔女に任せ、ロキアと対決し激しい魔法の撃ち合いになる。
「ああ、王子様‥‥私どうすれば‥‥」
「あのまま封印が完成してしまえば、どちらの世界にも破滅が訪れますですじゃ!」
魔女カオリ(CV:鈴木)が一生懸命解除魔法をかけるが効果はない。バル爺は、このまま王位継承者がいなくなれば、世界が消えてしまう危機であることを皆に知らせる。
「マルコや、一緒にあの魔法を唱えるのじゃ」
「はい、お爺様! 魔女の皆様、僕達が30秒だけ王子に声が届くようにいたします。その間にどうか!」
バル爺とマルコが魔法を唱え、少しの間水晶が薄くなる。
「馬鹿王子! あんたがこの世界大事に思わないと‥‥カッキーいなくなるんだよ!? それでもいいの!? 私はそんなの嫌なんだから!! ‥‥だって‥‥カッキーのこと、一人の男の人として好きなんだもん!! 邪魔させない‥‥王子にも!!」
涙を浮かべたグレースの本当の気持ち、全てを込めた想いが水晶を打つ。その反動で吹き飛ぶグレースを、悟が抱きとめた。
「悟‥‥グレース‥‥」
「目を覚ましてよ、王子‥‥でないと私‥‥貴方の本当の気持ち聞いてない!」
渾身のエルの竜巻、叫ぶように自分の想いをぶつける。
「エル‥‥」
「王子様‥‥私ずっと貴方を見ていました。平凡を愛する心、それは世界の平和を願う優しい心だって知ってます。私はそんな王子様、いえ悠李さんが悠李さんだから愛したのです」
カオリは、悠李の良さを伝え、自分の愛する想いを柔らかな魔法に乗せて贈る。
「カオリ‥‥でも僕は‥‥」
一瞬、水晶にヒビが入る。しかし、マルコ達の魔法が切れ再び水晶は元に戻ってしまう。
「そんな‥‥」
「カオリ、肝試しのとき貴女が命を懸けた気持ちが、今私にもわかったわ‥‥王子をお願いね」
「エルさん!」
落胆する周囲の中、エルが一歩前にでて3枚のカードを取り出す。カードは眩い光を放ち、それに呼応するように水晶の中も輝きだす。それは、いつぞやにエルが悠李に渡したカードであった。
「王子‥‥いえ、悠李‥‥ずっと、好きだった‥‥私の事‥‥忘れない‥‥で‥‥」
エルが光の中に入っていく。そして光が消えた後には水晶から出た悠李の姿と、逆に水晶に入ったエルの姿があった。
「エル! エル! 何で僕の身代わりなんか!」
目を覚ました悠李は、水晶で眠るエルの姿に辛そうに拳を打ち付ける。
「それは君の心の殻だ、君が彼女に本当の気持ちを打ち明ければ‥‥」
「今の声は?」
そんな彼の頭の中に、どこからか声が届く。一瞬戸惑う悠李だが、意を決したように頷き。
「エル‥‥勝気でクールで捉え所のない風のような君。でも本当は寂しがり屋で、優しくって、とても可愛らしい君。僕は君が好きだ、他の誰よりも君が好きだ、愛してるよエル‥‥」
悠李の想い、自分の心を開いた言葉に水晶は霧散していく。周囲の歓声の中、悠李はエルを抱きとめて、笑みを浮かべる。エルは解放され、悠李の笑みに一瞬驚くが、嬉しさの涙を流すのだった。
「あっちは決着がついたようね」
「貴方もしかして‥‥相変わらず食えない人ね」
水晶から解放される二人を見て、由香里はロキアに視線を送り苦笑した。全ては悠李達のためのことだったとわかったからだ。
「マイト、そろそろ出てきたらどうだい?」
「う、む、見つかっていたか」
そんな中、悠李の父、悠一(CV:梁井)に声をかけられ、物陰に隠れていたマイト王が現れる。驚く一同の中、マイト王は悠李に近づいた。
「貴方が僕の‥‥さっきの声は貴方のものですね」
「君の様子は魔法国から見ていたよ、大変だったろうがよくがんばった」
「僕はエルを花嫁に選びます、この人とならこれから何があっても一緒に歩んでいけると思うから」
「ああ、君たちよくやった」
マイト王は悠李の答えに微笑を浮かべ祝福を送る。
「僕と共に歩いていってくれますか?」
「悠李‥‥はい、私の王子様‥‥」