神霊装甲 決戦後編アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/30〜01/03
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前回のリプレイを見る
●本文
・声優募集
ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。
●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。
・主な登場SA
SAヘル アース神族の開発した、複座式大型SA。漆黒のボディと、長いスカートを穿いた女性のようなフォルムで、『死の淑女』と称される。後部にウィングスラスターと、脚部を廃してスラスターを装備、機体の大きさの割りに高機動を実現している。肩部に遠隔操作可能な有線式キャノン、胸部に拡散オーラ砲、指部にはオーラウィップにもなる湾曲オーラ砲が左右合計十門など、数多くの兵装を装備している。また、防御兵装として、ウィングスラスターを前方に展開しバリアとして用いることができるなど、現存するSAの中では最高ランクの性能を有しているが、その分扱いが難しい。そのため、サブコックピットに、人機一体型を用いて兵装を管理している。人機一体型コックピットについては、下記参照。
人機一体型コックピット 本来SAのコックピットは、リンクユニットにパイロットが触れる(通常は手で)ことによって、SAとパイロットを精神的にリンクさせ操縦する。しかし、人機一体型はパイロットをプラグなどを用いて物理的にSAに繋げることにより、より高いリンクを果たすシステムである。SAと直接繋がることにより、身体を動かすような感覚で、操縦を容易にすることができる。しかし、人とSAは当然別の物のため、無理なリンク方法であり、またダメージのフィードバックなどパイロットに多大な負担をかけ、場合によっては廃人になってしまう。そのため、非人道的なシステムとして開発は中止されていた。
SSグリンブルスティ 以前にドヴェルグ族が開発した大型空中戦艦を、アース神族が回収修繕し、多数のSAを搭載した空母として利用した。高出力オーラ砲の強力な火力と、バリアによる高い防御力を持つ。空対地を想定しているため、底部がもっとも防御が硬い。逆に上空からの攻撃には比較的弱いが、基本的に射撃兵器は効果が無いため、隣接しての近接兵器での攻撃が有効と思われる。また高出力オーラ砲の発射時も一時的にバリアが弱まるため、そこを付くのも弱点と言える。
・次話あらすじ
ついに激突するアース神族とヴァン神族。ヴァン神族のフレイ・フレイア部隊は、グリンヴルスティの撃破に向かうが、そこに現れたのはアース神族側の現代人部隊。そして、大型SAヘルであった。
ヘルの登場で、拮抗していた二軍は一気にアース神族側有利になる。圧倒的火力で、ヴァン神族軍をなぎ払うヘル。それに対し、フレイがヘルの前に立ちふさがる。しかし、フレイといえどヘルの火力に対抗しきれず窮地に陥ってしまう。
その時、危機的状況に封じられていたフレイのリミッターが解除され、強大な力が発揮された。一気に、ヘルを倒そうとするフレイ。しかし、ヘルのパイロットが、さらわれたはずのリアであることに気づいたフレイは、一瞬の隙をつかれ逆に倒されてしまう。
そんな時、ヴァン神族長老会は、全面降伏を決定した。すぐにその決定は戦場全体に伝わり、ヴァン神族の敗北は決定付けられた。ヴァン神族側現代人も、撤退を余儀なくされるのだった。
・登場人物
アース神族側現代人(2〜4名) アース神族に収容され、魂の騎士として戦うことになった現代人
ヴァン神族側現代人(2〜4名) ヴァン神族に保護され、魂の騎士として戦うことになった現代人
トリックスター(池内秀忠) アース神族側の上級仕官で、「仮面の道化師」と呼ばれている。その名の通り、素顔は仮面で隠されており、元々の素性も出生も本名さえもわからない謎の男
その他 各神族一般兵士、ヴァン神族長老会幹部など
・今後の展開
降伏の決定で、ヴァナヘイムはアース神族に占領されてしまう。撤退したヴァン神族側現代人達は、後方の基地で秘密裏に開発されていた空中戦艦で脱出を図る。その後、彼らはアース神族への抵抗組織と合流し、ゲリラ的な抵抗を行っていく。
アース神族は、ヴァン神族を併合し、次に巨人族に狙いを定める。しかし、巨人族もSAを開発し、再び激しい戦いが切って落とされるのだった。
●リプレイ本文
「悪いが、俺も負けるわけにはいかないんだ!」
SAトールのパイロット、源(CV:伊達正和(fa0463))は気合と共に四門のオーラ砲を放った。そして、近づいてきた敵には巨大なハンマーを振るう。重火力重装甲のトールは、まさに嵐のごとき勢いで、周囲の敵達をなぎ払った。
「それ以上は、やらせはしないっ!」
「ヴィオか!」
そこへ現れたのは、青き鎧を纏った戦乙女。ヴィオ(CV:レティス・ニーグ(fa2401))の駆るSAヴァルキュリアだった。急降下してくるヴァルキュリアに、トールがいくつものオーラ砲を放つ。ヴィオはその激しい攻撃をまるでダンスを踊るかのような華麗な動きで避け、一気に間合いを詰め寄った。
「当たれ! 当たれ!」
「富嶽! もうやめましょう、こんな事。あたし達が戦わなければならない理由がどこにあるの?」
「早く戦いを終わらせて、もとの世界に帰るためなら戦わなくちゃいけないだろう! それなのに、あんたが裏切るからぁ!」
ヴィオの呼びかけに、激昂した様子で返す源。振り下ろされる戦槌をすれすれで避け、その腕狙って回し蹴りを放つヴァルキュリア。
「(相手の武器を狙って無力化すれば‥‥)富嶽、悪いけど大人しくしてもらうわよ!」
「この動きもしかして‥‥。くっ! 舐めてるのかぁ!」
「!!」
足に装備されたオーラブレードを、なんとか武器で受け流すトールだが、連続で繰り出される蹴りに徐々に押されていく。しかし、ヴィオの蹴りは腕や足、頭部モニターは狙っても、決してコックピットを狙うことはしない。それに気づいた源は、再び怒りをあらわにした。相手の怒りに一瞬気を取られたヴィオ。ブレードに腕を切り裂かれながらも、自分のダメージを無視した戦槌の一撃に、ヴァルキュリアも後方へと弾かれた。強化された装甲のおかげで、かろうじて攻撃に耐えるヴァルキュリア。腕を失いながらも、距離を稼ぎ再び砲撃態勢に入るトール。
「戦争なんだぞ! 目の前の命を奪うことに躊躇したら、もっと多くの命を失うことになるかもしれないんだ!」
「甘いと言われてもこれがあたしの戦い方なの」
「アース神族がこの世界を統一することが、戦いを無くす最短なんだって、なんでわからないんだよ! ミョルニール発射!」
「あたしはこの世界を、皆を守りたいだけ。でも争って勝ち取る平和なんて、みとめられない! やらせはしないっ!」
トールの四門の砲が最大チャージに放電し、『神の雷』が放たれようとする。ヴァルキュリアは背部のウィングスラスターを全開にし、トールに正面から突っ込んだ。
「嘘だろ!?」
一瞬の攻防、ミョルニールが発射される直前、ヴァルキュリアの放った蹴りが、トールの砲を切り裂いた。エネルギーの行き場を失い、暴発するトール。腕を失ったことにより起きた、微妙なオーラの漏れによる予定外のタイムラグが勝敗を分けることとなった。
空中、グリンヴルスティに果敢にアタックするフレイア隊。しかし、それを阻む一機のSA。
「この感覚! アールヴヘイムで出会った現代人!? けれど・・・立ち塞がるのならっ!」
「いくぞ! エンフェリア‥‥アタック!」
「これはS・O・V!? ううん、違うけれど‥‥アース神族も遠隔兵器を開発していたというの!」
SAギンナルに乗った安則(CV:名無しの演技者(fa2582))は、試作装備の遠隔兵器エンフェリアを用いて、多くの戦果を出していた。ギンナルから射出された小型の砲台、それらがまるで意志があるかのように空中を飛び、予期せぬ方向からオーラビームを放つ。それにフレイア隊は翻弄され、一機また一機と落とされていった。
「この敵は、私が相手をするわ。他の者は、空中戦艦の攻撃に集中しなさい!」
「ヴァン神族の魂の騎士か! 少しは歯ごたえがありそうだな!」
マリア(稲森・梢(fa1435))はフレイアを人型に変形させ、ギンナルの前に対峙する。それに対し、安則は高揚した様子でフレイアを見つめ、ニヤリと笑みを浮かべた。いま安則は、エンフェリアを扱うために、特殊なプラグなどでギンナルと直接繋がっていた。
「そうだ‥‥これだ。これだよ。これが戦場の空気だ! 飛び交う銃弾、切り結ぶ恐怖! ‥‥俺は‥‥傭兵部隊フレイミングウルフ、緑川安則曹長なんだよ!」
「速い! それに‥‥まるで詰め将棋のように、一手一手相手の思い通りに動かされているみたい‥‥消えた! どこ!」
「チェックメイト!」
四方八方からのエンフェリアの攻撃、ギンナルの素早い動きに、かろうじてついていきながら嫌な予感を膨らませるマリア。そして、光学迷彩で消えるギンナル。相手を見失い、恐怖を堪えて歯を食いしばるマリアの後ろから、ギンナルがライフルに装着された銃剣で切りつけた。
「ブリーシンガメンっ!!」
「受け止めた!? 読まれていたか!」
間一髪、フレイアの防御兵装A・O・Bがギンナルの剣を止める。舌打ちし、すぐに間合いを外す安則。
「緑川君、一度艦を後退させる。あとは彼女達に任せて君も戻ってきなさい」
「なに!? 了解‥‥こっちも限界に近いからな。SAヘル‥‥拠点侵攻用大型SA‥‥SSだけでも化け物だと思ったがこいつは少々後味の悪い戦争‥‥虐殺になりかねんかな? くっ! ざらついた感覚‥‥嫌な感じだ」
突然のトリックスター(CV:池内)からの通信。安則は一瞬顔をしかめるが、身体に感じる急激な疲労感に、命令を素直に従い撤退した。
「なにいまの‥‥思考が勝手に‥‥」
撤退するギンナルを見送ったマリア。彼女は、いまの攻防の一瞬、自分が自分でないような、勝手に思考し攻撃を回避した感覚に襲われていた。遠い過去の、もう一人の自分が現れたような。
「圧倒的だな、心弱き者は墜ちるがいいのさ!」
「‥‥‥」
巨大SAヘル、通常のSAの数倍はある大きさのSAは、その圧倒的な火力で周囲の敵を殲滅していた。コックピットのシェリー(CV:大道寺イザベラ(fa0330))は蔑むような目で、眼下の敵であったものを見下ろし嘲る。
「子猫ちゃんもそう思うだろう?」
「はい、マスター‥‥」
シェリーの問いかけに、サブコックピットのリア(CV:七瀬・瀬名(fa1609))が答えるが、その瞳は虚ろで意識を感じられない。そして、彼女の身体には、様々なプラグが装着され、まるで磔にされているかのようであった。
「あとはアンタだけだよ!」
「なんという火力!? ブリーシンガメンでは防ぎきれません! このままでは、堕とされてしまいます!」
そういったシェリーの視線の先には、SAフレイの姿があった。フレイはこの少しの戦闘で、すでに満身創痍。ヘルの強力な攻撃により、S・O・Vのほとんどを失っていた。パイロットのエリス(CV:水鏡・シメイ(fa0509))とレイ(CV:ニーグ)は、絶望的な状況に歯を強く噛み締めた。そのとき‥‥。
「あのSAを倒さなければ、この世界の平和は‥‥っ! なんです、この身体が燃えるようなこの感覚は‥‥」
突然、エリスの頭の中にある映像がフラッシュバックのように蘇る。黒い影に対し最後まで戦い抜き消えていく自分の姿。そして、フレイに変化が現れた。赤く燃える炎のようなオーラが、フレイから立ち上がりだしたのだ。それと同時に、機体の出力が急上昇、残像を生むほどの超スピードと、ヘルの装甲さえ切り裂くパワーを得ていた。形勢は一気に逆転、フレイは手に持ったソードでヘルを切り裂いていく。
「これが、オーバーテクノロジーの力‥‥物凄いエネルギーを感じます」
「一体何が起きたっていうんだい!」
フレイの超スピードに対応できず、雑な攻撃を繰り返すヘル。そして、受けた攻撃のフィードバックに苦しみ錯乱するリア。
「これで!」
「いや‥‥いやいや! あ、あああああぁ!」
「ちぃ、強化の歪みか‥‥欠陥品め。そうだ、これならどうだい!」
「あれは、リアさん! 何故あなたがアース神族のSAに!?」
「だれ? 彼方達は‥‥痛い‥‥あ、頭が‥‥」
錯乱するリアに舌打ちするシェリー。しかし、何か思いついたようにニヤリと笑みを浮かべると、突然コックピットを開ける。コックピットの開いたヘル、エリスはその中にさらわれたはずのリアの姿を見つけてしまった。
「だから甘いってんだよ!」
「しまった! レイさん‥‥うわっ!」
リアの姿に、一瞬動きが止まるフレイ。その隙を見逃さず、ヘルは機体を分離させコントロールの戻ったオーラ砲でフレイを攻撃した。攻撃が直撃し墜落するフレイ。
「アディオス、銀髪坊や」
ヘルの攻撃か、それとも高出力の過負荷に耐え切れなくなったのか、空中で爆発してしまうフレイ。それを見届けて、シェリーはリアを連れ、帰還していった。
「リミッター解除のフレイがやられただと? 嘘だろ!?」
報告を聞いたフォー(CV:ユキイ・アバンサール(fa3610))は、驚愕の表情で叫んだ。
「それでレイとエリスは無事か!? 機体なんてどうでもいい! データは取ってある! 命に代わりはないんだぞ!」
レイは大怪我を負ったが何とか命は無事。しかし、エリスは爆発の際、機体から投げ出されて生死不明。フォーは、ガックリと肩を落とし、椅子に腰を落とした。それに追い討ちをかけるように、長老会からの決定が申し渡される。
「全面降伏だと‥‥俺達はまだ戦える‥‥くそっ!!」
ダン! 机を叩く音が虚しく響くのだった‥‥。