ヒカル! 目覚める力アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当 緑野まりも
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 02/19〜02/23
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●本文

 自分の複製を作って、ライバルを襲わせて。自分は安全な所で、それを見てるなんて、そんなのありなの!? しかも、無関係な人たちまで操って‥‥。くっ、大事な人を盾にされたら、戦えるわけないよ! お願い! 私に、新しい力を!

〜声優募集〜
 アニメ『光の中のヒカル!!』では、劇中のキャラクターの声を演じてくれる方を募集しています。得意な役柄、演じたい役柄の希望と共にご応募ください。審査のうえ、ご依頼させていただきます。振るってのご応募お待ちしております。

〜作品紹介〜
 明るくて運動の得意な少女蛍崎光流は、ある日不思議なヌイグルミのような生き物を見つける。それはなんと、光流達の住んでいる世界とは別の世界からやってきた異世界人(?)だった。
 異世界人カトリは、500年に一度行われる神様決定戦に参加した神様候補だと光流に伝える。神様決定戦とは、異世界で一番の権力者を選ぶ戦いで、100人ほどの候補者から勝ち残った1人を神様とするものだった。神様候補は、こちらの世界を訪れ、パートナーとなるものを1人選び出し。パートナーとなったものに魔法を使える力を与え、この力で最後の一組になるまで戦いを生き抜くことになる。
 カトリは光流にパートナーになってくれるよう頼み込む。最初は得体の知れない戦いに巻き込まれるのを嫌がった光流だが、優勝者のパートナーには一つだけ願いを叶える権利が与えられると聞いて、喜んでパートナーになることを了承する。
 こうして光流とカトリはパートナーとなり、神様決定戦に参加することになった。しかし、実はカトリは神様候補の中で最低ランクの落ちこぼれであった。はたして光流は、頼りないカトリと一緒に神様決定戦を生き抜いていけるのだろうか‥‥。

〜世界設定〜
異世界人 異世界で暮らすヌイグルミのような外見をした生き物。言語を話し、現代世界の人間とほとんど変わらない知性を持っている。外見は様々で、人型や動物型、無機物型など、大きさはだいたい30センチほど。その造型に関係なく、空を飛ぶことができる。また現代世界では、人間の姿に変身することができる。

神様候補 異世界で選抜された神様決定戦の参加者達。彼らは、現代世界でパートナーを見つけ。最後の1人になるまで戦い続け、その最後の1人が神様となる。彼らは現代世界で魔法を使えないが、パートナーにその力を与えることができる。

パートナー 神様候補に選ばれて、一緒に神様決定戦を戦うと誓った者。彼らは、神様候補から魔法の力を与えられると、その姿を変身させて(必須)魔法を行使することができる。パートナーは人間でなくても良い、ただし生き物でなければならない。

魔法 異世界人が使うことのできる不思議な力。現代世界では、パートナーにその力を与えることによって使うことができる。異世界人にはそれぞれ得意な魔法属性があり、第一魔法にその属性(炎、水、身体強化など)が反映された魔法、その後第二魔法からは属性に特性を現す単語(炎の『壁』、『強い』身体強化など)を加えていく魔法が使えるようになる。第二魔法は単語が一つ、第三魔法は単語が二つといったように強くなっていく。ただし、それぞれ一つずつしか覚えられない(第二魔法を二種類覚えるなどはできない)。

写し身の鏡 神様候補が自分の姿をこの鏡に映すと、姿形をそっくりに写した自分の複製を作ることが出来る。作れる複製はほぼ無限、姿形と能力は同じだが、魔法だけは1ランク下がる(第四魔法が使える場合、使える魔法は第三魔法まで)。複製が持っている無色のパワーストーンを奪えば消える。また鏡を割るか、本体のパワーストーンを奪えば全ての複製が消える。かつて、500年前に行われた神様決定戦で使われた、異世界の魔法の道具の一つ。過去の戦いでは、このような異世界の魔法の道具を持ち込み可だったが、今回の戦いでは不可となっている。

〜次話あらすじ〜
 自分を襲ってきた謎の神様候補。写し身の鏡を使って多数の複製を作り、ライバルを倒そうとする相手に怒りを覚える光流とカトリ。敵の脅威を知り、様々な理由で一時的とはいえ一緒に戦うことを誓う神様候補とそのパートナー達であったが、彼らに対して卑劣な罠が張り巡らされる。
 敵の正体を探ろうとした矢先、光流達の前に再び複製の神様候補が現れる。しかもそれは、光流の大切な友達や家族を操っていた。大切な人を傷つけることを恐れた光流は、戦うこともできず絶体絶命の危機に陥る。時を同じくして、他の神様候補達の前にも、操られた大切な人達が現れ、苦しめる。
 そんな時、光流達はついに第三の魔法に目覚める。はたして、この卑劣な罠を、光流達は切り抜けることができるのか?

〜登場人物〜
蛍崎光流(CV:牧村ユミ) 本編の主人公。運動神経抜群の中学二年生の少女。明るく元気で、ちょっと勝気な性格。偶然異世界人カトリと出会い、神様決定戦のパートナーに選ばれる。愛称はヒカル。
異世界人カトリ(CV:南方雄治) 本編のもう1人の主人公。異世界より神様決定戦に参加する、神様候補として現代世界に現れた。
謎の神様候補 写し身の鏡を用いて、世界中に自分の複製をばら撒いた神様候補。その目的は、邪魔な神様候補達駆逐すること。魔法の力とは別に、一般人を操り自分の思うがままに動かすという能力を持っている。本体は固有のパートナーを持っているが、複製達はその力を使って、一般人を自分の都合のいいパートナーにしている。また、複製達に指示を出すため、数人の神様候補を自分の部下に加えている。
ライバル達 神様候補とそのパートナー達。様々な願いを持って戦いに参加し、光流やカトリと対決していく。また、何かのきっかけで仲間になったりする。
学校の友人 光流の学校の友人達。神様決定戦のことは知らないが、事件に巻き込まれたり、場合によってはパートナーに選ばれていく。
その他 光流の両親、学校の先生など

〜備考〜
 パートナーの変身はいわゆる魔女っ子物などの服装の変化といったイメージ。また、異世界人はパートナーが変身すると、本来の姿(ヌイグルミ)に戻る。変化するのは服装のみで、その人を知っている者にはもちろん気づかれる。
 アニメ的ご都合主義で、バトルによって街や人に被害が出ても、一般人が事件について騒ぎたつことはない。魔法でいつのまにかバトルのことを忘れてしまうという設定。ただし、関係者はその限りではない。
 今回から、光流とその協力者達は、第三魔法(属性+単語2つ)が使えるようになる。
 蛍崎光流役には現在売り出し中のアイドル声優牧村ユミ氏を、カトリ役にはイケメン声優南方雄治氏を起用します。

●今回の参加者

 fa0389 KISARA(19歳・♀・小鳥)
 fa0509 水鏡・シメイ(20歳・♂・猫)
 fa0911 鷹見 仁(17歳・♂・鷹)
 fa2724 (21歳・♀・狸)
 fa3426 十六夜 勇加理(13歳・♀・竜)
 fa3599 七瀬七海(11歳・♂・猫)
 fa3863 豊田そあら(21歳・♀・犬)
 fa4643 夕波綾佳(20歳・♀・犬)

●リプレイ本文

「あはは、心配せんといて! ちゃんと学校も仕事のほうもがんばっとるから! うちはいつも全開や! ほな、お父ちゃん、学校行ってくるな!」
 街にある病院の一室。ベッドに寝ている父に向かって、茜が明るい声をあげる。茜は、病気で入院している父を毎朝見舞ってから学校へと行っていた。
「茜も毎朝大変ね。私の魔法で何とかできればよかったんだけど」
「なにいうてんのや。これくらい当たり前やろ。それに治らん病気やあらへんのやから、気にするほうがおかしいて」
 病院から出てきた茜を、レベッカが待っていた。前回の事件以来、二人はなるべく一緒にいることにしていた。レベッカの言葉に、茜は少し呆れたように答えて、二人は学校へと向かった。
「‥‥‥」
 しかしその様子を、病院の木の枝から銀色の蜘蛛が、観察しているのだった。

「じゃ、千尋兄ぃ、璃梨、行ってくるね!」
 ランドセルを背負った少年が、元気に家から飛び出していく。その後から千尋とリリーが家を出てきた。
「あんまりはしゃぎすぎないで、車に気をつけるんだよ」
「よぅちゃん‥‥今日も元気だね」
「うん‥‥」
 手を振りながら元気に登校していく弟の陽の姿を、少し眩しそうに見送った千尋。そして二人も学校へと登校していく。
「それにしても、今度の相手はいったい何者だろう‥‥」
「参加者は全員知り合いって訳じゃないから‥‥姿を見ても、わかんないの」
 二人は前回現れた謎の神様候補が何者か考えるが、依然としてその正体を知るすべはなかった。
「‥‥‥」
 千尋達の家の近く、立ち並ぶ家々に銀色の糸をたらし、銀色の蜘蛛がその様子を伺っていた。

「蛍崎光流さん」
「はい!」
「本田すばるさん‥‥本田すばるさん? すばるさんは遅刻かしら?」
「スバルちゃんが遅刻なんて珍しいね、どうしたんだろう」
 学校、ホームルームの出席確認の時、親友のすばるがいないことに光流は首を傾げる。担任の楓にもなんの連絡もなかったようで、真面目なすばるにしては珍しいことだった。結局その日、すばるが学校へと来ることは無かった。
 その日の放課後、千尋は光流にその願いを問うた。千尋にとってそれを聞くことはとても大事なことで、その眼差しは真剣なものだった。
「‥‥私は‥‥どんな願いでもかなうんだよね‥‥。だったら、死んだ人だって生き返る‥‥」
「ヒカルくん‥‥君はまさか」
 光流は言い辛そうに小さな声で答えると、表情を曇らせてその場を立ち去った。残された千尋は、光流の残した言葉に驚いたように立ち尽くした。

「ねぇ、カトリ‥‥あんたが神様になったら、どんな願いでも叶うんだよね?」
「それはまぁ、一つだけならどんなことだって‥‥いまさら急にどうしたの?」
「‥‥そう、なら‥‥ん? あれはスバルちゃん?」
 光流は憂鬱そうにカトリに問いかけ、ふと視界に入った人影に声をあげた。
「スバルちゃん!」
 光流が声をかけても、まるで気づかぬかのように歩いていくすばる。それを慌てて追いかけた光流は、いつしか人気の無い空き地へとたどり着いていた。
「ふぅ、ようやく追いついた。スバルちゃん、今日はどうしたの? 学校にこないからみんな心配してたよ!」
「ズ・ウェブ‥‥」
「いたっ!」
「ヒカルちゃん!」
 立ち止まったすばるに、光流が声をかける。しかし、すばるの呟いた言葉と共に、光流の腕に鋭い痛みが走った。制服の袖が切り裂かれ、腕から赤い血が流れる。
「なに‥‥?」
「どうですか、親友に傷付けられる気分は?」
「あんたは、シュバルツ!?」
 いつのまにか、すばるの肩には銀色の蜘蛛が乗っていた。その姿には見覚えがあり、驚きの表情を浮かべる光流。
「ヒカルちゃん‥‥パワーストーン‥‥私にください‥‥」
「そんな‥‥スバルちゃん‥‥」
 虚ろな瞳で光流を見つめるすばる。シュバルツに操られた親友の姿に、光流は愕然とするのだった。

「お、お父ちゃん‥‥なんでや?」
 同じ頃、茜はシュバルツに操られた父親に待ち伏せを受けていた。最愛の父親に反撃することもできず、攻撃を受け続ける茜。
「ちょっと、茜しっかりしてよ」
「ごめん‥‥レベッカ‥‥でも」
 動けない茜を叱咤するレベッカ。しかし、動揺した心で放った魔法は効果も弱く、相手の動きを止めることさえままならない‥‥。

「千尋兄ぃ‥‥そのパワーストーン‥‥ちょうだい‥‥」
「ち、ちひろぉ〜、よぅちゃんがぁ‥‥」
「くぅ、陽‥‥せめて動きだけでも‥‥ウインジェ‥‥」
「残念ですが、その程度の魔法では効きませんよ」
 やはり同じ頃、千尋とリリーも、大切の弟、陽に襲われていた。パステルグリーンの変身衣装はいくつもの刃で切り裂かれ、赤黒く滲んでいく。
「どうしたら‥‥」

「どうしたらいいの!?」
「どうしたんですか? 攻撃しないのでしたら此方から攻撃しますよ。さあ、手も足も出ないまま異世界へ戻りなさい」
「ズ・ウェブ‥‥」
「スバルちゃん、やめるんだ!」
 すばるを盾にとられ、なすすべもなく糸の刃に傷ついていく光流。カトリの声も、すばるには届かない。
「実にいい道具ですね。やはり捕まえておいて正解でした。パートナーなど、神になるための道具に過ぎませんからね」
「違う! パートナーは大事な親友であり、この世界で得た家族だ!」
「カトリ‥‥」
「ふっ、その家族に足を引っ張られていてはね‥‥」
 シュバルツの冷酷な言葉に激昂するカトリだが、シュバルツは嘲笑う。その時、空に光るなにかが現れる。
「‥‥目覚めなさい」
「う‥‥あああ!!」
「スバルちゃん!?」
「なんだ?」
「ヒ、ヒカル、ちゃ、ん‥‥う‥‥おねが‥‥私を‥‥止めてくださ‥‥うう‥‥」
「何が起きた? 私の呪縛が解けかかっている?」
 空に現れたのは光る鳥、声が響き渡ったかと思うと、すばるが突然苦しみだし、一瞬意識のある瞳で光流を見つめた。
「スバルちゃん! いまたしかに‥‥絶対助けるから!」
「何です、この光は!? まさか、第三魔法」
「光・屈折・消える‥‥これは‥‥ヒカルちゃん! 新しい魔法だ!」
 すばるの声に、強く頷く光流。そして、その心に呼応したかのように、カトリの額のパワーストーンが輝きだす。
「しかし、この人質がいれば‥‥」
「リフ・ライテ!」
「な、馬鹿な、消えた!?」
 光流の第三魔法、それは自分の姿を相手に見せなくする魔法だった。
「だが、足跡を辿れば‥‥そこです!」
「ウェブ」
 シュバルツもすぐに冷静さを取り戻し、地面の足跡で位置を知ろうとする。そして、たしかに魔法は光流を捉えた‥‥。
「残念でした!」
「お前はカトリ、いつのまに‥‥」
 シュバルツは光流に気を取られすぎて、空中を飛んで近づいてきたカトリに気づかなかった。パワーストーンを取られ消えていくシュバルツ。
「僕達はパートナーだ。お互いを信頼して動ける、ね」
「スバルちゃん!」
 シュバルツが消え、意識を失ったすばるに駆け寄る光流。そして、すばるの無事を確認しては、安堵するのだった。

「茜、良く聴いて、貴女がお父さんを気遣う気持ち解るよ。でもね、此処でやられちゃったら貴女のお父さんを助けられなくなる」
「そやなレベッカ‥‥アタシがアホやった許してな」
 レベッカの言葉に、口元の血を拭って笑顔を浮かべる茜。その表情には、すでに動揺はなかった。
「アタシの魂は今、めっちゃ燃えてるでぇ!! さぁてとレベッカ、ここからは全開や!」
「この術で気絶させちゃえば、後は操ってる神候補倒すだけだよ」
 茜の気合に、レベッカのパワーストーンから黒い光が放たれる。そして、新しい魔法が。
「操られる苦しみ、あんたにも教えたる! コン・シャド!」
「く、身体が‥‥」
 茜の影が、シュバルツの影に伸び、動きを封じる。そして、そのまま‥‥。
「ふふん、自分の攻撃の味はどう?」
 操られたシュバルツは、自分で自分をボコボコにするという酷い目に合わされた‥‥。
「アタシは茜、天下無敵の純情美少女なんやぁ!」
「茜、それ恥ずかしいよ‥‥」
 戦いに勝ち、ビシッと決めポーズを取る茜。それをレベッカが呆れたように呟くのだった。

「ハイ・ウインジェ!」
「これは‥‥より強い風の拘束!?」
 身体を締め付けるほどの風、それがピンポイントにシュバルツのみを拘束していた。風を読み、確実な軌道予測と正確な攻撃、それが自由に動けない千尋の戦う力だった。
「新しい‥‥ちから、だね‥‥ちひろぉ」
 陽を助け出し、嬉しそうに抱きつくリリー。こうして、光流達はなんとかシュバルツの魔の手を逃れることができたのだった。

「少々彼女等を甘く見過ぎていたようですね。ですが、本当のゲームはこれからですよ‥‥ふふ‥‥。そうですよね‥‥愛しき、私のパートナー」
 巨大な鏡のある一室で、椅子に座った人影に話しかける銀髪の青年。そして、その周囲には数十、数百の銀色の蜘蛛が集っているのだった。

●キャスト
 蛍崎光流        牧村ユミ
 カトリ           南方雄治
 風祭千尋        七瀬七海(fa3599)
 リリー           KISARA(fa0389)
 戎橋茜          十六夜 勇加理(fa3426)
 レベッカ         結(fa2724)
 本田すばる       豊田そあら(fa3863)
 シュバルツ       水鏡・シメイ(fa0509)
 鈴木楓・光の鳥    夕波綾佳(fa4643)