ヒカル! 敵の正体アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
03/12〜03/16
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前回のリプレイを見る
●本文
「あれ? このメールなんだろう?」
謎の神様候補の襲撃から数日後、光流の自宅のパソコンに身に覚えの無いメールが届く。
「え〜っと、なになに? 『写し身の鏡の所在』?」
「ヒカル! それって、あの神様候補が使っている!」
「え!? ちょ、ちょっと見てみるね!」
カトリの言葉に驚いた光流は、慌ててメールを開いてみる。
「これって住所と地図? グーテン・ジャパン本社ビル‥‥? グーテン・インターナショナルってどっかで聞いたことあるかも‥‥」
「これ、これだよヒカル!」
首を傾げる光流に、カトリはちょうどテレビで流れるCMを指差す。それは、全世界的に有名なヌイグルミ会社のものだった。
「うそ! すっごい大企業じゃない! この会社の日本本社のビルに、そのなんとかの鏡があるっていうの!?」
「そのメールが本当ならそういうことになるよね‥‥」
メールの情報が確かならば、その大企業に関わりのある誰かが、鏡を持っている神様候補のパートナーということになる。しかも、そんな大事なものをわざわざ会社に置いてあるということは、ある程度会社のビルを私的に使用できる高い地位にいる者の可能性は高い。下手をすれば、大企業を相手にすることになるかもしれない。
「ど、どうしよう‥‥」
「とりあえず、その情報が本当なのかどうか確かめるべきだね‥‥。でも、一体誰が‥‥」
「そういえば、この間の戦い。僕達と奴以外に、別の候補者の力を感じた」
「謎の声と光る鳥だよね。やっぱりあれも神様候補なのかな? でも、私達を助けてくれたみたいだし、悪い候補者じゃないのかも?」
「そうだといいんだけど‥‥とにかく、この情報を確かめてから対策を練ろう」
「うん」
光流とカトリは、送られてきた謎のメールをもう一度見て頷き合う。メールが本当なら、ここに敵の本体がいるはずだ。少しずつだが、敵の正体が姿を見せてくるのだった。
〜声優募集〜
アニメ『光の中のヒカル!!』では、劇中のキャラクターの声を演じてくれる方を募集しています。得意な役柄、演じたい役柄の希望と共にご応募ください。審査のうえ、ご依頼させていただきます。振るってのご応募お待ちしております。
〜世界設定〜
写し身の鏡 神様候補が自分の姿をこの鏡に映すと、姿形をそっくりに写した自分の複製を作ることが出来る。作れる複製はほぼ無限、姿形と能力は同じだが、魔法だけは1ランク下がる(第四魔法が使える場合、使える魔法は第三魔法まで)。複製が持っている無色のパワーストーンを奪えば消える。また鏡を割るか、本体のパワーストーンを奪えば全ての複製が消える。かつて、500年前に行われた神様決定戦で使われた、異世界の魔法の道具の一つ。過去の戦いでは、このような異世界の魔法の道具を持ち込み可だったが、今回の戦いでは不可となっている。
グーテン社 世界的に有名なドイツの玩具会社。本社はドイツだが、日本にも会社を持っている。元々はヌイグルミで有名になった会社で、愛らしい動物のヌイグルミは全世界にファンも多い。現在世界中で大々的に売り出しているのは、何故か蜘蛛のヌイグルミ。
グーテン・ジャパン本社ビル 光流の街から電車で一時間程度行った所にある都会の一等地に立つグーテン・ジャパン本社のビル。地上50階、地下5階で1、2階はヌイグルミの展示場になっており、様々なヌイグルミが飾られている。
〜次話あらすじ〜
謎のメールで、グーテン社ビルを訪れた光流達。多くのヌイグルミに囲まれながら、神様候補達は確かにこの場所に敵の神様候補と写し身の鏡があることを確信する。
深夜、人気のなくなったビルへと忍び込む光流達。そこで待っていたのは、やはり敵の神様候補の複製達だった。果たして、光流達はその場をくぐり抜け鏡のある場所へと行くことができるのだろうか?
〜登場人物〜
蛍崎光流(CV:牧村ユミ) 本編の主人公。運動神経抜群の中学二年生の少女。明るく元気で、ちょっと勝気な性格。偶然異世界人カトリと出会い、神様決定戦のパートナーに選ばれる。愛称はヒカル。
異世界人カトリ(CV:南方雄治) 本編のもう1人の主人公。異世界より神様決定戦に参加する、神様候補として現代世界に現れた。
謎の神様候補 写し身の鏡を用いて、世界中に自分の複製をばら撒いた神様候補。その目的は、邪魔な神様候補達駆逐すること。魔法の力とは別に、一般人を操り自分の思うがままに動かすという能力を持っている。本体は固有のパートナーを持っているが、複製達はその力を使って、一般人を自分の都合のいいパートナーにしている。また、複製達に指示を出すため、数人の神様候補を自分の部下に加えている。本体は第四魔法まで使用可能、複製は第三魔法まで使える。
ライバル達 神様候補とそのパートナー達。様々な願いを持って戦いに参加し、光流やカトリと対決していく。また、何かのきっかけで仲間になったりする。
学校の友人 光流の学校の友人達。神様決定戦のことは知らないが、事件に巻き込まれたり、場合によってはパートナーに選ばれていく。
その他 光流の両親、学校の先生など
〜備考〜
パートナーの変身はいわゆる魔女っ子物などの服装の変化といったイメージ。また、異世界人はパートナーが変身すると、本来の姿(ヌイグルミ)に戻る。変化するのは服装のみで、その人を知っている者にはもちろん気づかれる。
アニメ的ご都合主義で、バトルによって街や人に被害が出ても、一般人が事件について騒ぎたつことはない。魔法でいつのまにかバトルのことを忘れてしまうという設定。ただし、関係者はその限りではない。
前回から、光流とその協力者達は、第三魔法(属性+単語2つ)が使えるようになる。
蛍崎光流役には現在売り出し中のアイドル声優牧村ユミ氏を、カトリ役にはイケメン声優南方雄治氏を起用します。
●リプレイ本文
「んん‥‥朝‥‥ですね」
朝日差し込む自室、大きく豪華なベッドで目が覚めた少女、本田すばるは軽く目を擦って身体を起こした。周囲を見渡し、いつものように状況を確かめた後、すばるは思い出すように呟く。
「やっぱり、昨日のことは夢ではないんですね‥‥」
夕方、すばるは光流の部屋で目を覚ました。
「ヒカル‥‥ちゃん?」
「あ、すばるちゃん目が覚めた?」
「どうして私、ヒカルちゃんのお部屋に‥‥」
「あ‥‥う、うん、覚えてないかも知れなけど、すばるちゃんが貧血で倒れて‥‥。ちょうど近くにいた私が見つけて、うちに連れて来たんだよ!」
「‥‥‥」
光流の説明に、すばるはぼんやりとする頭の中で、自分が倒れた理由を思い出そうとする。
「覚えています。ヒカルちゃんと‥‥そこの、ヌイグルミさんが私を助けてくれたことを」
「う‥‥」
「教えてくださいヒカルちゃん! ヒカルちゃん達は、何故あんな戦いを!」
「‥‥実は」
光流は観念したかのように、神様候補とパートナー、そして神様決定戦のことを話す。
「水くさいじゃないですか〜何で今まで言ってくれなかったんですの? そういうことでしたら、私が光流ちゃんを全面的にサポートいたしますわ」
すばるの言葉に、照れたように笑う光流。その様子に、すばるもにっこりと笑みを浮かべるのだった。
「神様決定戦‥‥でも私にどんなお手伝いが‥‥」
昨日の回想から、思い悩むように呟くすばる。魔法使い同士の不思議な戦い、そこに何の力も持たないすばるが入り込む余地などなさそうに見える。むしろ昨日のように操られて光流の足手まといになってしまう。しかし、すばるは光流のために何か力になってやりたかった。
「私にも魔法が使えたら‥‥あら、どなたですか?」
ふと、窓をコツコツと叩く音に気づく。自分の部屋は二階、ベランダなどはない。窓を叩くなど普通はありえないことだった。不思議に思いながら、すばるは窓に近づき、カーテンを開く。
「え‥‥光る‥‥鳥?」
「私はレイ‥‥本田すばる、アナタの力を借りたいの‥‥」
「ヒカル〜、気をつけて行ってらっしゃいね〜」
「うん、行ってきま〜す」
休みの日、母に声をかけられながら、光流は家を出た。その日、光流は謎のメールの真偽を確かめるため、グーテン社ビルへと向かう。
ビルへ着くと、光流は茜達と合流し、展示場を見て回ってから一度外へ出た。そして、相談し作戦を練ると、深夜にビルに入り込み、鏡を探すことになった。
「ふぅ、なんとか中に入れたね」
魔法を使い、こっそりとビルへと入った光流達。薄暗いエントランスで、小さく安堵のため息をついた。
「レベッカ、鏡はどこにあるかわかる?」
「うん、たぶん最上階じゃないかな」
気配を探ることに敏感なレベッカの話では、鏡の気配は遥か上、最上階あたりだと言う。そして、やはりシュバルツの気配も同じ所にあった。
「あかん、最上階への直通エレベーターはあらへんみたいや」
しかし、最上階に向かうには、いくつかのエレベーターに乗り換えなければならないようであった。しかたなく、光流達はエレベーターに乗り次のエレベーターの階に向かう。そして、広いフロアへと出た。
「まさかここを嗅ぎつけてくるとは思いませんでしたよ」
「!!」
光流達がフロアに入ると同時に、いままで薄暗かったフロアにライトがつく。そして、聞き覚えのある声が響き渡った。
「シュバルツ!」
「しかもこんな時間に乗り込んでくるとは‥‥子供は寝る時間ですよ?」
フロアには警備員と思しき姿の男性、そしてその肩には銀の蜘蛛、あの謎の神様候補シュバルツがいた。シュバルツは、苦笑しているような声音で呟く。
「写し身の鏡を使ったり、他人を操ったり、卑怯な手を使って神様決定戦を勝ち残ろうとしたようだけど、それももうお終いだぞ!」
「ほぅ、たった二組で、何ができると言うんですか? 残念ですが、貴方がたは飛んで火にいる夏の虫というものです。この場で始末してあげましょう」
「これ以上、無関係の人を巻き込ませない! いくよカトリ! レイテ!!」
「侵入者のようね」
「ええ」
ビル最上階社長室、薄暗い室内で大きなモニターに光流達とシュバルツの戦いが映し出されている。その様子を見ながら、長い金の髪の美しい女性が呟いた。その隣には、銀の髪のやはり美しい男性が立ち、その呟きに頷く。
「どうしてここが分かったのかしら‥‥。まぁ、いいわ。まずはお手並み拝見ね。ふふふ‥‥」
「ゼラフィー‥‥貴方は私が守ります」
「シュバルツ、楽しみにしてる。私を楽しませてね?」
ゼラフィーと呼ばれた金髪の女性、グーテン本社の社長令嬢であり、グーテン・ジャパンの社長ゼラフィーネは、光流達の侵入を楽しむかのように笑う。そんな彼女に、銀髪の男シュバルツは愛しげに呟く。そうする間も、モニターの光流達は、シュバルツのコピー達を切り抜けて先へと進んでいく。
「敵もなかなかやるわね。楽しくなってきたわ。うふふ」
「コピーだけじゃ辛いでしょう。わたくしが相手をしてきてさしあげましょうか」
「あなたがですか‥‥」
ふと、室内の闇の中から、黒髪の女性が現れる。女性は口元に笑みを浮かべながら、シュバルツ達に声をかけた。シュバルツは一瞬訝しげに相手を見るが、黒髪の女性はまったく意に返さない様子であった。
「ええ、見知った顔もいるようですし。挨拶も兼ねて‥‥」
「‥‥いいでしょう。お手並みを拝見させていただきます」
「ふふふ、協力関係なんてあっさり崩れるものなのですよ、お嬢‥‥」
黒髪の女性は、モニターに映るレベッカの姿を親しげに見つめながら、クスリと笑みを零すのだった。
「茜ちゃん、大丈夫!?」
「光流ちゃんこそ大丈夫やった?」
シュバルツの陽動に合い、光流と茜ははぐれていしまっていた。しばらくして、大きなフロアで合流できた光流と茜。茜は何事もなかったようにニッコリと笑う。
「あれ? レベッカさんは?」
「いや、途中ではぐれちゃって。けど、たぶん大丈夫や。レベッカは敵を避けるの得意やし」
茜の変身が解け、レベッカの姿が見えないことを不審に思った光流だが、茜の笑みにホッと安堵する。
「ほな、先を急ごう。たぶん、レベッカも先に進んでるはずや」
「うん!」
茜に促され、先へと進もうとする光流達。しかし‥‥。
「‥‥うちは、お母ちゃんに逢いたいんや‥‥サヨナラ光流ちゃ‥‥」
「グラビラ!」
突然、茜が後ろ手に持っていた鉄の棒で光流に襲い掛かる。そこへ、魔法の掛け声と共に重力の渦が茜の鉄棒を弾き飛ばす。フロアに響き渡る金属音。
「随分と卑怯な真似をなさるのね、そこの貴女こんな小悪党に耳を貸しちゃ駄目よ」
現れたのは、人気アイドルで神様候補のパートナー夢村ありすだった。ありすは、フロアの片隅に隠れていた闇の鴉と、呆然としている茜に向かって声をかけた。
「ありすちゃん!」
「遅れて御免なさい光流ちゃん、夢村ありす只今参上‥‥な〜んてね」
「あ、あ、ありすちゃん‥‥って事はありすちゃんも‥‥ええー!?」
様々なアングルから、ありすの華麗なポーズが映し出される。突然現れた、憧れのアイドルの姿に驚く茜。しかし、闇の鴉は再び茜に囁きかける。
「いいの? 今なら光流ちゃんを倒せるんだよ。お母さんに‥‥逢いたいよね? 茜ちゃん」
「お、お母ちゃん‥‥お母ちゃんに逢いたい」
「茜! そんな子の言う事聞いちゃ駄目だよ!」
「この子、貴女のパートナーでしょ? さっき助けておいたよ」
再び操られそうになる茜。そこへ、ありすに助けられたレベッカが必死に声をかける。その声に、ハッとなる茜。
「そやなゴメン‥‥それに戦う時は正々堂々や光流ちゃん、ありすちゃん」
レベッカの声に、意識を取り戻した茜。茜は光流とありすに親指を立てて無事をアピール。
「ちぃ、あと少しだったのに‥‥まあいい後はシュバルツに任せるか」
闇の鴉が憎々しげに呟き、隠れていたコピー達が姿を現す。そして、闇の鴉は、通路の先へと飛び去ってしまう。
「さてと、心配かけたなレベッカ、天下無敵の純情美少女、戎橋茜そろそろ全開でいくでぇ!」
茜は、飛び寄ってきたレベッカの力で再び変身。今までのお返しとばかりに、コピー達を倒していく。同じように、光流とありすもコピー達を次々と撃破していった。
「使えないわね‥‥」
その様子をモニター越しに見ていたゼラフィーネは、つまらなそうに呟いた。今モニターには、コピー達を全て倒し、茜がありすに感激の表情を浮かべている様子が映っている。
「もうすぐ、ここにたどり着いてしまうけれど、どうしようか?」
「悪あがきだなんて‥‥、醜いわね。生意気で可愛くないわ。直接お仕置きしてあげないとダメかしら」
シュバルツの言葉に、不機嫌そうに吐き捨てるように答えるゼラフィーネ。しかし、スーっと目を細めニヤリと笑みを浮かべるのだった。
●キャスト
蛍崎光流
牧村ユミ
カトリ
南方雄治
戎橋茜
十六夜 勇加理(fa3426)
レベッカ
結(fa2724)
夢村ありす
大道寺イザベラ(fa0330)
ゼラフィーネ
葉月 珪(fa4909)
シュバルツ
水鏡・シメイ(fa0509)
闇の鴉
黒羽ほのか(fa5559)
本田すばる
豊田そあら(fa3863)
蛍崎優子・光る鳥
夕波綾佳(fa4643)