曇り時々雨のち青空荘3アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/25〜07/29
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前回のリプレイを見る
●本文
7月、梅雨のうっとうしい長雨もようやく終わり、屋根の修繕で雨漏りの問題も解決された青空荘。ここ数日は、お天気も続いて洗濯物も良く乾くってぇ、えええ!! な、ない! ない! ここに干しておいた、私の下着がない!! 全部風で飛ばされたってわけもないし‥‥も、もしかして泥棒!? でも、二階のベランダに干してあった物をそんな簡単に‥‥ま、まさか内部犯の犯行? お気に入りの下着もあったのに、絶対ゆるせない!
・俳優募集
ドラマ「曇り時々雨のち青空荘」を撮るにあたって、作品に出演してくれる俳優を募集します。審査のうえ主人公、ヒロイン、またその他の登場人物を担当していただきます。奮ってのご応募をお待ちしております。
・ドラマ内容
大学進学のために東京へと上京してきた一宮由希奈は、引越し先である「青空荘」を見て愕然とした。なんとそこは、築45年のオンボロアパート、しかも10月には取り壊しが決定しているというのだ。悪徳不動産屋に騙された由希奈だが、新しい物件が見つかるまでしかたなく「青空荘」で暮らすことになる。
「青空荘」で暮らす住人達は、様々な理由でアパートから出れない人達ばかり。由希奈は、ちょっと変な住人達と付き合っていきながら、やがて不思議な連帯感が生まれていく。
短い間の住人達との楽しい日々、そして訪れる別れの日‥‥。どこか懐かしく、ちょっと面白おかしいご近所付き合いハートフルコメディ。
・登場人物
一宮由希奈(大林巳奈穂) 取り壊し間近のオンボロアパート「青空荘」に引っ越してきた女子大学生。出身は結構な田舎で、ご近所付き合いは苦にならないほう。ごくごく一般的な女の子。
青空荘住人 由希奈が引っ越してくる前から住んでいる、「青空荘」の住人。それぞれが様々な理由で(金銭的な問題や、人間的な問題、性格など)、取り壊し間近の「青空荘」から出ることができない人達。ほとんどが一癖も二癖もある人達。
・舞台設定
青空荘 物語の舞台。都内にある築45年のオンボロ二階建てアパート。部屋は2DKトイレ付き、敷地内に共同浴槽有り(男女兼用)。都内にしては格安の家賃だが、見た感じかなりの老朽化が見られる。周囲は高層マンションが立ち並び、青空荘もすでに10月の取り壊しが決定している。
共同風呂があることから、お風呂の使い方、敷地の掃除当番などなど、簡単な取り決めの中で、住人同士の交友が頻繁に行われており、都会では珍しい親しいご近所付き合いが行われている。そのために、住人はお互いを愛称で呼び合うことが多い。(例 「親父さん」「ホスト」「お天気さん」)
共同浴場 青空荘の敷地内にある、男女兼用のお風呂場。浴槽は小さな銭湯ほどの大きさで、4〜5人は楽に入れる。時間帯で「男湯」「女湯」にわかれており、お風呂当番は交代制となっている。深夜など時間外の入浴は自由で、一応「混浴」ということになっているが、さすがにめったに他人が入っているときには入らない。
・備考
主人公一宮由希奈役には、女優大林巳奈穂(オオバヤシ ミナホ)を起用。大林は、今年二十歳の女性俳優で、三歳のころから子役で活躍、演技派として知られており、特に勝気な女性役で定評がある。
・次話あらすじ
7月、雨漏りの心配も解消されて、落ち着きを取り戻した青空荘。由希奈も、ようやく青空荘のご近所付き合いにも慣れてきて、とりあえずの穏やかな生活を送る。
そんなある日、青空荘で女性物の下着が盗まれるという事件が多発する。不審な目撃証言もないことから、由希奈は青空荘の住人に疑いの目を向ける。少しずつ仲良くなってきたのに、再びギクシャクし始める由希奈と住人達。証拠を掴むため、また疑いを晴らすため、犯人を捕まえようとする由希奈と住人達だが‥‥。
●リプレイ本文
その日は、ようやく梅雨も明けて快晴になり、気持ちのいい日だった。私は自分の洗濯物をベランダに干して、大学へ行く準備をしていた。
「ん? 誰だろう」
呼び鈴の音に、ドアを開け外へ出てみると隣の部屋の二村慶悟が立っていた。彼との出会いは最悪だったので、いまだに関係がギクシャクしてるけれど、一体何の用だろう。
「よっ」
「な、なんですか?」
「これ、一年の頃のノート。勉強の参考にしろ」
「は?」
いきなり差し出されたそれに、私は目を丸くした。聞けば二村は私の大学の先輩なのだそうだけど、いったいどういう風の吹き回し?
「勘違いするなよ。ほかじゃどうかしらないけれど、この青空荘じゃ、皆で助け合うようになってるんだ。だから、大学の先輩として、ノートを貸してやろうと思ってな」
「あ、ありがと‥‥」
ぶっきらぼうにそう言う二村。視線をそらして頭を掻いてるのは照れ隠しなのかな? なんだ、結構良いところあるじゃない。
「さて、そろそろ行きますか」
二村から借りたノートをカバンに入れ、私は大学へと出掛けることにした。今日は二限目からだから、けっこうゆっくり出られる。
「八尋さん、おはようございます、どうしたんですか?」
「あ、ああ、おはよ‥‥いやぁ、ちょっとな‥‥」
「?」
部屋を出ると、八尋隆さん、たしか愛称はデクさんだったかな、が自分の部屋の前に立っていた。なんだろう、妙にソワソワしているようなんだけど。聞いてみても、曖昧な笑みを浮かべる八尋さんに、私はちょっと首を傾げながらもその場をあとにした。
「ただいま〜、あ〜、疲れた。そうだ洗濯物取り込まないと」
午後、大学の授業を終えて家に帰ってきた私は、日中干しておいた洗濯物を取り込もうとして、おかしなことに気づいた。
「あれ? 下着が‥‥一枚足りない」
そう、確かに間違いなく、私の下着が一枚無くなっていたのだった‥‥。
「はい、喉が渇いたでしょう」
「あ、ありがとうございます」
「それにしても、由希奈さんも干していた下着が無くなっていたなんて‥‥」
慌てて事情を説明した私に、水無月さんが麦茶を出してくれた。私は少し落ち着いて、それを頂くことにする。っと、なにやら水無月さんが頬に手を添え思案顔で首を傾げた。
「私も、って他に同じような被害があったんですか!?」
「あのね、少し前にエルバさんも同じようなことがあったって話していてね。それに、私のもどこかへ行ってしまったのよ」
水無月さんの話では、ここ最近、青空荘で女性下着の紛失が相次いでいるらしい。
「それって、もしかして泥棒!?」
「う〜ん、由希奈さん達のはともかく、こんなおばさんの下着を取っていくなんて‥‥ねぇ?」
私の言葉に、水無月さんはのほほ〜んとした様子で首を傾げる。いや、水無月さんのほうが私なんかよりよほど綺麗だし、「ねぇ?」って言われても困るんだけど。
「あの、警察に届けなくてもいいんですか?」
「そうねぇ、まだ盗難と決まったわけでもないし、お巡りさんのお世話になるのも‥‥」
「それじゃどうするんです、このまま放っておくんですか?」
「そういうわけにもいかないわよね。管理人としては解決しなくちゃいけませんし、住人のみんなに手伝って貰いましょうか」
水無月さんは、うんと頷いて立ち上がった。どうやら、解決に乗り出してくれるようだ。
「それでは、一応私の方で調べてみますね。由希奈さんも何かあったら教えてください」
「はい」
一通り話をして、私は管理人さんの部屋を出た。でも水無月さんだけに任せて大丈夫だろうか。よし、私も犯人探しをしてみよう!
「不審な人ですカ? いえ、見てないですネ。どうかしたんですカ?」
次の日、私はとりあえず、同じ女性のエルバ・ディエスさんに話を聞くことにした。ディエスさんに、事情を話す。
「そういえば、ワタシもつい先日そんなことがありましたネ」
ディエスさんの話も、下着を干して家を空けていた間に、いつのまにか無くなっていたらしい。
「管理人さんも下着が無くなっていたらしいし‥‥やっぱり泥棒?」
「ドロボーですか? でも、二階のベランダの下着まで盗むことができるんでしょうカ」
たしかに言われてみれば、私の部屋は二階だし、ベランダに登ってくるなんて容易じゃない。周りは高層マンションだけど、庭を隔ててるから、そこからってわけでもないだろうし‥‥。
「もしかして内部犯‥‥?」
「内部犯ですカ?」
「うん、青空荘の誰かが犯人なら、怪しまれないし。二階だって、別の部屋からなら行けないことはない」
うん、そう考えれば納得いくかも。でも、ディエスさんは私の意見に首を横に振るのだった。
「それはないと思いますけド。みんな良い人ばかりですヨ」
「そういえば、昨日‥‥八尋さんの様子がおかしかった」
「デクさんですカ?」
私は昨日のことを思い出し、一緒に捜査することになったディエスさんに頷いた。妙にソワソワした様子、あの曖昧な笑み、今思えばかなり怪しい。
「それじゃ、聞いてみましょう。デクさーん!」
「え、ちょっと、ディエスさん‥‥」
私の話を聞くと、ディエスさんはいきなり八尋さんを呼びにいってしまった。行動力ありすぎ!
「あ? なんだい、エルバと由希奈さんじゃないか。俺になんか用か?」
「デクさん、昨日は様子がオカシカッタけど、なにしてたんですカ?」
すごい直球勝負!? もっと遠まわしに聞いたほうがいいんじゃないの、ディエスさん! と思ったけど、八尋さんは意外にちゃんと答えてくれた。
「ああ‥‥。実はフィットネスジムのインストラクターのバイトをクビになっちまってさ‥‥」
と、言い辛そうに答える八尋さん。どうやら、それで新しい仕事の採用通知が来ないか、部屋の前でソワソワしていたらしい。事情はわかるけど、はた迷惑な‥‥。でもこれで、疑惑は晴れたかな。
「ただいま。あれ‥‥? どうかしたの?」
「おかえりなさいデス!」
「あ、三澤さん。それが‥‥」
再び、聞き込みをしていた私達に、三澤景斗さんが声をかけてきた。旅行に出ていた三澤さんは、関係ないと思うけど、一応事情を話してみることにする。
「俺がいないうちに、そんなことが‥‥」
「それで、青空荘の誰かが犯人かもしれないと思って‥‥」
事件のことを知り顔を顰める三澤さん。しかし、私が考えを口にすると、苦笑して首を横に振った。
「‥‥あのね、俺ほとんど家いないでしょ? でもね、やっぱり出掛けた先には知り合いいなくて寂しいし。でも此処に帰ってくれば皆がいて、お帰りって言ってくれるの。家族みたいにね」
「?」
「何も確かなことはないし、疑心暗鬼になるのも分かるけど‥‥此処の人達はいい人ばっかりだって君も知ってるでしょ? 信用して欲しいなって思うよ」
そう諭す三澤さん。やっぱりみんな、青空荘の仲間を信じあってるんだ‥‥。
「あ、姫ちゃん。どうしたのこんなところで?」
庭では、五十嵐さんの妹さんの姫也ちゃんが、なにやらボーっと空を見上げていた。
「鳥を見てたの」
「鳥?」
「うん‥‥」
そう言って、姫也ちゃんはずっと空を見上げている。いつもながら、不思議な子だなぁ。
「え〜っと、最近下着とかが盗まれる事件が起きてるんだけど、なにか知らない?」
「僕の家は狙われてないよね? 何でだろう‥‥」
フルフルと首を横に振る姫也ちゃん。彼女の話では、まだ被害はでていないそうだ。
「でも何だか‥‥なんだか見られてる気がするの‥‥」
「え!? それって、不審者に? 見たの?」
「ううん‥‥」
また首を横に振る姫也ちゃん。でも、何者かの視線を感じたのは間違いないらしい。やっぱり、犯人は外から来た何かなのかしら?
「とりあえず、姫ちゃんも気をつけてね」
「うん‥‥」
私達はそう残して、その場を後にする。姫也ちゃんは、その後もずっと空を見上げていた。
その後、何人かに話を聞いたところ、青空荘の中を覗き込む不審な人物を目撃したという話が出てきた。この不審者が犯人なのかな‥‥。と考えていたところ、突然男の子の悲鳴が!
「放しやがれ、このやろ〜!」
「あれは、朔くん!?」
敷地から出たすぐそこで、黒尽くめの男に腕を捕まれている、姫也ちゃんの弟の朔也くん! 大変、助けないと!
「!!」
とっさに、隣にいたディエスさんが凄いスピードで走り出す。慌てた黒尽くめの男は、無理やり朔也くんを抱えて連れて行こうとするが。
「情け容赦なしキック!」
朔也くんは、男の向う脛を思いっきり蹴飛ばした。一瞬怯んだ男から、逃げ出す朔也くん。男は戸惑うが、向かってくるディエスさんの姿に、慌てて逃げ出す。
「待ちなサーイ!」
追いかけるディエスさん、逃げる男。その時、突然横から男にぶつかる黒い影。
「捕まえた!!」
その影は、二村だった。暴れる男の腰に、懸命に抱きついている。
「にがすか、よっ!」
そこへ、いつのまにか前に回りこんでいた八尋さんが、豪快にラリアットを食らわす。男は悶絶して、地面に倒れてしまった。その一瞬の捕り物劇に、私は唖然とするばかりだった。
「すみません。その方は俺の知り合いで‥‥今回の事件とも関係がないようですし、少し話がしたいので俺に任せてもらえませんか?」
その後、取り押さえた男に、いつの間にかやってきていた五十嵐龍牙さんが、微笑を浮かべてそう言った。八尋さん達は、その言葉を信じて、五十嵐さんに男を任せる。
「彼には帰って頂きました。皆さんにもご迷惑をお掛けして‥‥すみません、と伝言を預かってます」
五十嵐さんの話では、あの男は五十嵐さんと関係があり、それで朔也くんを連れ出そうとしたらしい。今回の下着紛失事件とは関係がないそうだ。
「でも、あの男が犯人じゃなかったら、誰が犯人なんですか!?」
釈然としないまま、私がそう聞くと。答えは、意外な所からもたらされた。
「これ桜の木の下に落ちてたの‥‥落とした人は困るよね‥‥」
「これって、無くなった下着!?」
そう言って、姫也ちゃんが持ってきたのは、女性物の下着。
「鴉の巣が‥‥少し前に出来たの。雛が可愛いの‥‥」
「もしかして‥‥」
そして、姫也ちゃんの言う通り、桜の木には鴉の巣があった。
「よし、俺に任しといて! なんだよ姫? 桜の樹には登るなって? 大丈夫。俺、姫と違って運動神経つながっているから」
「雛を触っちゃ駄目だよ〜」
「じゃあ、俺が」
確かめるために、木に登ろうとする朔也くんを、姫也ちゃんが一生懸命止める。しかたなく、朔也くんは二村と代わり、二村が梯子を使って巣の中を確かめた。
「あったぞ!」
「これは‥‥姫、お手柄ですね」
そう言って、二村が手に取ったのは、女性物の下着。つまりは、下着泥棒の犯人は鴉ってことで。とりあえず、犯人が変質者とかじゃなくて良かった‥‥。五十嵐さんは、姫也ちゃんを褒めて頭をナデナデしている。
「ん、ちょっと待って‥‥?」
「なんだよ、一宮?」
二村が持ってる下着‥‥見たことあるような‥‥。
「それ、私の〜〜! 放せ、変態!」
「ば、ばか! 危な! うわぁ!」
見覚えのある下着に、思わず梯子を蹴飛ばしてしまう私。おかげで梯子は倒れ、二村は木の上から落ちてしまうのだった‥‥。ちょっと悪いことしちゃったかな‥‥。
●キャスト
一宮由希奈
大林巳奈穂
八尋隆
かいる(fa0126)
三澤景斗
玖條 響(fa1276)
五十嵐龍牙
蘇芳蒼緋(fa2044)
エルバ・ディエス
ティタネス(fa3251)
姫也・A・五十嵐
カナン 澪野(fa3319)
五十嵐朔也
ウィルフレッド(fa4286)
二村慶悟
日向翔悟(fa4360)
水無月綾
浦上藤乃(fa5732)