アイドル強化合宿 4アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 難しい
報酬 15.1万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/06〜12/13
前回のリプレイを見る

●本文

●アイドル強化合宿 4
 20世紀のアイドルは清純で清らか、お姫様の様なイメージが有った。
 だが、21世紀のアイドルは違う。親しみやすくカリスマ性の高い物が求められている。

「脱いだらアイドルは終わり‥‥なんてのは昔の考え方、今は脱いだら凄いんですっていう所を自らアピール出来るくらいが21世紀のアイドルには求められているのよ」
 パパイヤ・パインがレモンティー片手に安導夏美にアイドルのイロハを指導している。

 パパイヤ・パイン。ハイパープロダクション所属、アイドル歴11年で深夜枠にこの人有りとうたわれるお色気アイドル。彼女が出る番組は全て高視聴率を記録している。
 安導夏美。余り売れないアイドルコミックバンドのボーカル。ナイトウォーカー退治を主体に修行する戦士。何故かパインにはいつも良くして貰っている。

「あの〜。ボクも脱いだ方が良いのかな? 余り胸とか無いんだけど‥‥」
 唐突に話に飛び込んできたのは人気絶頂シャイニングっ娘の樫野ひなぎく。
 今回も前回に続いて強化合宿に参加しようとこっそりと着いてきたのである。

「ひっ、ひなぎくちゃんが脱ぐのはまだ早いわよ。それにアナタが脱ぐと私が事務所から怒られるから、人前では脱がないようにして頂戴!」
 突然のひなぎくの登場にあっけにとられながらも、何とか平常心を保って彼女の肩をポンっと叩くパイン。
「あっ、無人島に行くならボクもまた連れて行って欲しいな♪ ボクも早く強く成ってナイトウォーカーとか倒したいんだよね〜。‥‥ダメ‥‥かな?」
 ひなぎくの申し出を断る理由が、パインには無かった。
「ボク‥‥メンバーの中で一番最年少だし、早くみんなみたいに素敵なアイドル目出してがんばりたいんだよ。また色々教えてください」

 そう言って樫野ひなぎくがパパイヤ・パインに深々と頭を下げた。
「まっ、任せて頂戴。先輩として色々教えて上げるわよ」
 声が裏返っているパイン。
 ひたむきにがんばるひなぎくとは少々相性が悪いようである。

 っというわけで今回も、アイドルに必要な心・技・体を身につけるべく、無人島で一週間の精神鍛錬の強化合宿を行いたいと思います。

 持ち込んで良いアイテムは予めお店で買ったアイテムの他に、食料を水を含めた1万円分です。(この一万円分は、リュックに入れば何を持ち込んでも自由です。)

 島での生活は水着、半獣化がメインなスタイルに成ります。
 戦闘専門に訓練する安導夏美の班とアイドルとして発声練習や筋トレをメインにするパパイヤ・パインの班の2つ別れます。
 ひなぎくちゃんは今回もパイン班ですが、色々戦闘訓練もしたいようです。
 っという訳で張り切って無人島生活をエンジョイしてください。

●今回の参加者

 fa0075 アヤカ(17歳・♀・猫)
 fa0898 シヴェル・マクスウェル(22歳・♀・熊)
 fa1338 富垣 美恵利(20歳・♀・狐)
 fa1357 結城 紗那(18歳・♀・兎)
 fa1879 リスフィア・マーセナル(20歳・♀・竜)
 fa1889 青雷(17歳・♂・竜)
 fa4808 柊棗(17歳・♀・小鳥)
 fa5002 紅露(16歳・♀・竜)

●リプレイ本文

●アイドル強化合宿 4
 青く晴れた空、白い雲。
 どこまでも澄み切ったそら、さんさんの太陽。
 日本はもう年の瀬だけど、常夏の島では今日も夏である。
「桟橋の修理はまだ終わってないから、荷物はゴムボートで運んで頂戴」
 大型ヨットで島の沖に停泊し、腰までの深さの海をざばざばと荷物持って移動する面々。
 海の冷たさが心地よい。

 さて、今回も班分けである。
 格闘重視の安導夏美班はシヴェル・マクスウェル(fa0898) リスフィア・マーセナル(fa1879)青雷(fa1889)紅露(fa5002) の4名

 アイドル活動重視のパパイヤ・パイン班にはアヤカ(fa0075)富垣 美恵利(fa1338)結城 紗那(fa1357)柊棗(fa4808)の4名

 どちらの班に所属かハッキリしない物は適当に割り振られた。
「それじゃお互いテントの設営から始めよう。今回は男性もいるし、4人用テントを2つ設置しよう。私は良いけど、他の人が困るといけないからね」
 テントの中は更衣室代わりにもなるので一応の配慮があるようだ。
 安導夏美が海岸線近くにざっくりとテントを張って準備している。
 一方パパイヤ・パインと樫野ひなぎくも簡易トイレやら大型テントやらを運び込んでいる。

 時刻は昼頃‥‥とりあえず今日一日はテントの設営や挨拶と自己紹介で終わりそうだ。

 2日目‥‥朝早くに起床するのはパパイヤ班
 本日の課題は基礎体力アップと美味しい晩ご飯造りである。

 少し遅れて安導夏美の班も起床。今日の課題は水泳・格闘、美味しい食事である。
 料理が苦手な安導夏美に代わり、参加者達が料理をすることになる。
 まずは紅露が用意されていた寸胴鍋に井戸水を組み込み、グツグツと大根、人参、ゴボウ、タロイモ等を煮込み始めている。
「おっ、美味しそうだねぇ。コレは今日のご飯は期待出来そうだ」
 安導夏美が模造刀と拳銃を持って林の中からやってくる。
 どうやら朝稽古の軽い運動の後らしい。

「兄貴の正和がお世話になりました。」
 スイムスーツを着た青雷が夏美に軽く挨拶をする。
 夏美は寸胴鍋の傍らで水着に着替えて柔軟体操をしている様子。
「銃の撃ち方‥‥教えて貰えますか?」
 青雷がSSXスレッジハンマーを片手に安導夏美に語りかける。
「お‥‥レア銃だね。私も観るのは初めて‥‥、私も銃は苦手だから一緒に練習しよう」
 そう言って羽をパタパタさせながら銃を握る安導夏美。
 だが、うっかり、青雷が弾丸を持ってくるのを忘れていた。
「私の銃を貸して上げるわ♪ 私は重くて使えないし‥‥、好きなだけ使いなさいな」
 パパイヤ・パインが、そう言って全長300mmのルビー製の真っ赤な銃を夏美に手渡す。
 マルスの火‥‥っと言う奴だ。ちなみに使用弾丸は45口径である。
「とりあえず動かない的に当たるレベルまで修行しよう」
 そんな彼女の言葉で、2人は林に入っていった。

「ちょっと‥‥休憩しましょう」
 海に向かって朝から歌う腹筋の訓練で、柊棗が喉が渇いて一休みに入る。
 発生が得意な彼女だが、歌うことがこんなに重労働だと思ったことは久しぶりである。
「ボクは‥‥まだ大丈夫だよ。おちゃ‥‥入れようか?」
 ひなぎくがそう言って麦茶をマグカップに入れて柊棗へと差し出す。
 青い海が目の前でゆらゆらと揺らめいている。
 パインは黒のビキニ姿でサンオイルを塗って、のんびり身体を焼いている。
 ひなぎくは相変わらずのスクール水着での参加である。

 トンテンカン。トンテンカン。っと音がする。
 結城紗那がバンガロウの方のお風呂を修理して使えるようにがんばっている。
 バスタブは直径1.5mの、大きなジャグジーがある。
 お湯はまきで沸かして入れなければならないが、お風呂に入れる入れないの差は体力回復に段違いである。
 今まで使っていたドラム缶風呂‥‥とは異なり、コレはゆったりが楽しめそうだ。
 真紅のビキニ姿の結城紗那が腐った床板を張り替えるために奮闘している。
「ボクで良ければ手伝おうか?」
 ひなぎくが長さ60cm程の魔法少女ステッキの様な物を持って近付いてくる。
「それじゃ腐ってると床板は切り取って剥がしちゃって貰えるかな?」
 結城紗那に言われ、うんっと元気に返事をするひなぎく。
 腐っていた部分の床はまきにして使う予定だ。
「は〜い。唸れ! ライトバスター♪」
 60cmほどの杖の先から1mほどの光の刃が伸びる。
 それを使って腐った木を破壊して引っぺがすひなぎく。
「私も手伝いましょう。手持ち豚さんなので(ぇ)」
 富垣美恵利が結城紗那とおそろいの真っ赤なワンピースの水着で登場する。
 ビキニとワンピースの違いはあるが同じ柄である。
 3人はコツコツとお風呂造りに時間を費やして行く。

「安導さん。遠泳をするので、少しつきあって貰えますか?」
 林での射撃訓練帰りの彼女を、リスフィア・マーセナルが待ち伏せする。
 空色のビキニを着用した彼女の本職はプロレスラー。
 体力は人並み以下の彼女だが、格闘レベルはプロ並の夏美と互角を誇る本格派である。
「いいよ。つきあって上げる。浮き袋持って、追従して飛んで上げるよ」
 そう言って安導夏美がにっこり微笑んだ。

 体力アップ。とにかくスタミナを付けるための合宿、根性を養う合宿と言っても良い。
 とりあえずざぶざぶ泳ぐリスフィア・マーセナル。っが案外早くスタミナ切れになる。
 それに浮き輪を投げ込んで手を貸す安導夏美。

「普段‥‥半獣姿で外を歩くなんて出来ないんだし、翼で空を飛ぶなら、こういう時を利用して練習した方がいいよ? 飛ぶのだってスタミナつかうからね」
 安導夏美がリスフィア・マーセナルにそう言ってにっこり微笑む。
 普段は人間の目があるため、青空の下で半獣化してのびのび過ごすなんて事は出来ない。
 だが、ここは無人島。見渡す限り四方は海である。
 まぁ多少移動すれば他の無人島があるのだが、それでも人目を気にしないで半獣化出来る数少ないスポットである。

「ひなぎくクンも私と手合わせしてみるかい?」
 シヴェル・マクスウェルが格闘訓練を終え、汗を拭いながら、お風呂を作るひなぎくに語りかける。
「えっ? 良いんですか? それじゃ少しだけ‥‥」
 そう言って半獣化する樫野ひなぎく。
 兎の耳と尻尾がちょこんっと生えてかわいさを増している。
 ゆっくりと足踏みするヒナギク。
 徐々に足踏みは早くなり、1秒間に4回地面を踏んでいる。
 脱兎の如く一気に走りシヴェル・マクスウェルに突撃するヒナギク。
 半獣化したグリズリーなシヴェル・マクスウェルがそれに身構える。
 俊敏脚足の能力で高速なジグザグ移動をして一気に間合いを詰め、地面に手を突くと逆立ちするようにキックを放つヒナギク。
 だが、所詮素人に毛の生えた程度の動き、シヴェル・マクスウェルが左手で軽く足を弾き、姿勢が崩れたヒナギクの足を右手で拾い上げる。
「ありゃ?」
 そのまま放り投げられるヒナギク。
 空中で一回転してから砂浜に着地する。
「軽業とも言える移動や回避運動は良いが、格闘その物が素人だな、間合いの取り方を勉強するといいぞ」
 アクション俳優としてシヴェル・マクスウェルが格闘の手ほどきをする‥‥そんなありふれたシーンだが、どことなく微笑ましい。

「それじゃ私が練習相手になるにゃよ」
 アヤカがそう言ってヒナギクを誘う。
 安導班に手合わせして貰うよりは良いだろう‥‥っと言う判断と、これを気に仲良く慣れれば‥‥っと言う流れの中での合同練習である。
「せっかくだから2人とも泳いできたら? 格闘技より、体力アップが必要でしょう?」
 パパイヤ・パインはワイン片手に2人に海を指さす。
 格闘はお預け。今日の2人は海で泳ぐことを楽しむ事になった。