雪上のブラッドダンサー南北アメリカ

種類 シリーズEX
担当 切磋巧実
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 18.2万円
参加人数 6人
サポート 0人
期間 10/23〜11/01
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●本文

●tactical05 〜全長版〜
「さぁて、暴れ馬ちゃん‥‥次までには素直になってもらうわよ?」
 戦線を離脱してゆく敵機を捉え、シリアが安堵を色と共に微笑んだ。悠然と立つ新型SGを眺め、ミルテが感嘆の声を洩らす。
「このじゃじゃ馬を乗りこなすなんて流石やなあ。敵の引き際も見事や‥‥どんな大将なんやろ? あいつが心酔する程の人なんやろか?」
「え? 何が、ですか? あいつって?」
 ナーダが興味深げに微笑みながら覗き込む。下士官の少女は頬を掻いて濁した‥‥。

「収穫は、まあ‥‥ありましたかねー」
「無事エンジン載るかが大きな課題だな」
 アキラが苦笑する中、シンが腕を組み、遠い目で呟いた。カーゴから確保したエンジンにサラが寄る。エンジンに刻まれた文字と付属してあった書類を眺めると戦慄に瞳を見開く。
(「このエンジン‥‥。なんであの人の機体名が? 敵新型機テスト操縦者、亡命途中に死亡? ‥‥嘘‥‥」)

●イントロダクション
 資料限界により割合します。過去VTR参照。

●陣営の簡単な設定
【プリンシパル】任務:イグルー基地防衛。
 中世の騎士をイメージとして捉えて下さい。服装も優雅で気品が漂うものが用意します。実用性より機能美を優先する傾向。
◆配備人型兵器SG=SteelGrave(最大人数までOK)。
 8mの人型兵器です。防衛用として短時間使用に特化されており、ホバリング機構を持つ機動性重視の短期戦タイプ。基本外観はシャープな造形で、高貴さが漂う鎧のような感じです。装甲は薄く、燃料消耗が激しいのが弱点。基本装備として格闘戦用武器(剣)、銃器(銛のようにワイヤーの付いた射出アンカー機構あり)があります。

【リバイズ】任務:イグルー基地攻撃。
 プリンシパルに反乱する形となっており、同志の集団的なイメージとして捉えて下さい。野外活動が多い事から、実用性重視の防寒着を用意します。
◆配備人型兵器SG=SteelGrave(1機または副座型か2機まで)。
 8mの人型兵器です。基本外観は流線型なフォルムの傘状上半身下に、武骨な腕部や脚部があります。このデザインは雪上行動の特殊性とリアルさを強調しており、雪が機体に積もらず、腕や脚を風雪から守るようなイメージとなっています。脚部は長いスキー板のようになっており、安定性を保つ為に杭上の突起が施されています。装甲は強固ですが、機動性は鈍いのが弱点。基本装備として格闘戦用武器(腕部から射出する杭)、銃器があります。
・ブラッドダンサー
 リバイズの特殊部隊名です。SGの機動力不足を補う為、スキーやスノーボード(ときにはスケート)を駆って機動戦を繰り広げるエキスパート。生粋の軍人より、スカウトされた学生等の若者が多いらしいです。

●tactical06〜最終回〜
 プリンシパルの新型破壊の為に再びアイスリンク下流の氷上輸送艇へ向かったリバイズ。潜入とカーゴの一部離脱を成功させたが、新型破壊まで到らなかった。
 金色の機体は幾つものアンカーを装備しており、機動力は鈍いものの移動する戦略要塞なみだ。パイロットの不慣れな所為もあり、攻略手段は見出せたが‥‥。
 一方、プリンシパルはこれ以上の物資強奪を防ぐべく動けない氷上輸送艇を爆破。乗組員と共にイグルー基地へ移動する事となった。現状の課題は新型の適切な運用。
 ――必ずリバイズは基地を襲撃に来る。
 二つの勢力は最後の戦いに向け、互いの攻略に刻を費やしていた――――。

●募集区分と提出資料
 このドラマは8名を二つの陣営に分けて展開します。4対4が望ましいですが、偏っても構いません。基本的に、リバイズのイグルー基地攻撃に対処するプリンシパルという知恵比べ的な展開の中で、互いに宿敵を感じてゆく物語となっています。
――――――――テンプレート――――――――
【勢力】プリンシパルかリバイズ。
【名前】役名または芸名そのままでも構いません。
【設定】どんな立場で、どんな性格のキャラクターを演じるのか。
【役割】双方のSG乗りか、リバイズのブラッドダンサーか、プリンシパルの白兵部隊、または氷上輸送艇乗員(2役はNG)を選択。
【補足】機体名や装備、服装、得意、苦手など補足する設定がある場合に活用して下さい。
【演技】今回の主なプロットです(打ち合わせで変更OK)。台詞や行動を明記して下さい。
☆前半『特訓! ブラッドダンス/激しい模擬戦(仮)』
*舞台は双方の基地。
・起:SGとの連携新戦法『デッドダンス(仮)』の訓練を続けるリバイズ。一方、新型に慣れる為にSGや白兵部隊相手に模擬戦を続けるプリンシパル。
・承:出現前夜。それぞれの思いや覚悟を刻むリバイズの面々。プリンシパルも模擬戦を終え、再び始まるであろう激戦に備えるそれぞれを描く。

☆後半『衝突する理想の果て(仮)』
・転:リバイズがイグルーへ侵攻。迎え撃つプリンシパル。
・結:アクターに依存。
――――――――――――――――――――――――
 今回のポイントは双方の特訓を如何にクライマックスへ繋げるべく盛り上げるかになります。それぞれの役柄を理解し、挫折、激励、衝突、挑戦、など人間ドラマで視聴者を奮い立たせるよう描いて下さい。
 出撃前夜と模擬戦後は、数ある作品でも描かれる『静』のシーンです。BGMソングが流れる中、シャワーを浴びて覚悟を決める。好きな事をして寛ぐ。何かを伝える。など、個々を演出して下さい。

 後半は戦闘がメインに描かれます。この辺は宿敵同士で打ち合わせ、どうするべきか決めて下さい。監督としては、クライマックスで戦死するパターンはあまり好きではないそうですが、戦争の過酷さも必要な為、展開はお任せします。但し、誰の攻撃で誰が負傷または戦死するのか決めて下さい。
 とくにブラッドダンサーとSGの連携戦法と新型の戦闘がキーになります。どんな戦法でどのような結果となるのか、双方理解の上で展開させて下さい。新型を攻略しても戦闘は続きます。他の役割アクターの出番が無い訳ではありませんので、色々と演出してみて下さい。

 難しいですが、客観的視点で最終的にどうなるか打ち合わせて頂けると助かります。どんな終わり方が視聴者に喜ばれるのか、考慮して頂けると幸いです。
 漠然とあげられる例としては『イグルー基地陥落』『イグルー基地攻略失敗』『戦争が終結』『休戦』『第三の勢力となる』『互いの理想と宿敵の言い分から中立と化す』等があげられます。

●サポート
 裏方担当。フイルムに余裕がある場合、サポートしたアクターとのシーンが流れるかもしれません。 今回は長いので、シナリオライターとしてプロットを纏めるのもアリです。
 例)サポートしたアクターへ衣装(脚本/弁当)を渡して激励。演技指導をするなど。
 但し、初日のみですから、ニュアンスを間違えないで下さい。

●今回の参加者

 fa0065 北沢晶(21歳・♂・狼)
 fa0854 永瀬真理(27歳・♀・鴉)
 fa3936 シーヴ・ヴェステルベリ(26歳・♀・鷹)
 fa4465 ミルティア・リーエン(15歳・♀・犬)
 fa4905 森里碧(16歳・♀・一角獣)
 fa5602 樋口 愛(26歳・♂・竜)

●リプレイ本文

●tactical06
 ――カリアッハ山脈麓のリバイズ駐留基地は、今日も横殴りの吹雪に見舞われていた。
 簡易施設は風雪の悲鳴に白化粧で彩られており、シャッターやドア付近は凍結予防の蒸気で常に煙っている。付近に駐車している中型車両は既に雪塗れだ。
 そんな中、通信機越しに青年の声が甘い響きで紡がれてゆく。
『親愛なるマイスイート、お元気ですか? 僕は狙撃の練習でへとへとです。これがキミのハートなら百発百中なんですがー』
『訓練なのに口説き文句言わないっ!』
 アキラの囁くボイスメッセージに、苛立ちを露にした少女の声が割り込んだ。長い黒髪に赤いバンダナを巻いている青年は、薄く微笑みつつ白いスキーウェアの肩を竦めてリアクションする。
「サラちゃんご機嫌斜めですねー」
『そうボヤくな。嬢ちゃんが奏でる音楽へ姫君を優しくエスコートしてやれ』
 応えたのは男の低めな声だ。アキラが吹雪の中に茶の瞳を流す。黒灰色のスーツにガッシリとした体格のシルエットを捉えた。
「姫君ねー。シンさんはエスコートしないのですかー?」
「俺? 俺はお行儀の悪い足をひっぱたくのが仕事だ」
 シン・マツドが青い眼差しを流して灰色の空を仰ぐと、精悍な風貌に不敵な笑みを浮かべる。ヘッドセットから響く青年の声は、苦笑気味だ。
『僕としてはもっと小さくて柔らかそうな姫君が好みなのですけどねー』
 霞む視界に鈍い機動音が響いて来る。二人の男が捉えた姫君は、流線型を描く傘状の上半身から武骨な腕部と長いスキー板を履いたような脚部を生やした、約8mの人型兵器だった。
 薄暗いコクピットにサユリ・ナラシノ(サラ)の愛らしい風貌が浮かびあがる。白髪の少女はスコープとインカムの施されたヘッドギアを装備しており、萌葱色と朱のパイロットスーツに細い肢体を包み込んでいた。左右の操縦桿を握る手に力を込めると、緑色の円らな瞳を研ぎ澄ます。
「神曲『La Divina Commedia』訓練再開します」

 ――blood dancer in the snowfield

『ターゲットクリアー』『サポートOKだ!』
 通信機から交互にアキラとシンの声が響く。サラはカメラに二人を確認すると、ワイパーの揺れる視界に眼差しをあげた。シート脇のレバーを一段階引き、フッドペダルを踏み込む。ゆっくりと鈍い振動が背中に伝わる中、鋼鉄の人型兵器――SG(SteelGrave)が前進してゆく。
「単なる上位機種じゃないけど‥‥未完成じゃない!」
 少女は更にレバーを引き、ペダルを踏み込んだ。速度が増す度、振動とエンジン音のリズムが高鳴り、髪を揺らす。
「ワルツからポルカへ。情熱的な抱擁から死の舞踏へ」
 スコープの視界と連動した腕部の銃が照準マーカーを示す中、操縦桿の人差し指がトリガーを絞った。次第に距離が刻まれ、霞む視界に映るアキラとシンの姿を駆け抜ける。
『おい、嬢ちゃん! 何をする気だ! 単純移動なら標準装備動力で賄えるが、連携バースト刺突零距離射撃なんぞやったら‥‥』
「これしかあの機体を討つ方法はないわ。想定ターゲット捕捉ッ」
 男の声に答えながら少女はレバーを一杯まで引くと、右の操縦桿を外側に倒し回し込んだ。サラのコントロールに合わせ、重装甲に覆われた右腕が前方を向きタメを作る。刹那、機体の背後から黒煙が沸き出し、シンが苦虫を噛んだような表情を見せた。
「言わんこっちゃ無い、接続回路が焼き切れるんだよ。こんな風にな‥‥」
 オーバーヒートで硬直したSGが吹雪と煙に包まれてゆく――――。

 ブラッドダンサー(BD)とSGの訓練は中断され、三名は基地に戻る事となる。
 元BDの整備屋である壮年の男は動力源を復帰させ、サラの心境を物語るように機体は鈍い軋みと共にシャッターを潜ってゆく。格納庫で出迎えるアキラがシンに微笑んだ。
「ご苦労様ですー」
「若いの、ロートルは労れよ」
「いやー、下手に邪魔して最終侵攻戦に間に合わないでは困るじゃないですかー」
「最終侵攻戦か。激戦下の物資状況も兵器開発もスッキリしない部分があるがな。オマケに人材不足中だ」
 男が不審点を呟く中、少女の声が頭上から飛び込むと共に軽い着地音が響く。
「それでも、私達はイグルーを攻略しなければならない。‥‥そうですよね?」
「まあな、俺もキャンプに誘われた訳じゃない。嬢ちゃんは休んでおけ、整備‥‥じゃないな‥改造は俺が済ませておく。強奪したエンジンを積むが、動作保障は生憎できんな」
「あのエンジンを‥‥うん‥‥お願いします」
 サラは申し訳なさそうに頼み、重装甲に包まれたSGを見上げる。そんな中、シンが再び口を開く。
「イスカリオテ改‥‥か」
「コキュートスと命名します。罪人の軛‥‥氷結のコキュートス。ギリシア神話において地獄の最下層に流れる川です。裏切者が永遠に氷漬けにされているとか。元来は『悲嘆』って意味らしいですけど‥‥」
 片腕を抱く手がギリと力む。イスカリオテ改は漸く到着した次期SGである。しかし、武装は未完成品に近く、訓練時のようにオーバーヒートというトラブルを背負い込んでいた。この問題を解決すべく、数週間前に氷上輸送艇襲撃時に強奪したエンジンを組み込もうというのだ。
 ――裏切者‥‥。
 少女のコキュートスを見つめる瞳が潤む。壮年の男は茶髪を掻いて視線を逸らす中、アキラが思い出したように背中を向けてドアへ向かう。
「さて、僕は照準から射撃までの時間短縮を課題に自主トレしますかねー。悲嘆は兎も角、ネーミングセンスは良いと思いますよ、サラちゃん」
「ああ、氷結のコキュートスか‥‥悪くない。仕事の邪魔だ、さっさと基地で休んでろ」
「あー、邪魔は酷いですよー」
 愛らしく頬を膨らますサラ。どうやら何時もの彼女を取り戻したようだ――――。

●スティンガー・ネスト
「な、なんですか!? その恰好は!」
 ナーダ・エテルノが長い黒髪を垂らし、ツナギの腰に手を当てたまま思い切り前屈みになって声を荒げた。彼女の眼鏡に映るミルテ・ラクーンが、褐色の頬を掻く。
「胸きついねん」
 金髪の少女は超ミニの制服姿で苦笑する。ナーダの眉がピクピクと戦慄く中、黒い瞳に露となったミルテのたわわな胸の谷間がイヤという程に飛び込む。しかも、むっちりとした太股を僅かに覆い隠すスカートは少しでも体勢を変えれば直ぐにショーツが覗く有様だ。技術屋の女は深い溜息を洩らす。
「その恰好で今まで書類整理と整備や物資のチェックを行っていたのですか‥‥」
「部隊長居らんようやし、業務の代理せなあかんやろ思てなあ。せやけど基地の連中は飲み込み悪ろうてしんどかったわあ」
「‥‥そりゃ、そんな恰好で仕事されたら集中できませんよ。で、今度は何の為に来られたのですか? スタッフの手も惑わせたいのですか?」
 下から見たら丸見えですよと告げる。一応は気にしたのか優麗な曲線を描く丸尻を両手で庇う。
「まあサービスや☆ それより新型は巧く乗りこなせてるんか?」
 プリンシパル防衛拠点イグルーでは、新型SGの操縦特訓が日々繰り広げられていた。
 部隊を統率すべき指揮官が不在、何故かSGパイロットも1名、当初の情報より圧倒的に非戦闘員の方が多い防衛基地の中、新型のデータを記録するのがナーダの務めだ。
「これから遠隔操作でペイント弾を撃って機動テストを‥‥ちょっと! 何をしてるんですか!?」
 苦労の絶えない技術屋が指差す。彼女の捉えた先に映るのは、SGのコクピットから身を乗り出す赤いパイロットスーツに包まれた女の肢体だ。荒げた声に赤い長髪を揺らし、腰を跳ね起こすと美貌をあげる。手に持っているのは塗装用の赤い缶スプレー。
「ん? 何って、時間が掛かりそうだから機体カラーの試し塗りをする所よ? この子も私色に染めてあげるの☆ 駄目?」
 シリア・イェンネフェルトが悪びれる事なく告げた。ナーダの眉間がピクピクと戦慄く。
「駄目じゃ‥ありませんけどね‥‥これから直ぐに起動させるのに‥‥彼方此方の壁が赤くなってしまうじゃないですか! 大人しくコクピットで待機してて下さいッ!」
「ほな、シリアはん‥‥今度は対SG戦を想定して回避や、行くで!」
 シリアの新型SG『スティンガー・ネスト』が再起動する。地金に輝く機体は、肩回りや胸部が分厚く、前腕、スカートアーマーの装甲が大きく膨らみを描き、重装鎧騎士そのものだ。
「いいわよ! ったく、今更壁がどーとか言うレベルじゃないんだけどね」
 操縦桿の握り手上部にあるボール状のコントローラーを親指で回して苦笑するシリア。視界モニターに映るのは、指の動きに合わせて流れるマーカーだ。しなやかな指がトリガーを絞ると、照準地点へアンカーが飛ぶ。忽ち壁に楔が突き刺さり、施設の壁に何度目かの風穴が穿つ。
「ああ、だからそれじゃ振り回されてっ‥‥」
 一気に引っ張られるSGを捉え、挙動データを記録するナーダが瞳を潤ませ、胸元で両の拳を固め切ない声をあげた。
「重さに振り回されるんなら‥‥その動きも挙動に取り入れればいいだけねっ!」
 急速な牽引力に導かれながら、美女は次のマーカーをセットすると同時、先に突き刺した楔を強制開放させ、小刻みに軌道を変化させながらペイント弾の洗礼を躱す。胸の膨らみが暴れる様はGの激しさを物語っているが、アイスリンク下流で起動させた初戦のようなミスはしていない。
「私はね、悦ばせるコツを掴むのは得意なんだから♪」
 赤い瞳が砲口を追う。次々と親指の腹を転がし、マーカーをセット。瞬時に幾つものアンカーが放たれ、小刻みに洗礼を潜り抜けながら無人砲台をペイント弾で染め上げた。シリアはコンソールを愛しそうに撫で、恍惚とした色を浮かべ瞳を濡らす。
「そうそう、素直な子って好きよ♪」
「こんな動きが出来るなんて‥凄い‥‥!」
 呆気に取られた技術屋が半ば放心気味に頬を染め、唇を開いた――――。

●決戦前夜
 粉雪が闇を彩る中、まるで有り触れた日常のように刻は流れてゆく。
 リバイズ駐留基地の窓から明かりが洩れ、ベッドに腰を下ろすアキラを映し出す。穏やかな眼差しが見つめるものは、何度かボイスメッセージで存在を匂わした恋人の写真だ。
「マイスイート‥‥この戦いが終ったら、キミに会いに行けるかな」
 故郷に残した婚約者の微笑みに語り掛け、青年は薄く微笑む。女好きでちゃらんぽらんな性格の志願兵だが、愛しげに写真を撫でる指先は決戦を前に震えていた。そんな中、外の通路に靴音が響き渡る。
「シンさんのSG整備も終わったみたいですねー」
 ドア越しに男の気配を捉え、アキラが視線を投げる中、カメラの視点はシンへと移り変わった。
 上着をベッドに投げ放ち、ラフな恰好に着替えた男は、殺風景なテーブルに装備品を並べてゆく。サイレンサー付きのサブマシンガンと使い慣らした大型のナイフ。各種工具や爆薬類をチェックしてはバックパックに詰め込んだ。ふと、剥き出しの引き締まった肩と鍛え抜かれた脚を擦る。
「ブランクは経験と狡賢さが埋めてくれる。だが、この古傷がな‥‥」
 彼にはBD時に負傷した事で整備班に転向した事情があった。経験と潜入を整備技術でカバーするものの、傷跡が警鐘を鳴らすように痛む。
「動いてくれよ、明日だけでも‥‥」
 精悍な風貌に苦悶の色を滲ませ、シンは肩越しに窓の月明かりを見上げる‥‥。
 その頃、月明かりが窓に浮かぶ自室で、サラは写真と機密書類をデスクに並べて重ね合わせていた。
「あの人は私を裏切って死んだ。何故? きっと理由がある筈‥‥ある‥はず‥‥」
 元学生である彼女は、婚約者の行方不明を機に参戦した経緯がある。偶然にも強奪したエンジンから手掛かりを掴んだものの、結果は愛機に『悲嘆』という名前を付ける事となった。哀切な緑色の瞳は、次第に決意の色を浮かべる。
「‥‥いいえ、無いわ。SG乗りの誇りが遺してもらった宝物‥‥私は‥‥」
 決戦を前に少女はベッドに衣服を散らかすと、シャワールームで汗を流す。細身のシルエットが若い肢体に水滴を弾け滴らせる中、発ち込める湯気は蒸気へと変容し、プリンシパルの格納庫へ転換させた。

 相変わらず無防備な服装の少女は、ドアも無い機銃搭載の単座式小型雪上艇に乗り込み、何時でも出られるよう準備に時間を割いている。ミルテの視界が捉えたのは、黙々と機体の整備を続けるナーダの姿だ。
「なんや、まだおったんか? はよ眠らんと発育に悪いで?」
「余計なお世話です。それより、これは?」
「使わんに越したこと無いんやけどな‥‥備えあれば何とかってヤツや。‥‥どなんしたん? 浮かん顔色やな? 発育のこと気にしとんのか?」
 グッと両手を端で伸ばし、乗り出すような体勢で眼鏡の奥を覗き込もうとする少女。“たぷん”と褐色の胸元がイヤミっぽく弾むが、幸いにもそんな事を気にしている訳ではない。
「‥‥ここの戦況が逼迫してるのは確か‥なんです。でも、それなら尚のことテストも十分じゃない機体を送り込むなんて。上は何を‥‥」
 胸中の不安を吐露すると、ミルテは「なんや、そんなことかいな」とシートに腰を落とす。
「上の事なんて気にするだけ無駄やで? ウチらは防衛っちゅー仕事きっちりしたらええねん」
 一瞬唖然としたものの、ナーダの眼差しが微笑む。
「単純明快な性格が羨ましい‥これでも私を取り立ててくれたミルテ仕官をきちんと認めているんですよ」
「そうか‥‥。まあ、今もシミュレーターで訓練してるシリアはんの為にも、守り抜くんやで」
 ミルテの眼差しが遠くを見つめる。
 格納庫から少し離れたドアの奥では、シリアが薄暗い個室で操縦訓練を続けていた。
「やらなくちゃね‥‥リバイズのやり方に、否を唱える為に‥‥」
 クーノ雪原の雪崩に敵と共に生き埋めにされた時の事が脳裏に浮かぶ。
 ――リバイズに何が出来るの?
「そうよ‥‥中途半端に口説いていなくなるなんて、何も出来てないじゃない」
 ターゲットマーカーが捉え続けるのは赤いスノーボードのシルエットだった‥‥。

●決戦の果て
 リバイズの格納庫でサラとシンが待つ中、無反動砲を背負ったアキラが駆けて来る。少女は何時ものように頬を膨らまし声を荒げた。
「もおっ、最終侵攻前だってのに遅刻しないっ!」
「いやー、マイスイートが夢の中で回した腕を解いてくれなくてー」
 青年が「胸の柔らかさがリアルでー」等と惚気てサラの苛立ちに拍車を掛ける中、壮年の男は太い腕を組んで神妙な顔色を覗かせる。
「(‥‥そりゃ不吉だな)‥‥まあ、『音速の逃げ足』の異名を期待させて貰うぞ」
「命を大事にー、ですよ」
 微笑むアキラを余所に、少女は慣れた足取りでコクピットへ駆け上がって滑り込む。
「ブラッドダンサー運搬リフト、上昇させます」
 シンとアキラが乗り込むと、運搬リフトはコキュートスの腹部に固定された。エンジンが低い産声を響かせ、SGが起動する。
「コキュートス、最終侵攻出撃! 目的地プリンシパル防衛拠点イグルー!」
『いいか嬢ちゃん、敵は防衛網に俺達が引っ掛かってから動く筈だ。イスカリオテと想定して出撃したなら、普段より先へ行ける。兎に角アイスリンク下流の氷上を越えろ!』
「了解、フルシフトで駆け抜けるわ。でも、ほんとに‥速い」
『こっちの乗り心地は酷いもんですけどねー』
『若いの、舌を噛むんじゃないぞ。だがな嬢ちゃん、あれは』
「分かってる‥‥1回のみよね?」
 リバイズの侵攻は順調そのものだった。吹雪に視界を遮られる事もなく、プリンシパルの伏兵やトラップも確認できない。
 予想外のスピードで侵攻する敵陣をイグルーの広域レーダーで捉えたミルテが驚愕する。
「なんや!? このスピードは‥‥」
「アイスリンク突破されました! まさか新型?」
 ナーダはそわそわと落ち着かない様子だ。少女は上着を脱ぎ捨て褐色の肌も露なタンクトップと迷彩ズボンの軽装に転じると、司令室を飛び出してゆく。
「あかん! ウチが出てって援護したる!」
 眼鏡に映る後姿を捉え、困惑の声をあげる。
「ま、またそんな恰好で! 私も新型‥‥見たいのに‥‥」
 指を咥えて小型雪上艇を見送るナーダが何気に悩ましい――――。

「敵機捕捉! 右35、FA射撃で固定。姫君のエスコートは任せたわ。足が砕けるまで踊らせてあげる!」
 赤いバンダナを棚引かせ、無反動砲を背負ったアキラのスノーボードが滑走するに合わせ、バックパックを背負ったシンが、サブマシンガンを構えて雪上を駆ける。同時にコキュートスは脚部の装甲をスキー板状の足へ展開させ、射撃体勢で銃口を向けた。赤い鎧騎士のフォルムが前方に浮かび上がる。
「あら? 随分と速いじゃない? デートの待ち合わせしたつもりはないんだけどね!」
 アンカーを放ち、コキュートスの唸る洗礼をスティンガー・ネストが躱す。視界にシリアが捉えたのは、滑走する白いスキーウェアのブラッドダンサーだ。再び白いSGが掻き鳴らすマズルフラッシュを捉え、直ぐさまアンカーを射出する――――刹那!
「そう簡単に逃しませんよー」
 アキラは華麗にスノーボードを回転させ、進行方向と逆に体勢を取ると、瞳を研ぎ澄ましアンカーに砲口を流す。バックブラストが噴射すると同時、砲弾が楔を炎に包み込んだ。ガクンと挙動を停止させた赤い鎧騎士の装甲に、コキュートスの放った銃弾の火花が迸る。
「特訓した甲斐がありましたねー。どんどん落としちゃいますよー」
「クッ、この前ちょっとサービスで見せ過ぎちゃったっ!? でもっ!!」
 アンカーを攻撃して体勢を崩そうとするブラッドダンサーに対し、制動をこまめにフェイントを織り交ぜ持ち堪えるスティンガー・ネスト。操縦桿のボールを転がし、アンカー射出と開放を繰り返し、また新たな楔を放つ一連の動作を瞬時に制御するシリアは確実に機体を制御していた。
「赤のSG! くっ‥‥格段に速いッ。こんな挙動じゃ捉えきれない!」
「こっちですかッ! うッ、そっちのアンカー?」
 確実に神曲は優美なワルツを奏でていた筈だ。しかし、舞曲の三拍子は予期せぬ不調和音により掻き乱されていた。‥‥否、まだリバイズの旋律は足りない。
「ちっ! もう弱点克服の目を掴んだのか。なら行儀の悪い足を叱りつけるまでだなッ」
 身を隠していたシンが動き出す。バックパックから爆薬を取り出し、赤い脚部に飛び込んでゆく。僅かでも挙動の読みが外れれば命も危ぶまれる行動だ。次々とセットして機体から離脱。起爆スイッチを押すと共に巨漢が爆風で吹っ飛ぶ。
「‥‥ったく、ロートルは労って欲しいものだ」
「なッ!? 伏兵!? 射程距離に敵機を捉えていないってのにッ! きゃあぁッ」
 鈍い衝撃にコクピットが揺れる。体勢が崩れる中、シリアは咄嗟にアンカーを放つが、アキラの無反動砲が許さない。その時だ、通信と共に支援の銃声がブラッドダンサー付近の雪を削り飛ばす。
『なんぼ新型いうても多勢に無勢や。ウチが援護したる!』
「援護射撃だと?」
 前転と共に進路を塞ぐシン。ミルテが機銃を乱射するものの、男の傍で空を切るのみだ。
「ウチの腕じゃ当たらんわ。精々が時間稼ぎやな」
「互いに後が無いが‥‥。娘さん、壁の花になっててくれ」
 掻き鳴らされる銃弾が小型雪上艇の装甲に風穴を穿つ。忽ち爆炎に包まれ、布地の切れ端を舞い散らせて褐色の少女が吹っ飛んだ。新雪がクッションを担ったのか、白銀の中で金髪が挙動を示す。
「このままやったら基地が落ちてまう‥‥頼むでシリアはん」
 彼方此方ボロボロの衣服から柔肌を覗かせたミルテが戦場を振り返った。瞳にブラッドダンサーとの連携に苦戦する鎧騎士が映る。ポルカのリズムを刻む如く、リバイズのSGが急速に肉迫してゆく。
「最大出力‥ランス行きます! 情熱的な抱擁から死の舞踏へ!」
「あのSGも出力上がってる? 面白いじゃない‥‥皆纏めてお姉さんが可愛がってあげる! 相変わらず硬い装甲ね‥‥ッ! なんですって!?」
 シリアの赤い瞳が驚愕を浮かべた。視界に迫るコキュートスは脚部のスキー板を散らせ、ミニスキーサイズでシュプールを描く。慌ててアンカーのマーカーを滑らすが、アキラの咆哮が迎撃。
 鬼気迫るサラが吠える。
「灼けろ!」
 鉄槌の一撃がスティンガー・ネストの装甲を貫く。
「んああぁぁぁッ!! ッ、なじんだと思ったら、もうお別れとはね‥‥」
 強烈な衝撃にコクピットが激しく揺れ、機器がスパークを迸らす。警報が鳴り響き、薄暗い操縦席が赤く彩られる中、赤毛の美女は最後の切札を絞った。
「勝った‥‥基地を制圧に‥きゃぁっ!」
 解き放たれるアンカーの網が幾条にも周囲に展開し、砕けたスノーボードと赤いバンダナの切れ端が散る。鎧騎士は銃口を0距離で轟かせると同時に腕部の楔を放ち、コキュートスに洗礼を叩き込んだ。黒煙と小さな爆発が次々とサラを包む。
「だ、脱出します。アキラさん、そっちは‥‥アキラさん!?」
『嬢ちゃん! 機体がもたない! 早くコクピットから脱出しろ!』
 二体のSGが密着したまま、次々と黒煙を噴き上げ、爆炎に染まった――――。

●決着
「動かし方は頭に入ってるんだから、私だってこれくらい‥‥」
 ナーダはイグルーの防衛砲台で身構える。グっと前に上体を傾け、照準器を睨む表情は緊張気味だ。前方に足取りの覚束ない人影を捉えると、トリガーに指を掛け、喉を鳴らす。
「人‥‥ですか? せめてSGなら‥‥あれは? ミルテさん!?」
 慌てて腰をあげて駆け着けると、防寒着を脱いで少女の肢体を包む。
「またなんて恰好なんですか? ‥‥何かされた訳じゃありません‥よね?」
「ウチが敵に好きにされるように見えるんか‥‥ちいと爆風を浴びただけや。それより、敵が来るで! ウチはええから‥‥はよ戻りい」
 銃を手渡し、砲台に駆ける中、シンがイグルー目前に辿り着く。気配を察知したミルテが銃声を響かせると、慌ててナーダは砲口を向けた。交互に砲身がストロークを繰り返して咆哮をあげる。
「‥‥っ、狙ってるのに、当たらない‥‥! きゃっ! どこから!?」
「まるで素人だな。イグルーは防衛拠点じゃないのか? 尤も、これ以上の歓迎は願い下げだがな」
 雪を飛ばし、樹木を砕く咆哮を掻い潜りながらサイレンサー装備のサブマシンガンのトリガーを絞る中、交錯する銃声と共に人影が浮かぶ。深紅のパイロットスーツの女と、サラだ。
「よくもアキラさんをッ! あなただけは許さないッ!」
「ならあなたも送ってあげるから大人しく撃たれるのね!」
(「嬢ちゃん深追いするな! 先ずはあの砲台を‥‥ッ!」)
『リバイズの同志に告ぐ。我々はプリンシパルとの停戦条約を締結する。いま一度、話し合いで‥』
『プリンシパルの騎士達に命じます。リバイズと話し合いの機会を築く事が出来ました。もう血を流す事は無意味です。剣を収め、慈愛を持って接して下さい』
 双方に流れたのは上層部からの通信だった。雪深き山地に届いた事は、緊急時のみ利用される衛星を経由しての送信だろう。つまり、最も信憑性が高い事を示していた。
 ナーダが砲台から身を乗り出し、安堵の息を洩らす。
「なるほど、こういうこと‥‥でも、これで武器を作らないで済むのね‥‥」
「停戦やて‥‥なんか脱力やわあ。あんたも惜しかったなあ」
 ミルテの流した視線が、砲台の死角を突いて接近していたシンを映す。互いの姿を交互に捉え、慌てたのはナーダだ。通信が届いていなければ、蜂の巣か片手に構えた鋭利なナイフの餌食だった事だろう。
「‥‥お偉方の都合なら、もっと早く報せに来いってんだ。クソ!」
『きゃッ!』
 シンがナイフを雪上に投げ落とす中、三人の瞳が短い悲鳴に集まる。視界に映るは、深紅のパイロットスーツの女が転倒する姿と、飛び込んだサラが馬乗りになり、豊かな胸に銃口を押し込む光景だ。
「本来はサブのパイロット。これでもブラッドダンサーの訓練は一通り受けているのよ」
『待て、嬢ちゃん落ち着け! 通信を聞いていないのか!? 停戦だ!』
「「停戦!?」」
 重なるシリアとサラの唖然とした声。どうやら通信機を落としていたらしい。
「でもッ、でも‥‥この人はアキラさんを‥‥」
『これでプリンシパルの人達をナンパ出来るって事ですねー。おや? サラちゃん停戦命令聞いていないんですかー?』
「聞いてます! でも、アキラさんを‥‥‥‥? アキラさん?」
 滲む視界を流し捉えたのは、バンダナを失った黒髪を掻いて微笑む青年だ。
「こんな美人を撃ったら駄目ですよー。胸は銃口を当てるものじゃなく掌で揉みしだくものですー」
「‥‥これがアキラさんなら危ないもの下ろして私から降りてくれないかしら? 結構重いのよね」
 ジットリとしたシリアの眼差しが少女を射抜く。サラは暫く固まったが、慌てて美女を解放した。
「ったく、女を乗せる趣味はないんだから。それにしても、お偉方は、私達ほど真剣に戦ってなかったってこと‥‥よね」
 呆れ顔で溜息のセッションを洩らすSGパイロット達。そんな中、ミルテの声が響き渡る。
「おーい! やる事ないし、皆でぱーっとやらへんかー?」

●エピローグ
 イグルーの側で宿敵同士がグラスを鳴らし、酒を酌み交わす光景は奇妙なものだった。
「お疲れ様でしたー。負傷者は出ましたが、よく考えたらこの戦線、戦死者0ですねー」
「だからこそワインも振る舞えるっちゅーもんや。なんや暑くなってきたわあ☆」
「な、なに脱いでるんですか!? 見えてますッ、アキラさんもガッツリ見ないで下さい!」
 見せてんのや♪ と褐色の柔肌を晒して色っぽく火照りを冷ますミルテをサラが注意する。普段、咎める役に徹している技術屋は、壮年の男と華を咲かせていた。
「それでは、あのエンジンを調整したのですか?」
「これでも整備屋だからな。さて、ロートルはそろそろ引っ込むさ。今度は平和な街で会おう」
 幾つか言葉をナーダと交わし、背中を向けるシン。そんな光景を酔って紅潮したシリアが羨ましげに眺めていたが、急にグラスを掲げて吠え出す。
「ああ、もう! こうなったら男でも捕まえて平和を謳歌してあげるわよ! サラって言ったわよね? 後で基地に案内なさい!」
「え? リバイズの‥駐留基地へ?」
「なあに? 断るのお? ならSGシミュレーターで勝負よ! 対戦? それとも味方について撃墜数を競う?」
「あはは、今度会うときは敵でも味方でもない。私はただのSG乗りよ」
 よぉしッ、なら対戦ね! と、覚束ない足取りでイグルーへ向かう二人の背中を眺め、アキラは膝枕で寝息を洩らす少女の金髪を撫でながら空を仰ぐ。
『親愛なるマイスイート。どうやら僕はキミの所へ行き損ねたようですよ』

 ――CAST
▽サラ=サユリ・ナラシノ(森里碧(fa4905))
▽シン・マツド(樋口 愛(fa5602))
▽アキラ(北沢晶(fa0065))
◇ミルテ・ラクーン(ミルティア・リーエン(fa4465))
◇ナーダ・エテルノ(永瀬真理(fa0854))
◇シリア・イェンネフェルト(シーヴ・ヴェステルベリ(fa3936))

 そして、この作品に関わった全ての者に感謝を捧ぐ――――。

●ピンナップ


ミルティア・リーエン(fa4465
Bitter or Sweet?・みんな集まれピンナップ
ri-ko