GUN&ROAD T9南北アメリカ

種類 シリーズEX
担当 切磋巧実
芸能 3Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 難しい
報酬 10.4万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 08/25〜08/29
前回のリプレイを見る

●本文

●TVCM
 ――ここに一つの復讐は終わりを迎えた。それは偶然か必然か‥‥。
 舞台は急展開を迎える。
 野盗集団『鉄の棺』で逃亡用に配備されていた帆船で濃き出したゴールディ達。
 川を流されユラユラと、一面に広がるはコバルトブルーの大海。
 ヴィシャス、カスミ、そしてリーンを新たな仲間として、一行は大波小波を掻き分けてゆく。
 そこに待つものとは果たして――――。

「リネット役の娘がそんな事を言ってたの?」
 サミィ・ライナー監督は頬杖を着いたまま、ストローから口を離さず眼鏡越しの青い瞳を流した。
「ええ、アクターの会話から聞いただけで、事実か分かりませんが‥‥」
「ふーん、再び参加すると迷惑ねぇ‥‥。言ってあげなさい。途中からでも主演女優が参加しない方が迷惑だって! プロの女優なら最後まで演じなさい!」
「わ、私に言われても困りますよ‥‥」
 研ぎ澄まされた少女の眼差しに、助手の青年はパタパタと両手を振って苦笑していた。

●trigger9――遭遇! 海の荒くれ者
・初期プロット(配役の相談による修正可能)。
 舞台は細かい説明無しに帆船と大海原から始まる。
 一時は気楽な船旅と寛いでいたものの、数日が経過すると共に、窮地に陥るゴールディ一行。
 そう、水と食料が十分に用意されていなかったのだ。
 元々船舶に詳しい者がいない為、ユラユラと流されるまま陸はもはや見えず、方向感覚すら曖昧になる中、漂うしかない。
 次第に愚痴や文句が溢れ出し、不穏な空気が流れる中、一隻の帆船が浮かび上がった。
 しかし、それは海賊の船。下卑た口元が歪み、ギラギラした眼光が少女達に向けられる。

起:窮地に落とされるゴールディ一行。次第に愚痴や文句が溢れ出し、不穏な空気が流れる。
 主に少女達らしい口喧嘩のシーンを演じて頂きます。【喧嘩相手(2名or3名)】【仲裁役】【関与せず】を、<船首>、<甲板>、<船尾>、<船内>、<操舵室>等に振り分けて下さい。

承:接近した来た帆船に安堵するゴールディ一行。しかし、それは海賊船だった。
 海賊船との遭遇。海賊は――――。
A:自由気侭に宝を探している紳士。または女海賊。
B:女に飢えた野蛮人。言う事を聞けば助けてやると告げる。当然ヴィシャスの扱いは酷い。
C:一見悪者に見えないが‥‥実は。
D:その他=要打ち合わせ(プラン複合技でもOK)。

転:海賊船で過ごす事になるゴールディ一行。そんな中――――。
A:野蛮な海賊船登場。海賊達と共闘して銃撃に格闘戦!
B:飽きれば殺して魚の餌か売っちまえばいいと話す声を聞き、反撃へ。
C:船蔵に囚われている少女達を見つけてヤバイ連中と気付き、救出と反撃へ。
D:その他=要打ち合わせ。

結:繰り広げられる戦闘! その結末は――――。
A1:敵を撃退して陸地で下ろしてもらう。海賊との別れ。
A2:敵を撃退して海賊船で旅を継続。
A3:撃退失敗! 海に落ちるが意識を取り戻すと陸地だった。
B1:海賊皆殺し! さて、どうする?
B2:海賊の命を助ける代わりに命令し、陸地で下ろしてもらう。海賊との別れ。
B3:海賊の命を助ける代わりに命令し、海賊船で旅を継続。
B4:反撃失敗! 海に落ちるが意識を取り戻すと陸地だった。
C1:海賊皆殺し! 救出したが、さて、どうする?
C2:海賊の命を助ける代わりに命令し、少女達と共に陸地で下ろしてもらう。海賊との別れ。
C3:海賊の命を助ける代わりに命令し、少女達と共に海賊船で旅を継続。
C4:反撃失敗! 海に落ちるが意識を取り戻すと陸地だった。
D:その他=要打ち合わせ。

・今回の課題:序盤で喧嘩してしまうが、それぞれ信頼を取り戻す演出を希望します。

「‥‥また、今回はややこしいですね」
「そお? 海洋モンスターでも出そうと思ったけど、もうやっちゃったからいいわ☆ ポイントはプランCね。あの娘の為に用意したようなものよ」
「囚われている少女達の一人にするのですね?」
「見てなさい! ひん剥いたり、恥かしい目に合わせて、たっぷり歓迎してあげるわ!」
 ぐっ★ と小さな拳を滾らせるサミィ。きっと困惑しながら演技する姿が浮かんでいるに違いない。
 ――それじゃ戻って来ませんよ、監督‥‥。

●募集区分
・ゴールディ一行:(1人〜)
 帆船に乗ったメンバー(ゴールディ、リリィ、エイミー、ヴィシャス、カスミ、リーン)。
 実は帆船に先に乗っていた(密航者? な新キャラOK)。

・海賊団:性別不問(1人〜)
 プランによっては複数の海賊団登場となります(義手義足や、常に酔っているとか、何とかの実を食べた超人風(苦笑)など、個性的に演出して下さい)。

・今回のサブキャラクター(プラン選択や打ち合わせに因ります):囚われの少女など。
 今回のNPCです。尚、アクターが演じないNPCの場合は最低限の登場しかしない予定です。アクターが演じる場合、名前はお好きに☆

●演じる為に必要な書類項目
・配役:ゴールディ一行/海賊/囚われの少女など。
・役名:登場人物の名前です。本名で出演してもOK。
・服装:簡潔に。衣装はイメージに合うものを用意する予定です。
・設定:どんなタイプ(設定)のキャラクターを演じるか明記して下さい。
・容姿:髪型や髪色、瞳の色や口調など、明記していなければ役者のそのままとします。
・武器:敵と戦う時に使用する武器です。
 尚、結構ノリで制作されている為、とんでもない銃以外は採用予定です。
 勿論、所持していなくても、格闘武器でも構いません。

起:(行動や演出、台詞など)
承:(同上)
転:(同上)
結:(同上)


●サポート関連
 衣装作成/脚本協力/大道具・小道具など前準備関連。
 名前とどんな仕事をしたか載る予定です。

●何らかの事情で優先期間を越えてアクター枠が空いた場合、新規、または復帰(?)キャラ募集します。
 今回は10名に枠を増やしますが、参加枠が埋まらない場合は9、8名に戻させて頂きます。

●今回の参加者

 fa0558 クールマ・如月(20歳・♀・亀)
 fa1047 芹沢 紋(45歳・♂・獅子)
 fa1107 小比類巻レイジ(25歳・♂・蝙蝠)
 fa1266 百瀬 愛理(17歳・♀・猫)
 fa1788 碧野 風華(16歳・♀・ハムスター)
 fa2121 壬 タクト(24歳・♂・兎)
 fa2462 ティーナ・アリスン(18歳・♀・蝙蝠)
 fa3464 金田まゆら(24歳・♀・兎)
 fa4280 エリア・アサギリ(13歳・♀・ハムスター)
 fa4421 工口本屋(30歳・♂・パンダ)

●リプレイ本文

●trigger9
 ――蒼穹の中、大海原を一隻の赤い帆船が波を掻き分けてゆく。
 甲板に立つ人影を捉え、一人の少女を映した。
 薄汚れた質素な白いワンピースに身を包んでおり、揺れる裾から覗く白い脚は素足のままだ。
 金髪を潮風に揺らす少女の端整な風貌は不安の中に怒りの色を滲ませる。
★(CAST)アイリーン:ティーナ・アリスン(fa2462)
 刹那、銃声が響き渡ると共に、首を竦めたアイリーンの肩に掛かる金髪が舞った。同時にワンピースの結び目が弾け飛ぶと、布地が捲れ、右肩から胸元が露となり、少女は動揺と羞恥に頬を染める。
 視界はライフルの銃身で少女に狙いを定めてゆく。ゆっくりと右に流れ、アイリーンの左肩を捉えた。再び響き渡る銃声と風圧に舞う左側の金髪。次の瞬間、画面は彼女の後方から足元を映し、同時にストンとワンピースが結び目を解かれて滑り落ちた。焦点がライフルを構える者を捉える。
 赤いロングドレスにラメ付きの黒い羽のショールを肩に掛けており、衣服同様に真っ赤なストレートロングヘアを潮風に靡かせる美女だ。ブルーアイシャドーの瞳を細め、青い口紅が微笑む。
★アンジェラ(アンジェロ・アゴスティ):壬 タクト(fa2121)
「さぁ、裸のダンスを踊るのよ! オーッホッホッホ♪」
 アンジェラはライフルの銃口を下げると、再び銃声を響かせ捲った。弾丸はアイリーンの足元を掠め跳び、少女は一糸纏わぬ姿で涙を散らせ、必死で左右の足をあげてステップを踏む様相と化す。
「きゃッ! いやッ! ひぃッ!」
 アイリーンの悲鳴に銃声とアンジェラの高笑いがセッションを奏でる中、甲板のショウタイムから視界は流れてゆく。続いて響き渡るは鞭の打ち鳴らす乾いた音だ。
 ドレッドヘアにバンダナを巻いた髭面の男が鞭を振り下ろす瞬間に、一瞬だけ露となった蚯蚓腫れの走る背中が撓るのと、未だ幼さの残る愛らしい風貌が激痛に耐える表情を交互に映した。響く鞭の音に合わせ、歯を食い縛った少女の閉じた瞳から涙が散る中、肩口で切り揃えられた黒のショートヘアが舞い踊る。
★“鉄腕”エルバッキー:工口本屋(fa4421)
★ミナ・マーティン:エリア・アサギリ(fa4280)
「‥‥49! 50だ!」
「ひんッ!」
 樽を抱く様にしがみ付いていたミナが、ズルリと膝を着いた。
「ハァ、ハァ‥‥も、申し訳、ございませんでした‥‥」
「‥‥いつまで休んでいる。汚い背中をいつまでも見せてねぇで、とっとを戻りやがれ!」
「は、はい‥‥しつれい、します」
 震える足で立ち上がると、柔肌にエプロンのような布切れのみを纏った小柄な少女は、フラフラと覚束ない足取りで歩いて行く。焦点の定まらない瞳は光すら失ったように虚ろだ。同時にミナと代わるように一匹の猫が飛び出し、甲板に弾け跳んだ鮮血をぺろぺろを舐め始めた。エルバッキーの瞳が和らぐ。
「そんな汚い血を舐めるなよ。腹が減ったのか?」
 ひょいと猫を抱き上げて微笑むボーダーシャツに黒パンツの男。猫は「みゃあ」と愛らしく鳴くと、彼は自分の腹に手を当てる。
「‥‥そうだよな。腹減ったよなぁ‥‥獲物が商品じゃなきゃ、おまえに新鮮な肉を食わせてやれるのにな。ボス、どうするつもりなんだろうな?」
 猫を抱きながら流すエルバッキーの瞳に、少女へダンスショウを強要して高笑いを響かせるアンジェラが映った。
 高笑いと銃声が響き渡る帆船が大海を静かに突き進んでゆく中、潮風が次第に文字を模り、銃痕の刻まれたタイトルが浮かび上がる。

●GUN&ROAD
 ――あ☆ 見てよホラ、イルカよ♪
 甲板から身を乗り出して指差してはハシャいだ金髪ツインテールの愛らしい笑顔が懐かしかった。
★ゴールディ・ゴールドウィン:碧野 風華(fa1788)
「はぁ‥‥」
 船内で頬杖をつきながら深い溜息を吐く少女に、数日前の面影は無い。
「気分を変えてみたかったんだけど‥‥ちょっと無謀だったかしら? 食料も水も足りないってどういう事よーっ」
 視線だけを後方に流し、訊ねるゴールディ。彼女のツインテールはリボンを解かれており、しなやかな手が優麗な金髪を梳いでゆく。背後で朗らかに満面の笑みを浮かべるは、細く長い三つ編みをリボンで結った和服美女だ。
★カスミ(霞):金田まゆら(fa3464)
「買い出しの余裕も船内の状態も確認しなかったから仕方ないわよね。私は可愛いゴールディの髪を何時でも梳けるから満足よ♪」
「あなたねぇ‥‥私は暇潰しじゃないんだから‥‥それにしても暑いわよね〜」
 気だるそうに薄い胸元を覗かせ、パタパタとジャパンの扇子(恐らくカスミから強奪したか、髪を梳く代わりに取引したものだろう)で風を送る少女は、何時もの着飾ったドレスではなく、半袖に膝丈のシンプルなドレスに着替えていた。サンダルを履いた素足をパタつかせ、とても退屈そうだ。
 そんな一見平穏な刻に、ゆらゆらと怠慢な動作でテンガロンハットの娘が声を響かせる。いつものシャツの裾を胸下辺りで結んでおり、褐色の腹部を曝け出していた。
「お酒〜、あたしのお酒は〜?」
 だらりと肩を落とし、焦点の定まらない眼差しで歩く様は、まるで彷徨う亡霊である。
★リリィ・ザ・タートル:クールマ・如月(fa0558)
「煩いわね! お酒お酒って無いモノねだりもいい加減にしなさいよ!」
 甲板を行ったり来たり繰り返す鬱陶しさに、ついにゴールディが一喝した。金髪少女に顔を向け、唇を尖らせるリリィ。
「なによぉ、言ってるだけなんだからいいじゃないのよ〜」
「あなたねぇ、言ってもどうにもならないじゃないの! だいたい無駄弾を撃つから買えないんでしょ!」
 ニコニコと満足気にカスミが立ち去る中、金髪を何時ものツインテールに結びながら、リリィに注意を促がした。刹那、褐色の風貌が不満の色を浮かばせる。
「なに? それってあたしが無駄遣いしているって事?」
「そうよ! 何か言い返せる?」
 一瞬、二人の間を沈黙が過ぎった。少女を見据えて口を開いたのはリリィだ。
「‥‥な、何よ! お酒なんて漂流してたら買えないわよ! ゴールディが何も考えないで帆船で旅を続けようなんて言うから!」
「乗ったときはみんな反対しなかったじゃないのっ!」
 喧騒が増す中、割って入るように薄汚れた男物の服に身を包んだ背中が駆け込んで来た。帽子からハミ出している長い金髪がサラリと揺れる。
★リーン・スティール:百瀬 愛理(fa1266)
「何の騒ぎだよ、騒がしいなぁ」
「邪魔しないで! ‥‥そう言えばリーン? あの連中の仲間だったのよね? 操舵くらい出来なかったの!?」
 少女の迷惑そうな声にツインテールを揺らし、ゴールディが怒りの矛先を向けた。
「しらねーよ! 船の操作なんかちょっとしか見たことねーし!!」
「ちょっと見たなら分かるんじゃないのぉ?」
「わかんねーよ! 手綱もってりゃいい馬車とは違うんだよ!」
「リーン! それは聞き捨てならないわね!」
 これでは二つの喧騒が三つに増えただけである。続いて姿を見せたのはカスミだ。どうやらリーンを探していたようだが、先ずは仲裁が先。
「あらあら、お腹減ってるといらいらし易くなるのよね。でも、いらいらしてばかりだとお肌にも良くないし生理不順になったりしちゃうんだからね?」
 刹那、一斉に和服美女に視線が向けられた。
「どうしてカスミは何時も微笑んでいられるのよ!」
「この大きな膨らみに食べ物やお酒が入ってるんじゃないのぉ?」
「本当か!? ずるいじゃねーかよ!」
 それでもカスミは穏やかな微笑みを消しはしない。大人なのか怒りの感情が無いのか微妙だ。
 そんな光景を遠くから眺める背中があった。スラリとしたスタイルにビシッと黒いスーツに身を包んでいる青年は、洒落た帽子の縁から冷ややかな赤い瞳を覗かせる。
★ヴィシャス・バイパー:小比類巻レイジ(fa1107)
「やれやれ‥‥仲が良い程喧嘩する‥ってね」
 大きな欠伸をしながら踵を返し、再び船首に戻ろうとする青年は、何気なく船首の方角へ端整な顔を向けた。ヴィシャスの赤い瞳が研ぎ澄まされてゆく。
「‥‥あれは」
 大海原に浮かぶあがるのは、一隻の帆船と思しきシルエットだった。

●それはトレジャーハンター?
「これも何かの巡り合わせでしょう。我が船にようこそ!」
 帆船の船長は甲板に集まったゴールディ一行を見つめて微笑む。
★レオン:芹沢 紋(fa1047)
 胸元が開いた白いシャツのガッシリとした肩にオウムを乗せており、裾を縛った黒いズボンを履いている壮年の男だ。中央に宝石があしらわれたアイパッチが妖しい輝きを放ち、ベルトの代わりに巻いた真紅のサッシュが潮風に棚引いていた。
 彼の話に因れば、道楽でサルベージをしていた所、偶然にも漂流する少女達の帆船を見つけたらしい。
 ひょろひょろと帆船の乗り移ろうとするリリィをツインテールの背中が制する。
「‥‥なによぉ?」
「‥‥どうして漂流している私達を助けてくれるのかしら?」
 幾つもの危険を長旅で経験しているゴールディは、未だ信用していないようだ。
「そうですね。今日は空が青かったから、でしょうか」
『今日ハ空ガ青カッタ、今日ハ空ガ青カッタ』
 レオンの後に続き、オウムの『マゼラン』が翼をパタつかせて真似た。どうやら、天気がいいと機嫌がいいとの事だ。彼は背中を向けると肩越しに視線を流して見せる。
「疑うのも無理はないでしょう。しかし、漂流しているのも事実のようですし、この辺は海賊も多いのでマトモな船は通りませんよ?」
 いかがしますか? そんな口振りで男は船内へと歩いて行った――――。

「そうですか? 馬車を失って船旅とは面白い冒険ですね」
『面白イ冒険、面白イ冒険』
「まぁね、初めは船旅も変わってて面白かったけど、陸の旅とは勝手が違い過ぎるでしょ? 陸地の地図と海図は違うし、羅針盤の見方も分からないし、潮風で銃が錆びちゃうし、お風呂入りたいーーっ! って思っても無いし、自慢のツインテールは痛んじゃうしッ!」
 ペラペラと機関銃の如き口振りで指折り数えて愚痴るゴールディ。流石にレオンも苦笑気味だ。
「こちらが客室です。何分、客船ではありませんので、個室は用意できませんが、ご自由にお使い下さい」
 案内されたのは、ゆったりとしたソファーが三つばかり並んだ広めの部屋だった。床には絨毯が敷かれており、棚にはアルコールの類いらしき瓶も覗える。当然、両手を組んで瞳を潤々と輝かせるはリリィだ。
「わぁお♪ お酒? 呑んでも良いのぉ?」
「ちょっと! はしたないわよ!」
「‥‥そう多くはありませんが構いませんよ。では、寛いで下さい。私は操舵室におりますから」
 ドアが閉められると、真っ先に褐色の娘は酒瓶に頬擦りしながら恍惚とした表情を浮かべた。愛しいヒトと巡り合ったような雰囲気だ。
「へぇ、上等なソファーじゃん♪ よっ☆ と!」
 早速、リーンはソファーを指で押した後、勢い良く身を躍らせると背中全体で感触を満喫した。未だスペースはあるものの、彼女のベッドとして占領されたようなものだろう。相変わらずレディーとしては素行の悪い少女に、カスミは朗らかに微笑むと、たおやかな身振りでドアへと向かった――――。

「海図の見方や現在位置の割り出し方、ですか?」
「はい☆ 方角も判りますから♪ 出来れば潮の見方も‥‥は、流石に無理でしょうね」
 おっとりとした女性特有の色香を漂わせながら、カスミは口元に手を当てて笑う。彼女は操舵室へ赴き、早速レオンに訊いていたのだ。
「経験が一番重要ですからね。私で教えられる事なら構いませんよ」
 紳士的な対応は相変わらず変わり無い。どうやら悪人では無さそうだ。平穏な刻が過ぎてゆく中、それは前触れもなく掻き消された。
「うおぉッ!」「きゃあぁッ!」
 激しく船体が揺れると、和服美女がよろめき、男の胸にたおやかな肢体を預ける。むにゅッとした肉感的な感触が胸板を伝い、長身のレオンが視線を落とすと、カスミの乱れた和服からたわわな谷間を覗かく。美女が上目遣いで頬を染めた。
「あら、私ったら‥‥ごめんなさいね☆」
「い、いいえ。こちらこそ思わず支えたつもりが‥‥! それより今の揺れは‥‥っ!?」
 名残惜しそうに身を離すと、慌てて窓から周囲を覗う瞳が驚愕に見開かれてゆく。瞳に映るは赤い帆船だ。
「海賊ですか!? 潮の流れが変わっていた!? いきなり大砲とは野蛮な連中ですね」

 ――海賊襲撃数刻前。
「ちょっと、呑み過ぎなんじゃない?」
「持ち主が良いって言ったんだからゴールディには関係ないでしょ!」
「何よ、その言い方!」
「ゴールディは背丈や胸と一緒で気も小さいわねぇ」
 何気に洩らした一言に、ツインテールの少女は硬直した。戦慄く手がガンベルトへ向かう。
「‥‥! あなたねぇ、ここで撃ち殺してあげても良いのよ?」
「おいおい! 二人共なにやってんだよ? うわッ!」
 ソファーから半身を起こして仲裁に入ったリーンが、激しい揺れに転がった。ゴールディも体勢を崩し、ぼむッと弾む膨らみに顔を埋める。視線をあげた少女の視界に映るは、複雑な表情で見下ろすリリィだ。
「なぁに? ママのおっぱいでも恋しくなったのぉ?」
「う、うるさいわね! もう‥‥最悪よっ!!」
「おい、お嬢さん達、どうやら只事ではないようだぜ?」
 確かに今の揺れは尋常ではない。慌てて甲板へ向かうゴールディ達の瞳が、接近する真っ赤な帆船を捉えた。甲高い音と共に砲弾が放たれ、派手な飛沫が噴き上がる。一気に4人はびしょ濡れだ。
「いやぁーん! 髪が痛んじゃうじゃないの〜」
「‥‥えへ☆ お酒に塩も合うわねぇ」
「そういう問題かよ! ってグラス置いて来いよ! わっ、服がッ、おいヴィシャスっ、見るんじゃないぞ!」
「あんたの長い金髪しか見えないさ。それに紙幣なみの胸には興味ない」
「紙幣だと? ‥‥! そりゃ小さいって‥‥おまえっ、見たんだな!」
「小さいなんてお嬢さん。俺は う・す・い と言いたいだけさ★」
「なろぅーっ! 動くなよ! 今、そのキザったらしい顔を傷物にしてやらぁッ!」
「あらあら☆ 楽しそうねぇ♪ リーン、そんなに騒ぐと海に落ちても知らないわよ?」
 ひゅーん、ひゅ〜んと飛んで来ては飛沫をあげる中、赤い番傘で身を守りながら、ニコニコとカスミが向かって来た。謎が多い美女だが、何よりこの揺るぎ無い余裕が謎だ。
「カスミ! 何が起きているのよ?」
「海賊らしいわよ?」
「「「「海賊〜〜ッ!?」」」」
 次の瞬間、帆船は轟音をあげ、砲撃の着弾にこれ以上はない揺れを見せた。

●今度は海賊?
「おーっほっほっほ★ 初めから素直になりなさいよねぇ?」
 ――誰? このガタイのいい人は‥‥。
 真っ赤な帆船を傍に寄せながら、高笑いを響かせる赤いロングヘアの美女に、ゴールディ一行とレオンは言葉を失っていた。何か‥‥何か違和感がある。何だ!?
 海賊等が長い板を倒してレオンの船に乗り移ろうとする中、アンジェラの瞳がゴールディ達を見定める。
「ふぅん♪ 上玉じゃないの★ さ、娘さん達は、私の船に大人しく乗りなさい♪」
「はぁ? いきなり攻撃して何バカな事を言ってるのよ!」
 ――んんー?
 ゴールディが捲し立てる中、リーンはジッと円らな青い瞳で、迫力ある美女を見つめていた。それはそれは一生懸命な眼差しで身を乗り出し、危うく海に落っこちてしまうような勢いだ。その間も、やれ髪が海水で痛んだ責任がどーとか、電気店にクレームを放つ迷惑な客の様相である。
「だいたいねぇ‥‥」
「オレ、乗るよ!」
 ――ちょっと待てリーン‥‥。
「オレ、アンタによく似た人を知ってるぜ‥‥男だけどな!」
「そっ! そお?」
 一瞬美女の顔色が驚愕に揺れたが、気付いた者がいただろうか。
 どうやらリーンは『鉄の棺桶』のボスとアンジェラが似た顔立ちをしていたので、安心したらしい。似ているだけの根拠で信じてしまうとは、ゴールディ達の瞳は不憫そうな影を落とす。
 ――これでは何時か泣くぞ! リーン。
「ボス‥‥獲物以外はどうする?」
 猫の背を優しく撫でながらエルバッキーがアンジェラに訊ねた。美女は流し目を送り、薄く微笑む。
「そうねー、食料や金目の物は奪っちゃおうかしら♪ 男はいらないから、魚の餌ね★」
 どうやらレオンとヴィシャスには用はないらしい。アイパッチの男が洒落た帽子の青年に瞳を流す。
「どう? ヴィシャスくん。私達は魚の餌だそうですよ」
「フッ、美女の扱いは自慢じゃないが得意なんでね」
 ――それは自慢だ。
「まぁまぁ。そんな固い事言うなよ? 俺とお嬢さんの仲じゃないか☆」
 甘いマスクで微笑み、軽く腕を広げながら歩み寄る。スラリとした長身の青年より、やや低いアンジェラは、ズイと迫ったヴィシャスに思わず身を退いた。構わず美女の顎に触れながら端整な風貌を寄せる。
「娘が趣味なんて、きっと男の魅力を知らないんだね。俺がキミを永久の夜という悦楽に招待してやろうか?」
 ケッ! と不愉快そうに長い金髪を揺らして顔を逸らすのは誰か。
 刹那、鈍い衝撃音と共に短い呻き声が洩れ、ヴィシャスが崩れるように膝を着いた。スッとアンジェラの膝が戻る。
「あらあら? 隙だらけだこと★ 死んでも男なんて御免だわよ! さ、お嬢さん、あなたは正しいわ♪ そっちの野性的な胸の大きな娘と可愛らしいツインテールの娘に、うふっ♪ 着物姿の美女もいらっしゃい。悪いようにはしないわよ★ 武器をエルバッキーに預けなさい」
「どうしましょう?」
「行こうぜ♪ いい奴だって!」
「リーン、あなたは黙ってなさい!」
 たおやかに頬へ手を差し延べ、小首を傾げるカスミに、金髪の少女が相変わらず自信たっぷりに先を勧めた。ぴしゃりと甘い娘に注意を促がし、ゴールディはアンジェラへと青い瞳を研ぎ澄ます。
「条件があるわ! 船には病人も乗っているの! シスターよ! 助けてくれるかしら?」
「女性なのね? 大歓迎よ♪」
「‥‥皆、武器を私に寄越して」
 エルバッキーは得物を所持していない。怪しい動きを見せたら容赦なく撃つと言わんばかりに、アンジェラがライフルで狙いを付ける。刹那、小さな人影が美女に飛び込んだ。
「だめ! みんな売られちゃうよ! 銃を渡しちゃ駄目だよ!」
 アンジェラの腕にしがみ付きながら、ミナが声を張り上げた。ボロボロのエプロンのような衣服のみを肢体に纏った少女は、振り解こうとする腕に揺られ、宙を浮く。チラリチラリに隙間から覗く柔肌がかなり際どい。
「えぇい! お放しッ! 奴隷の分際で! あん!」
 思わずライフルを手放し、続いて空しい水音が響いた。武器を失わせたのに安堵したのか、彼方此方に生傷の刻まれた幼い少女は遂に力尽き、振り払った腕により、強かな背中を打つ。
「きゃうッ!」
 ――だが、一瞬の隙をゴールディは逃さなかった。
「リリィ! リーン! カスミッ!」
 ツインテールに弧を描かせると、預かった武器を一気に放り投げる。
 画面が横に3分割される中、褐色のボディが慌てて跳び、甲板を蹴った少女が金髪を舞い躍らせ、陽光に照り返すナイフを手中に収めると、十手を受け取った三つ編み美女が宙を舞いながら突き出した番傘を開く。突撃するはエルバッキーの懐だ。男がボーダーシャツから伸びた豪腕を振るうものの、カスミを後退させるのみで謎の傘防壁を破れない。
「何だと!? くそ、腹が減って力が出ねぇ」
「女の子に酷い事する人はー、三途の川に2秒で送ってあげますよー♪」
 レオンも反撃に出るべく真紅のサッシュを翻し、リボルバーを引き抜いた。そんな中、気絶した振りをしていたヴィシャスの瞳がアンジェラを追う。
「なるべく無傷で手に入れて! あんたは私といらっしゃい! 奴隷より酷い扱いの儀式をしてあげるわ!」
「いやあぁぁッ!!」
 手下共に指示を飛ばすと、アンジェラはミナの首に掛かるエプロンを引き摺って船内へと降りてゆく。

●やっぱりチームワーク
「マズイわね。撃ち過ぎたわ‥‥」
 半ば八つ当たり気味に海賊を倒していたゴールディは、壁に身を寄せていた。彼方此方から乗り移った海賊達はレオンの船に群がっており、個々に対処する防戦の様相だ。銃声と共に向かって来る靴音が響く。少女は銃を見つめて苦笑した。甦るあの時の言葉――――。
 ――だいたい無駄弾を撃つから買えないんでしょ!
「‥‥言った自分が弾切れなんて笑えないジョークよね」
 その時だ。コロコロと甲板を何かが転がって来た。見つめる青い瞳が驚愕に見開かれる。
「‥‥銃弾?」
 流した視界に捉えたのは、壁に背を預けて微笑む褐色の娘だ。どうやら逆方向から後退してゴールディの背中と鉢合わせしたらしい。
「えっへへ〜‥‥カスミ直伝の隠し場所よっ♪ あんなには入らないけど。ゴールディ、あんた弾が無いんでしょ?」
「リリィ?」
「弾はあるんだけど当たらなくてさ‥‥向こうからも迫って来てるんだよね」
「‥‥し、しょうがないわね。使ってあげるわよ‥‥でも、後悔しても知らないわよ!」
 受け取った弾を詰めると、研ぎ澄ました冷たい眼差しを流し、褐色の娘へ銃口を向けた。慌てて、リリィもゴールディへ銃を向ける。一人を犠牲にして追撃を振り切る寸法か。
 ――銃声が重なった。
 鮮血が甲板を染めると、二つの人影が崩れる。硝煙の漂う中、互いに背後の敵を撃ち倒した口元が緩んだ。
「当たらないですって?」
「へへっ☆ 仲間を助ける為なら別みたい」
 ゴールディとリリィは可笑しくなって笑い合う――――。

 ――船内に潜入したヴィシャスは追跡していたアンジェラを見失い、困惑の色を浮かべていた。
「邪魔者を蹴散らす間に見失ったか‥‥ん? 声?」
 船倉らしき場所に辿り着いた青年は大きな木箱のような物に耳を欹てる。すすり泣く女の声だ。ヴィシャスは蝶番で固定された扉へ銃口を向け、引鉄を絞った。
「誰かいるの‥‥か‥‥? ‥‥!?」
 驚愕と戸惑いに見開かれた赤い瞳に映ったのは、あられもない少女達の姿だ。薄暗い饐えた匂いの箱の中、金髪を舞い躍らせて立ち上がった少女が駆け寄ると、柔らかい感触が青年に飛び込む。
「助けに来てくれたのね☆」
「い、そ、そうさ。だが、外は未だ危険だ。ボスの部屋は何処か知ってるかい?」
「ついて来て!」
 アイリーンは傍に掛けてある布切れを肢体に纏うと、ヴィシャスを案内してゆく――――。

「えぇっ?」
 ベッドに拘束されたミナは、視線を下ろして戦慄いていた。瞳に映るアンジェラが微笑む。
「驚いた? 私は同性愛主義って訳じゃないのよ? さ、始めさせて貰うわよ★」
「は、始めるって? ‥‥いやです! もうしませんから! アンジェラ様、お許し下さい!」
「‥‥‥‥イヤ♪ ‥‥? 騒がしいわね? 折角の儀式が台無しだわ」
 部屋を叩く音に、ドレスを翻して少女から離れると、ドアを開けた。刹那、下から突き上げるように押し込まれたのは硬い感触だ。身を沈ませていたヴィシャスが微笑む。
「無用心だな。もっと慎重になるべきだぜ?」
「そうね♪」
 美女が微笑むと同時、ドレスを引き裂いて曝け出されたのはサーベルの刃だ。慌てて身を退いた青年を鋭利な切先が襲う。
「海賊が少女を売っていたとは驚いたな!」
「海賊って言ったって夢じゃご飯は食べられないしね? 有るかどうかもわからないお宝を夢見るより、よっぽど現実的なお仕事でしょう?」
 美女の高笑いと共に刃が唸る!
「オーホッホッホッ! 切り刻んであげるわ!」
 巧みな剣術に追い詰められた青年に切先が振り下ろされようとした刹那、船体が激しい振動に襲われた。反撃に出ようと銃を向けたその時! 床が大きく割れると、アンジェラもろとも崩れ落ち、外れた赤いウイッグが宙を舞う。
「きゃあぁぁぁッ!! この野郎! 覚えてろよー!」
「‥‥何が起こったんだ?」
 軋む船内で動揺するヴィシャスへ、銃を携えるアイリーンとミナが駆け寄った。
「この船は沈むわ! 急いで!」
「沈むだと!? 全く、加減を知らないお嬢さん達だ」

●道標は繋がった
 ――レオンの帆船で船旅を続け、数日が経過。
「あっ、陸地が見えてきたわよ!」
 ゴールディが歓喜に満ちた声を響かせた。円らな青い瞳に映り込むは大陸だ。
「やっほー☆」
 ピョンとゴールディは素足のまま跳ね、そのまま地面に腰をあげた姿勢でうつ伏せに倒れると、乾いた地表に頬擦りしながら感極まって涙を流した。
「あ‥‥固い地面って最高‥‥もう船旅は、こりごりよ〜‥‥」
「オーバーねぇ、ゴールディってば☆」
「気持ちは分かるけどな♪」
 リリィとリーンが苦笑する中、カスミがレオンに深々と頭を下げて感謝を伝える。
「有り難うございました☆ 町の近くで下ろして頂き、助かりましたわ♪」
「いえいえ、こちらこそ。愉快な船旅が出来て楽しかったですよ」
「まぁ☆ 愉快だなんて♪ これからまた海へ?」
「そうですねぇ‥‥。陸の旅も結構面白いかも、ですね。マゼラン?」
『オカー、オカー』
 どうやら同行を臭わせるレオン。そんな中、ヴィシャスと共に、ぴったりと抱きついたアイリーンが船から降りて来た。ちょっと青年はお疲れのようだ。
「ねぇ、ヴィシャスぅ、これからどうするの?」
「‥‥俺は彼女達と旅を続けるつもりだ。目的を果たすのに効率的なんでね」
「えー? 私が一緒じゃ迷惑ぅ?」
「そんな事は‥‥おや? ゴールディ達は?」
 和服美女がたおやかな笑みを流す。視線を追う中、大地と熱い抱擁を交すツインテールの少女を捉えると、質素な衣服を身に着けた少女がゴールディ達に歩み寄る姿が映る。
「あの‥‥お母さんの母国を見たいんです。私も連れて行って下さい!」
 ミナは日本人の母親とアメリカ人の富豪との混血であった。生まれのせいで家族からも疎外されており、母親の母国を見たい一心で港を訪れた所を海賊に攫われ召使い以下の存在として弄ばれていたらしい。
 両手を胸元で組む幼い少女の愛らしい風貌を、不安と期待が彩り、肩で切り揃えられた黒髪が風に揺れた。ゴールディはミナの頬に掛かる髪を撫で、微笑んで見せる。
「好きにしなさい。でも、あなたの求める地に向かうかは分からないわよ? 手掛かりが見つかったら一人だからね」
 少女の言葉にミナの表情は、花が咲いたように輝いた。
「はい! ゴールディ様☆」
「さぁっ! そうと決まれば馬車を手に入れて用意を済ませるわよ!」
 グッと拳を胸元で固めると、思い出したように地図の断片をポケットから取り出す。
「似てるわ‥‥ふっ、私の計算通りね!」
 顎に手を運び不敵な笑みを浮かべるゴールディに、集まった仲間達がツッコミを入れたのは言うまでもないだろう――――。

 ――小波が揺れる。
『ミャア! ミャア!』
「‥‥うぅん、エルバッキー? 猫を静かに‥‥!?」
 寄せては返る水面がずぶ濡れの赤毛を泳がせる中、ぼやける視界にうつ伏せで倒れているドレッドヘアの男と、彼の背中で鳴く猫が映った。エルバッキーの腕には幾つものナイフが突き刺さったままだ。恐らくリーンの放ったものだろう。何度か『美女』は瞬きを繰り返し、口を開く。
「‥‥陸?」

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