GUN&ROAD T14南北アメリカ
種類 |
シリーズ
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担当 |
切磋巧実
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
9.9万円
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参加人数 |
7人
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サポート |
0人
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期間 |
04/18〜04/22
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前回のリプレイを見る
●本文
●前回の粗筋
地図の断片を目の中に隠した神父が命を狙われていると知ったゴールディ一行は、謎の追跡者(黒手袋)の襲撃と町の住民による乱入のどさくさに紛れて辛くも荒野へ旅立つ事で難を凌いだ。
しかし、安堵の息を洩らしたのも束の間、突如ゴールディを襲った謎の凶弾により、次々と仲間達は痛手を負ってしまう。
もはや神父のみが動けるという最悪の事態を陥る中、一頭の馬が幌馬車を追い、手綱を捌く人影が金色に煌く三つ編みを背中で弾ませていた‥‥。
次回、『阻まれる地――エルドラド』に弾丸を込めろ!!
●今回の流れ
サミィ・ライナー監督は、アクターに向けて送ったVTRの中で説明を始める。
「流石に神父以外負傷に陥るとは思っていなかったわ。そんな訳で、今回は謎の追跡者、シェリカ・アイマー(黒手袋)が、傷ついたゴールディ達の許に辿り着いた感じで始まる予定よ。 告白と共にエルドラドに行かせたくないと願うシェリカ、それでも行く事を告げる予定のゴールディ。静の芝居が多くなるか、動の芝居が多くなるかは任せるわ」
つまり、互いに意思が擦れ違う場合、西部劇風に決闘という流れもアリという訳だ。
「予定としては、魔銃は今回か次回に決着をつける予定よ。彼の存在を知るのはシェリカか神父位だから、‥‥可能性としてはロバートもいたわね(苦笑)。長距離射撃に対処する訓練をするなんてのもアリよね。または、今回、魔銃は出番なしで、駆けつけたチェスターが製造したばかりの銃を渡すなんて展開も悪くないわ。詳細はアクターに任せるから要点だけは踏まえて演じてくれると助かるわ。じゃ、ヨロシクね☆ 尚、このビデオテープは自動的に‥‥」
■募集区分
★ゴールディ一行:性別不問(1人〜)
決められているのは、助けて貰った中で、動揺と不信感など心理的な演技。エルドラドの件やゴールディ妹説など、疑わしくもある真相に戸惑う芝居が要求されます。
●前回から引き続き登場する者:性別不問(1人〜)
新たにゴールディ一行に加わったとか、謎の追跡者(黒手袋)、何故か先回りしていて現れる雇われガンマンなど。
★シェリカ・アイマー(黒手袋):女性
エルドラドの件やゴールディ妹説などを語り、説得する役が予定されています。
★ヨハン・ボルディアック:男性
エルドラドへの地図の断片を隠し持つ神父。黒手袋との関連や、エルドラドの件で告白する役となるでしょう。展開次第では、シェリカに殺されそうになる等、唯一、地図の手掛かりを持つ男ですから、危険度も高いと思われます。
★エルドラドからの刺客(マガン):男性
ハイテクノロジーの超スナイパーライフル(魔銃)を扱う者です。姿の視認はおろか銃声すら微かにしか聞こえない距離から狙撃します。
今回登場するか否かはお任せします。
★ロバート・マクレガー:男性
ただのフェイクで終わるのか? 謎が多い雇われガンマン。何気に神出鬼没。
●今回募集
★エルドラドからの刺客:性別不問(1人〜)
ハイテクノロジーの武器を設定して下さい。格闘武器でも弾丸を弾き飛ばす盾でもOK。但し、強力過ぎるとゴールディ達が勝てない為、考慮は必要。
★エルドラド最高管理者:性別不問(1人〜)
エルドラドで世界を管理している者です。詳細は演じるアクターの案を重視しますが、既に数百年は生きている設定なので、クローン体や電子体、機械やメインコンピュータとの融合体などを想定しています。
基本的にインパクトを与える為、今回出演する場合は、断片的な登場か、台詞重視となる予定です。
尚、アクターが演じないNPCの場合は最低限の登場しかしない予定です。アクターが演じる場合、名前はお好きに☆
●演じる為に必要な書類項目
・配役:ゴールディ一行/ 今回のサブキャラクターたち。
・役名:登場人物の名前です。本名で出演してもOK。
・設定:どんなタイプ(設定)のキャラクターを演じるか明記して下さい。
・武器:敵と戦う時に使用する武器です。
尚、結構ノリで制作されている為、とんでもない銃以外は採用予定です(エルドラドからの刺客は自由)。
勿論、所持していなくても、格闘武器でも構いません。
●プロット
展開に合わせて演技とセリフ明記(相談によりアレンジOK)。
1:凶弾に倒れたゴールディ一行。駆けつけたのは‥‥。
2:黒手袋の告白と分かる範囲でエルドラドの真相。先へ行かせたくない彼女の行動は?
3:なんとしてもエルドラドへ向かいたいゴールディ達はどうやって先へ進む?
●サポート関連
衣装作成/脚本協力/大道具・小道具など前準備関連。
名前とどんな仕事をしたか載る予定です。
●何らかの事情で優先期間を越えてアクター枠が空いた場合、新規、または復帰キャラ募集します。
●エルドラド暫定設定
『超高度文明の地』
魔銃が示す通り、ハイテクノロジーが息づく超高度文明の地です。実は軌道エレベーターで宇宙にあるというのも悪くないなんて監督は言っていますが‥‥。私としては、近代的な建造物が立ち並ぶ町だけど、人影は無い位が妥当かと思います。
『世界管理機構』極秘情報の為、流出しないよう厳重注意!!
この世界は一旦作り直された世界です。所謂、神の力を得たエルドラドの数少ない人類は、管理不能とまで世界が乱れた時に、いつでもリセットが出来る事を示しています。
地図の断片とは、『人が神であってはならない』と思想したエルドラドの反乱分子が、作り直された世界の人類へ向けて、巧妙に与えた道標とされています。
既に反乱分子は絶滅したらしく真相は謎のままです。
エルドラド関連の登場人物がどこまで知っているかはお任せします。あまり色々と知っていると、真相を告げた時点で即リセットとなりかねないので、気をつけて下さい(^^:
「‥‥と、監督、テキスト打ちましたよ」
助手の青年はデスクの椅子を回して視界に金髪の少女を捉えた。何やらジャパンのトイを眺めて色々と角度を覗っているようだ。再び口を開くとサミィはダイヤのイヤリングを煌かせて顔を向ける。
「え? なに?」
「‥‥ですから、西部劇ですよねと確認したんです」
「そうよ。何か疑問でもあるのかしら?」
――このエルドラド設定作成して疑問に思わない者はいないと思いますよ。
「アクションのメインはリボルバーで展開させるわ。鉛の弾だってエルドラドのシステムを壊せるわよ。んー、そうね。あっ、世界はもう壊す必要はないって事を示すって感じかしら?」
人差し指を口元に当て、視線を泳がせた後、尤もらしく告げた少女が微笑んだ。今、思いついたのがバレバレである。次回には流れすら変わっていそうだ。
「まあ、無事に終わりが見えて来たので何も言いませんが‥‥視聴者の反応が怖いですよ」
「‥‥アクター次第ね」
GUN&ROAD‥‥最終回まであと2回(予定)――――。
●リプレイ本文
●trigger14
――荒野に銃声がコダマする。
「‥‥そっちか」
端整な風貌に翳した指の隙間から瞳を研ぎ澄まし、男は荒野を駆ける。視界に捉えるは、身の丈ほどはあるライフルを構えるカウボーイハットの人影だ。銃口の狙う先に映るは果てしない乾いた大地。
――あの銃は‥‥何を撃っている?
男は気付かれぬよう、愛用の拳銃を引き抜いた――――。
<CAST>
☆リリィ・ザ・タートル:クールマ・如月(fa0558)
☆霞:金田まゆら(fa3464)
☆ヨハン・ボルディアック:辰巳 空(fa3090)
☆ロバート・マクレガー:工口本屋(fa4421)
☆チェスター・バートン:壬 タクト(fa2121)
☆シェリカ・アイマー(通称『黒手袋』):ロゼッタ・テルプシコレ(fa4020)
●偶然と必然
――ゴールディ達は彼方此方で倒れていた。陽光が次第に少女達を照らし出す。
幌馬車から弾き飛ばされた金髪ツインテールの少女。少し離れた地表でリリィが褐色の肢体を鮮血に染めあげ、静寂に包まれた幌馬車からも鮮血が滴り落ちていた。
着物を肌蹴させたまま倒れたカスミは、鮮血に染まった脇腹を押さえ、苦悶の色を浮かべる。
「‥‥動けるようにしなさい。‥‥傷口焼いて止血とか、あるでしょ? ‥‥気絶しそうだけど」
美女は弱々しい瞳に、唯一凶弾の洗礼を免れたヨハンを捉えた。後ろ手に縄で拘束された若い神父は、赤い瞳をカスミに流すと、靴底から小型ナイフを取り出し、自由を取り戻す。
「身動き取れない私に無茶を言わないで下さい‥‥とも、言えない状況ですからね」
ヨハンは弱々しく微笑む美女に寄ると、懐から掌サイズのカップを取り出した。次いで、自らの腕にナイフを疾らせ、杯に鮮血を滴らせてゆく。
「これは聖杯と呼ばれるものです。傷口に振り掛ければ数分で癒えるでしょう」
神父はカスミの凄惨たる脇腹に赤い雫を振り撒いた。ビクンと美女の肢体が跳ね、苦痛の声が洩れる。
「うあッん」
「我慢して下さい、傷口を焼くよりはマシな筈ですよ。私は外の方にも振り掛けて来ます」
倒れた方向から射手の方角を予測しながら、聖杯の洗礼を少女達に施してゆく。そんな中、蹄の音が聞こえた。蜃気楼の中に浮かぶは、一頭の馬を駆る人影だ。金の三つ編みと白いコートを舞い躍らせ、慌てるように飛び降りると、幌馬車へ向かって走って来る。
「マズイ!」
同時にヨハンが人影に飛び込んだ。金の三つ編みが揺れると共に戸惑いの声が洩れる。
「きゃっ」
乾いた地表に砂埃が舞うと共に、二つの人影が押し倒れるように重なった。
馬乗りになった神父の瞳に映るのは、放心したように瞳を見開く、組み敷かれた少女だ。暫しの沈黙後、ヨハンが驚愕する。
「‥‥シェリカ、さん」
名前を呼ばれ、反射的に青年を跳ね除けると、愛らしい風貌を真っ赤に染めながら、豊かな胸元を庇いつつヨハンに銃を突きつけた。眼鏡の奥で青い瞳が戸惑いに揺れる。
「あ、あんた一体どういうつもり!!」
「ま、待って下さいッ! 誤解です‥‥!」
神父が両手を挙げた刹那、二人の間を凶弾が風を巻いて通り抜けた。
「銃声が聞こえなかったわ‥‥まさか?」
「分かって頂けましたか? 早く馬車の陰へ!」
「どうして此処にいるのか知らないけど、一切邪魔しないでもらえると助かるわ」
じとりとした眼差しと共に至近距離で神父へ銃口を向ける少女。元恋人としては関わりたくなかっただろう。
「前向きに検討しますよ。それにしても、ゴールディさんの回復が弱いですね」
苦笑した後、真剣な表情を浮かべるヨハン。そんな中、回復の兆しを見せるリリィが声を掛ける。
「参ったなあ‥あはは、本当に腹割った関係になっちゃったわね、神父様」
苦しいながらも弱々しく微笑み叩く軽口は、前回の『説得』を踏まえた彼女らしいものだった‥‥。
●エルドラドへの障害
一行は岩場の多い山陰に移動して体制を立て直す事とした。
「ちょっと、行くなってどういう事よぉ!?」
星空に響き渡ったのは素っ頓狂なリリィの声だ。焚き火に灯るシェリカが優しく諭す。
「貴方達の力があれば望む物が手に入る。でもエルドラドはダメ。これ以上近づいたら死ぬわ」
エルドラドは高度文明の地。魔銃と黒手袋シェリカはその守護者。ヨハンはその離反者。
断片の一つ一つを語ったが、だからといって旅の目的を変える訳にはいかない。未だ回復の兆しを見せない少女に、リリィは顔色を曇らせた。
「行くなって言われて素直に聞くゴールディじゃないよね?」
何も出来なかった自分を責めつつ、ゴールディの身を案じるリリィ。
そんな中、人の気配に一斉に得物を引き抜き向ける。三つの銃口に捉えられたのは、仕立ての良いスーツに身を包む、覆面の人物だ。肩には同様に覆面を被った猫が乗っている。
「ま、待て! 怪しい者ではない! 俺‥いや私はマスクドアラン・スミシー。と、通りすがりの医者だ。むむ、そこのお嬢さんは? ちょっと失礼するよ」
「ち、ちょっと、あんた‥‥わっ!?」「あらあら☆ 蜂の巣にされてしまいますね♪」
マスクドアランはズィと踏み入ると、躊躇なく金髪少女の衣服を肌蹴させた。大胆不敵! カメラは焚き火の炎で絶妙にゴールディのスレンダーな胸元を隠しつつ、物語を進めてゆく。
覆面の男は懐から湿布を取り出しぺタリ。
「これで安心だ。微小機械群が損傷した組織を集中補修し治るまで生命活動を行ってくれるだろう」
小首を傾げるリリィとカスミ。しかし、ヨハンとシェリカの反応は違った。
「あなたは‥‥」「どうしてこれを‥‥まさかっ」
バッと掌を前に翳す覆面男。リリィが訝しげに這いより顔を近づける。
「んー? アンタさ、どっかで会っていない? 覆面とって見せてよ」
「お嬢さん方と会ったのはこれが初めてだ! ま、マスクをとる訳にはいかんのだっ!」
バタバタと慌てふためくマスクドアランは話題を変えた。どうやら、狙撃手を撤退させたのは彼らしい。
「こちらから向かうには気付かれ無いようにする事だが、遮蔽物の少ない場所を選んでいる為、直ぐに逃げられる可能性がある。奴の注意を引き付けるか、視界から完全に消える必要がある」
「誘い込む、かなやっぱり。ある地点にゴールディとリリィをこっそり配置して、私は囮として気を引くわよ。女の子をキズモノにした報い、受けさせてあげる」
あっけらかんと言ってのけるカスミに、リリィが口を挟む。
「なーんだ。カスミが着物を一枚ずつ脱いで誘い込み、時間を稼ぐのかと思ったわよぉ」
「あら☆ それならリリィに役を譲ってあげますよー♪」
にっこりと笑顔を浮かべるが、只ならぬ殺気を感じずにいられない。
攻略に話が進むとシェリカが割って入る。
「ま、待ちなさい! 魔銃を倒してどうする気?」
「まあ、答えは夜が明けてからでも遅くはないでしょう」
「ヨハン? 相変わらず読めない顔色で何を考えて‥‥いいでしょう、ゴールディの回復を待つわ‥彼女には直接伝えなければならない事もあるから‥‥」
愛しむような瞳を少女に向けるシェリカの真意とは?
夜は静かに刻まれてゆくのだった――――。
――誰かが近付いて来る! 遠くで蹄の音も聞こえていた。撃鉄を起こす音!?
「「「「「誰(だ)(です)!!」」」」」
一斉に向けられる幾つもの銃口に、頼り無さそうな男の声が洩れる。
「うわあぁっ、僕ですよっ!」
両手をあげた拍子に護身用のリボルバーが地面に落ちた。茶のボサボサ短髪に黒い瞳、端整だが少しやつれ気味の風貌で「たはは」と苦笑する青年に、カスミとリリィは見覚えがある。
「あらあら☆」「チェスター!?」
どうやら、妙な胸騒ぎを感じて少女達を追い掛けて来たらしい。よく無事に辿り着いたと褒めてやりたい所だ。状況を聞いたチェスターが背負っていた布袋を下ろすと、中からロングバレルの銃身が覗く。
「人を傷つける為の武器なんて、本当は作らないつもりだったんだけど‥‥ははっ‥タイミングが良いのか悪いのか‥長距離向けの銃‥みたいだよ、これ」
「作った‥って、これを?」「古い書庫で偶然見つけた謎の本からヒントを得て‥ですか」
シェリカとヨハンは驚愕の色を浮かべていた。穏やかに微笑んでいた青年は表情を一変させる。
「ただ‥ありあわせの部品で作ったから、そう何発も撃てると思わない方が良いかな」
「対抗する武器は確保したと思っていいな。後は、お嬢さん達の腕前と、相手を捕捉する手段が‥‥な、なんだねッ、私はマスクド‥」
「それなら、私の『神の瞳』が協力しましょう」「ヨハン、あんた!」
彼の両目は次元演算装置により、倍率や視覚能力を自由自在に変えられるらしい。但し、能力の使用には膨大な精神力と体力が必要という。
「あらあら☆ その気になれば服も素通しできそうね♪ 今更隠すものはありませんが‥‥」
「なに? カスミ見られたのぉ?」
ほがらかに衝撃発言。不可抗力もあるが、シェリカの眼差しは冷たい。何やら分からない話が不穏な空気を孕む中、チェスターが立ち上がった。
「それじゃ、僕は街に戻るよ。まぁ、単純に足手まといになるからっていうのもあるけど、あまり遅くなるとクリスティーが怒るしね‥‥」
たははと情けない笑みで髪を掻き、青年は背中を向けた。陰ながら帰路の無事を祈らずにいられない。
手駒は揃った。ゴールディの意識が目覚めれば、攻略特訓が本格的に始まるだろう――――。