ＧＵＮ＆ＲＯＡＤ Ｔ１南北アメリカ
| 種類 | シリーズ |
|---|---|
| 担当 | 切磋巧実 |
| 芸能 | 2Lv以上 |
| 獣人 | 1Lv以上 |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 3万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 12/25〜12/29 |
●本文
●ＴＶＣＭ――荒野の中、追う者と追われる者あり。
少女達は何かを追って幌馬車駆って町から町へと旅烏。
そんな少女達を追う者の、目的とは如何なるものか。
辿り着いた先で起こる騒動に鳴り響くは銃声。
正義の化身か悪の破壊神か。
今日も硝煙の匂いを漂わせ、少女達を乗せた幌馬車は行く――――。
ゴールディ・ゴールドウィンの駆る幌馬車で旅を続ける少女は三人。
リリィ・ザ・タートル：陽気な人懐っこい性格の良く喋り・食べ・飲むインディアンの娘。
エイミー・ライム：寡黙だが紡ぎ出される言葉に慈愛を感じさせる修道服の娘。
リネット：記憶喪失だが、製造元不明のシングルアクションリボルバーを所持する娘。
そんな少女達を追う者。
ヴィシャス・バイパー、Ｍｒ．エンブレム、レイラ・シフォン。
そして、リネットの記憶に浮かび上がるウェスタンハットにマントを靡かせる者とは？
新西部劇『ＧＵＮ＆ＲＯＡＤ』絶賛放送中！！
今日も何処かで少女達の奏でる銃声が響き渡る――――。
「ちょっとちょっと！ 前回の台本、ヴィシャスが途中からビシャスになっているじゃないの！ 怒ってなきゃ良いけど。頼むわよ、連載ドラマで役者が変わると大変なんだから」
溜息を軽く吐いた後、ブロンドヘアの少女は続ける。
「第１話なんだけど、全員が主人公を追っているのは不自然よねぇ。ヴィシャスは兎も角、レイラは微妙ね。追う手掛かりは謎の銃の持ち主だからでしょ？ 顔が割れていたらもう殺されてても不思議じゃないしね。まぁ、誰を追っているかは修正が効くようには構成しているけど。番組としては、キャラクターも魅力的だし、リネットとゴールディのルックスと、仲間達のプロポーションで視聴率は悪くないわ☆」
「それで監督、第２話はどうするんですか？」
「そーねぇ‥‥」
●ｔｒｉｇｇｅｒ１――偽りの善意
基本は、『町を訪れ、トラブルに巻き込まれ（トラブルを作ってしまい）、力押しで解決（？）して 次の町を目指して旅立つ』です。
・予定プロット：配役の相談による修正可能。
（起）幌馬車の少女達は町に舞い降りた。
主人公達の訪れた町『名称未定（相談で決めて下さい）』は、一見平穏な町だった。
（承）少女との出会い。
寂しそうにしている褐色の少女（予定）を見つけて話し掛ける今回の主人公。
「私、今夜この町を出るの。とても寂しいわ！ だって、弟と別れなきゃならないんだもの。でも、院長様との約束なの。１６歳になると孤児院を出て、養子になるって‥‥。仕方ないよね☆ お金持ちの人の子供にして貰えるんだから、我慢、しなきゃ、ダメだよね」
（転）人売りの孤児院。
酒場で夕食の４人。一郭には先ほどの少女が盛大に祝いの御馳走を振りまわれていた。一見幸福そうな場面。しかし、そこに人身売買の噂を告げる人物（追う者の一人を予定）。
４人は情報を聞き、孤児院へと潜入。証拠（現場）掴んで取引間際にドンパチ。
（結）院長を倒して幌馬車は町を出て行く。
一件落着。旅立つ少女達の幌馬車。それを追う者。
●募集区分
・主人公：女性（１人）
今回の主人公です。メインの４名の内から相談して決めましょう。
・主人公の仲間：女性（３人〜）
メインの３名です。
・主人公達（幌馬車）を追う者：性別不問（１人〜）
何らかの理由で少女達を追い続ける者です。誰をどんな理由で追っているのか決めておいて下さい。
構成としては毎回なぜか追い着くが、また旅立たれて追跡となる予定。
・今回のサブキャラクター：登場頻度が少ない方、または追う者として今回登場しない方。
売られそうな褐色の少女（予定）／孤児院の院長／買い取り屋／雇われボディガード
今回のＮＰＣです。上記のように、置き換える事が可能です。雇われボディガードは、院長をボスにする事で削除可能ですし、今回の主人公に関連付けするのもアリです。
●演じる為に必要な書類項目
・配役：今回の主人公／幌馬車の少女達／幌馬車を追う者／今回のサブキャラクター
・役名：登場人物の名前です。本名で出演してもＯＫ。
・服装：簡潔に。衣装はイメージに合うものを用意する予定です。
・設定：どんなタイプ（設定）のキャラクターを演じるか明記して下さい。
・武器：敵と戦う時に使用する武器です。西部劇ですので銃器を多めにして下さい。
尚、結構ノリで制作されている為、とんでもない銃以外は採用予定です。
勿論、所持していなくても構いません。
●前回の役者が揃わなかった場合
物語上、役名は変えられませんが、目的等前回語られない部分は修正可能です。
●リプレイ本文
●ｔｒｉｇｇｅｒ１一陣の風が荒野に砂塵を巻き上げる中、幌馬車はゆっくりとした足取りで進んでいた。
手綱を操るドレス姿のゴールディ・ゴールドウィンの背後から、ボロボロのマントにテンガロンハットの少女――リリィ・ザ・タートルが姿を見せる。
「ねぇ、次の町ってまだぁ〜？ お酒なくなっちゃったよぉ」
「知らないわ。無駄弾使うから酒に余裕が無くなるんでしょ」
「えーっ、でもでも、ゴールディだってそのヘンテコな鉄砲にいっぱいお金使ってるじゃないよぅ」
「私はねぇ。あんたみたいに無駄弾いらないし、計算して使っているの！」
「ちぇ、分かったわよぅ。全くゴールディには敵わないなぁ」
肩を落とし今回も敗北した褐色の少女が幌の中に戻ろうとした時だ。
「みんな、次の町が見えたわよ！ レッドロック・タウンって言う町よ」
僅かな沈黙後、二人の娘が顔を覗かせる。一人は修道服の少女。もう一人はカウボーイ風の出で立ちの美少女だ。
「今日こそはちゃんとしたベッドで寝たい‥‥」
幌馬車の後方を映し、赤い岩山付近に浮かび上がる小さな町。砂塵が巻き上がり、幾つも銃創が刻まれたタイトルが模られゆく。
●ＧＵＮ＆ＲＯＡＤ
「ゴールディさん。私、宿を探して来ますね」
「高いのは駄目よ。‥‥あッ待って、リネット‥‥何か思い出せそう？」
「えっと、済みません‥‥記憶はまだ‥‥」
顔色を曇らす少女から顔を逸らし、ゴールディが小さく舌打ちする。
（「‥‥ちっ、まだお金儲けの手がかりは無しね」）
「あれ？ エイミーさん‥‥」
釈然としないリネットの声。瞳に映るは孤児院を前に佇む修道服の少女だ。
「孤児院ねぇ‥‥。エイミーはね、稼いだ賞金を、教会や孤児院にほっとんど寄付しちゃってるの。自分じゃ弾代位しか使ってないの全く‥‥馬鹿みたい」
ゴールディは少し寂しそうに瞳を伏せた。
「でも‥‥どうして寄付なんて‥‥」
「理由？ さあ、聞いた事も無いけど。西部じゃみんな、それぞれ事情って物があるのよ」
エイミー・ライムは孤児院に歩を進めながら、ふと寂しそうにしている褐色の少女を見つけて話し掛けた。彼女は孤児院で世話になっているメリッサ・ダロウと名乗り、経緯を話す。
「私、今夜この町を出るの。とても寂しいわ！ だって、弟と別れなきゃならないんだもの。でも、院長様との約束なの。１６歳になると孤児院を出て、養子になるって‥‥。仕方ないよね☆ お金持ちの人の子供にして貰えるんだから、我慢、しなきゃ、ダメだよね」
「‥‥そうだな。神様がチャンスを授けてくれたと思えばいい。よく学び、今の気持ちを忘れなければ、きっと、道は明るく照らしてくれるだろう」
「勇気を貰えた気がします。ありがとうございました」
褐色の少女は一礼すると、質素なワンピースを揺らして孤児院へと駆け出した。見つめながら優しげにエイミーが微笑む。
――ゴールディ達は町の酒場で久し振りの食事とアルコールに喉を潤していた。
「あの娘、昼間の」
一同が視線を向けると、盛大に祝いの御馳走が振る舞われている少女と少年、数名の大人が映る。メリッサの口元は肉料理のソースに塗れ、細身の好青年がナプキンで拭いてやり、互いに微笑み合う。
「おめでとうメリッサ‥‥。正直、寂しくなりますが、キミの幸せの為ですからね」
「パークス院長様‥‥今まで有り難うございました‥‥」
「ほらほら、キミが泣いては困りますよ。私も我慢しているのです」
別れの席とは祝いであっても寂しいものだ。笑顔を絶やさない青年とメリッサに、エイミーは安堵の表情を浮かべて見つめた。
「人は強欲なり。故に人は人なり――か。神に仕える聖職者が人身売買とは、世も末だな」
不意に飛び込んだ聞き覚えのある声に、ゴールディが視線を流す。瞳に映ったのは、びしッとスーツを着込んだ青年だ。洒落た帽子の縁を指で跳ね上げ、少女達に顔を見せて微笑む。
「やあ、また会ったね。お嬢さん方」
「ヴィシャス・バイパー！！ どうしてあんたがいるのよ！！」
素っ頓狂な声をあげて腰をあげたのはゴールディだ。ヴィシャスは飄々とした口振りで経緯を話す中、エイミーが割って入る。
「‥‥そんな事より、先ほどの話を聞かせてくれないか。‥‥人身売買とは何の事だ」
「シスター、そんな恐い目で睨まないで欲しいな‥‥。俺は、買取屋と思われる男達と遭遇し、彼等を尾行した先に孤児院があった。買取屋と孤児院‥‥この組み合わせに人身売買が行なわれている可能性が高いと察した結果、ある程度の証拠を掴んだ。しかし、応援を要請している時間は無い。可愛そうだが、あの娘は助けられないな」
青年は視線を修道服の少女へ向ける。刹那、エイミーは立ち上がると、落ち着いた足取りで酒場から出て行った。
――純銀に輝く二挺のライフルを携えて、修道服の少女は闇を駆けてゆく。
研ぎ澄まされた瞳に映るは孤児院だ。刹那、彼女の行く手を妨げる人影が月明かりに浮かぶ。
「‥‥退いてくれ。私は‥‥あの時の、贖罪を‥‥しなければ、ならないんだ」
「‥‥何となく、こうするんじゃないかと思ったわ、エイミーなら。‥‥もっと頼ってよ。私じゃ頼りないかもしれないけど。‥‥友達でしょ？」
「やは、いい夜だねえ♪ ‥‥エイミーちゃんてば、水臭いわよぅ？」
「金に貴賎は無いってのが私のモットーだけどね、この金は汚すぎる！ エイミー、加勢するよ！」
視界に映るのは、リネット、リリィ、ゴールディの三人だ。それぞれが得物を掲げて微笑む中、エイミーも静かに微笑んで見せる。
「‥‥皆、‥‥済まない」
ヴィシャスの情報により、孤児院と買取屋の交渉場所は絞られていた。慎重且つ迅速に施設を迂回し、裏手に周る。刹那、響き渡ったのは少女の悲鳴だ。
「我慢して欲しい。傷が無いか証明しなければならないのだよ」
「そんな、院長様‥‥何もこんな所でいきなり‥‥いやっ、来ないでッ」
メリッサは褐色の肢体を両手で庇い、腰を屈めて怯えていた。彼女は数名の男に囲まれ、ティム・パークスが笑顔を張り付かせて眺めている。そんな中、響き渡ったのは爆発音だ。
「そうそう、もう一発いこうかリネットちゃん☆ そこに火ぃ点けて‥‥イィーヤッハァァッ♪」
「い、いぃーやッ、えいッ」
リネットにマイトの使い方を教えながら、リリィがマッチを咥えて一気に両手に持った爆発物に点火し、周辺の至る所で大爆発を巻き起こす。硝煙に包まれる中、少女達がメリッサに群がっていた買取屋達へと銃声を響かせる。
「あーもうタダ働きさせてくれちゃって！」
「させない‥‥。これ以上、誰も‥‥！」
ゴールディは成り行きで使う羽目になった大口径ライフルを轟かせ、リネットのシングルリボルバーによる精密射撃が次々と男共を崩れさせた。断末魔が響く中、エイミーがメリッサへと走る。
「きゃあぁッ！！」
「‥‥動くな。一歩でも動いたらこいつの命は無い！」
視界に映るのは、褐色の少女を盾にナイフを向けるパークス院長の姿だ。温和なマスクは剥がれ落ち、今や生き延びる事に執着する悪鬼の如き面構えを見せた。修道服の少女はライフルの銃口を向けて対峙したまま硬直する。脳裏に過ぎるは過去の過ち――――。
――響いた銃声と共に鮮血を舞い飛ばしたのは、賞金首ではなく、無実の少女だった。
『どうして？』と訴え掛ける瞳に、エイミーは戦慄を覚え、絶叫を轟かせて賞金首を撃ち殺す。彼女は誤射してしまったのだ――――。
トラウマがエイミーの指を震えさせる。
――父と子と‥‥聖霊の御名において‥‥アーメン。
刹那、二発の銃声が響き渡り、青年の両肩に鮮血が舞った。その一瞬の隙をエイミーは逃さず、一気に肉迫し、メリッサを解放すると、パークスへとライフルを向ける。
「ま、待て！ 金なら幾らでも出す、だから、だから命だけは」
「懺悔は聞かない‥‥裁きを、受けろ」
青年の胸元に銃剣を突き刺し、氷のような眼差しで引鉄を絞った――――。
悪党は滅んだ。しかし、院長を失った孤児院と子供達の行く末にエイミーは心を痛めていた。そんな中、Ｍｒ．エンブレムと名乗るカサ高いシルクハットを被った紳士が孤児院へと姿を見せる。
「シスターさえ宜しければ援助いたしましょう。分け与える事が富める者の勤めですから。時代は刻一刻と動いています。人身売買組織の壊滅及び、この孤児院には裏の手が伸びないよう努めさせて頂きますよ」
「‥‥子供達を、頼んでいいのだな‥‥助かる」
「待って下さいッ、あの、シスター様、名前を聞かせて頂けませんか？」
立ち去ろうとするエイミーに駆け寄ったのはメリッサだ。
「‥‥エイミー・ライム、だ。弟と頑張るんだぞ」
慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、少女は仲間の待つ幌馬車へと向かう。
「エイミー・ライム様‥‥苦しい時はシスターの名前を思い出して頑張ります」
メリッサの背中を映しながら、幌馬車は荒野へと繰り出してゆく――――。
（ＣＡＳＴ）
☆エイミー・ライム：水島 無垢（fa1028）
☆リネット：華夜（fa1701）
☆ゴールディ・ゴールドウィン：碧野 風華（fa1788）
☆リリィ・ザ・タートル：クールマ・如月（fa0558）
☆ヴィシャス・バイパー：小比類巻レイジ（fa1107）
☆メリッサ・ダロウ：ティーナ・アリスン（fa2462）
☆ティム・パークス：赤倉 玲等（fa2328）
☆Ｍｒ．エンブレム：芹沢 紋（fa1047）
ＮＥＸＴ０１２０ＦＲＩ ＯＫ？
