CAT’S 11南北アメリカ

種類 シリーズEX
担当 ゆうきつかさ
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 3.6万円
参加人数 6人
サポート 0人
期間 06/12〜06/16
前回のリプレイを見る

●本文

<参加資格>
 女性のみレスラーとして参加する事が出来ます。
 間違って男性が参加した場合は、女装する必要があります(ぉ

<詳しい内容>
 正統派プロレスではなく、ショープロレスです。
 試合の勝敗は実力ではなく、その場のノリで決まります。
 基本的にはベビーフェイス(正義)とヒール(悪)の戦いになるため、自分がどちらのチームに所属するかを選んだ上で、試合に参加してください。
 試合は基本4試合。
 状況によって増えたり、減ったりしています。
 対戦相手を選んだ上で一試合だけ参加してください。
 複数の試合に参加した場合は、こちらで適当に割り振られてしまうため、望むような試合は出来なくなります。
 また健康的なお色気を前面に押し出しているため、あまりにも卑猥すぎた場合はオーナーのワイズマン・ウォルター・エルマン(通称:WWE)から試合の中止を宣言されます。
 対戦相手が居ない場合や、遅刻した場合は雅・飛鳥(新人)が試合に参加する事になります。

<選択可能な試合一覧>
・追い剥ぎマッチ
 対戦相手の服を脱がして水着姿にする事が出来たら勝利です。
 専用のコスチュームを着て試合に参加してください。

・ローションマッチ
 全身にローションを塗りたくった上で試合をします。
 リング上にもローションが塗られているため、とても技が掛けにくくなっています。

・キャラクターマッチ
 レスラーのキャラクター性を強調した試合運びが可能となっており、架空の設定などを持ち込んで対戦相手と試合します。

・ガチンコマッチ
 ストーリー重視の試合になります。
 筋書きなどを決めた上で、魅せるプロレスを心掛けておきましょう。

・タッグマッチ
 所属の同じ者同士が組んで試合をします。
 タッグマッチならではの試合が出来ます。

<テンプレート>
所属:
リングネーム:
試合形式:
対戦相手:
登場シーン:
登場時の台詞:
コスチューム:
アピールポイント:
得意技:
苦手技:
決め台詞:
控え室での行動:

<説明>
所属:ベビーフェイス側(正義)かヒール側(悪)のどちらを選んでください。
リングネーム:未記入の場合はPC名になります。
試合形式:追い剥ぎマッチ、ローションマッチ、コスチュームマッチ、ガチンコマッチのうち、どれかひとつを選んでください。
対戦相手:対戦相手の名前とPCIDを記入してください。
登場シーン:登場の仕方を教えてください。
登場時の台詞:キャラクターの口調でお願いします。
コスチューム:コスチュームの説明をお願いします。
アピールポイント:一番アピールしたいポイントは?
得意技:得意な技を教えてください。
苦手技:苦手な技を教えてください。
決め台詞:勝利した場合の決め台詞。
控え室での行動:控え室で何をやっているのか書いてください。

●今回の参加者

 fa0383 ダイナマイト・アスカ(16歳・♀・竜)
 fa0936 霧夜マイナ(17歳・♀・蝙蝠)
 fa1326 リン紅原(18歳・♀・竜)
 fa1879 リスフィア・マーセナル(20歳・♀・竜)
 fa2585 ベリル・ライアン(24歳・♀・獅子)
 fa3148 ゴールデン・クイーン(24歳・♀・虎)

●リプレイ本文

●緊急事態
「な、な、な、何デスとぉー!? 『CATS』に参加するはずだったレスラーが3人も来ていないなんて‥‥。ア、ア、アリエマセェーン! ただでさえ今回は参加レスラーが少ないと言うのに‥‥。一体、何がアッタと言うのデスカァー!?」
 時間になっても試合に参加する予定のレスラー達が来ていないため、ワイズマン・エルマン(fz1004) が頭を抱えて悲鳴を上げる。
 レスラー達が会場に来ているのならまだしも、何らかの理由で遅刻しているために会場には来ていない。
 そのため何か別のイベントを考えて時間稼ぎをしなければならないのだが、控え選手ばかりで試合を組めば観客達から不満が出る事は目に見えている。
「だからと言って今から試合を延期するわけにも行きません。‥‥となると、会場に来ているレスラー達だけで試合をするしかないと思うのですが‥‥」
 ワイズマンの机にレスラー達のリストを並べ、瀬戸・カトリーヌ(fz1005)が疲れた様子で溜息をつく。
 会場に来ているレスラーはたったの3人。
 控え室で待機しているレスラー達を加えても全部で5人しか集まらない。
「うぐっ‥‥、レスラー達が予定通りに来てイレバ、コンナ事にはナラなかったのデスが‥‥。困りましたね、うーむ‥‥」
 困った様子で腕を組み、ワイズマンがリストを睨む。
 予定していたレスラーの半分も会場に来ていないため、時間稼ぎをするのにも限界がある。
「とにかく試合を始めませんか? ここで悩んでいる事が、得策だとは思えません」
 なかなかワイズマンが結論を出さなかったため、瀬戸が呆れた様子で机を叩く。
「ワ、ワ、分かりマシタ‥‥。ワタシも男デェース! ここで試合の取り止めをしたとしても、観客達の怒りを買うだけデスカラ、ワタシも腹を括って試合を始めるとしまショウか!」
 覚悟を決めて立ち上がり、ワイズマンがニカッと笑う。
 特に何も考えていないのだが、何もしないよりはマシである。
「そうと決まれば試合の準備をしなければなりませんね。参加予定のレスラーが来ていない分、だいぶ予算が余っていますから、それを使って何か出来る事がないかも知れませんし‥‥」
 スケジュール帳をペラペラとめくり、瀬戸が携帯電話を使って他のスタッフ達と連絡を取っていく。
 スタッフの中には仕事のため会場に来られないものもいたが、それでもある程度の人数が集まったので何とかなりそうである。
「とりあえずワタシのポケットマネーから、試合に参加してくれるレスラーにボーナスでも出しておきマショウか。途中で帰られても困りマスカラネ。HAHAHAHAHAッ!」
 そう言ってワイズマンが笑えない冗談を言って瀬戸を呆れさせるのであった。

●リン紅原(fa1326)の控え室
「‥‥対戦相手の変更だとっ!? 今からレスラーを用意するのでは、試合に間に合わないんじゃないのか?」
 試合の開始直前になってから対戦相手が変更になる事を知ったため、リン紅原が納得のいかない様子で瀬戸を睨む。
 連絡が遅れてしまったのは、ワイズマンとの話し合いが長引いてしまった為だと言われたが、色々と準備をしなければならないため、いまさら言われても時間が無い。
「一応、対戦相手のアテはあるわ。ここにいる私と飛鳥ちゃん。どちらか好きな方を選んでくれれば問題ないわ」
 申し訳無さそうな表情を浮かべながら、瀬戸がテーブルの上にリストを置く。
 新人レスラー、雅飛鳥と瀬戸・カトリーヌ。
 ふたりとも実力的には下の下である。
「‥‥最低限トレーニングはしているんだろうな。いくら対戦相手がいないからと言って、すぐに試合が終わってしまったら観客達から不満が出るぞ」
 呆れた様子で溜息をつきながら、リン紅原がリストを睨む。
 どちらのレスラーを選んでも本気で戦う事が出来ないため、観客達を楽しませる事が難しそうだ。
「その点なら問題ありません。夜のトレーニングなら毎日のように‥‥。い、いえ、他の女性レスラーから徹夜でトレーニングを受けていたので、寝技だけなら自信があります‥‥」
 恥ずかしそうに頬を染め、瀬戸がコホンと咳をする。
 いくつかの仕事で知り合ったレスラー達と関係を持っているため、真夜中のトレーニングルームで毎日のように特別メニューをこなしていたらしい。
「まぁ、プライベートの事まで聞くつもりは無いが‥‥。あまりフザけた真似をするなら、俺も容赦はしないからな」
 警告まじりに呟きながら、リン紅原が瀬戸を睨む。
 彼女の場合は仕事とプライベートをキッチリと分けているため、リングの上で馬鹿な真似をする事はないと思うが、念のため釘を刺しておかないと何をされるか分からない。
「‥‥分かっているわ。私達のやるべき事は自分達の悦びを追求する事ではなく、観客達を楽しませる事だから‥‥。馬鹿な真似をしてキズモノになったら嫌だもの。私だって手順は踏むわ」
 含みのある笑みを浮かべながら、瀬戸が胸元を強調するようにして腕を組む。
「‥‥ん? 手順を踏む!? ま、待てっ! それってどういう意味だっ!?」
 瀬戸の肩をガッシリと掴み、リン紅原が拳をぷるりっと震わせる。
「じょ、冗談よ。だからそんなに怖い顔をしないで‥‥。私もまだこの業界で仕事をしたいから‥‥。それじゃ、リングで待っているわ」
 そう言って瀬戸が引きつった笑みを浮かべながら、逃げるようにして控え室から出て行った。

●第1試合 『キャラクターマッチ クールビューティー・瀬戸VSリン紅原』
「‥‥今宵は血の雨が降りそうだな」
 三味線と鼓を使った和風テイストの曲が流れる中、瀬戸が忍び装束を纏って追っ手の忍者(エキストラ)達から逃げていく。
 エキストラ役の忍者達は雄叫びを上げながら忍者刀を振り下ろし、瀬戸の纏っていた忍び装束を切り裂きリングコスチュームを露出させた。
「だが、生きるためには仕方の無い事か」
 舞を踊るようにしてエキストラの忍者達を切り捨て、瀬戸が助走をつけてリングロープを飛び越える。
 それと同時に無数のスポットライトが彼女を照らし、観客達の歓声が一瞬にして会場を支配した。
「‥‥ならば敵は滅するのみ」
 次々とスポットライトが消えていき、リングのまわりをスモークが包む。
「だ、誰だっ!?」
 何が起こったのかも分からず、瀬戸が警戒した様子で忍者刀を握り締める。
 次の瞬間、スモークの中で何かが光り、瀬戸の持っていた忍者刀が宙を舞う。
「‥‥久しぶりだな、瀬戸。腕が落ちたんじゃないのか?」
 ライバルの忍者としてリングポストに降り立ち、リン紅原が瀬戸を見下すようにして腕を組む。
 リングの中心には忍者刀が突き刺さっており、それを境にしてふたりの間に緊張が走る。
「まさか実の妹が追っ手として差し向けられているとはな。‥‥源流斎め、私との約束を破ったなっ!?」
 悔しそうな表情を浮かべながら、瀬戸が空にむかって雄叫びを上げた。
「いまさら何を言っているっ! 何もかも捨てて出て行ったのは、あんたの方だろ。あんたの抹殺計画を引き受けたのは、俺自身の意思だ。‥‥源流斎には関係ない。いざ、純情に勝負っ!」
 彼女の言葉を合図にゴングの音が鳴り響き、リン紅原がリングロープを使って徐々に加速をつけていく。
「‥‥腕を上げたな、リン。姉として嬉しいぞ」
 リン紅原の攻撃を軽々とかわし、瀬戸が素早くチェップを放つ。
 しかし、瀬戸の攻撃は寸前のところでかわされ、そのままリン紅原に捕まり関節技の餌食になった。
「いまさら姉貴ヅラをするなっ! 家を出た時点であんたは俺の姉貴じゃないっ! 例えどんな理由があろうとも、あんたは俺を捨てたんだっ!」
 一気に間合いを詰めて忍法巻物固めの体勢に入り、リン紅原が雄叫びを上げて瀬戸の身体を締め上げる。
「うぐっ‥‥! まさかここまで実力を上げていたとは‥‥!?」
 険しい表情を浮かべながら、瀬戸が必死になって身体を揺らす。
 しかし、リン紅原の関節技が完璧に決まっているため、どんなに頑張っても彼女の技から抜け出せない。
「‥‥あの世で後悔するんだな。全てを捨てて里を出てしまった事を‥‥」
 次の瞬間、リン紅原が瀬戸の両手両足を極め、鬼葬を仕掛けてトドメをさした。
「うわああああああああああああああああああっ!」
 断末魔の悲鳴をあげ、その場にグッタリと倒れる瀬戸。
 すぐさま救護班がリングに上がり、彼女を担架に乗せて運んでいく。
「これが定められた運命‥‥か」
 そして、リン紅原は何処か寂しげな表情を浮かべながら、高々と拳を突き上げ自らの勝利を宣言した。
『勝者:リン紅原(ヒール) 決め技:鬼葬』

●リスフィア・マーセナル(fa1879)の控え室
「えっ、えっ、えーっ!? 私達の試合がメインマッチになるんですかー!? そ、そんな話は聞いていませんよっ! ううっ‥‥、何だか緊張してきましたねぇ‥‥」
 驚いた様子で目を丸くさせ、リスフィアがワイズマンに確認をする。
 先程オープニングマッチが終了したばかりだと言うのに、いきなり最後を飾るメインマッチをやれと言われたため、一気に緊張してきたらしい。
「そんな事をイッテも参加しているレスラーが、アナタを含めて3人しかイマセンからネ。先程の試合はウチの社員も参加シテいたので、メインマッチと言うわけには行きまセェーン! デスカラ、この通りっ! オネガイシマァース!」
 困った様子で首を振り、ワイズマンが深々と頭を下げる。
 観客達の反応が悪くなければ控え選手だけで、もう一試合組む事も出来たのだが、あまりにも実力が無いレスラーしかいなかったため、緊急会議を開いた上で中止になってしまったらしい。
「ううっ‥‥、仕方がありませんねぇ‥‥。物凄く緊張しているんですが‥‥。と、と、とにかく頑張ってみます‥‥。あう〜‥‥」
 魂の抜けた表情を浮かべ、リスフィアがワイズマンの頼みを聞いた。
 本当ならキッパリと断りたかったのだが、他にいないと言われてしまった以上、やれるだけの事をやるしかない。
「さすがワタシが見込んだダケの事がありマスネ! これでワタシの地位も安泰デェース! HAHAHAHAHAHAHAーッ!」
 満足した様子でリスフィアの背中をバンバンと叩き、ワイズマンが豪快な笑い声を響かせる。
 参加レスラーが予定していた人数に達していなかったため、心配し過ぎて胃が痛くなっていたらしい。
「ううっ‥‥、何だか騙されている気も‥‥。でも、対戦相手がマイナさんですから、何とかなるかも知れませんねぇ〜。試合形式がローションマッチというのが気になりますが‥‥」
 引きつった笑みを浮かべながら、リスフィアがダラリと汗を流す。
 今回の試合は参加するレスラーが少ないため、ワイズマンも多少の事なら目を瞑ってしまうかも知れないため、試合中にエッチな事をされても見てみぬフリでいる可能性が高い。
「HAHAHAHAHA! その事なら心配アリマセェーン。何かあったらワタシがフォローをしますまで‥‥多分」
 リスフィアの視線に気づいてビクッと身体を震わせ、ワイズマンが気まずい様子で視線を逸らす。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと、待ってくださいっ! まさかそういう事なのですか!?」
 青ざめた表情を浮かべながら、リスフィアがワイズマンに詰め寄った。
 しかし、ワイズマンは何も答えない。
 まるで何か秘密を隠しているかのように‥‥。

●霧夜マイナ(fa0936)の控え室
「‥‥あら? リスフィアさんがそんな事を‥‥。彼女もまんざらじゃなかったようですね‥‥」
 含みのある笑みを浮かべながら、霧夜マイナ(fa0936)がワイズマンの話を聞く。
「HEHEッ! そりゃあ、リスフィアさんも乙女デスからね。いきなりガバッと行くより、ある程度ジラした方が嬉しいと思いマァース!」
 ワイズマンはジャパニーズ・営業マン風な雰囲気を漂わせ、満面の笑みを浮かべて手揉みをする。
 本当はリスフィアからローショマッチと言う事で、過激な演出は控えて試合時間を長引かせようと言う約束をしていたのだが、それではマイナが納得してくれないと思ったため、リスフィアとの約束を曲解して彼女に伝えたようだ。
「それじゃ、この事を彼女に確認してもいいわね?」
 クールな表情を浮かべながら、マイナが控え室を出て行こうとする。
 それと同時にワイズマンが飛び上がり、慌てた様子で彼女の肩をガシィッと掴む。
「ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってクダサァーイ! マイナさんも人が悪い。コレハ秘密のお話なのデェース! 恥ずかしがり屋さんのリスフィアさんがコレを知ったら、烈火の如く怒り出してシマイマァース! デスカラ、このお話は二人だけの秘密デェース!」
 リスフィアに確認を取ったら嘘がバレてしまうため、ワイズマンがダラダラと汗を流しながらマイナの事を説得する。
 試合前に確認しに行く事はないと安心していた事もあり、マイナの対応にとても驚いているようだ。
「‥‥何か引っかかるんですよね‥‥。いくら試合を長引かせるためとはいえ、リスフィアさんがそこまで恥ずかしい事をするとは思えませんし‥‥」
 胡散臭そうにワイズマンをジロリと睨み、マイナがボソリと呟いた。
 その言葉が心臓にグサリと刺さり、ワイズマンがジリジリと後ろに下がる。
「と、とにかく試合を長引かせてクレれば、ワタシとしては問題アリマセェーン。HAHAHAHAHAッ!」
 自分の嘘がバレたしまうと思ったため、ワイズマンがわざと大声を出して笑い出す。
 内心では心臓が押し潰されそうなくらいビクついているのだが、マイナに悟られないようにするため、わざと動揺していないフリをする。
「まぁ、私としては試合さえ出来れば特に不満はありませんけどね。それじゃ‥‥、行ってきます」
 そしてマイナは紫色のガウンを羽織り、気合を入れて控え室を出て行った。

●第2試合 『ローションマッチ リスフィアVS霧夜マイナ』
「みなさん、楽しんでいってくださいね〜〜〜」
 スポットライトに照らされ観客席にむかって可愛らしく手を振った後、リスフィアが花道を駆け抜けリングに上がる。
 今回のコスチュームはイメージカラーであるブルーのレオタード。
 観客達はリスフィアの登場に歓喜の声を上げ、会場が一瞬にして物凄い熱気に包まれる。
「あう‥‥、期待されているみたい。が、頑張らないと‥‥」
 驚いた様子で観客席を見回し、リスフィアが深呼吸をした。
 次の瞬間、会場の照明が落ちていき、何処からともなくマイナの笑い声が聞こえてくる。
「あらあら、そんなにまた屈辱を味わいたいのかしら??」
 テーマ曲とブーイングの嵐に包まれながら、マイナが紫色のガウンを纏って優雅に舞ってリングの上に降り立った。
「‥‥お久しぶりですね。今回は‥‥負けませんよ」
 警戒した様子でマイナを睨み、リスフィアが拳をギュッと握り締める。
 前回の追い剥ぎマッチと、その前のタッグマッチでもマイナに負けているため、今回の戦いはどうしても負けられない。
「今回も楽勝‥‥ってわけじゃないんですけどね。リスフィアさん、お強いですし‥‥」
 含みのある笑みを浮かべながら、マイナがガウンを脱ぎ捨てる。
 それと同時にゴングの音が鳴り響き、リスフィアがマイナにタックルを仕掛けていった。
「ふふふっ‥‥、今日のリスフィアさんは大胆ですね。それじゃ、こちらも遠慮なく‥‥」
 満足した様子でリスフィアのタックルを受け止め、マイナがパチンと指を鳴らす。
 それを合図に天井から大量のローションが降り注ぎ、ふたりの身体を一瞬にしてローションまみれにしてしまう。
「こ、これは‥‥!? ‥‥きゃあ! コスチュームがっ!?」
 驚いた様子で悲鳴をあげ、リスフィアが恥ずかしそうに胸元を隠す。
「‥‥その程度じゃ、コスチュームが透けたりはしませんよ。まぁ、これからもっと恥ずかしい思いをする事は間違いないんですが‥‥」
 すぐさまリスフィアのバックを取り、マイナがニヤリと笑って胸に触れる。
「きゃあ!? ううっ‥‥、私だっていつまでもやられているわけにはいかないんですっ!」
 ローションの滑りを利用してマイナのバックにまわり、リスフィアが緊張した様子でマイナの胸を掴む。
「‥‥んな!? ま、まさかリスフィアさんが、そんな大胆な真似を‥‥。でも、そんな事をしたら、私が感じてしまうだけなのに‥‥。責任は取ってくれるんでしょうね?」
 恍惚とした表情を浮かべ、マイナがリスフィアの耳元で囁いた。
「そ、そ、そんな挑発に乗るほど、私だって子供じゃありません。このまま雪辱を果たさせていただきますっ!」
 耳まで真っ赤にしながら体勢を変えていき、リスフィアがコブラツイストを炸裂させる。
「‥‥今回の所はわたくしの負けね。でも、責任はきちんと取ってもらうわよ」
 そのままリスフィアにフォールを決められ、マイナが指についたローションをペロリと舐めた。
 本当の戦いはこれからなのだ、と宣言するかのようにして‥‥。

●ワイズマンの挨拶
「皆サァーン、お疲れサマでした! 今回も無事に『CATS』を終了させる事が出来マシタ。マァ、色々とトラブルもありマシたが、試合が終わればイイ思い出デェース! サテ、次回の『CATS』デスガ、7月の10日を予定してイマァース。大人の事情で公開日が前後するかも知れマセンが、大幅な変更はナイと思うので、ヨロシクお願いシマァース!」
 そう言ってワイズマンがマイクをポォーンと放り投げ、自家用ポリバケツに乗って会場を後にした。