CAT’S 15南北アメリカ
種類 |
シリーズEX
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3.6万円
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参加人数 |
6人
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サポート |
0人
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期間 |
10/16〜10/20
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前回のリプレイを見る
●本文
<参加資格>
女性のみレスラーとして参加する事が出来ます。
間違って男性が参加した場合は、女装する事になります。
<詳しい内容>
正統派プロレスではなく、ショープロレスです。
試合の勝敗は実力ではなく、その場のノリで決まります。
基本的にはベビーフェイス(正義)とヒール(悪)の戦いになるため、自分がどちらのチームに所属するかを選んだ上で、試合に参加してください。
試合は基本4試合。
状況によって増えたり、減ったりしています。
対戦相手を選んだ上で一試合だけ参加してください。
複数の試合に参加した場合は、こちらで適当に割り振られてしまうため、望むような試合は出来なくなります。
また健康的なお色気を前面に押し出しているため、あまりにも卑猥すぎた場合はオーナーのワイズマン・ウォルター・エルマン(通称:WWE)から試合の中止を宣言されます。
対戦相手が居ない場合や、遅刻した場合は雅・飛鳥(新人)が試合に参加する事になります。
<選択可能な試合一覧>
・追い剥ぎマッチ
対戦相手の服を脱がして水着姿にする事が出来たら勝利です。
専用のコスチュームを着て試合に参加してください。
・ローションマッチ
全身にローションを塗りたくった上で試合をします。
リング上にもローションが塗られているため、とても技が掛けにくくなっています。
・キャラクターマッチ
レスラーのキャラクター性を強調した試合運びが可能となっており、架空の設定などを持ち込んで対戦相手と試合します。
・ガチンコマッチ
ストーリー重視の試合になります。
筋書きなどを決めた上で、魅せるプロレスを心掛けておきましょう。
・タッグマッチ
所属の同じ者同士が組んで試合をします。
タッグマッチならではの試合が出来ます。
<テンプレート>
所属:
リングネーム:
試合形式:
対戦相手:
登場シーン:
登場時の台詞:
コスチューム:
アピールポイント:
試合行動:
決め台詞:
控え室での行動:
<説明>
所属:ベビーフェイス側(正義)かヒール側(悪)のどちらを選んでください。
リングネーム:未記入の場合はPC名になります。
試合形式:追い剥ぎマッチ、ローションマッチ、コスチュームマッチ、ガチンコマッチのうち、どれかひとつを選んでください。
対戦相手:対戦相手の名前とPCIDを記入してください。
登場シーン:登場の仕方を教えてください。
登場時の台詞:キャラクターの口調でお願いします。
コスチューム:コスチュームの説明をお願いします。
アピールポイント:一番アピールしたいポイントは?
試合行動:試合の時に行う行動を5回分書いてください。
決め台詞:勝利した場合の決め台詞。
控え室での行動:控え室で何をやっているのか書いてください。
●リプレイ本文
●ミルティア・リーエン(fa4465)の控え室
「やっぱり裕香ちゃんは可愛いわぁ〜。こうやっているだけでも幸せやもん〜♪ もう離さへんでぇ〜。絶対や〜♪」
ウットリとした表情を浮かべながら、ミルティアが抱き枕を高村 裕香(fa4638)と仮定してイメージトレーニングをし始めた。
裕香が嫌がっているのは、自分の可愛がり方が足りないと思っているため、抱き枕相手でもまったく容赦が無い。
「これで身動きを取る事が出来んやろ? 悔しかったら動いてみぃ! ほれ、どうした! うちはまだ本気を出していないんやで〜」」
白熱するあまり抱き枕に語りかけ、ミルティアがギュッと抱きついた。
この感触‥‥、そして大きさ‥‥、どれをとっても完璧である。
もちろん、抱き枕としては、だが‥‥。
「だ、駄目や! 抱き枕じゃ、裕香ちゃんのプニプニ具合が再現でけへん! いっそワイズマンのオッサンに頼んで、裕香ちゃんの人形でも作ってもらった方がええんかなぁ‥‥。あのオッサン、アメリカドラマの会社とかやっているから、裕香ちゃんと寸分違わぬ人形を作る事なんて造作のない事や! よっしゃ! そうと決まればさっそく注文や! これで完璧‥‥って、アカン! うちが愛しているのは、裕香ちゃんただひとりや。どんなに人形がリアルでも、それは裕香ちゃんとは別物や! 誰も裕香ちゃんを完璧に再現する事なんて出来へんもん!」
抱き枕を小脇に抱えて拳を握り、ミルティアがキッパリと言い放つ。
やはり裕香の心を掴むためには、試合でぶつかり合うしかない。
「試合が始まるまで特訓や! 今回の試合も絶対に負けへんでぇ! 裕香ちゃんを振り向かせるためなら、悪魔に命を捧げたってええんや! むしろ裕香ちゃんが悪魔なのかも知れん。そうや、裕香ちゃんは小悪魔系や!! これだけは間違いない!!!!」
妄想をモンモンと膨らませながら、ミルティアが抱き枕に寝技を決めていく。
しかし、抱き枕がまったく抵抗しないため、あまり練習にはなっていない。
「だ、駄目や! ここで本物の裕香ちゃんなら、返し技を掛けて来るはずや。‥‥負けんで、うちは! 裕香ちゃんを完璧にイメージしてトレーニングに望むんや! そうすれば抱き枕であろうとも返し技をしてくるはずやもん!」
最初は煩悩が勝っていたトレーニングもコツを掴んだ事で、だんだん本格的なトレーニングへと変わっていく。
傍から見ると『ちょっと変わったお嬢さん』だと思われるかも知れないが、そんな事を気にしていたら試合に勝てるわけが無い。
「出来た! これや! これでうちの勝利は確定や! 待ってろ、裕香ちゃん。必ず、裕香ちゃんの心を掴んでみせる!」
そう言ってミルティアが満面の笑みを浮かべて控え室を飛び出した。
●高村 裕香の控え室
「ううっ‥‥、何だか寒気が‥‥。何だろうな、この寒気は‥‥。まるで誰かに抱きつかれているような気分だ。」
ゾクッとした寒気を感じたため、裕香が身体をぶるりと震わせる。
本当はミルティアの愛が寒気となって裕香の身体を貫いただけだが、その事に彼女はまったく気づいていない。
それどころか寒いのは、もうすぐ冬だからと思い込み、エアコンのスイッチに手を掛けた。
「い、いや‥‥、どうせならこのままトレーニングでもしておくか。暖房なんかつけていたら、身体に悪そうだしな」
エアコンのリモコンをテーブルの上に置き、裕香が控え室の中でトレーニングをし始めた。
控え室の中には様々なトレーニング道具が置かれており、各メーカーのスポーツドリンクが並んでいる。
「クッ‥‥、寒気というより、悪寒が‥‥。風邪でも引いたかな? 何だか気分が悪くなってきた‥‥」
青ざめた表情を浮かべながら、裕香が頭を抱えてフラフラと歩く。
ダンベルを使ってトレーニングをしようと思ったが、控え室の壁に近づくほど寒気が増すため、なるべくトレーニング道具の傍には近寄らないようにした。
(「こ、これは‥‥、寒いせいじゃない! 隣の控え室はミルティアさん。‥‥という事は、この隣で怪しげな儀式が‥‥。一体、何をやっているんだ、ミルティアさんは!」
色々な意味で危険な予感が脳裏を過ぎり、裕香が控え室の壁を睨む。
じーっと壁を見ていると、ミルティアの顔がボンヤリと浮かんできそうである。
「だ、駄目だ! 何だか悪い方に予感が的中しているような気がするぞ! こんなんじゃ、試合に出ても負けてしまう! 今度こそミルティアさんに勝利して、首輪だけでも外してもらわねばならないのに‥‥!」
ブンブンと首を横に振り、裕香が雑念を取り払う。
余計な事を考えていたら、ミルティアに勝つ事など出来ない。
(「恐るべし、ミルティアさん! まさか、ここまで凄い闘気を放つ事が出来たとは‥‥。こ、これじゃ、余計に負けられない。それこそ何をされるか分からないぞ!」)。
ベットリと纏わりつくような恐怖感に襲われながら、裕香が身の危険を感じてダラダラと汗を流す。
(「だが、試合に勝つためにはトレーニングをせねば‥‥。し、しかし、トレーニングをするためには、控え室の壁に近づけねばならない‥‥。ううっ、どうしよう‥‥。何だか罠にハマッていると思うのは気のせいか!?」)。
魂の抜けた表情を浮かべ、裕香が再び控え室の壁を睨む。
‥‥勝つためにはやるしかない。
裕香は覚悟を決めて、ゆっくりと歩き出す。
打倒ミルティアを掲げながら‥‥。
「と、とにかく勝たねば‥‥。この命に代えてでも!」
そう言って裕香がダンベルをガシィッと掴み、控え室から離れて特訓を始めるのであった。
第1試合 『キャラクターマッチ ミルティVS高村裕香』
「裕香ちゃん、覚悟しいや〜」
黒い鎖付きの首輪を高々と掲げ、ミルティが短いセーラー服姿でニヤリと笑う。
それと同時に観客席から歓声が上がり、ミルティが営業スマイルを浮かべると、観客席に向かって手を振りながら、リングに向かってダッシュする。
そして、ロープを掴んで飛び上がり、空中でクルリッと回って着地した。
「うっ‥‥、よろしくお願いします」
入場口のところで深々と一礼した後、裕香が空手着の上着を羽織って、スパッツ姿で花道を力強く歩いていく。
色々な意味で身の危険を感じているが、ここで怯めばミルティの思うツボだろう。
「さては裕香ちゃん‥‥。うちと戦う前から緊張しているんやな〜。隠さなくてもええんやで。うちは裕香ちゃんの事なら、何でもお見通しやから♪ でも、そんなに怖がらなくてもええんやで〜。うちは優しい事で有名やから、裕香ちゃんの嫌がる事はせえへんから」
満面の笑みを浮かべながら、ミルティがゴングの音に合わせて裕香に襲い掛かる。
そのため、裕香は彼女を殴って逃げようとしたが、ミルティはその事を察知して腕を掴んでたため、そのままバランスを崩して腕ひしぎ十字固めの餌食になった。
「くっ‥‥ああっ‥‥! し、しまった!!」
あまりの激痛に悲鳴をあげ、裕香が表情を強張らせる。
「ええなぁ。やっぱり裕香ちゃんは可愛ええわ〜。このままリングの上で愛を語り合ってもええんやで〜」
彼女の耳元で囁きながら、ミルティが妖しくニヤリと笑う。
「こ、断る! 一体、何を考えているんだ、こんなところで‥‥」
それと同時に裕香が雄叫びを上げ、勢いをつけてミルティを放り投げた。
「アイタタタタタッ‥‥、いきなり何するねん! せっかくうちが優しくしてやろうと思ったのに、裕香ちゃんがそんな態度を取るなら、うちだって手加減はせえへんで!」
不機嫌な表情を浮かべながら、ミルティが裕香の足に飛びつき、今度は足四の字固めを炸裂させる。
「クッ‥‥、このまま好きにさせてたまるか! この試合にだけは負けられない! 負けたらヒドイ目に遭ってしまう!!」
身体をひっくり返すようにして技から逃れ、裕香がミルティに関節技を仕掛けようとした。
「‥‥甘いな、裕香ちゃん。関節技の鬼と化したうちに、関節技で対抗しようと思うなんて100万年早いんや! いまさら後悔したって手遅れやでぇ〜!!!!」
次の瞬間、ミルティが裕香の背後に回り込み、チョークスリーパーホールドを炸裂させる。
そのため、裕香はミルティの技から逃れる事が出来ず、彼女の腕を掴んで悲鳴を漏らす。
「うちがなんでこの技を最後に持ってきたんと思う? ‥‥それはな。こうやって裕香ちゃんに愛を囁くためや♪ 大好きやで、裕香ちゃん♪」
幸せそうな表情を浮かべ、ミルティが裕香に愛の言葉を囁いていく。
そのせいか裕香は魂の抜けた表情を浮かべ、逃げるようにしてあっちの世界に旅立った。
「‥‥おや。ひょっとして、おネムの時間かいな? もう逃がさへんよ〜」
そう言ってミルティが裕香の首に首輪をはめ、楽しそうに鼻歌を歌いながら控え室へと連れて行く。
その後、控え室で何があったのか、ふたりだけが知っている。
『勝者:ミルティ(ベビーフェイス) 決め技:チョークスリーパーホールド』
●リスフィア・マーセナル(fa1879)の控え室
「ここに来るのも久しぶりですね‥‥。ひょっとして、みんなに忘れられているかも?」
苦笑いを浮かべながら、リスフィアが瀬戸に案内されて控え室に入っていく。
控え室には『おかえりなさい、リスフィアさん』と書かれた垂れ幕がぶら下げてあり、ご丁寧に花まで届けられている。
「どうやら、覚えていてくれたようね。まぁ、『CAT’S』のファンなら、一度出場したレスラーの名前を忘れるわけ無いけどね」
リスフィアのティーカップに紅茶を淹れ、瀬戸が冗談まじりに微笑んだ。
『CAT’S』を主催している『DAIMYOU』がアメリカドラマに力を入れ始めているため、ワイズマンがプロレス業界からの撤退も考えているらしいので、何処か寂しそうな表情を浮かべている。
「それじゃ、みんなのためにも頑張らなきゃ! ところでちょっと派手に登場したいんですが、何か良いアイデアはありませんかね?」
紅茶をコクリと飲んだ後、リスフィアがボソリと呟いた。
そのため、瀬戸はポンと手の平を叩き、何かを思い出したかのように控え室を出て行った。
‥‥10分後。
瀬戸が資料を抱えて控え室に戻ってきた。
「アイデアだけなら色々とあるから、気に入ったものがあったら使ってみて! ‥‥まぁ、大半が没ったものだから、気に入ったものが無いかも知れないけど‥‥。予算の方はこっちで持つから安心してね」
含みのある笑みを浮かべながら、瀬戸が意味ありげに紅茶を飲んだ。
「‥‥まさかと思いますけど、お金以外のものを要求したりしませんよね? 何だか嫌な予感がしているんですが‥‥」
舐めるような視線に気づき、リスフィアが気まずい様子で汗を流す。
そのため、瀬戸はハッとした表情を浮かべ、ゲフンゲフンと咳をする。
「ず、図星だったんですか!? だ、駄目ですからね。そういう事は‥‥。きちんとお金を払いますから、勘弁してください。えーっと、とりあえずローンで‥‥」
色々な意味で身の危険を感じたため、リスフィアがローン払いを提案した。
最悪の場合はワイズマンに相談するしかないと思いつつ‥‥。
「‥‥ローンね。わかったわ。最初はキスからね」
納得した様子で笑みを浮かべ、瀬戸がスケジュール帳に丸をつける。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと勘違いしないでください。そういう意味じゃありません。一体、何を考えているんですか!」
恥ずかしそうに頬を染め、リスフィアがズバッとツッコミを入れる。
「ふふっ‥‥、冗談よ。きちんと経費で落としておくわ。お楽しみは後にとっておかないと‥‥」
そう言って瀬戸がリスフィアの控え室から出て行った。
●リン紅原(fa1326)の控え室
「HAHAHAHAHAHAー! お元気デスカァー! リン紅原サンの事をシンパイして、シャチョウサンがアソビに来ましたYO!」
能天気な笑い声を響かせながら、ワイズマンがリン紅原の控え室に入ってくる。
ワイズマンはアメリカドラマが好調なためか、『DAIMYOU』の仕事をメインに考えているらしい。
(「‥‥来たか。相変わらず鬱陶しい‥‥」)。
険しい表情を浮かべながら、リン紅原が疲れた様子で溜息をつく。
しかし、リン紅原は試合にむけて精神統一をしたいため、ワイズマンがどんなに騒いでも相手にしない。
「‥‥おや? 何だか様子が変デスネ? お得意の死んだフリデスKA〜! ソンナ事じゃ、ワタシのコトは騙セマせんYO〜! ワタシはスッポン並にシツコイ男デスからネー! スッポンと言っても、全裸の事じゃ、アリマセンYO! この手のネタはニホンの社長サンにオオウケデェース! HAHAHAHAHAー!」
くだらない冗談を言いながら、ワイズマンがリン紅原の肩をパシパシ叩く。
しかし、リン紅原はまったく気にせず、ダンマリを決め込んでいる。
(「く、くだらん。下らな過ぎる! 一体、どんな奴らと付き合っているんだ? それに、この男‥‥、よほど暇と見える。いや‥‥、忙し過ぎて壊れたか? まぁ、昔から性格だけは壊れていると思っていたが‥‥。それにしても腹が立つ。俺が精神集中をしていると分かっていて、ちょっかいを出してくるとは‥‥」)。
こめかみをピクピクとさせながら、リン紅原が黙って唇を噛む。
ここでワイズマンの相手をすれば、試合に集中する事が出来ない。
「ウーム、何だか寂しくなって来ましたネー。せっかくアソビに来たのに、ガックリデス。それにコノママでは試合の時間がキテしまいマァース。ワタシはただ、リラックスさせてアゲYOUと思ってイタのに‥‥」
ションボリとした表情を浮かべ、ワイズマンが溜息をつく。
よほど相手にされなかったのがショックだったのか、捨てられた子犬のような表情を浮かべてリン紅原を見つめている。
(「う、嘘だ! リラックスさせたいのなら、わざわざ控え室の中にまで入ってこない! それがエチケットというものだろう。絶対に喧嘩を売っているぞ、これは‥‥!」)。
拳をぷるりと震わせながら、リン紅原が目を閉じた。
これ以上、余計なモノ(注:ワイズマン)を見ていたら、言葉より先に拳が出てしまうと思ったからだ。
「仕方ありませんネー。ワタシはココデ帰るとシマショウか。これ以上、邪魔をしたら命が無いカモ知れませんシ‥‥」
彼女がまったく相手にしてくれないため、ワイズマンがトボトボと控え室を出て行った。
そのため、リン紅原はホッとした様子で溜息をつくと、控え室の扉に鍵を掛ける。
二度とワイズマンが控え室に入ってこないように‥‥。
第2試合 追い剥ぎマッチ 『リン紅原VSリスフィア』
「‥‥(ううっ、やっぱり失敗したかも‥‥)」
恥ずかしそうに頬を染め、リスフィアがゴンドラに乗って、スポットライトを浴びながら、天井からゆっくりと降りていく。
一応、笑顔を浮かべて大きく手を振っているのだが、この入場方法が自分に合わなかったため、だんだん後悔し始めている。
「えーっと、よろしくお願いします〜」
観客達の視線がいっぺんに集中したため、リスフィアが申し訳無さそうに微笑んだ。
確かに自分らしくない登場シーンだとは思ったが、だからと言って観客達を心配させるわけには行かない。
「今日の獲物は‥‥、若い女か」
次の瞬間、大量に焚かれたスモークの中から、リン紅原が死神の鎌を握り締め、フードで顔を半分隠すようにして怪しくリングに降りたった。
「あ、あの‥‥。痛くしないでくださいね」
苦笑いを浮かべながら、リスフィアがジリジリと後ろに下がっていく。
それと同時にゴングの音が響き渡り、リン紅原が風を切るようにして鎌を振り回す。
「わっわっ! 凶器なんて卑怯ですよ!? せ、正々堂々と試合をしましょう!」
青ざめた表情を浮かべながら、リスフィアがリン紅原の鎌を避けていく。
そのため、リン紅原は含みのある笑みを浮かべ、持っていた鎌をリングの外にむかって放り投げる。
「お、落ち着いてくださいね。えいっ!」
すぐさま足払いを放ってリン紅原を転倒させ、リスフィアがアキレス腱固めの体勢に入っていく。
「クッ‥‥、卑怯な真似を! だが、この程度の技で、俺を倒せると思うなよ!!」
リスフィアに蹴りを放ってアキレス腱固めから逃れ、リン紅原がふらりと立ち上がる。
その拍子にリスフィアが彼女のフードを引き千切り、勝ち誇った様子でニコリと笑う。
「‥‥やるじゃないか! だが、これはどうかな!?」
猛牛の如く勢いでリスフィアにタックルを食らわせ、リン紅原が彼女のコスチュームを掴んで乱暴に放り投げる。
そのため、彼女のコスチュームが音を立てて破れ、観客達の視線が彼女の胸元に集中した。
「はあはあ‥‥、危なかった。こんな事もあろうかと、水着を重ね着しておいたんですよ。‥‥驚きましたか?」
念のため自分の胸元を確認した後、リスフィアがホッとした様子でクスリと笑う。
それと同時にリン紅原が攻撃を仕掛け、寸前のところで相打ちにあった。
「ええい! チョコマカと!」
不機嫌な表情を浮かべながら、リン紅原がチョップを放つ。
しかし、リスフィアはリン紅原のコスチュームを掴んで引き千切り、そこから身体を絡めてコブラツイストを炸裂させた。
「ぐはっ‥‥、しくじったか‥‥」
悔しそうな表情を浮かべ、リン紅原が血反吐を吐く。
「ふふっ、私の関節技の味はいかがでしたか?」
そして、リスフィアはリン紅原のコスチュームを引き千切り、観客達に見せ付けるようにして高々と掲げるのであった。
『勝者:リスフィア(ベビーフェイス) 決め技:コブラツイスト』