CAT’S  02南北アメリカ

種類 シリーズEX
担当 ゆうきつかさ
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 1.2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/20〜12/24
前回のリプレイを見る

●本文

<募集内容>
 キャットファイトの出来る女性レスラーを募集しています。

<応募資格>
 女性選手のみと募集になります。
 間違って男性が参加した場合はセコンドなどに限ってOKします。

<詳しい内容>
 正統派プロレスではなく、ショープロレスです。
 試合の勝敗は実力ではなく、その場のノリで決まります。
 基本的にはベビーフェイス(正義)とヒール(悪)の戦いになるため、自分がどちらのチームに所属するかを選んだ上で、シナリオに参加してください。
 試合は全部で4試合。
 対戦相手を選んだ上で一試合だけ参加してください。
 複数の試合に参加した場合は、こちらで適当に割り振られてしまうため、望むような試合は出来なくなります。
 また健康的なお色気を前面に押し出しているため、あまりにも卑猥すぎた場合はオーナーのワイズマン・ウォルター・エルマン(通称:WWE)から試合の中止を宣言されます。

<選択可能な試合一覧>
・追い剥ぎマッチ
 対戦相手の服を脱がして水着姿にする事が出来たら勝利です。
 専用のコスチュームを着て試合に参加してください。

・ローションマッチ
 全身にローションを塗りたくった上で試合をします。
 リング上にもローションが塗られているため、とても技が掛けにくくなっています。

・キャラクターマッチ
 レスラーのキャラクター性を強調した試合運びが可能となっており、架空の設定などを持ち込んで対戦相手と試合します。

・ガチンコマッチ
 ストーリー重視の試合になります。
 筋書きなどを決めた上で、魅せるプロレスを心掛けておきましょう。

注:コスチュームマッチと他の試合の区別がつきにくいため、今回からキャラクターマッチと名称を変更しました。

<テンプレート>
所属:
試合形式:
対戦相手:
登場シーン:
コスチューム:
アピールポイント:
決め台詞:

<説明>
所属:ベビーフェイス側(正義)かヒール側(悪)のどちらを選んでください。
試合形式:追い剥ぎマッチ、ローションマッチ、キャラクターマッチ、ガチンコマッチのどれかひとつ選んでください。
対戦相手:対戦相手の名前とPCIDを記入してください。
登場シーン:登場の仕方を教えてください。
コスチューム:コスチュームの説明をお願いします。
アピールポイント:一番アピールしたいポイントは?
決め台詞:勝利した場合の決め台詞。

●今回の参加者

 fa0383 ダイナマイト・アスカ(16歳・♀・竜)
 fa0836 滝川・水那(16歳・♀・一角獣)
 fa0936 霧夜マイナ(17歳・♀・蝙蝠)
 fa1326 リン紅原(18歳・♀・竜)
 fa1534 水野 ゆうこ(23歳・♀・ハムスター)
 fa2137 御神・由希(17歳・♀・ハムスター)
 fa2338 ティートディ・ハイン(18歳・♀・熊)
 fa2464 南 優香(21歳・♀・虎)

●リプレイ本文

●第1試合 『追い剥ぎマッチ 御神・由希VS水野 ゆうこ』
「いらっしゃいませ〜♪」
 レストランの呼び出しベルが鳴った後、御神・由希(fa2137)が全身にスポットライトを浴びながら、ウエイトレスの格好したダンサー達に導かれ、堂々とした態度で花道を歩いていく。
 いまや由希と言えばCAT’Sでも売れっ子のプロレスラー。
 観客達の心をガッチリと掴み、ナンバー1レスラーの呼び声が高い。
「CAT’Sのナンバー1レスラーの座は貰ったわよっ!」
 タイトスカートタイプの軍服を身に纏い、水野 ゆうこ(fa1534)が伊達眼鏡を掛けて、モデルガンの水鉄砲を片手に颯爽と花道を歩いてくる。
 由希の可愛らしさとは異なり、ゆうこはセクシー路線で人気を集めているため、客層的には全く被っていないのだが、宿命のライバルとして互いを意識している事もあり、彼女達の試合を楽しみにしている観客達も少なくない。
 そのおかげでチケットの売り上げも好調で、彼女達の試合を観るためだけにCAT’Sを観に来ている観客達も増えている。
「前回つかなかった決着‥‥、今つけましょうか!」
 観客達の歓声に包まれる中、由希が大きな胸をぷるんと揺らす。
「それは構いませんけど‥‥、いいんですか? 今回の試合は追い剥ぎマッチですよ。もしも負けたら‥‥、分かっていますよね?」
 四方にウィンクしながら投げキッスをした後、ゆうこが含みのある笑みを浮かべて眼鏡をキラリと輝かせる。
 ‥‥今回の試合は追い剥ぎマッチ。
 場合によっては観客達の前で恥ずかしい姿を曝してしまう事になる。
「わ、分かっています。念のため確認しておきますけど‥‥追い剥ぎマッチだからと言って、やり過ぎないでくださいね」
 大粒の汗を浮かべながら、由希がゴクリと唾を飲み込んだ。
 ‥‥嫌な予感が背筋を走る。
(「ま、まさか‥‥!?」)
 ゆうこの視線が艶かしい。
「まぁ、無理やり剥ぐのは、わたしの主義ではないので、自発的に脱いでもらいましょうか♪」
 由希の身体を舐めるようして見つめた後、ゆうこがモデルガンの水鉄砲を構えてニヤリと笑う。
「あ、あの‥‥、それってどういう意味でしょうか?」
 苦笑いを浮かべながら、由希がジリジリと後ろに下がる。
「こういう事よっ! HoldUP!」
 次の瞬間、ゆうこが大声を上げて由希の事を驚かせ、水鉄砲の中身を彼女の口にむけて撃ち込んだ。
「きゃあ!? こ、これって‥‥まさか!?」
 驚いた様子で目を丸くさせ、由希が慌てて口の中に入った物を吐き出した。
 ‥‥避け切れなかった。
「くすくす‥‥、飲んじゃいましたね」
 含みのある笑みを浮かべ、ゆうこが妖しく口元を歪ませる。
「た、ただの水ですよね? 妙に甘い味がしましたけど‥‥」
 口の中に残った液体の味を確かめながら、由希がダラダラと汗を流す。
「‥‥愛の伝道師である私が、ただの水を飲ませると思いますか?」
 嬉しそうな表情を浮かべ、ゆうこがモデルガンの水鉄砲にキスをした。
 水鉄砲の中には砂糖水しか入っていなかったのだが、あまりにも由希が動揺していたため、ちょっとからかってみたくなったらしい。
「じょ、冗談ですよね?」
 恥ずかしそうに胸元を隠し、由希がジロリとゆうこを睨む。
「だったら身体に聞いてみようかしら? 何処まで冗談だったのかを‥‥」
 彼女を挑発するかのように、ゆうこが由希のまわりを歩いていく。
「や、止めて下さいっ! お、怒りますよっ!」
 戸惑った表情を浮かべながら、由希が顔を真っ赤にする。
 ゆうこの言葉を信じたわけではないのだが、確かに身体がジワリジワリと熱くなっているようだ。
「そろそろ薬が効いてきた頃ね。‥‥本当は我慢できないはずなのに‥‥無理しちゃって!」
 彼女の背中に指を這わせ、ゆうこがクスクスと笑う。
「や、止め‥‥て‥‥くだ‥‥さいっ!」
 今にも倒れそうな表情を浮かべ、由希がハアハアと息を吐く。
「ほら、皆さんの視線がいつもより熱く感じられませんか?」
 トドメとばかりに耳元で囁き、ゆうこが後ろから彼女に抱きつき、手馴れた手つきで服を脱がせていく。
「こ、こんな事をしたら‥‥放送が‥‥出来なくなっちゃいますよ!」
 彼女の束縛から逃れるため、由希が悲鳴を上げて首を振る。
「‥‥本当に止めてもいいのかしら? このまま両手を離したら、服が下に落ちちゃうわよ」
 いやらしい笑みを浮かべながら、ゆうこが由希の胸を揉む。
「うぐっ‥‥」
 恥ずかしそうに頬を染め、由希が唇を噛み締める。
「ガッテーーーームゥ!」
 残念ながら、ここでゴング!
 プロモーターであるワイズマン・ウォルター・エルマン(通称:WWE)が、『ガッテーム!』と叫びながら、マイク片手に試合の中止を宣言した。
「何を考えているのか分からないわね、あのオジさん。これじゃ、せっかくのショーが台無しだわ。まずは、あの頭の固いプロモーターから倒しておく必要がありそうね」
 そう言って、ゆうこがワイズマンを睨みつけ、由希の頬に口付した後、黙ってリングを去っていく。
 新たな目的を胸に秘め‥‥。
『勝者:WWE(プロモーター) 決め技:ガッテーム(謎)』

●第2試合 『ローションマッチ 南 優香VS霧夜マイナ』
「ちょっ、ちょっ、ちょっと、待ってくださいっ! 私はガチンコマッチによるリベンジの挑戦状を受けたんですよっ! それなのにローションマッチをするなんて‥‥、聞いてませんっ! そうだと分かっていたら、専用のコスチュームを用意しておきましたのに‥‥。騙しましたね、マイナさん」
 マイクをギュッと握り締め、南 優香(fa2464)が大声で叫ぶ。
 霧夜マイナ(fa0936)の策略によって、優香はガチンコマッチで使用している薄手の白いハイレグワンピースを着てきたため、ローションを浴びると嫌でも服が透けてしまう。
「あ〜ら、何の事かしら? 騙したなんて‥‥、人聞きが悪い」
 次の瞬間、会場を照らしていた照明がすべて落ち、紫色のガウンを纏って登場したマイナの身体にスポットライトが当たっていく。
『卑怯だぞおおおおおおおおおおおおおおおお! これは無効試合だあああああああああああああああ!』
 テーマ曲と観客達のブーイングが響く中、マイナが勝ち誇った表情を浮かべてリングに上がる。
「私はガチンコマッチの会場を用意して欲しいと頼んでおいたんだけど、バイトのスタッフ君が大きなヘマをしてしまったようね。こんなにマットをローションまみれにしちゃって困ったわ」
 含みのある笑みを浮かべながら、マイナが紫のガウンを脱ぎ捨てた。
 マイナが身に纏っているコスチュームの肩にはコウモリの羽がついており、背中の部分とお腹の部分が開いている。
「さぁ‥‥、どうするの? 私はリングに上がったわよ。このまま不戦敗になるか、それともリングに上がって戦うか‥‥。どちらでも好きな方を選んでいいわ」
 観客達からのブーイングも気にせず、マイナが優香を見つめてニヤリと笑う。
 ヒール役が板についてきたせいもあってか、マイナの表情にはまったく戸惑いが無い。
 そのため観客達の中にもマイナの言葉を信じる者が出てきたため、このまま無効試合を要求するのは難しい。
「うっ、うぐ‥‥!」
 悔しそうな表情を浮かべながら、優香が拳をギュッと握り締める。
 このままだと戦う事なく‥‥、負けてしまう!
 残念ながらマイナがこの試合を仕組んだ証拠がない以上、優香の言っている事は単なる言いがかりに過ぎない。
「私が正しい事を証明するには‥‥、勝つしかないっ!」
 次の瞬間、優香が観客達の声援を浴びながら花道を駆けていき、ロープを掴んでマイナの待つリングへと着地する。
「きゃあ!」
 着地と同時に豪快な尻餅をつきながら‥‥。
「あらあら、忘れていたのかしら? 今回の試合はローションマッチよ。うっかりさんのバイト君がミスをしたおかげでね」
 勝ち誇った様子で胸を張り、マイナが腰に手を当てる。
「最初から仕組まれていたのですね。‥‥何もかも! 負けませんよ、絶対に!」
 自らの不安を振り払うようにして、優香がマイク片手に宣言した。
「‥‥聞こえるかしら? 観客達の声援と、私に対するブーイングが‥‥。あなたは勝たなければイケナイのよ! ‥‥ファンの期待に応えるためにもね」
 会場を見回した後、マイナがジロリと彼女を睨む。
「ファンの‥‥期待に応える‥‥?」
 ハッとした表情を浮かべ、優香が彼女を見返した。
「‥‥手加減はしないわ! 私を信じてくれているファンに失礼だから‥‥。悔しかったら、もぎ取りなさいっ! 自分自身の手で‥‥勝利をね!」
 次の瞬間、マイナが一気に間合いを詰め、何度もチョップで攻め立てる。
「どうしたのかしら? 攻撃を受けてばかりでは、私に勝つ事なんて出来ないわよ。それとも屈してしまうのかしら? ファンの期待を裏切って‥‥」
 優香と間合いを取りながら、マイナが挑発的な言葉を吐く。
 ローションのせいで足元が滑ってバランスがとれないのだが、マイナはそれを逆に利用して華麗にリングを舞っている。
「負けるわけにはいかない。でも‥‥!」
 ‥‥優香には戦えない理由があった。
「(‥‥このまま彼女と戦えば、ローションで肌が透けてしまう)」
 ガチンコマッチ用に着てきた薄手の白いハイレグワンピースが彼女のアダとなったのだ。
「‥‥翼をもがれた天使ってわけね。いいわ、倒してあげる! ‥‥最も屈辱的な姿でね」
 優香でなかなか攻撃を仕掛けてこなかったため、マイナがクロスチョップをお見舞いする。
「きゃあ!?」
 再び尻餅をついて転倒し、優香が悲鳴を上げて身体を隠す。
 途端に辺りから歓声が上がり、マイナを支持する声が会場を支配する。
「‥‥単純なものね。欲に駆られた観客ほど手玉に取るのは簡単だわ」
 不敵な笑みを浮かべながら、マイナが技を仕掛けていく。
 成すがままの状態で、優香が屈辱的なポーズを取らされていく。
「こ、これ以上‥‥、恥ずかしい思いなんで出来ないっ! 絶対に‥‥!」
 次の瞬間、優香が自分の左足をマイナの左足に引っ掛け、身体を潜り込ませるようにしながら、コブラツイストの体勢に入る。
「や、やるわね、優香さん。でも、この程度の技で‥‥私を‥‥倒せるとでも‥‥思っているのかしら?」
 険しい表情を浮かべながら、マイナが優香の技から逃れようとして暴れだす。
 しかし、優香の技はガッチリと決まっており、なかなか抜け出せそうにない。
「そんな事‥‥分かっていますっ! だからこそ、あなたに相応しい技でカタをつけますっ!」
 次の瞬間、優香がコブラツイストの体勢から後方に倒れ、そのまま両肩をマットについて彼女をフォールする。
「まさか‥‥、グラウンドコブラツイストを繰り出してくるとは‥‥。やるわね、優香さん‥‥」
 薄れ行く意識の中で、彼女はスリーカウントを耳にした。
『勝者:南 優香(ベビーフェイス) 決め技:グラウンドコブラツイスト』

●第3試合 『追い剥ぎマッチ ダイナマイト・アスカVSリン紅原』
「いよいよ、私の出番が来たようね」
 ウエディングマーチに乗って、ダイナマイト・アスカ(fa0383)がしずしずと花道を歩いていく。
 彼女が纏っているコスチュームは、黒のウエディングドレス。
「‥‥ようやく現れたか。待っていたぞ、ダイナマイト・アスカっ!」
 次の瞬間、リン紅原(fa1326)がゴスロリ調の黒い喪服姿で花道を駆け抜け、獣の如く勢いでアスカのコスチュームを引き千切る。
「この日を‥‥どんなに待ち望んだ事か!」
 歪んだ笑顔を見せながら、リン紅原がアスカを睨む。
「この前の事は謝るわ。‥‥悪かったわね」
 リン紅原の表情を窺いながら、アスカが徐々に間合いを取っていく。
「ここで謝る必要はない。前回の分まで俺を満足させてくれれば、それで‥‥」
 カミソリの如く鋭いチョップを放ち、リン紅原がアスカのウエディングドレスを切り裂き、鋭い視線を彼女に向ける。
「それまで立っている事が出来るのかしら? 私の技を喰らってもっ!」
 何度もキックを繰り出しながら、リン紅原の体勢を崩していき、バランスが崩れたところで、アスカの延髄蹴りが炸裂した。
「‥‥痛っ。これだっ! こうでなくっちゃ、面白くねえ。前回は素人の相手をさせられたからな!」
 満足した様子でアスカを見つめ、リン紅原が怪しく口元を歪ませる。
『し、素人とはなんだっ! あたしだって頑張ったんだぞおおおお!』
 次の瞬間、外野にいた女子レスラーから野次が飛ぶ。
 何処かで見た事のあるような人物だったような気もするが、ふたりの視界には入っていない。
「な、何か聞こえたけど気のせいかしら?」
 ようやく誰かの声に気づき、アスカが辺りを見回した。
 試合に集中していたせいもあり、彼女の存在に気づかなかったらしい。
「‥‥気のせいだろ。俺には何も聞こえねぇぜ」
 含みのある笑みを浮かべながら、リン紅原がアスカに攻撃を仕掛けていく。
 外野の方で何やら文句を言っているレスラーがいるようだが、先輩レスラーに羽交い絞めされているため、リングまで上がってくる事が出来ないようだ。
「‥‥楽しみましょう。夢のような一時を‥‥」
 リン紅原の攻撃を軽々とかわし、アスカが彼女のコスチュームを引き千切る。
「‥‥それが悪夢でない事を祈るんだな」
 ファイティングポーズを取ったアスカを見つめ、リン紅原が一気に間合いを詰めて優しくキスをした。
「な、何っ!? どういう意味!?」
 何が起こったのかも分からぬまま、アスカが恥ずかしそうに頬を染めた。
 さすがに対戦相手からキスをされるとは予想外だ。
「‥‥マットで死に逝くあんたへの葬式だ」
 それと同時にアイアンクローを放ち、リン紅原が暗く恍惚とした表情を浮かべる。
「ゆ、油断したわ。まさか‥‥、こんな事になるなんて‥‥」
 技から逃れる事が出来ず、アスカがダラリと汗を流す。
「これでトドメよ。‥‥逝きなさい」
 次の瞬間、リン紅原が揺り椅子固めの体勢に入り、股裂き技でアスカの事を沈黙させた。
『勝者:リン紅原(ヒール) 決め技:揺り椅子固め』

●第4試合 『キャラクターマッチ イェラ・スゥVS滝川・水那』
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‥‥!? わ、わわわわわ! だ、誰か止めて欲しいッスぅぅぅっ!?」
 アメリカドラマ『トライアングルハート』のOPで使用されているBGMを響かせながら、イェラ・スゥことティートディ・ハイン(fa2338)がドタドタと土煙をあげ、そのままツルンと滑って勢いよくリングにぶつかった。
 彼女の身に纏っているコスチュームはドラマでも使用している熊耳のメイド服で、レスリング用にカスタマイズが施されている。
「イタタタタタッ‥‥、試合前から重傷ッスね‥‥。な、何ッスか!? この妙に雰囲気は‥‥!? えっ? ‥‥対戦相手の方を見ろ?」
 観客達からツッコミを入れられ、スゥが大きなハテナマークを点滅させた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
 そこには身体を前屈みにしている滝川・水那(fa0836)の姿があり、腕をダラリと垂らした状態で、おどろおどろしい音楽に合わせて、花道をフラフラと歩いていく。
「どうやら、あれがアニキのカードを奪った巫女サンのようッスね!! アニキのカードを返してもらうッスよ!」
 ドラマのシチュエーション通りにタロットカードを取り戻すため、スゥが険しい表情を浮かべてビシィッと水那を指差した。
「ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
 水那が演じているのは、悪霊にとり憑かれてしまった美女の役。
 髪を下ろして和風幽霊のメイクをしており、改造した巫女服の白衣には妖しげな紋様が描かれ、袖は肘辺りで破いて袴も膝下くらいの長さになっている。
「うぐっ‥‥、何だか不気味な雰囲気っすね。ユーレイってヤツッスかね? だったら足があるのはおかしいし‥‥。実態はあるんッスよね?」
 ゴクリと唾を飲み込んだ後、スゥが水那の胸をツンツンとつつく。
 自分に胸がない分、大きな胸が羨ましい。
「グァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
 次の瞬間、水那が狂ったような表情を浮かべ、スゥの身体をガッチリと掴んでブレーンバスターを炸裂させた。
「い、痛いッスゥ‥‥。こ、腰を打ったッス〜!」
 物凄い音が響き、スゥが悲鳴を上げて涙を流す。
「そっちがその気なら、こっちだって本気を出すッスよぉ〜!」
 腰を押さえて立ち上がり、スゥが水那にチョップを放って転倒させる。
 それと同時にスゥが水那の両足をガシッと掴み、ジャイアントスィングを繰り出し彼女を投げた。
「‥‥」
 壊れた人形のようにしてマットに転がり、水那が何事もなかったかのようにしてフラリと立ち上がる。
「な、何ッスか!? 確かに技は決まっていたはずッスよ」
 唖然とした表情を浮かべながら、スゥが何度もチョップを放つ。
 しかし、水那はスゥの動きを利用して再びブレーンバスターを放つと、そのまま彼女を逆さに抱えてパイルドライバーの体勢に入っていく。
「あひゃあ〜、そんな事をしたらパンツが見えてしまうッス〜」
 恥ずかしそうに頬を染め、スゥがスカートの裾を押さえて悲鳴を上げる。
「ウゥウゥウッ‥‥」
 次の瞬間、水那が勢いよく尻餅をつき、スゥの頭をマットにズブリと突き刺した。
『勝者:滝川・水那(ヒール) 決め技:パイルドライバー』

 4つの試合がすべて終わり、今回はヒール側の勝利となった。
 しかし、観客達の盛り上がりは最高潮に達していたため、プロモーター側としては満足のいく結果となったため、近いうち(1〜3日中)にCAT’S 03の告知が張り出される事になったらしい。