DOG’S 02南北アメリカ
種類 |
シリーズEX
|
担当 |
ゆうきつかさ
|
芸能 |
2Lv以上
|
獣人 |
2Lv以上
|
難度 |
難しい
|
報酬 |
3.9万円
|
参加人数 |
8人
|
サポート |
0人
|
期間 |
03/03〜03/07
|
前回のリプレイを見る
●本文
<募集内容>
デスマッチの出来るレスラーを募集しています。
<参加資格>
試合に参加する事の出来るのは男性選手のみ。
セコンドのみ女性も可。
<詳しい内容>
正統派プロレスではなく、ショープロレスです。
試合の勝敗は実力ではなく、その場のノリで決まります。
基本的にはベビーフェイス(正義)とヒール(悪)の戦いになるため、自分がどちらのチームに所属するかを選んだ上で、シナリオに参加してください。
現時点で無所属は選べませんので、ご了承くださいませ。
試合は全部で4試合。
対戦相手を選んだ上で一試合だけ参加してください。
複数の試合に参加した場合は、こちらで適当に割り振られてしまうため、望むような試合は出来なくなります。
また、あまりにも危険であると判断された場合は、『PET SHOP』の社長であるワイズマン・ウォルター・エルマン(通称:WWE)から試合の中止を宣言されます。
<選択可能な試合一覧>
・チェーンデスマッチ
両選手の片手にチェーンを繋ぎ、試合を行う形式です。
チェーンは長めのものを使用しているため、武器として使用する事も出来ます。
・ケージデスマッチ
リングの四方を金網で囲み、逃げ場をなくして行う試合を行う形式です。
相手をKOすればケージから出れます。
・有刺鉄線デスマッチ
ロープの代わりに有刺鉄線を張ったリングで行う試合を行う形式です。
追加オプションで爆破や電流なども選べます。
・ガチンコマッチ
ストーリー重視の試合になります。
筋書きなどを決めた上で、魅せるプロレスを心掛けておきましょう。
<テンプレート>
所属:
リングネーム:
試合形式:
対戦相手:
登場シーン:
登場時の台詞:
コスチューム:
アピールポイント:
得意技:
苦手技:
決め台詞:
<説明>
所属:ベビーフェイス側(正義)かヒール側(悪)のどちらを選んでください。
リングネーム:未記入の場合はPC名になります。
試合形式:チェーンデスマッチ、ケージデスマッチ、有刺鉄線デスマッチ、ガチンコマッチのうち、どれかひとつを選んでください。
対戦相手:対戦相手の名前とPCIDを記入してください。
登場シーン:登場の仕方を教えてください。
登場時の台詞:キャラクターの口調でお願いします。
コスチューム:コスチュームの説明をお願いします。
アピールポイント:一番アピールしたいポイントは?
得意技:得意な技を教えてください。
苦手技:苦手な技を教えてください。
決め台詞:勝利した場合の決め台詞。
●リプレイ本文
●第1試合 『ケージデスマッチ 黒崎・幸次郎VSドン・ドラコ』
「‥‥動物園に行った事は二回あるんだ。小学校の遠足と、家族旅行でね。しかし、檻の中に入ったのは初めてだよ」
観客達にむかっておどけた表情を見せながら、黒崎・幸次郎(fa2964)が燃え上がる炎の柄の入ったズボン型の黒タイツを穿き、爽やかな笑みを浮かべて花道を進み、宙返りでトップロープを飛び越えリングに立った。
「ふふっ‥‥、あたしのサムライ・ソウルに勝てるかしら?」
続いて登場したのは、ドン・ドラコ(fa2594)。
彼は日本の雅楽に白塗りの着物姿で登場し、観客席にむかって毒霧の要領で火を吹いた。
「‥‥なるほどな。お手柔らかに頼むね」
引き締まった肉体を強調しながら、幸次郎がドラコを見つめてクスリと笑う。
ドラカはオカマのレスラーだが、油断していれば勝ち目はない。
「あらぁん、優しくしてあげるわよぉ〜。‥‥あんまり痛くないようにね」
含みのある笑みを浮かべながら、ドラコが衣装を脱ぎ捨てウインクする。
それと同時に天井にぶら下がっていたケージがゆっくりと降りていき、あっと言う間にゲージデスマッチ用のリングが完成した。
「これで逃げ道はなくなったな。‥‥覚悟はいいか?」
ゴングの音が響く中、幸次郎がドラコとの間合いを測り、膝を狙ってローキックを炸裂させる。
「‥‥いやぁん! もうっ、乱暴ねっ! でも、嫌いじゃないわ。‥‥ゾクゾクしちゃうっ!」
身体をなよっとしながら悲鳴をあげ、ドラコがニヤリと笑って体勢を整えた。
「さすがにそっちは遠慮したいな。まぁ、演技だろうが‥‥。その程度で動揺するほど、俺は甘くないぞ」
ドラコのペースに飲み込まれないように気をつけながら、幸次郎が徐々に間合いを詰めていく。
「あらぁん、残念ね。だったらほんのちょっぴり本気を出しちゃおうかしら♪」
満面の笑みを浮かべて地獄突きをお見舞いし、ドラコが裏拳乱打のカタナラッシュを叩き込む。
「ぐはっ‥‥! や、やるじゃないか‥‥」
口から流れる血を拭い、幸次郎が拳を構えてニヤリと笑う。
決して油断していたわけではないが、ここから先は気を抜けない。
「うふふふっ‥‥、こんな事で驚いちゃ駄目よ。これからもっとスゴイ事になるんだから♪ ‥‥覚悟してね」
表面上はあくまでピエロを装い、ドラコが幸次郎の背後を取ろうとする。
しかし、幸次郎はケージに素早くしがみつき、ドラコの攻撃から逃げるようにして上っていった。
「意外と恥ずかしがり屋さんなのね♪ いらっしゃい、あたしの胸に‥‥」
母親の如く大らかな表情を浮かべ、ドラコが両手を開いて幸次郎を誘い込む。
「クッ‥‥、本当に調子が狂うなぁ‥‥。何処まで本気なのか、まったく読めない‥‥」
呆れた様子で頭を抱え、幸次郎がダラリと汗を流す。
観客席からは全く観えないかも知れないが、ドラコは自信に満ちた表情を浮かべ、幸次郎の攻撃を余裕で受け止めるつもりでいるようだ。
「だったら、お望みどおり殺ってやるっ!」
ドラコめがけてスプラッシュを仕掛け、幸次郎がそのまま倒して関節技を決めようとする。
しかし、ドラゴは幸次郎の技を受け止める事なく、おどけた様子で攻撃をかわして回り込み、ドラゴン・スープレックスを炸裂させた。
「チィッ‥‥、また騙されちまったな」
悔しそうな表情を浮かべ、幸次郎がチィッと舌打ちした。
その隙にドラコがグランドクロス200風の立体的足4の字固めを繰り出し、幸次郎の手首もつかんで捻り上げるヤグラ・シメの体勢に入っていく。
「ぐああああああああああああああああああああああっ!」
あまりの激痛に悲鳴をあげ、幸次郎が身体をよじる。
「‥‥どぉ? キモチイイでしょ? このまま天国に連れて行ってアゲルわよ」
妖艶な笑みを浮かべながら、ドラコが優しく囁いた。
「おっ、お断りだっ! そんな事‥‥、誰も望んじゃいないからなっ!」
強引にドラコの技から逃れ、幸次郎がハアハアと息を吐く。
「随分と無茶をしたのね。今ので右腕の関節がイッたんじゃないの? 物凄く顔色が悪いわよ」
ダラリと垂れた水腕を見つめ、ドラコが妖しくクスクスと笑う。
「‥‥右腕くらい安いものさ。あのまま技を掛けられていたら、他の関節もイッていたからな」
苦笑いを浮かべながら、幸次郎が慣れた手つきで関節を戻す。
ずっと関節が外れたままでは、ドラコと戦う事も出来ないからだ。
「あらん、逞しいのね。‥‥ゾクゾクしちゃう♪」
ウットリとした表情を浮かべ、ドラコが投げキッスを放つ。
幸次郎は本能的にそれを避け、再び間合いを取り始める。
「そんなに怯えなくてもイイのに‥‥。すぐにでも天国に連れて行ってあげるから♪」
一気に間合いを詰めてニコリと笑い、ドラコが幸次郎に関節技を仕掛けようとした。
「もらったぁ!」
その勢いを利用して自分から飛びつき、幸次郎がドラコにDDTを炸裂させる。
「‥‥乱暴なヒトね。ヲトメの身体を何だと思っているの?」
不機嫌な表情を浮かべて幸次郎を油断させ、ドラコが身体と両腕を抱きこみキスをした。
「‥‥んな!?」
突然の出来事に驚きながら、幸次郎がフロント・スープレックス風投げを喰らってマットにキスをする。
「それじゃ、トドメの一発イックわよぉ〜ん♪ ラブ・ハンマー!」
観客達にむかって声をかけ、ドラコが絶叫して飛び上がり、空中で幸次郎とTの字を横にしたような格好になると、デスバレー・ボム風に幸次郎の頭部を強打するラブ・ハンマーを炸裂させた。
「本当に危ないところだったわ。今回の勝利はみんなのおかげよ。ドラゴン・ファイヤ〜!!」
そしてドラコは観客達の声援が響く中、毒霧の要領で再び火を吹き勝利を喜んだ。
『勝者:ドン・ドラコ(ヒール) 決め技:ラブ・ハンマー』
●第2試合 『ガチンコデスマッチ 醍醐・千太郎VS激・雲竜マスク』
「‥‥行くか」
堂々とした態度で花道を歩き、醍醐・千太郎(fa2748)がリングインと同時に両手を挙げてアピールした。
観客達は醍醐の漢らしさに惚れ惚れし、彼に対して熱い声援を送っている。
「どすこーい! 俺が噂の雲竜マスクよぅ!」
地響きがするほどの四股を踏み、激・雲竜マスクことKAMO関(fa2988)が花道沿いの観客達に塩を撒きながら登場した。
今回は同じ団体に所属する先輩との一戦。
ヒールになった後輩(激・雲竜マスク)を更正させるため、醍醐はリングに立つ事になったらしい。
「そろそろ目を覚ますんだっ! 君の姉さんが悲しんでいるぞ」
険しい表情を浮かべて腕を組み、醍醐が疲れた様子で溜息をつく。
「問答無用っ! はっけよ〜い!」
腰を落として相撲の構えを取って醍醐を睨み、激・雲竜マスクが雄たけびをあげて張り手を放つ。
何度も‥‥何度も‥‥力を込めて‥‥!
「‥‥その程度か。随分と弱くなったんじゃないのか?」
どこか寂しげな表情を浮かべ、醍醐が同じようにして相撲の構えを取った後、再び突進してきた激・雲竜マスクの鼻先めがけて張り手を炸裂させた。
「うごぉ!」
大量の鼻血を吹きながら、激・雲竜マスクがフラフラとよろめき、後ろに下がる。
「な、なんのっ! はっけよ〜い!」
次の瞬間、激・雲竜マスクがロープの反動を利用し、醍醐めがけて強烈な張り手を放とうとした。
「‥‥まだ分からないのか」
厳しい表情を浮かべてジロリと睨み、醍醐が激・雲竜マスクの顔面に張り手をお見舞いする。
「ハアハア‥‥。お、俺を甘く見るんじゃないぞっ!」
殺気に満ちた表情を浮かべ、激・雲竜マスクが強烈なぶちかましを繰り出し、醍醐をマットの上に押し倒す。
「どすこーいっ!」
見栄をきって雲竜型スプラッシュを炸裂させ、そのまま醍醐にトドメをさそうとした。
「‥‥愚かな。それじゃ、攻撃してくれといっているようなものだぞ」
すぐさまチョップを放って反撃し、醍醐が激・雲竜マスクを蹴り飛ばす。
「ぐはっ‥‥!」
予想外の一撃を喰らって血反吐を吐き、激・雲竜マスクがコーナーポストの脇まで転がっていく。
「‥‥もう終わりか? そんなに弱くなかったはずだ。ヒールになってトレーニングをしていなかったようだな」
厳しい表情を浮かべて腕を組み、醍醐が激・雲竜マスクの前に立つ。
「俺は‥‥負けるわけにはいかないんだっ!」
次の瞬間、激・雲竜マスクがマワシの中から凶器のフォークを取り出し、醍醐の脇腹にズブリと突き刺した。
「悪いが‥‥痛くはない。日頃から鍛えているからな。それに、こんなものより、レスラーの放つ一撃の方が強烈だ」
まったく躊躇する事もなく脇腹に突き刺さったフォークを引き抜き、醍醐が激・雲竜マスクにトドメをさす勢いで詰め寄っていく。
「ま、待った! お、俺が悪かったからカンベンしてくれ! まさか本気で怒っているわけじゃないだろ。わ、和解しようっ!」
慌てた様子で醍醐を見つめ、激・雲竜マスクが両手を合わせて命乞いをし始める。
「‥‥いいだろう。本気で心を入れ替えるつもりがあれば‥‥な」
案の定、激・雲竜マスクがロープの反動を使ってぶちかましを仕掛けてきたため、醍醐が呆れた様子で溜息をつきながら、ショルダースルーを仕掛けて腰からマットに叩きつけた。
「‥‥やはり言葉では分かり合えないか。いい加減に目を覚ませ!」
激・雲竜マスクがフラフラと立ち上がったところでラリアートを放ち、醍醐が覚悟を決めて二度目のラリアートを食らわせピンフォールを奪う。
「まあ、お前もよくやったよ、うん。だがな、もうちょっと体をしぼれや」
苦笑いを浮かべながら、醍醐が優しく右手を差し伸べる。
「こ、こ、これで勝ったと思うなよ〜!」
悔しそうな表情を浮かべてムックリと立ち上がり、激・雲竜マスクが捨て台詞を残してリングを去っていく。
(「‥‥強くなって帰って来い。俺が驚くくらいにな」)
‥‥それは醍醐の願いでもあった。
『勝者:醍醐・千太郎(ベビーフェイス) 決め技:ラリアート』
●第3試合 『チェーンデスマッチ ハンマー・金剛VSキング・バッファロー』
「‥‥」
何も言わずに全力疾走で花道を駆け抜け、ハンマー・金剛(fa2074)がコーナーポストに登って両手を高々と突き上げる。
途端に観客達の歓声が会場を包み、ハンマー・金剛が満足した様子でコーナーポストを下りて行く。
「ふっ‥‥、神様に会う用意はしたか?」
会場にカントリーソングが響く中、キング・バッファロー(fa2572)がポンチョにテンガロンハットで登場した。
今までの戦いで子供達から人気を得ているためか、彼の登場と同時に小さな声援が聞こえてくる。
「この勝負‥‥、負けられない戦いというわけですか」
観客席をクールに見つめ、ハンマー・金剛がクスリと笑う。
「だからと言って別に手加減する必要はない。そんな事をしたら、試合を観にきた子供達にも失礼になるからな」
右腕にチェーンを嵌めてハンマー・金剛をジロリと睨み、キング・バッファローがファイティングポーズを取った。
「いいんですね? ‥‥後悔しますよっ!」
チェーンを引っ張り間合いを詰め、ハンマー・金剛が攻撃を仕掛ける。
それと同時にキング・バッファローがハンマー・金剛の後ろに回り、そのままチェーンを首に巻きストレッチプラムに移行する。
「全力でかかってこいっ! もちろん、この技から逃れる事が出来たらな‥‥」
雄たけびを上げてチェーンを引っ張り、キング・バッファローがスリーパー・ホールドをお見舞いした。
「随分とヒールらしくなってきましたね。まぁ、この程度で俺を落とす事など出来ませんが‥‥」
立ち上がるようにして頭突きを食らわせ、ハンマー・金剛が首の関節をコキコキと鳴らして立ち上がる。
「‥‥確かにな。この程度で参ってもらったら、こちらも困る」
チェーンを引っ張りハンマー・金剛の行動範囲を狭め、キング・バッファローが低空タックルを食らわせ、角に見立てた両手でハンマー・金剛の両足を掴み取り、股に頭を入れて起き上がりざまに肩車したハンマー・金剛を振り落とす。
「いきますよっ!」
すぐさまチンククラッシャーの体勢に入り、ハンマー・金剛がボディスラムを放ってマットに倒し、キング・バッファローの腰をしつこく何度も蹴りつける。
「‥‥それでいい。それで‥‥な」
満足した様子で立ち上がり、キング・バッファローがニヤリと笑う。
それと同時にハンマー・金剛が頭突きを連打し、そこからアルゼンチンバックブリーカーの体勢に持ち込んだ。
「‥‥やるな。だが、それが命取りになるっ!」
ハンマー・金剛の両足をガッチリと掴み、キング・バッファローが雄たけびを上げて、ジャイアント・スウィングを回した回数をカウントする。
そしてハンマー・金剛の両腕ごとチェーンを絡め、受け身が取れない状態にしてから、エンタングルメント・パワーボムを炸裂させた。
「‥‥終わったな」
そのままフォールを決めて勝利を決め、キング・バッファローがマイクを掴む。
『みんなっ! プロレスラーは鍛えているから危険な試合が出来る。良い子は真似しちゃダメだぞ!」
そう言ってキング・バッファローがマイクを返す。
「‥‥さすがですね。今回は負けと‥‥しておきましょう‥‥」
フラつきながらも立ち上がり、ハンマー・金剛が口から大量の血を吐き、リングの上でバッタリと倒れる。
「‥‥‥‥」
驚いた様子で沈黙する観客達。
それと同時にワイズマンの指示によって救急班が会場に現れ、ハンマー・金剛を担架に乗せて運んでいく。
そして試合が終わった後も詳しい説明もなく、次の試合が開始するのであった。
『勝者:キング・バッファロー(ヒール) 決め技:エンタングルメント・パワーボム』
●第4試合 『有刺鉄線デスマッチ 白鳥沢 優雅VSグリード』
「‥‥いよいよ、僕の出番か」
薔薇の花吹雪の中から登場し、白鳥沢 優雅(fa0361)がキラキラ感を漂わせながらリングに上がる。
その手に何故かマイクを握り締め‥‥。
「みんな、驚いているようだね。悪いけど今回リングに立つのは僕じゃない‥‥。『PET SHOP』の社長であり、数々の役職を兼任するワイズマンがリングに上がる。かつて『戦う神父』と呼ばれた漢が再びリングに上がるんだ。みんなも声援よろしくね」
ワイズマンに気を使ってお世辞混じりに紹介し、優雅が指をパチンと鳴らしてスポットライトを入場口に集中させる。
それと同時に虎の覆面を被ったワイズマンが現れ、アメリカンパンツを強調しながら観客達に手を振った。
「我が名はパトリオット・ダンディでぇーす。皆サンは親しみを込めて『パトちゃん』と呼んでくださいネー! 間違っても『モッコリさん』とは呼ばないでクダサーイ!」
現役時代は『モッコリさん』と呼ばれていたのか、ワイズマンが観客達にむかって声をかける。
途端に観客席が笑いに包まれ、あちこちから『モッコリさん』コールが響く。
「ノオオオオオオオオオオオオ! 違うマァーイ! 『モッコリさん』は悪しきリングネーム‥‥。ワタシが最も嫌う名前デェース!」
大粒の涙を浮かべながら、ワイズマンが観客達を注意する。
しかし、観客席から『モッコリさんコール』は止まず、ワイズマンが頭を抱えて悲鳴をあげた。
「悲鳴をあげるのは早すぎねぇか、ワイズマン!」
邪悪な笑みを浮かべながらワイズマンをジロリと睨み、グリード(fa0757)がリングにあがってマイクを奪う。
「俺にとっちゃ、モッコリマンでも、コンモリマンでも関係ねぇ! てめぇがどんな名前を名乗ろうが、ワイズマンである事には変わりねぇ! それとも、その手の小細工を使わなきゃ、リングに上がる事も出来ないのか?」
わざとワイズマンを挑発するような言葉を選び、グリードがファイティングポーズを取ってニヤリと笑う。
「なかなか面白いコトを言いマスネー! ワタシがリングに立ってのは、観客達を喜ばせるためデェース。そして優雅クンをパトちゃん2号として、リングに立たせるためなのデェース!」
無意味なほどに胸を張り、ワイズマンが真っ白な歯を輝かせる。
「パ、パトちゃん2号!? あ、あの‥‥社長! 僕はそんな約束をした覚えは‥‥えっ? あれ?」
キョトンとした表情を浮かべ、優雅がダラリと汗を流す。
いつの間にかワイズマンによって、妙な契約が交わされていたらしい。
「まぁ、軽い冗談なので気にしておいてクダサーイ。ある日、突然‥‥。窓を突き破ってアメリカンパンツが届けられたら、リングに上がらなくてはなりマセェーン!」
半ば強引に話を進め、ワイズマンがニカッと笑う。
「何だか寿命が縮まりそうなパンツだな。そんな事よりそろそろ試合を始めようぜ。観客達はお前らのミニコントを観に来ているわけじゃないからな」
爆薬の設置が完了したため、グリードが優雅にむかって合図を送る。
それと同時にゴングの音が辺りに響き、グリードがいきなり攻撃を仕掛けていく。
「オー、なかなかヤリますネー」
グリードの攻撃をすべて受け止め、ワイズマンが満足した様子でニヤリと笑う。
「無駄話なんてしている暇はないんじゃないか? いくら社長だからといって手加減はしないぜ!」
次第にワイズマンを追い詰めていき、アイアンクローを使って火薬の仕込まれた有刺鉄線に押しつける。
「ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
爆破と電流を一気に喰らって悲鳴をあげ、ワイズマンがぶすぶすと煙を上げてグリードを睨む。
「どうやら‥‥本気を出す必要が‥‥ありそうデスネ。‥‥覚悟シテクダサイ」
被っていた虎のマスクを脱ぎ捨て、ワイズマンが血に飢えた表情を浮かべて、全身の筋肉をムクムクと隆起させる。
「‥‥妙だな。まったく効いちゃいねえ」
唖然とした表情を浮かべ、グリードがチィッと舌打ちした。
ワイズマンの身体からは凄まじい程の殺気が漂っており、傍にいるだけでも全身に鳥肌が立ってくる。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
目にも止まらぬ速さでジャンプし、ワイズマンが雄たけびを上げて延髄斬りを炸裂させた。
「う‥‥ぉ‥‥」
何が起こったのか分からぬまま、グリードの意識が一瞬にして吹っ飛びマットにゴロリと倒れ込む。
「アナタの敗因はワタシの実力を見誤った事デス」
グッタリと倒れたグリードを見つめ、ワイズマンがクールな表情を浮かべて髪を掻き上げる。
ワイズマンもかつてはプロレスラーとして戦っていた事があるため、ある程度の実力がなければ勝ち目はほとんどないようだ。
『勝者:ワイズマン(ベビーフェイス?) 決め技:延髄斬り』
●試合終了後
すべての試合が終了し、ワイズマンがパンツ姿でリングに上がる。
ひさしぶりにリングで試合をしたためか、やけに清々しい表情を浮かべながら‥‥。
「皆サンお疲れサマでした。次回の試合参加選手の募集は3月15日を予定してイマース。我こそはと思う方がいましたら、ぜひとも参加シテくだサーイ!」
そう言ってワイズマンがリングを降りる。
優雅を見つめて含みのある笑みを浮かべながら‥‥。