吊された人南北アメリカ

種類 シリーズ
担当 ゆうきつかさ
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 難しい
報酬 10.4万円
参加人数 6人
サポート 0人
期間 07/18〜07/22
前回のリプレイを見る

●本文

<ドラマの内容>
 タロットカードの力を封印(もしくは解放)するために世界を回るアメリカンドラマです。
 基本的には何でもありの世界観になっていますが、現時点ではメイド役か執事役しか選べません。

●メイド派として参加する場合
<募集職種>
 清純派のメイド役からドジッ娘メイド役まで幅広く募集しています。

<基本設定>
 『運命の輪』が発動した事によって、追われる身となった御剣家とローズ家。
 世界は『能力者』達によって支配されており、自分達の知っている世界とは明らかに違う。
 翔達は元の世界に戻すため、その方法を探すのだが‥‥。

<登場人物>
名前:御剣・翔(みつるぎ・しょう)
容姿:東洋系の顔立ちをしており、喋らなければ美男子。
   普段は眼鏡を掛けており、髪の色は銀色。神経質そうな雰囲気。
性格:現実主義でナルシスト。成績優秀で運動神経抜群。エリートタイプ。
口調:僕、君、だね、だろ?
年齢:17歳

<お嬢様の設定>
名前:パトリシア・ローズ
容姿:西洋系の顔立ちをしており、金髪、碧眼、縦巻きロール。
   見た目は育ちのいいお嬢様風。
性格:我侭で高飛車。好奇心旺盛で甘えん坊。
   寂しがり屋で意地っ張り。自己中な性格で口が悪い。
口調:わたくし、あなた、ですわ、でしょう?
年齢:17歳

●決めて欲しいもの
 自分の演じる執事がどんな設定なのかを教えてください。
 アンドロイド型や魔物型でも構いません。
 ただし、実在する歴史上の人物や有名キャラクターなどを使用しない事ようにお願いします。
 著作権の関係上、色々と問題が出てくる場合があります。
 執事達はタロットカードを使用する事で魔法を使う事が出来ます。
 最初に配布されるカードは一枚。
 キャラクターの性格によって、正位置か逆位置で使用する事が出来ます。
 どちらかいいか希望を書いた上で、自分が所有するカードを教えてください。

<テンプレート>
役名:演じる役名を記入。
性格:演じる役の性格を記入。
特徴:演じる役の特徴を記入。
見せ場:自分の見せ場を記入。
所有カード:所有しているタロットを記入(表か裏のみ)。
特殊能力:カードを使用した時に発動する能力を記入。
(注意:内容によっては修正される場合があります)。

●今回のシーン説明
・シーン1 メイドパート
 ジャスティーン殺害の犯人として指名手配された翔達。
 辺りにウロつくアルカナ兵(能力者)。
 パトリシア達と合流手段を探してスラム街に潜んでいる。
 そんな時にスラムで英雄視されていた男が死刑にされるという噂を聞き‥‥。

・シーン2 執事パート
 翔達と合流する手段を探すパトリシア達。
 そんな時に指名手配になっていた男が絞死刑になるという噂が‥‥。
 その相手が翔だと思ったパトリシアは、迷う事無く死刑場へ。

・シーン3 吊された人パート
 死刑執行前。
 彼を救出するか、しないかによって今後の展開が変わる。

[愚者:ジョニー]
能力:相手の能力をコピーする力を持っています。
性格:自分勝手で自己中心、無鉄砲な風来坊。
口調:俺、お前、だ、だぜ

[魔術師:所有者:スミス(24歳)]
能力:地水火風の能力を自由に使う事が出来る。
性格:覚醒前なので不明。所有者の性格は真面目。
口調:(所有者)私、君、だろ、だ

[女帝:キャサリン]
能力:何者かの支配下に置かれている者達を呪縛から解き放つ。
性格:何事にも無関心で冷淡。
口調:私、あなた、です、ですね

[皇帝:ワイズマン(45歳)]
能力:不明。
性格:横暴で自己中。
口調:ワタシ、アナタ、デス、デスネ

[運命の輪:セバスチャン(66歳)]
能力:世界を操る力?
性格:おっとりとした性格。
口調:私、あなた、です、ですなぁ。

[吊された人:不明(20代)]
能力:不明。
性格:不明。
口調:不明。

「法王、恋人、戦車、力:封印済 隠者:不明 正義:死亡」

●今回の参加者

 fa0043 皇・皇(21歳・♂・一角獣)
 fa0918 霞 燐(25歳・♀・竜)
 fa1828 鐘下べる(20歳・♀・小鳥)
 fa2443 ステラ・ディスティニー(24歳・♀・パンダ)
 fa2668 大宗院・慧莉(24歳・♀・狐)
 fa3033 大宗院・真莉(30歳・♀・一角獣)

●リプレイ本文

●メイド・キャスト
 プラナス役:霞 燐(fa0918)
 ベル役:鐘下べる(fa1828)
 マグダル役:ステラ・ディスティニー(fa2443)
 エリー役:大宗院・慧莉(fa2668)

●メイド・パート
(「‥‥おかしい。このネットワークは『私』が作ったものだ。『私』しかアクセスできない構造‥‥コピーした痕跡はおろか、介入された形跡すらない。つまり、このデータは『私』以外は作れない。しかし‥‥、『私』はコレを作った覚えもないし、反転世界にコレを作製した『私』は居ない。‥‥では、誰が作ったのか?」
 スラム街にある電気屋からネットワークにアクセスし、プラナスが納得のいかない様子で腕を組む。
 プラナス達のいる世界は、現実とは異なる反転世界。
 まるでタロットカードが正位置から、逆位置に変わってしまったかのように、世界が変貌を遂げている。
(「ネットワークのアクセス方法から内部構造、データの保管方法など全てを知っているモノとなると‥‥まさか!?」)
 ハッとした表情を浮かべ、プラナスが汗を流す。
 次の瞬間、懐から『死神』のタロットカードがポトリと落ちた。
(「‥‥間違いない」)
 そこでプラナスは確信した。
(「こいつ‥‥か? ‥‥だとしたら、このデータは‥‥『死神』のカードの記憶‥‥、だというのか? ‥‥ならば、この世界そのものが『全員の記憶』を元に作られたとすれば? 世界そのものが統合された夢だとしたら? 自分を自分で見る事は無い、夢でもそう。自分以外の自分は居ない。‥‥だが、記憶はあるから『存在』は確定する。そういう事なのか?」)
 次第に迷宮の奥底へと引きずりこまれる感覚に囚われながら、プラナスがようやくひとつの結論に達した。
 しかし、現時点では彼女の仮説に過ぎないため、もう少し手掛かりとなる情報が必要だ。
「これからどうすればいいんですかね〜?」
 心配した様子で翔の横にチョコンと座り、ベルが疲れた様子で溜息を漏らす。
 パトリシア達と逸れてから、ベル達の生活は最悪だった。
 マトモに食べた物と言えば、ジャーキーの切れ端ぐらい。
 それからほとんど飲まず喰わずで逃亡生活を続けてきた。
 そのため、しばらくの前から空腹状態が続いている。
「みんな、お腹が空いているんでしょう? お金は一銭もいらないから、これでも食べて落ち着きなさい。さすがにそんな姿のあなた達を見ているのがツライから‥‥」
 クールな表情を浮かべながら、マグダルが紙袋から溢れんばかりの食料を渡す。
 マグダルは唯一、反転世界の住民で、この世界の『メイド』らしい。
 そのため、翔は彼女に対して警戒心を持っていたが、信用を得るために色々と協力してくれているので次第に信じ始めている。
「わぁ〜、チョコレートもあるですよぉ〜」
 瞳をランランと輝かせながら、ベルがチョコレートを手に取った。
 しかし、その腕を翔がガシィッと掴む。
「‥‥安心して。毒は入っていないわ。それに裏切るんだったら、とっくの昔に裏切っているわ。わたくしがこの数日間、あなた達を匿っていたのが、何よりの証拠でしょ?」
 ベルの持っていたチョコレートを半分に折ってかじり、マグダルが毒の入っていない証拠を見せる。
 その事で翔も彼女を信じる事が出来たのか、ガックリと肩を落として溜息を漏らす。
「‥‥すまない。いままで色々と親切にしてもらったのに‥‥。いままで信じる事が出来なくて。だが、これで君を疑う理由が無くなった。これからは共に戦う仲間として、よろしく頼む」
 申し訳無さそうな表情を浮かべ、翔が深々と頭を下げる。
「それほど気にする事でも無いわ。わたくしが逆の立場だったとしたら、やっぱり怪しんでいたと思うから‥‥」
 ベルの頭をヨシヨシと撫でながら、マグダルがさらりと答えを返す。
 彼女も最初から翔達の信用を得る事が出来るとは思っていなかったため、あまりショックな事でもなかったようだ。
「そう言えば、誰か処刑されるみたいだね。スラム街で『英雄』って呼ばれていた人のようだけど‥‥。そんなにイイ人なら助けてあげないとね」
 警戒した様子で辺りを見回しながら、エリーがボソリと呟いた。
 処刑される事になっているのは、ハングドマン。
 政府の要人を暗殺し、捕らえられた男である。
「‥‥ハングドマンは仮の名前。本当の名前は別にあるらしいわ。噂じゃ、複数いるって話だったけど、この様子じゃ単なる都市伝説だったようね」
 ハングドマンの記事が載っている新聞を渡し、マグダルが警戒した様子で物陰に潜む。
 電気屋の主人が辺りの様子を窺いながら、誰かと電話で連絡を取り合っている。
「‥‥絶対に黙っているように言ったのに‥‥、どうやら金に目が眩んだようね。仕方が無いわね。裏口から出るわよ」
 裏口のドアをゆっくりと開け、マグダルが翔達を先に逃がした。
 そのため、電気屋の主人が慌てて止めに入ったが、マグダルが当て身を放って溜息を漏らす。
「急いで逃げるですよぉ〜」
 うんしょうんしょと紙袋を抱きかかえ、ベルがフラフラと裏口から逃げていく。
 本当なら紙袋を捨てて逃げるべきだが、そんな事をすればしばらく食事が出来なくなる。
「せっかくだからハングドマンを助けに行こう。仲間は多い方がいいし、パトリシアも同じ事を考えているかも知れないから‥‥」
 ハングドマンに書かれている新聞を握り締め、エリーが翔達を追って電気屋を飛び出した。
 例え、それが罠だとしても、信じるしかないのだから‥‥。

●執事・キャスト
 マコト役:皇・皇(fa0043)
 エルティーシャ役:大宗院・真莉(fa3033)

●執事・パート
「一体、どうなっていますのっ! どうして、わたくしが指名手配になっていますのよ! こんな事‥‥、ローズ家始まって以来の不祥事ですわ! こんな事って有り得ないっ! きっと悪い夢に違いありませんわ!」
 不機嫌な表情を浮かべながら、パトリシアがブツブツと愚痴をこぼす。
 逃亡生活が続いたせいで、すっかりドレスが汚れており、身体からすえた臭いが漂っている。
 その事がパトリシアにはどうしても許せなかった。
「とりあえず落ち着け! 朝から晩まで騒いでいて、よく飽きないな?」
 生暖かい視線をパトリシアに送り、マコトがクールにツッコミを入れる。
 逃亡生活が始まってから毎日聞いている愚痴なので、叱りつけるのも面倒臭くなってきた。
「仕方が無いでしょ! ここには何もないんだからっ! ここじゃ、札束だって紙切れよ! 鼻をかむくらいしか使い道がないわ。まぁ‥‥、手持ちの宝石を売る事さえ出来れば、何とかなるけど‥‥」
 気まずい様子で視線を逸らし、パトリシアが溜息を漏らす。
 そのため、マコトが『やっぱり隠し持っていたのか』とツッコミを入れている。
「こんな世界を作り出してセバスチャンは何を企んでいるのでしょうか?」
 神妙な顔つきでマコトを見つめ、エルティーシャがボソリと呟いた。
 ‥‥彼女の知っている未来とは異なる現実。
 ありえない未来。
 何らかの要因が加わった事で、運命が変わったのかも知れない。
『‥‥さあな。分からないが、此処に『お嬢様』が居る事だけは変わらない。せめて散り散りになった執事達と会う事が出来るといいんだが‥‥」
 疲れた様子で溜息をつきながら、マコトがエルティーシャに対して答えを返す。
 この世界で覚えた大きな違和感。
 日常のように感じていた『不運』が、この世界に来た途端になくなった。
 知っているはずの『誰か』が入れ替わり立ち代わり変わる事。
 知らないはずの『知識』を知り、知っているはずの『記憶』の曖昧さ。
 共通しているのは『お嬢様の存在』。
 それが、この世界に対する鍵なのか‥‥?
「とくかく翔さん達と合流しませんか? もしかすると翔さん達も私達を捜しているかも知れないし、もしも私が逆の立場なら今注目されている場所に行くと思うので‥‥」
 このままでは埒が明かないため、エルティーシャが自分の考えを述べる。
 そんな時、彼女達の目に入ったのは、公開処刑を告知する張り紙であった。

●吊された人・パート
「‥‥気をつけてください。何か引っかかります‥‥」
 警戒した様子で辺りを見回しながら、プラナスが翔に対して警告する。
 翔達はハングドマンが処刑される広場にやってきたのだが、あまりにも警備が手薄なので嫌な予感が過ぎっていた。
 例えるなら、アリジゴクのような感覚。
 もがけばもがくほど、逃げられないような感じがする。
「ああ‥‥、分かっている。僕だって馬鹿じゃないからね」
 苦笑いを浮かべながら、翔がサングラスを掛けた。
 自分達も指名手配されているため、このくらいの変装は必要である。
「ひょっとして、あれが‥‥ハングドマンさんなのでしょうか〜?」
 物陰に隠れて広場を見つめ、ベルがボソリと呟いた。
 広場に吊るされた一人の男。
 ‥‥年恰好は20代。
 野次馬達の話ではレジスタンスのリーダーらしい。
「やっぱり、おまえ達も来ていたのか。どうせハングドマンを助けに来たんだろ。俺達もそれが目的さ。ただ、ただ、お嬢様に危害を加えたり、無闇なテロ行為に走るような輩なら死刑場から連れ出して後は放置する。それで文句はないな?」
 わざと翔にぶつかって偶然を装い、マコトが用件だけ述べて通り過ぎていく。
 そして、ハングドマンの公開処刑が始まり、黒衣を纏った男が彼の罪状を読み始める。
「それじゃ、行くか」
 メイド達に向かって合図を送り、翔がタロットカードの力を解放する。
 パニックに陥り、逃げ惑う野次馬達。
 すぐさまアルカナ兵が翔達の行く手を阻む。
「いちかばちか試してみるか」
 法王のタロットカードを解放し、マコトがアルカナ兵の力を無効化する。しかし、アルカナ兵の数が多いため、いくら倒してもキリがない。
「チッ‥‥、やはり罠か」
 悔しそうな表情を浮かべ、翔が拳をギュッと握り締める。
「‥‥すまない。こうしなければ仲間達に危険が‥‥ぐはっ!」
 次の瞬間、ハングドマンの体が消滅した。
 ‥‥彼を殺したのは黒衣の男。
 第14番目のアルカナ、死神。
 彼の指示を受け、アルカナ兵がまわりを囲む。
「こら、人の命をなんだと思っているの!」
 一瞬、エルティーシャに戻り、エリーが女帝の力を解放しようとする。
「今なら【女帝】の能力を引き出せるかもしれません。【女帝】を逆位置で使ってください」
 それと同時にエルティーシャもタロットカードの力を解放し、アルカナ兵の力を無力化させた。
「いまのうちにこっちへ!」
 仲間達の操る車に飛び乗り、マグダルがエリー達の名前を呼ぶ。
 こうしてマグダル達は広場から脱出し、再び逃亡生活を始めるのであった。