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第26回公式大会 第5回名人戦・本戦 |
◆決戦の地は品川に◆
例年夏のホビー系イベントと併催という形で行ってきた名人戦本戦ですが、今年はTCGの大会を開けるようなスペースのとれるイベントが無く、品川区の中小企業センターの講習室をお借りして行いました。
ちなみに中小企業センターは予選会場としても一回使われていますが、その時はなんと和室。会場の準備は椅子ではなく座布団の配置というものでした。参加者の方々にはなかなかに好評で、本戦も和室がいいのではという声もありましたが、残念ながら和室は予約でいっぱいとなっており、実現しませんでした。
◆予選ラウンド◆
全参加者は24名で争われた名人戦本戦ですが、今年も去年の名人戦本戦から採用されているスイスドロー4回戦の後、上位4名による決勝トーナメントという方式です。この方式ですと序盤に引き分けが発生すると一敗の人にも決勝トーナメントに参加できる可能性が出てきます。しかしどの試合もそうそうに完全決着で終わっており、エクストラターンに突入する試合も少なめでした。
その理由としては二つあったと思いますが、その一つは格闘デッキの復活です。去年とはうってかわって24名の参加者中10名もの方が格闘デッキでした。格闘デッキ同士の対決が相打ち以外の方法で引き分けに終わることなどあるわけも無く、順当に勝負が決まっていきました。
もう一つがエヴォリューションと《守護の盾》を搭載したデッキの存在です。ゼピュロス、ガーランド、ディズィー、ファンルーダなどフィニッシュのパターンは違いますが、どのデッキも大量のドローから相手を瞬殺することが可能となっており、逆を言えば大量にドローしてもフィニッシュカードを引けなかった場合は薄くなったスタミナを削りきられるだけという負け方です。
◆準決勝◆
そんな中、決勝トーナメントは、4回戦目を引き分けにして3勝1分けで決勝進出を確定させた渡邊幸生(クレイモア)、神尾健士(イリーナ)、山本翔太(ゼピュロス)と3勝1敗ラインからオポーネント差で勝ちあがった岩田邦慶(ディズィー)の4名に決定し、準決勝は山本ゼピュロス対神尾イリーナ、渡邊クレイモア対岩田ディズィーという組み合わせとなりました。
まず山本ゼピュロス対神尾イリーナは、イリーナとしては最悪の組み合わせ。山本氏のゼピュロスは予選に暴れまわった《守護の盾》からのドロータイプでは無く、先行メインでハンデスしてくる重格闘タイプだったのです。自ら速度をマイナスにまで下げてしまう反感タイプのイリーナにとってメインから《真空斬》の入っているこのデッキはもっとも苦手のデッキです。やはりというかデッキ相性の悪さを覆すことはできず、ゼピュロスの勝利で山本氏が決勝進出を決めました。
もう一卓の渡邊クレイモア対岩田ディズィー。クレイモアは手札のアイテムをどんどん場に出し、序盤から激しくダメージを与えていきます。しかし高速で《守護の盾》からのドローによりエヴォ化するディズィーの前に鉄壁の召喚獣達が並び始めると形勢は逆転し、そのまま召喚獣達が、岩田氏に決勝進出をもたらしました。
◆決勝&3位決定戦◆
3位決定戦 神尾健士(イリーナ)対 渡邊幸生(クレイモア)
序盤こそ軽快にダメージを与えていく渡邊クレイモアですが、反感により自ら手札がどんどん減っていく神尾イリーナに対してなかなか【突撃】を得ることが出来ず、威力が鈍ってきます。そこに《戦乙女の羽飾り》を出すイリーナ。序盤からのダメージによりたっぷりとあるダメージ置き場から《バンパイアロード》や《フレアドラゴン》に手札が変換されていきます。しかしそうと分かっていても格闘回数2回で高速カードの多いクレイモアではダメージを与えないわけにはいきません。果敢に召喚獣を無視してイリーナに襲い掛かりますが、流石に7速《バンパイアロード》の壁は大きく、イリーナの勝利となりました。
2本目も同じような展開となり3位は神尾氏のイリーナに決定しました。
決勝 山本翔太(ゼピュロス)対 岩田邦慶(ディズィー)
1本目。先行はゼピュロスの山本氏。「ハンデスー!」と叫びながら先手メインを宣言しながら手札を見てにっこり。《フリング》、《タックル》と4枚の手札を叩き落とす好スタート。岩田氏も返しに《意思、繋がるとき》を使用してエヴォカードを集めるものの手札は3枚。
返しに《なぎ倒し》、飛行してから《レイブレード》、《真空斬》、次のターンに《タックル》、《真空斬》と容赦ない攻撃を叩き込み、ディズィーに何もさせないままゼピュロスがまず先勝。
サイドボード後の2本目、今度は岩田氏の先手です。もちろんドローを選択し相手の攻撃に備えます。
後手番の山本氏はハンドを眺めつつ長考。まずは《グリードセバー》で牽制するものの、速度5のハンデスを持っていないために続けての攻撃を仕掛けられません。しかもこれをゲージに入れてしまったために、《アクアダイブ》、《タックル》では《メイダイナミック》のゲージが足りずに攻撃が止まってしまいます。
返しに《ウンディーネ》を防御壁として展開し、《玄武のお守り》としっかりと対応策を引いたディズィーはゼピュロスの手札が整うまで数ターンの猶予を得、ゼピュロスの《一騎打ち》から死へと繋がる《アクアダイブ》は《撹乱封じ》、《達人の剣》を《腐蝕粉》と、ゼピュロスの攻撃を流しきったディズィーはそのままエヴォ化。《ネクロ》と《ウンディーネ》とともに、《ブリザードドラゴン》を場に放ちゼピュロスの能力を封じにかかります。
ディズィーの残りスタミナを削るべくゼピュロスも果敢にカードを引いていきますが、《気迫》をしてもその回答を得ることはできず、そのままディズィーの守護神に殴り倒されました。
そして運命の3本目。入念なサイドチェンジにより先手メイン仕様になったゼピュロス。しかし初期手札を見た山本氏はしばし固まった後、バジリスクの瞳2枚を並べて無念のエンド。
その返しに岩田氏は《守護の盾》からエヴォカードを捨てて手札を整え、《ウンディーネ》を場においたディズィーの迎撃準備は万全! のはずがうっかりアイテムを並べすぎて手札が5枚に。
これはちょっとピンチ?とみえましたが、返しのターンの《パンチ》〜《アクアダイブ》を防御カードを駆使して防ぎ、次のターンにはさっくりとエヴォ。まだ《ウンディーネ》しか場に出ていませんが【対空】をもち7速の最強の防御壁がゼピュロスの前に立ちはだかります。そして対応策を引けないゼピュロスを尻目に、続くターンで《ネクロ》を引き込み、《玄武のお守り》を配置して磐石の態勢を整えてしまいます。
ゼピュロスも《玄武のお守り》こそ《粉砕の矢》で破壊し意地を見せるものの、《ブリザードドラゴン》をも並べたディズィーの前にはどうしようもなく、真の力に目覚めたディズィーが、ゼピュロスを踏み倒しました。
岩田さん、新名人おめでとうございます。
■詳しいデッキ分布&全順位■
優勝デッキ
キャラクター:運命の落とし子 ディズィー |
メインボード |
運命を断ち切る剣 ディズィー |
4枚 |
守護の盾 |
4枚 |
ネクロ |
4枚 |
瞑想の指輪 |
1枚 |
ペルセポネ |
2枚 |
ドラゴンファング |
2枚 |
フレアドラゴン |
4枚 |
魔界の契約書 |
2枚 |
ウンディーネ |
4枚 |
腐食粉 |
2枚 |
ブリザードドラゴン |
2枚 |
限界突破 |
1枚 |
熟考 |
4枚 |
覚醒 |
4枚 |
意思繋がる時 |
4枚 |
攪乱封じ |
1枚 |
バジリスクの瞳 |
4枚 |
明鏡止水 |
1枚 |
影武輪 |
2枚 |
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サイドボード |
パーリング |
2枚 |
影武輪 |
1枚 |
明鏡止水 |
2枚 |
パーフェクトエスケープ |
2枚 |
技封じ |
2枚 |
腐食粉 |
1枚 |
限界突破 |
2枚 |
玄武のお守り |
3枚 |
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