【Ｋｉｍｉｓｈｉｍａ　Ｒｅｐｏｒｔ】

俺を含むサルヴァトーレ・ロッソの搭乗者多数は謎の事象に巻き込まれ、クリムゾンウェストと呼ばれる世界に転移した。
現状では資材が不足、特に化石燃料や電源の不足が懸念されるため、この記録は電子機器ではなく手帳に記す事とする。
手帳と筆記用具の貯蔵は多数あるが、欠乏に備え現地の紙と筆記用具の調達を視野に入れたい。

この手記は、俺の活動記録であると同時に遺書である。
有事の際は俺の遺した考察を今後の活動の参考資料とし、また可能であれば故郷の我が父に俺の戦死を伝える事を望む。
無論、現状は故郷の世界に帰還する事は望めない。しかし、来る事が出来たのならば帰還の手段もあると俺は推測する。
蒼への帰還は我が望みだが、万一道半ばにして我が命が果てた時は、俺の代わりに遺されし者が本懐を遂げん事を。

偉大なる蒼に、栄光在らん事を。

【２０１３　Ｎｏｖ．２１】


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