【ミハイル日誌】地下神殿より奪回せよ

■シリーズシナリオ


担当:一乃瀬守

対応レベル:8〜14lv

難易度:難しい

成功報酬:8 G 30 C

参加人数:8人

サポート参加人数:1人

冒険期間:04月25日〜05月10日

リプレイ公開日:2008年05月03日

●オープニング

──事件の冒頭
 カツーーンカツーーーーン
 ミハイル研究室では、前回発見したシーハリオン巓にあった地下遺跡の解明作業に必死である。
 あの地下神殿がいつ、なにものかによって創られたのか?
 それらの調査をする上で必要な知識を、ミハイルは必死に蓄えている。
 そしてそれらの作業が一通り終ると、いよいよ調査の為の準備を開始。
「あの地下神殿が、古い『竜信仰』のものであり、あの奥に眠る『古代竜』こそが、精霊武具の守護者であるならば‥‥絶やしてでも手に入れなくてはならないのぢゃが‥‥」
 おいおい、マジでいるのか、そんな竜。
 
 そんなことを呟きつつも、ミハイルは作業を終えるといそいそと冒険者ギルドに向かっていった。


●ということで冒険者ギルド
「で、今回はどこにいくのですか? 伝説の壁の向うの世界? それとも海底深くのシーハリオン? 本当にそんなものがあるのでしょうかねぇ‥‥」
 と呟いているカウンターの受付嬢。
「今回はシーハリオンの麓にある地下神殿。人を募集させて貰うぞ」
 ということで書きはじめた依頼書。
 それには、あまりにもとっぴょうしもない事が記されていた。
「‥‥教授、これ絶対に無理。生身で竜と戦うなんて、ゴーレムでも無い限り無理。それに竜と戦うなんて、絶対に無理」
「じゃが、男は無理と判っていても、戦わなくてはならぬときがくる‥‥まあ、話し合いで解決すればそれでよしということでのう‥‥」
 と告げられ、渋々依頼書を張り出す受付嬢。
 その目的地は実に簡単であった。

──────────────────────
 第三の精霊武具を求めて、シーハルオン頂上を目指す。
 今回は地下神殿の調査、その奥に眠る守護者の守っている精霊武具の奪回。
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 いや、生身じゃ絶対むりなんですけれどねぇ‥‥。

●今回の参加者

 ea0073 無天 焔威(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea0244 アシュレー・ウォルサム(33歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea1819 シン・ウィンドフェザー(40歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea2449 オルステッド・ブライオン(23歳・♂・ファイター・エルフ・フランク王国)
 ea3651 シルバー・ストーム(23歳・♂・レンジャー・エルフ・ノルマン王国)
 ea4919 アリアン・アセト(64歳・♀・クレリック・人間・ノルマン王国)
 ea7482 ファング・ダイモス(36歳・♂・ナイト・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 ea7891 イコン・シュターライゼン(26歳・♂・ナイト・人間・ビザンチン帝国)

●サポート参加者

江 月麗(eb6905

●リプレイ本文

●ということで
──シーハリオン麓の地下遺跡・その外
 ふうふうふうふう‥‥
 額に流れる汗を拭いつつ、ミハイル・ジョーンズ教授が周囲を見渡す。
 目の前には、巨大なる嵐の壁。
 そして足元には、地下遺跡へと向かうための3m四方の台座。
 その手前で、シン・ウィンドフェザー(ea1819)とオルステッド・ブライオン(ea2449)の二人が、がっちりとミハイルを両側からガード。
 台座の上に全員が集ると、シルバー・ストーム(ea3651)が台座にプレートを装着する。

──キィィィィィィィィィン

 激しく高鳴る音。
 そして瞬時に全員が地下遺跡の祭壇へと『転移』していった。


──地下遺跡祭壇の間
 前回の調査では、ここの壁の奥に何かが存在しているというのは確認。
 但し、隠し扉は確認できず、何かギミックがあるのではという考えで、一行はやって来ていた。
「それじゃあ、俺はこの辺りの白骨死体でも調べるとするか‥‥」
 と呟くと、無天焔威(ea0073)は大量に転がっている白骨を一つ一つ調べはじめる。
 何か傷でもあれば、そこから死因が断定できるというのだろう。
「さて、見た所、白骨には傷らしいものは存在せず。倒れている位置からも、特に方向性というのは感じられず‥‥さてさて、どうしたものか‥‥」
 と告げつつ、手にしたナーガの大腿骨でコンコンと肩を叩く無天。
 と、視線が『埋まっている回廊』に差し掛かると、無天はある事に気が付いた。
 埋まっている土砂の中にも死体が確認できるということ。
 そしてそれらの白骨が、あちこち『不自然に』傷がついているということまで見えていた。
「むう‥‥ナーガでは対処できない外敵でも入り込んだのか‥‥まだ、この遺跡に居たら厄介だよねー」
 と呟きつつ、回廊の所まで向かうと、落ちている白骨を幾つか拾い上げる。
「牙の跡がいくつも食い込んでいる‥‥やっぱりねぇ‥‥」
 と、その辺りの調査を念入りに開始した。

──一方その頃
「輝いているのは両側の月の紋章と、彫像の首ですか‥‥」
 手にした『リヴィールマジック』のスクロールを丸めつつ、アシュレー・ウォルサム(ea0244)は静かに近くに居る仲間にそう告げた。
「つまり、その部分に魔法的細工が施されているということか?」
 と問い掛けるシンに、アシュレーは静かに肯く。
「ああ。そのようなんだが。シルバー、判るか?」
 と、アシュレーはシルバーに話を振る。
「ちょっと待ってください‥‥」
 と、突然話を振られたシルバーが返答すると、そのまままずは右側の月の紋章に手を掛ける。
「?」
 見た感じでは、とくになにも怪しい突起などは存在していない。
 だが、その中央に、『目に見えない取っ手』が就いているのを、シルバーは確認できた。
 かなり小さいものであり、そうであると判らなければ、見落とし、そして気付くことは無かったであろう。
「小さい取っ手。これを引くと何かが開くギミックだけれど。ちょっと待っていてくださいね‥‥」
 と、周辺を細かく調査するシルバー。
「??」
 その取っ手の近くで、さらに『指で触れなければ判らない刻まれた文字列』を確認。

『陽が指し示す二つの影‥‥貴方はだれ?』
 
 と記されている。
「さて、これは謎解きですか‥‥」
 しばし思考するシルバー。
「ファングさん、申し訳ありませんが、ここに来て頂けますか?」
 と近くで調査しているファング・ダイモス(ea7482)に声をかけるシルバー。
「ああ、それで、ここでどうするんだ?」
「こちらから指示を出すまではそこで待機していてく下さい」
 と告げて、シルバーは隣の紋章に向かう。
 やはり目に見えない取っ手、そして『触れなければ判らない文字』を確認。

『陽が指し示す二つの影‥‥貴方はだれ?』

 と、やはり先程と同じ文字が刻まれている。
「つまり‥‥ファングさん、そこの取っ手を思いっきり引いてください。皆さんはファングさんから離れて、万が一の為に戦闘準備を。そちらの準備が出来次第おねがいします」
 そのシルバーの掛け声と同時に、全員が一斉に戦闘準備にはいる。
 そしてそののち、ファングが全員を確認すると、一気に取っ手を引く!!

──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
 
 中央の彫像の首が回転し、ゆっくりと左を向く。そしてそれと同じくして、左の壁がスライドし、隠し部屋へと繋がる回廊の姿を現わした。
「さて、何がでることやら‥‥」
 と呟きつつ、回廊に向かっていくミハイル教授。
──パチィィィィィィン
 と、シンが指をならすと、アシュレーとオルステッドの二人がミハイルの両腕を掴む。
「ということだ。じゃあ内部調査を先に頼む」
 というシンの言葉で、イコン・シュターライゼン(ea7891)と無天の二人がまず回廊を見渡す。
「奥にはアンデッドなどの不死者の気配は感じませんので、ご安心してください」
 と告げるのはアリアン・アセト(ea4919)。
 前回に引き続き、今回もこの奥の存在にたいして『ディテクトアンデット』を発動させる。
 だが、このアトレランティスには『アンデッド』という存在は皆無である。
 そのため、それらの襲撃はないということを改めて一行に告げると、無天達は一通りの荷物を纏め始める。
 そしてシルバーがトラップの有無を最前列で確認しつつ、3名は回廊の奥へと進んでいった。

──そして回廊の奥
 巨大な空間。
 天井はなく、その遥か頭上では、ぽっかりと空洞が開いている。
 空洞の直径は200m超。現在いる場所が一体どこなのか、一行には全くといって良いほど見当がつかなくなっていた。
「位置的に考えると、あの上はおそらく『嵐の壁』の内部なんじゃないかな♪〜」
 と無天が告げると、イコンもまた上空を見上げる。
「そうかも知れませんね。ただ、遺跡の位置が正確にわからないので、断定は出来かねますね」
 と告げるイコン。
「この場所では、おそらく先日までは何か巨大なものが住んでいたのでしょう‥‥」
 と告げると、シルバーが、床に付いている巨大な足跡に気が付いた。
「ということは、この前の巨大な何かのいた場所ということか‥‥」
 と呟く無天。

──スッ

 と、一瞬、一行が何かの影に横切られる。
 それは遥か上空を飛んで居るのであろう、ここの洞窟の主。
──ゴクッ‥‥
 その場の全員が息を呑み込む。
 だが、決して頭上を向くことは鳴く、そのまま静かに奥に進む。
 やがて洞窟奥の回廊にたどり着くと、一行はそのまま全力でダッシュ!!
 奥に在った幾つかの部屋を調べると、小さな小部屋の台座に、目的の『月光鎧』が安置されていた。
「これか‥‥さて」
 と、無天が静かに手を伸ばす。
 ちなみにこの時点で、無天は『知識の兜』と『道標の剣』を装着済み。
──キィィィィィィン
 静かに鳴動する『月光鎧』。
 そして、瞬時に姿が消えると、月光鎧は無天の体に装着されていた。
「ミッションコンプリートですね。では帰還しましょう‥‥」
 と告げるイコン。
 ということで、一行は皆の待っている神殿へと戻っていった。


●その頃の神殿
──神殿
「ええ。これは私の推測でした‥‥ここにいる白骨、すなわちナーガ達は通常の手段で回廊から神殿に入った。その後回廊が崩れ、彼らは神殿に閉じ込められたのではないでしょうか?」
 そう告げるアリアンに、ミハイルはしばし頭を捻る。
「しかしのう‥‥どうも引っ掛かるのぢゃよ」
「ええ。教授の引っ掛かっている部分はその魔法の仕掛けですわね。けれど、前回使用した魔法リフトは、起動アイテムが神殿の外にあったことから、内部からは使用できず、彼らは餓死したのではないでしょうか?」
 との言葉に、ミハイルは取り敢えず納得。
「教授‥‥このエクリプスドラゴンなんだが‥‥」
 そう告げるのはファング。
「うむ、どうしたのぢゃ?」
「ジ・アースでは一体どういう存在なんだ? このアトランティスで、ジ・アースと同じ竜を信仰している者たちがいる。それも、精霊武具の封じられている洞窟で‥‥何かの共通点はないのか?」
「それなんですけれど、ミハイル教授、私達が探している精霊武具ですけれど、ジ・アースとここの精霊武具は同一のものですか? 今探しているのは、向こうから持ち込んだ武具ではなく、こちらに従来から存在していた武具なのでは?」
 とアリアンも問い返す。
「うむむ。ドラゴンについてはワシはあまり詳しくはない。が、エクリプスドラゴンは『深遠なる知識』を有するドラゴン。全ての過去を知る存在。ゆえに、ここにそれらにまつわる何かがあってもおかしくはないのじゃが‥‥と、そうそしう、アリアンの問いに付いても返答しておこう。それはありえん。実際、ワシの被っていた『知識の額冠』もまた、ワシのサインが入っていたのぢゃからのう‥‥」
 なんて罰当たりな!!
「それはそれで、何か間違っていませんか?」
 というアリアンの突っ込みは置いておくとして。


●そして右
──神殿
「‥‥そうでしたか。それは大変でしたね‥‥」
 戻ってきた一行の話を静かに聞くと、アリアンはとりあえず全員にリカバーを施す。
「おお、それはまさしく『月光鎧』ぢゃ」
 ミハイルが震える手で鎧に触れる。

──ガキィィィィィン

 と、鎧、兜、剣が瞬時に分解し、一つの彫像の姿に変化する。
「こ、これは趣味の世界だなじーさん」
「ミハイル教授、これはどういうことでしょうか?」
 無天の言葉にイコンが繋げる。
「この世界での、精霊武具の本来の姿なのかも知れないのう‥‥さて、戻るか? 先を調べるか?」
 と告げるミハイルだが、網一つの扉の先を調べる気満々の笑みを浮かべている。
「では、次は俺達の番だな」
 と告げると、オルステッド、シン、アシュレー、ファングが突入の準備を開始。
「さて、それでは先程と同じく。今度はアシュレーが取っ手を引いてください。手順は先程とは逆に‥‥」
 というシルバーの言葉に、アシュレーは静かに肯くと取っ手を引いた。

──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
 
 中央の彫像の首が回転し、ゆっくりと右を向く。そしてそれと同じくして、右の壁がスライドし、隠し部屋へと繋がる、下りの回廊の姿を現わした。
「さて、それじゃあ行くとするか‥‥」
「そうぢゃな。では先頭はこのわ‥‥」
 と言いかけたミハイルを、オルステッドが横に立ってがっちりとガード。
「ということで、教授は俺の横で。では進むとしよう‥‥」
 ということで、ゆっくりと回廊を下っていく5名。
 先頭はファングとトラップ担当アシュレー、続いて教授とオルステッド、最後尾にシンというシフトで突入。
 しばらくの間、下りまくっている回廊。
 やがて、その正面に波打つ何かを確認。
「水か‥‥この先は水没しているようだな‥‥」
 とファングが確認。
「あと数10m先ですね。そこに扉がありますが‥‥」
 と告げるアシュレー。
「なら、潜って確認してみるしかないか‥‥」
 と告げると、ファングが静かに荷物を降ろし、武器と防具のみで水中に潜っていく。

‥‥‥‥
‥‥‥
‥‥


 と、突然慌ててファングが水中から昇ってくる。
 良く見ると、鎧や衣服のあちこちが溶解していた。
「内部に見えない何かがいる‥‥。迂闊に入っていくと襲撃を受ける事になるが‥‥どうする?」
「時間も押している。ここは断念して、王都に戻るとしよう‥‥」
 というミハイルの言葉で、一行は無事に神殿から外に移動。
 かくして、三つ目の精霊武具を手に入れる事が出来た。

 そして残りの精霊武具三つと、鍵となるペンダントはいずこに。
・『守りの楯』
・『陽炎の衣』
・『清水の靴』
・『一対のペンダント』