●リプレイ本文
『もののふ戦隊ノーヴァンサムルゥアーイ』
──ドッゴォォォォォン(シャドウボム専門Lv)
〜♪〜
サムライ夢見て、旅に出た
僕らを呼ぶ声あれば、何処でも行きます、参ります
依頼があれば東へ西へ
仕事迅速 即解決
『悪は全て切り捨てましょう‥‥』
光溢るる世界に 潜み続ける数多の闇
悪代官より民を護る為 今こそ起て ノーヴァンサムラーイ!!
七つの正義よ今 旋風となりて走れ
七つの希望よ今 閃光となりて闇祓え
不屈の闘志を胸に秘め 行け 我らのノーヴァンサムラーイ!!
不良客を殴り倒せ(死ぬってば!)
可愛い女性は口説き落とせ(ピンクだけだろそれは!)
多少無茶でも気にするな 走れ走れ 発展途上な英雄たち♪
多少無理でもやってみろ 行け行け 発展途上の英雄たち♪
(いや無理! ノリアさんとタイマンなんて無理ですからッ!いやー!(泣))
謎が謎を呼び謎のまま。謎は永遠に謎で謎爆発!!
謎が謎を呼び謎のまま。謎は永遠に謎で謎爆発!!
サムライ戦隊(チャチャチャッ)ノーヴァン〜サムーラーイ〜ああーーーってか。
〜♪〜
あら? いつもと違うし。
●調査〜巫女さんスーツでもアニュイにお任せっ!!〜
──のるまん神社
開村祭? も無事に終ったノルマン江戸村。
攫われたボスの妹を救う為、ノーヴァンリッター御一行は土地に有った着物を纏い、村に潜入して様々な情報を集めていた。
「これはこれは、しふしふです」
丁寧にそう挨拶するのは、のるまん神社の巫女、徳河葵嬢である。
しかし『しふしふ』って一体。
「あ、これはしふしふです」
そう挨拶を返すと、ウィル・ウィム(ea1924)は懐から『攫われたボスの妹の似顔絵』を取り出すと、それを巫女さんに見せる。
「こういう方を知りませんか? この村にやってきていると思うのですが」
「さぁ。この村にやってくる方の中で、そのような女性を見かけてはいませんけれどねぇ」
頭を傾げて、そう返答する葵。
「先日までは『開村祭』もありまして、大勢の人がいらっしゃいました。ここ数日の間にも、大勢の方がやってきてはあちこちを見てまわっているようですけれど」
「そうですか。どうもでございました」
丁寧に挨拶を返し、ウィルは話に出てきた『大勢の人たち』について調べる為、他の場所へと聞き込みに向かった。
──南部酒造
「‥‥この味はっ!!」
綺麗に澄み切った酒。
一体どれぐらいの手間隙をかければ、ここまでの酒作ることができるのだろう。
ニュイ・ブランシュ(ea5947)は手に持った茶碗のなかに入っている酒を一口、また一口と飲んでは感嘆の声をあげる。
彼の目の前には『清酒・非女装趣味宣言』と書かれた樽が置かれている。
「どうじゃ? 仕上がった酒は全て『晴れ上がった(予想以上の)』仕上がりになっておるぞ。年明けには、領主の元と王宮にも少しずつ酒を献上しようと思っておる。その際には、また冒険者に運搬の手伝いをすることになるのう」
そんな言葉には耳を貸さず、視線を『あちらの世界』に向けてボーーッと恍惚の笑みを浮かべているニュイ。
ちなみに仕事はちゃんとしていましたよ。
最近変な奴がうろついていたということも、見慣れない人たちが大勢宿屋に泊まっているということも。
「老人、もう一杯!!」
グイと茶碗を差し出すアニュイ。
「これ以上は駄目じゃよ。そのかわり、飲む酒ではなく『食べる酒』を楽しむとしようぞ」
絞って固めた酒粕を小さく切り、炭火で焙る老人。
それを口に放り込んだ瞬間‥‥。
すいません。私も御相伴に預からせて頂きますので、此処での記録はこれで失礼させて頂きます(おサボ)。
──村内
「祭りの後か‥‥風情が‥‥全くないというのはどうよ?」
ふらふらと村内を歩いているのはサクラ・クランシィ(ea0728)。
普通ならば、村人以外の人が歩いていると気になる筈なのにも関らず、ノルマン江戸村の村人は一向に気にするようすもない。
これが噂の江戸っ子気質というものかと思いつつ、サクラは怪しげな人物がいないかどうか散策中。
「あちこちに見える冒険者達は、おそらく祭りの客か‥‥それにしても」
結構重武装な人が多く、そらに同じ様なデザインの者があちこちで見掛けられているのが、サクラには気掛かりであった。
(重武装タイプのスマイリーの可能性が‥‥危険だな)
とりあえずそのまま周囲の状況を確認しつつ、サクラは調査を続行。
──居酒屋のるまん亭
「そこに居て、酒が飲めるから居酒屋とはこれいかに‥‥はい、お待たせしました、『人の権利を捨てた人のための古ワイン』でございます」
そんなこんなで、のるまん亭潜入調査のノリア・カサンドラ(ea1558)。
女将のご厚意で、制服も一式貸与され、ウェイトレスを手伝いつつ店内に溢れている情報に耳を傾けている模様。
「ご注文繰り返しまーーっす。香草サラダと兎肉のハーブ焼き、名酒『一触即発』の3品ですねー」
のるまん亭の女将に挨拶に来ていた筈のリュリュ・アルビレオ(ea4167)も、いつのまにかウェイトレススタイルで聞き込み調査開始。
一見するとお手伝いのようであるが、あちこちのテーブルから聞こえてくる声に耳をピクピクさせながら傾けているようである。
(ふんふん、宿屋が満員で、近くの草原にテントを張っている客が数十名‥‥数十名?)
開村祭が終り、人がいなくなっているのならまだわかる。
逆に増えているというのはどういう事?
(草原にあるのが敵のアジトとして‥‥そこに件の姫君が囚われているという事かな?)
もう少し情報が欲しいリュリュは、そのまま別の客の元にオーダー取りに行っては、また耳をピクピク。
「ふざけるな!! この俺を誰だと思っていやがる。素直に古ワイン出しやがれっ!!」
むくつけき巨漢が、側でトレイ片手に冷笑しているノリアに向かってそう叫ぶ。
「いえ、どなたか解らないのですけれど、どなたさまでしょうか?」
なお、この直後に店内には『ノリア・ボンバイエー!!』の掛け声が上がり、店内乱闘モードに突入。
──ガシッ
いきなり男の足を踵で力一杯踏み潰す。
「グハッ」
そのまま前のめりになった瞬間、ジャンプして相手が立てている膝の上に片足で華麗に着地。そのままもう片方の足で膝蹴りを顔面に叩きこむ!!
「下衆に使うボンバーはありませんわ。きめ技は最後まで取って置いて‥‥ノリア・インパクトっ『シャイニング・クレリック!!』」
あ、新しい技だ。
「全く、騒がしい奴だな‥‥で、そのボスがなんだって?」
店の片隅で、目の前の冒険者相手に話を聞いているのはフーリ・クインテット(ea2681)。
「それがさぁ‥‥給料は安いし、騎士団に突き出されたら説教くらうわ牢屋にぶち込まれるわ。それでいて、雇われた奴の大半は、組織の全容すらしらないし‥‥参ったよ、ホント」
フーリに酔わされて、ベロンベロンの所を質問攻めにされているのは、どうやら『スマイリー』の一人の模様。
「成る程ねぇ。スマイリーも大変だな。まあ、呑め呑め」
そう呟きながらワインを注いでやるフーリ。
「で、シルバーホークの本拠地は何処だ?」
「ヒック‥‥それがさぁ。本拠地っていうのがよく判らないんだよねぇ。俺達は『お舘さま』の命令で動いているリチャードとシスターに雇われているだけだし、そのお舘さまの家だって、先代当主がやばい事してお家取り潰しになったっていうからねぇ‥‥」
「お舘さま? 名前は?」
いよいよ核心迫ったその時!!
「そのまんまだよ。シルバーホーク‥‥えーっと、アルジャーン、えっと‥‥あーー」
バタッ
そのままテーブルにウッ潰し、いびきをかいて眠り始めるスマイリー。
「お互い、宮仕えは辛いな‥‥」
いや、宮仕えじゃないと思う。
──再び村内
「おだんご〜、まんじゅう〜、あつかん〜、最高だねぇ」
正に『花より男‥‥おっとっと、花より団子』とはこれいかにという感じのエル・カムラス(ea1559)。
フラフラといい匂いがする方向に出向いては、茶屋で一服、また一服。
今も団子の包まれている笹の葉を手に抱え、次の美味しいものは何処かと探しているエルであった。
なお、余談ではあるが、エルは今回の依頼で食糧を買う暇が無かった為、現地調達(のるまん亭での食事)となった模様。
そして仕事はいいのか?
●そして期は熟した〜襲撃〜
──翌日の江戸村
のどかな昼下がり。
──どどどどどどとっ
激しい地鳴りが遠くから聞こえてくる。
「来たな‥‥」
サクラが地鳴りの方角を見ながらそう呟く。
村の西の方角にある草原地帯。
そちらの方から、馬に騎乗しているスマイリー達が突然村を襲撃した。
その先頭には、巨大な亀の着ぐるみを着た人物と、シスターオニワバンの姿もあった。
「きゃぁぁぁぁぁぁ」
スマイリー達は無抵抗の村人に向かって次々と剣を振るう。
自警団のいないこの村では、このような事態になった時に村人を守る術が存在しない。
若い女性達は攫われ、年老いた者はスマイリーの剣の前に切り捨てられる。
「うわぁぁぁぁ。今回のスマイリーはマジだぁぁぁぁぁぁ」
慌ててエルは着替えモードを終らせると、突然襲ってきたスマイリー達に向かってメロディを発動。
「戦いを止めて♪〜」
スマイリー達の戦意を喪失させ、この場から撤退させようとした。
それに抵抗するスマイリー達もいたが、すぐさまサクラとウィル、フーリの手によって殲滅されてしまう。
いつもの制服では無く、この江戸村に溶けこむ為に着物姿をしているノーヴァンリッター一行。
顔も見せないように深々と笠を被り、次々とスマイリー達蹴散らしていった。
「おのれぇぇ。貴様達、一体何者だ!!」
そう叫ぶシスター・オニワバン。
ほれ、出番だ皆の衆。
──さて、それではお約束‥‥
「そこまでだっ‥‥お色気仮面シスター・オニワバン、あたしの仮面を見忘れたか!。その不埒な悪行三昧、弥勒様に代わって成敗いたす!」
あらかじめ仕込んであった着物の糸をすばやく抜き引き抜く。
と、着物がはらりとはだけ、中から深紅のガーダーを付けたスーツが姿を見せる。
拳をギュッと握り締め、目の前の幹部達に突き出す。
「灼熱の緋色!」
そして御決まりのガッツポーズ。
「蒼き月光に導かれ‥‥我、その名の下に一条の光とならん‥‥」
同じく着流しがはだけ、空中に羽ばたく。
そしてくるりと回転すると、飛び蹴りのようなポーズ。
『モコモコガード』+忍者スーツを付けたブルー。
「蒼蝶のブルー!!」
そして同じくガッツポーズ。
「正義の風が俺を呼ぶ‥‥哀しき村人達の仇を取れと、輝き叫ぶっ!」
股旅姿をすばやく脱ぎ捨て、レッグガーターをガギンと打ち鳴らす。
「‥‥スパイシーで危険な味! ‥‥ゴールドイエロー!!」
いや、マジでギリギリアウト。
「土地神の膝元での数々の悪行‥‥私達が変わって成敗します!」
僧侶姿が一転して、純白のマントに身を包んだ姿が華麗に現われる。
静かに立ち、組んでいだ右腕を敵に伸ばし、指先をビシッと向ける。
「天啓のホワイト!!」
秩序を尊ぶノーヴァンリッターの使徒見参。
「唸れ鉄拳、轟け拳!! 勇気と正義の名の元に!!」
女中着物姿がすばやく脱ぎ捨てられる。
そして左右のジャブからバク宙へと連携コンボ。
ビシッと綺麗に立ち上がり、ぐっと両手を開いて威嚇の構え。
「太陽のゴールド、予測範囲外に只今見参!!」
両手を守る黄金のガントレット。
今宵も見せてくれるのだろうか?
「天呼ぶ、地呼ぶ、俺を呼ぶ、美女を愛せと俺を呼ぶ!!」
いつもより気合が入っているのは、側に抱えた少女の力か? ノーヴァンリッターの欲望戦士。
クネクネと体をよじらせ、前モッコリのスーツでそう叫ぶリスター。
「歪愛のピンク!!」
そして鶴のポーズ。
「参上!! 魔法戦隊ノーヴァンリッター!!」
そして全員がポーズを取る。
「貴様達、いつのまに『お嬢』を取返した!!」
シスターがリッターピンクにそう叫ぶ。
「ノーヴァンリッターには、貴様達の知らない仲間が存在する‥‥」
カツンと足音が響く。
そしてノーヴァンリッター御一行がすばやく叫ぶ。
『先生、お願いします!!』
木陰から姿を表わし、手にした風車をシスターの足元に向かって投げる。
「シャドウブラック‥‥見参!! 俺とアニュイの二人は、既に貴様達のテントからお嬢を救出した。あとは貴様達の処分だけだ!!」
スラリと腰から『借りてきた日本刀』を引き抜く。
それを構えると、カチャンと刀を返す。
「成敗!!」
そのブラックの声で、戦闘開始となった。
ブラックとホワイト、二つのホーリーがマジックタートルに炸裂。
「‥‥民を守りし神の怒り、その身に受けなさい。ホワイトホーリー」
「‥‥選ばれし王国への道を閉ざす存在。貴様達に天罰を。ブラックホーリー」
二つのホーリーが同時発動。
それは一つに溶けこみ、マーブル状のホーリーとなったと記録には恰好良いから書き記しておこう。メモメモ。
──ゴゥゥゥッ
「リッター、マーブルホーリィーっ」
うわ、またギリギリ。
「邪魔よスマイリーーっ、トレイソーサーっ」
──スパァァァァン
木製の特製トレイを飛ばし、スマイリーを叩き臥せるレッド。
そして雑魚が一層されたとき、残った『亀の着ぐるみ怪人』とシスターは逃走‥‥シスターは‥‥あれ?
「シスター、結婚しよう」
そう木陰で呟いているのはピンク。
銀のネックレスをシスターの首にかけ、そっと優しく口付けする。
「駄目。私と貴方は敵同士。同じ道を歩いてはいけないの‥‥」
そう呟くと、シスターは走り去った。
(ちっ‥‥これから大人の時間だったのに‥‥まあいい、このお嬢に大人の世界を堪能させてやるとして‥‥)
──スパァァァァン
「ノリアボンバー外式っ『不埒者クラーッシュ』」
ピンクの後頭部に、ゴールドの手にした『緑のスリッパ』が炸裂。
「そ、そんなものを何処から持ってきた!!」
後頭部を押さえつつ、ピンクがそう叫ぶ。
「マスカレードの店の中っ。ウェイトレス必携っ。とっととお嬢を解放しなさーい」
そんなこなんで一件落着。
なお、救出された『お嬢』ことクリスチーナ・プロストは無事に父親のお迎え馬車で帰宅。
「‥‥でー。結局、ボスの妹さんてホントに血が繋がっているのかなぁ‥‥」
エルにとっては、そこが一番問題だった模様。
頭を捻るエルを連れて、一行は花の都・パリへと帰還していった。
〜〜To be continue