英雄になりたい3

■シリーズシナリオ


担当:マレーア

対応レベル:1〜3lv

難易度:難しい

成功報酬:0 G 65 C

参加人数:8人

サポート参加人数:1人

冒険期間:05月15日〜05月20日

リプレイ公開日:2005年05月23日

●オープニング

「ねぇ。マレシャルはアレクス卿って人知ってるかな?」
「ああ。知らぬ者の方が少ないな」
「どんな人なの? マレシャルはどう思ってるの?」
 子供の率直さで尋ねる少女故に、マレシャルはさらりと答える。
「一代でのし上がっただけあって、いろいろな噂を聞く。少なくとも私には真似出来ないな。人材を遇する方法を心得ている人物なのは間違いない。母上がマチルドのお目付役としてバルディエ隊の元主計を雇ったが、タンゴの4切りと言えば、商人や占領地の住民に畏れられたものらしい」
「4切り?」
「複数に見積もりを出させて値切る、取引が決まった段階で値切る、支払いの時に値切る。そして最後に、空いた樽や空の袋を買い取らせる。合計4回は値切ることから4切りと呼ばれている。現金決済なので有無を言わせないそうだ」
 唖然としつつも、少女は最後の質問をした。それは親が決めた婚約者エヴァンゼリンについて。
「一度も会ったことがないので確かなことは言えませんが、仮にもノアール殿の養女です。多分素晴らしい人でしょう」
 見ず知らずの者と婚約など、貴族社会ではありふれたこと。されどそれを覆すのは並大抵のことではない。
「皆さん。頼りにしていますよ」
 社交辞令かも知れないが、マレシャルははっきりとそう言った。それからまもなくだった。商人ギルドの使いが彼を呼びに来たのは。

 商人ギルドの奥まった部屋。ランプの光りが机の上だけを照らしている。
「‥‥不躾ですが。マチルド様に付いた冒険者達は、いろいろと頑張っているようです。しかしこちらも正当な取引をして居りますので、不首尾に終わってもご寛恕下さい。尤も、私の不肖の弟子も荷担しており、簡単には破産はせんでしょう」
「挨拶痛み入ります。ところで、わざわざそれをお知らせに使いを頂いたのですか?」
 商人ギルドのお偉いさんは、頭を振って、
「本題に参りましょう。港町に奇妙な噂が流れておりましてな。遠きビザンチンから家族連れで訪れた貴族の子ども二人が迷子になり、貴族に雇われた者たちが二人の行方を追っているとか」
 冒険者ギルドの奥まった一室。商人ギルドの使いの者の話を聞き、マレシャルは訝しがった。
「妙な話だな。そういう事なら真っ先に冒険者ギルドへ依頼を持ち込めばいいものを」
「つまりは、裏があるということです」
「捕えられた子どものうち二人が脱走し、それを海賊が追っていると?」
「流石ご理解がお早い。そういうことでございます。ビザンチンの貴族うんぬんは、世人の目をくらます為に流した作り話。そういえば‥‥」
 相手の男は、最近仕入れたばかりの情報を披露する。朝の早い時分、漁師の子どもたちが親の手伝いをしていると、見慣れない二人の子どもが近づいてきた。たった今、海から上がってきたかのようにずぶ濡れで、土地の子ども達が理解できない異国の言葉で話しかけてきた。ところが、大人たちの姿を見るや、子ども二人は怯えて脱兎のごとく逃げ去ったという。
「海賊の元から逃げ出したということは、海賊の身近でさまざまな事を見聞きしているはず。海賊よりも先に我々の手で保護すれば、海賊討伐に役立つ情報が得られるだろうな。ただし、海賊の側に手の内をさらさぬよう、事は出来る限り隠密裏に運びたい。我々が子どもたちを保護したことが知れれば、連中もそれ相応の手を打ってこよう」
 決断は早々に下され、依頼が出された。港町のどこかに今も隠れている子ども二人を見つけだし、保護すること。それも極力、海賊たちに知られないように。──それが、冒険者に与えられた使命だ。

●今回の参加者

 ea7348 レティア・エストニア(25歳・♀・ウィザード・エルフ・ロシア王国)
 ea8111 ミヤ・ラスカリア(22歳・♀・ナイト・パラ・フランク王国)
 ea8274 京極 唯(37歳・♂・僧兵・人間・ジャパン)
 ea9166 五十鈴 桜(51歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea9556 ジーク・ハーツ(27歳・♂・バード・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb1210 ファルネーゼ・フォーリア(29歳・♀・クレリック・エルフ・ビザンチン帝国)
 eb1350 サミル・ランバス(28歳・♂・ファイター・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb1633 フランカ・ライプニッツ(28歳・♀・ウィザード・シフール・ノルマン王国)

●サポート参加者

カイザード・フォーリア(ea3693

●リプレイ本文

●ロバのパン屋
 子供たちは動物が大好きだ。犬・猫・鳥‥‥どんな動物にも笑顔を見せる。
 さて、そんな子供たちに『ロバがパンを売りに来た』と教えたら、一体どうなるだろうか?
 当然、我も我もと買い物にやってくるのだ。買い物を引き受けて母親の買い物かごをひったくると、近所の悪ガキ連中と一緒に真っ先にロバへとかけてくる。
「あーほら、ロバがおびえちゃうから、大きな声出しちゃ駄目だよ? トロンベほら、ご挨拶はー?」
 小さな子供たち相手に、ミヤ・ラスカリア(ea8111)はお姉さんらしいところを見せる。子供達に挨拶するように頭を下げたトロンベ・キントに「可愛いー」と声があがる。飼い主のミヤの言うとおりに、静かにロバを愛でる少年少女たち。
 さて、大人の女性にロバよりも愛でられている五十鈴桜(ea9166)。異国の男が珍しいのか近所の奥様たちまでパン屋を覗き込む。店の設置の際にも色々と話し掛けられていた桜だが、どうやら希望するような情報はまだ入手出来ていないらしい。
 意外なほどの商売繁盛にパンを売る手を緩められないファルネーゼ・フォーリア(eb1210)に、何やら手伝いに来ていたカイザードが小さく耳打つ。その情報はそのままサミル・ランバス(eb1350)へ。
(「少しばかり浮いた格好の御仁が、ロバを愛でてるぞ」)
 それは失礼にあたるか、とサミルは裏へ引っ込んだ。笑顔が苦手な人間は、こういう時の気遣いにも気付かれにくいのが難である。筋肉の固まった営業スマイルを解きほぐすと、そっと店の様子を離れたところから見守る。
「やあ、お嬢ちゃんもこのお店の人なのか。頑張っているね。私はピエールと言いましてね。街で便利屋を営んでおります」
 ミヤに笑顔を向けた御仁はそのまま、大量のパンを買い込んだ。
「そんなにどうするんですか?」
「子供達に配るんですよ。私は、頑張っている子供が大好きなんです」

●幸福の妖精
 商人ギルドの鑑札を貰い、街の広場に興行のテント小屋を作る。先日の教訓から、万一の場合、ロバのパン屋と互いに救援し合える近さにあった。
 お話の始まり。幸福の妖精を演じるフランカ・ライプニッツ(eb1633)は可愛らしさを強調するごく薄いピンクの裾を靡かせ宙を舞う。

 奥に掲げられた絵を背景に紡がれる物語。ジーク・ハーツ(ea9556)の幻想的なイリュージュンが舞台を華やかに演出する。煌めく風・弾ける水・歌う木々。幸福の妖精が森に遊ぶ姿は、子供ならずとも目を魅かれる。
 音楽があればもっと良かったのだが、生憎誰も楽器の用意がない。それでも魔法を使った演出の巧みさでぐいぐいと子供達を引っ張って行く。
「ふふふふふ。とうとう手に入れたぞ。幸福の妖精を!」
 幸せを手に入れるために妖精を浚って行く青年の役をジークが務め、子供達の罵声を浴びて見得を切る。
「この世に、幸せを求めない人間がいるであろうか? ほら、君も、おなか一杯美味しい物をたべたいだろ? そこのお嬢ちゃん。お姫様の着るような綺麗な服を着て、王子様とダンスをしたいと思ったことは無いかい? 人は誰も幸せを求めるものだよ」
 なかなかの名演である。
 お話は進み、祝杯を挙げて眠った青年。鳥かごに捉えられた妖精が泣いていると。
「さあ、勇敢な子供達。妖精を助けてあげる子はいないのかい?」
 声の主は背後の絵を差し替える黒子の京極唯(ea8274)。その声に一人の子が客席から立ち上がり、舞台へと進む。
「駄目だよ。誰にでも幸せになる権利があるよ」
 子供っぽい口調で止めるのはレティア・エストニア(ea7348)。
「いや、他人を不幸にして幸せになるのは間違っている。さあ、勇気を出して」
 唯が後押しをする。迷った子供は、最後に籠を開いて妖精を解き放つ。
「ありがとう。あなたに幸福が訪れますように」

♪悲しいときは泣きなさい 私は決して笑わないから
 悔しいときは叫びなさい 私は決して怒らないから
 私を捜す人は誰? 私が見えない人は誰?
 私はいつもここにいる あなたの傍に立ってます♪

 こうしてお話が終わった。テントの窓が開かれ明るくなる。

 二度目の公演の時、子ども連れの大人として、便利屋ピエールと名乗る男が子どもたちと共に顔を出した。
「彼らは皆、貧しい家の子ども達なのです。彼らにも物語を聞かせてやって下さい」
 物語の興行が終わると、ピエールは冒険者たちに耳打ちする。
「実は、この街に逗留しているビザンチン貴族の子どもが行方不明になりましてね。その筋から頼まれて探しているんですよ。8歳と6歳の男の子で、二人とも巻き毛の黒髪。目がぱっちりした可愛い子です。街で迷子になった時には貴族のお坊ちゃんに相応しい上物の服を着ていたということですが‥‥もしかしたら街のゴロツキに身ぐるみはがれて、裸同然で彷徨っているかもしれません。あるいは、どこかで手に入れたボロ服をまとっているかも。とにかく、何か手がかりになりそうな情報があれば、私に知らせてください」
 この情報は、まだ関係者しか知らない話だ。ひょっとして海賊の仲間? いや、そうでなくても、知らないまでも向こうの仕事を引き受けている可能性は高い。
 この後彼は、頻繁にテント小屋に顔を出すようになった。

●便利屋ピエール
 困った‥‥。独自に異国の子供達について嗅ぎ回る便利屋ピエールなる人物。冒険者ギルドにも登録されていない男だ。
 ロバのパン屋も物語の興行も、彼にとっては情報収集の良き機会らしい。
「やっと帰ってくれた。どうする? あれ」
 ミヤはご機嫌斜め。
「どうすると言われてもな。パンを買って行く以上、追い払う訳にも‥‥」
 サミルは困り顔。彼は普段自分達がやっているような調査を、合法的に行っているだけである。
「のう。ここで無碍に追い払ったら、貴殿ならばなんとするぢゃろうか?」
 ファルネーゼの問いに桜は頷き
「こいつら何か隠しているのでは? と、疑ってみる」
 立場を置き換えてみれば明白である。とは言え、調査の障害となっていることは確かだ。
「‥‥また来てますよ」
 唯は興行で集めた子供達につきまとうピエールに辟易していた。流石に興行自体の邪魔には為っていないのだが、情報収集という意味では妨害も良いところ。
「ひょっとして、普段の我らもこういう目で見られていたのであろうか?」
 次の興行の準備を進めるジークは、子供限定の小屋の前で聞き込みをする男の様子を見て、ため息を吐く。
「正直邪魔ですね」
 レティアもうんざり。
「かといって、騒ぎになったら海賊どもにこちらの動きを掴まれてしまいます。ここはマレシャルさんに動いて貰った方が良いのでは?」
 フランカの提案に一同は頷いた。

 その日の夕刻。情報を収集しているピエールの前に、正装したマレシャルが現れた。服の着こなしから身のこなしに至るまで、誰がどう見ても貴族と判る風体である。
「貴殿が行方不明の子供をお捜しと伺った。なんでもビザンチン貴族のご子息が行方不明とか。及ばずながら私も一肌脱がせて貰おう。この手の困り事は冒険者ギルドを通すのが一番。大勢の冒険者を雇えば、それだけ発見も早まろう。費用を私が持とうでは無いか」
 その言葉を聞いて、ピエールは言葉を濁す。
「いえいえ、お殿様のようなお方の手を煩わせずとも‥‥。それに、この件については公にできぬ事情も色々ありまして‥‥では、失礼」
 ピエールは逃げるようにその場を立ち去った。
「何か有るね。あいつ。ひょっとして海賊の仲間かな?」
 影から様子を伺っていたミヤが、露骨に怪しい反応に後で控えている桜に語りかける。

 それが当たっていたのかどうかは知らないが、もはやピエールが広場に姿を現すことはなかった。

●救出
 ピエールがまとわりつかなくなった翌々日。子供達は『不思議』と、パンに群がっていた。しかし、その集団に加わらない遠くの少年の影に気がつく──まるで、触れてはならないかのように──その襤褸を纏った少年はサミルは仲間達から聞いていた情報を下にひとつの判断を下した。
 あの子は件のビザンチン貴族の少年。多分、年頃からして兄のテオドロスだろう、と。
 パンを配っていたミヤにサミルは耳打ちして、パンを一塊持って行かせる。
 怯えたように一瞬きびすを返すテオドロスとおぼしき影。
 そこへ後ろから『ラテン語』で、言葉をかけるミヤ。
『逃げないで、私はミヤ。困ってるなら、助けてあげる』
『本当ですか?』
 身なりはともあれ、立ち居振る舞いは街の同年代の少年とは明らかに違う。
『僕の名前はテオドロスといいます。ミヤさん。パラか、エルフの血を引いている方かは判りませんが、ありがとうございます。でも、その前にパンを食べる失礼をお許し下さい』
 と、言うとパンをふたつに割り、小さい方を貪るように食べ出した。
『大きい方は‥‥そう、弟のヨハネスくんに持って行くのね?』
『は──』
 そこまで、順当にコミュニケーションを進ませたミヤであったが、交渉が成立したと思いこで近づいてきた桜の姿を見てパンを抱えたまま走り出す。
「まだ、話し合いは終わっていなかったのに」
「まあ、逃げられた方が標的を突き止めるには都合がいいだろう? 最も、最後の手段と思っていたが」
 と桜は自分でも不本意な事を示す。それでもミヤは堂々と。
「信頼という礎に築かれた関係の方が、長持ちするものです」
「ともあれ、追いかけよう。どちらにしろ住処には向かわなければならない」
 言って、桜は先頭に立ち、サミルとミヤを従えて子供に追いつこうと走り出す。
『お兄様』
「‥‥とラテン語で言っているよ。多分ヨハネスでしょう」
 とミヤがフォローを入れるが、その声がした先は港の端の老朽船の船溜まりであった。
 そこで朽ち木同然のオールを持ってテオドロスが立ち向かう。
『来るな! 来るな!』
「意気込みは良し。しかし、相手が雛ではな‥‥」
 それをものともせず、袖に手を隠した桜が機先を制して、テオドロスの急所を的確に外して、手足などを痛ませないように、素手で打ち込んでいく。奥の手はまだあるが、子供に見せても仕方がないものだ。
 その武芸に戦意を喪失したテオドロスに。サミルが配りそびれていたパンを見せびらかす。
 そこへミヤが──。
『私たちはあなたを保護しに来ました。お願い‥‥信じて』
 そこで膝を突いたテオドロスの肩に手を置いて。
『それに‥‥ヨハネスくんにあげるパンもこのままじゃ汚れちゃうよ?』
 滂沱しながら、テオドロスはミヤの腹に顔を埋め、どうして大人を信用しなかったかの経緯を話した。
 かつて人買い船が立ち寄った港町でふたりは船から逃げ出し、街の大人たちに助けを求めのだ。だけど大人たちは金と引き替えに彼らを人買いに引き渡した。
 その後、受けた仕置きに関しては語らなかった、いや。語れなかったのだろう。だから、この港町で逃げ出してからも、大人だけは絶対に信用しなかったのだと。
『大丈夫、ノルマンにも、義に篤い騎士様はいるのよ。マレシャル様を信じて。ヨハネスくんもお願い、私たちを信じて。そして、パンを分け合いましょう』
 ラテン語でミヤが船に、語りかけると、安堵に涙しながら、テオドロスより幼い、もうひとりの黒髪の巻き毛の少年が現れた。
『本当に信じて良いの‥‥お兄様?』
『この異国の方は手や足を打ちながらも、筋ひとつ傷つけなかった。だから、信じてもいいと思う』
 冒険者ギルドに少年らは保護された。かくして栄光への道程は一歩前進したのである。

●新戦術
 右手は革手袋。左手にのみガントレット。そう言う奇妙な出で立ちの男が、ロバにパンの車を引かせ街を売り歩くミヤ達の前に姿を現したのは依頼の最終日夕刻。
「あ、あいつだ!」
 ミヤの声に反応して桜が身構える。
「こいつがあの?」
 ミヤの証言から感じられたほどには大きくない。いや存外に小さな男だ。自分とあまり変わらない。桜の目は彼の左腰に向けられる。ハルバードをショートソードサイズに切り縮めたような武器だ。そいつは右の手をゆっくりと差し出し、
「マレシャル卿の助っ人に来ました。スレナスと申します」
 桜は訝しみながらも夜の会議への参入を認めた。

 宿の一室に陣取ったスレナスは、マレシャルと主だった者を集め、
「マレシャル殿。これを‥‥」
 一通の書簡を手渡す。封蝋の印は確かにバルディエのコウモリ。

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 卿(おんみ)のマチルド嬢との婚姻成就を期待する。
 ついてはわが耳目スレナスを卿の元へ使わす
                 アレクス・バルディエ
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「痛み入ります」
 一読するなりマレシャルは、押し頂くように書簡を受け取った。
「海賊に対抗する新戦術の説明に入りましょう」
 蝋板に簡単な図を描く。それは木で作った格子枠を使い、矢を射る角度を規格化すると言うアイディアだった。個々の射手が格子を使って規格化された角度で、予め到達距離を測っておき、実戦では距離で攻撃を統一すると言うものだ。
「砦防衛戦の戦術を海戦に応用したものです。船毎に攻撃すべき距離を統一することにより、遠距離射撃の命中精度を増すことができるでしょう。めいめいバラバラに射てば、自分の矢が近すぎるのか遠すぎるのか判りません。海戦では舷々相摩す距離になって、初めて個人の技量が生きてきます。それまでは互いに揺れる船同士、簡単には命中しませんぞ」
 それは先日ミヤも身を以て体験した事実である。こうして、この基本方針を元に訓練が開始された。