英雄になりたい4

■シリーズシナリオ


担当:マレーア

対応レベル:1〜3lv

難易度:難しい

成功報酬:0 G 93 C

参加人数:10人

サポート参加人数:3人

冒険期間:05月29日〜06月05日

リプレイ公開日:2005年06月06日

●オープニング

 海賊の手から逃れた二人の子供。彼らがもたらした情報に、商人ギルドは愕然とした。
「海戦祭りで船の往来が多くなるこの時を狙って、祭りの邪魔にならぬよう迂回する船を襲撃する。ですか‥‥。しかも祭り関係の船に偽装して近づくとか」
「ご安心下さい。既に強力な支援者も到着しました」
 それは、バルディエの計らいによるスレナスと射手6人、戦場予定海域に詳しい老漁師の助力であった。
「つきましては乗り組み予定の船に、予備の帆と20樽の砂と、決戦用の秘密兵器の積み込みを許可願います」
 マレシャルは図面を取り出し新戦術を説明する。
「帆は燃え上がると切り落とし、甲板には耐火と滑り止めに砂を撒くのですな」
「はい。矢で接舷する前に致命傷を与えます」
「一つ、懸念事項があります。相手が闘わずして逃走する。この場合の対策を考えて置いて下さい。うちも、そうそう犠牲になるかも知れない船を準備はできませんからな」
 商人ギルドの担当者は、たまたまパリへ向かう商船(帆船)1隻に、ボート3艘を着けてマレシャルと冒険者に預けることを確約した。
 出航は5月27日としたが、風により前後する可能性はある。いずれにせよ、マレシャルにとっても、商人ギルドの担当者にとっても、安危がこの一挙に懸かる運命の日である。
 このことは、冒険者ギルドを通じて関係者に告知された。

 狭霧も深き五月末、運命に向かって錨が上げられる。

●今回の参加者

 ea7348 レティア・エストニア(25歳・♀・ウィザード・エルフ・ロシア王国)
 ea8111 ミヤ・ラスカリア(22歳・♀・ナイト・パラ・フランク王国)
 ea8274 京極 唯(37歳・♂・僧兵・人間・ジャパン)
 ea9166 五十鈴 桜(51歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea9556 ジーク・ハーツ(27歳・♂・バード・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb1210 ファルネーゼ・フォーリア(29歳・♀・クレリック・エルフ・ビザンチン帝国)
 eb1350 サミル・ランバス(28歳・♂・ファイター・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb1633 フランカ・ライプニッツ(28歳・♀・ウィザード・シフール・ノルマン王国)
 eb2560 アスター・アッカーマン(40歳・♂・ナイト・ハーフエルフ・ビザンチン帝国)
 eb2569 エスメラルダ・ボーウェン(35歳・♀・クレリック・ハーフエルフ・ノルマン王国)

●サポート参加者

ブレイン・レオフォード(ea9508)/ ルディ・リトル(eb1158)/ ベルティアナ・シェフィールド(eb1878

●リプレイ本文

●軍議
 夜も賑わしき海戦祭たけなわの頃。立ち込める霧の中に立つ商人ギルドの一室を借りて、軍議が進行していた。ここはギルドの重大事を定める会議の部屋で、席の上下無き円卓が据えられている。最も奥の席にサクス家の継嗣たるマレシャル。右に座す助っ人のスレナス。左には帆船の船長、その隣にレティア・エストニア(ea7348)。その他めいめいが思いのままに座り、入口に一番近い席に海域に詳しい老漁師が腰を掛けた。
 卓に置かれた布には、ルディ・リトルによって写し取られた想定戦場の絵図があり、上に木で作られた玩具の船。それを動かし、漸くまとまってきた作戦の具体手順をフランカが再確認する。
「良いじゃろうか?」
 老漁師が口を開く。
「わしはあの岩礁地帯を自在にすり抜ける道を知っている。じゃが、小舟しか操ったことがない。交易船を通すことは請け負えんのじゃ。わしはボートへの乗り組みを希望する」
「それでは、配置はこうなりますね」
 フランカは配置を改める。

【商船】マレシャル、スレナス、射手6名、ミヤ、京極、ジーク、ファルネーゼ、アスター、エスメラルダ
【ボート】フランカ、五十鈴、老漁師/レティア、サミル

「指揮官はマレシャル殿で弓隊は僕。ジーク殿、君の詩からは僕の名を削って欲しい」
 ジーク・ハーツ(ea9556)は頷く。

 銅鑼の合図、準備手順、指揮者の引継。重要な懸案がうち合わされる。マレシャルの副官としてレティア。護りにエスメラルダ・ボーウェン(eb2569)。弓隊指揮のスレナスの副官としてミヤ・ラスカリア(ea8111)。切り込み隊長として京極唯(ea8274)。元々の船員は敵船への切り込みには参加せず、消火や運行及び船の防衛を専らとすることが確認された。
 軍議が終わり部屋が空になる。スレナスが出て行こうとすると、話があると女性二人に呼び止められた。
「さっきはありがとうございました」
 フランカ・ライプニッツ(eb1633)の言葉に、
「元からそのつもりだ。あくまでも彼の手柄にしないと困る。向こうから聞いたならタンゴの話も聞いてるだろう。奴は僕の腐れ縁だ。やれやれ。タンゴめ、何も話してないのか‥‥」
 らしいとばかりに笑みを浮かべて
「あいつと僕は同じところから派遣されてる。と言えば、わかってもらえますか、先生?」
 と言った。合点が行き部屋を抜けるフランカと入れ替わりにアスター・アッカーマン(eb2560)は、フードを取って特徴ある耳を見せ
「出来ましたら、依頼期間中常にフードを被っておく許可をいただけないでしょうか?」
「断ることもありませんよ。気にしているのですか?」
「はい。評判に障りがあってはお助けする意味がありません」
「昔、僕の教官だったアイゼンの親父が言っていた言葉があります。『人は先祖を選べない。しかし、神は運命を人間の手に委ねられた』と」
 それが彼の答えだった。

●敵艦見ゆ
 まだ霧の残る海へ船は進む。他の船と邪魔し合わない位置へ、領主様配下の船乗りが小舟で誘導。陸からの風を帆に受けて、港をゆっくりと抜けて行く。
「海風が気持ち良い〜♪」
 ミヤは甲板上の樽に載り、足をぶらぶらさせながら遠くなり近くなる空を見た。潮風が頬をかすめ囓るリンゴの汁が付く。ぴょんと飛び降りマストの上を目指して上ってみる。
「おいおい、おチビさん。そんなに船が珍しいのか?」
「がうがうがう! 誰がチビだってぇ!」
 からかう船員を追いかけ回す。船に起こる笑い声。
「これから一戦あると言うのに‥‥ありゃ大物になるぞ」
 唯の独り言に
「そうだな。良い大将になれるかも知れない」
 スレナスが笑った。
 そんな中、霧を薄れさせて行く風が立ち、ドレスタットの沖に波高し。海戦祭の邪魔に為らぬよう、通常よりも沖の航路を取る。難所でもある岩礁地帯を迂回し、後方に位置した時、正午を少し回っていた。程なく風が止み辺りが白んできた。
「また霧が出てきましたね」
「良し、今の内に昼食だ! 腹が減ったら戦は出来ないぞー」
 元気なミヤ。船の見張り台に立つファルネーゼ・フォーリア(eb1210)は目を凝らして辺りを警戒する。薄い霧のためか、水平線までは見渡せない。だが、海賊が狙いを付けている船はここにいるのだ。絶対に襲ってくる。
「それにしても見えないのう」
 湿りを帯びた帆綱を握り、パンを口にする。

 食事が済んだ頃。向かい風だが再び風で霧が晴れてきた。
「来たぞ。敵だ」
 ファルネーゼの目に船の影。航路を外れている。
「敵影合わせて約40。帆船と大型ボートのような船。二隻の船で接近じゃ」
 優良視力は伊達ではない。忽ち兵員の規模まで判別した。
「あの飾りは、まるで海戦祭りの船ぢゃな」
 そう。その艤装はバイキングの船。祭りの船を装って襲撃を掛けるという情報通りだ。
「バイキングボートに15、帆船に25。帆船が異様に早いぞ」
 目を凝らし状況を伝達。承けてマレシャルの号令。甲板に海水と砂を撒き敵の火矢に備える
 次第に大きくなって来る敵の船。その船からノルマン王国御用の旗が下り、代わりに上がる海賊旗。交差した骨の上に、ドクロが踊るありふれたものだ。
「マレシャルさん。どちらで闘いますか!」
 ファルネーゼは興奮のあまり大声で呟いた。
 皆の注目が集まる中。マレシャルの手が静かに挙げられ、ゆっくりと、しかも大きく円を描いた。
「とぉぉぉぉぉぉりぃかぁ〜じぃ〜〜。いっぱぁぁぁぁい」
 回頭を開始する。敵から見れば慌てて風下に逃走の動作だ。船員はオールも駆使して急速ターン。マストを回し帆を調整し全ての手段を使って離脱を試みる。同時に弓隊の手によって、盾と薄い銅板を張った木の格子が右舷に並べられ火矢を用意。
 直ちにボートが商船を離れる。レティア達が船の影になるように併走。そこから離脱し、攻撃ポジションを取る為にサミル・ランバス(eb1350)に漕がせ舵を取る。
 やがて敵の帆船が商船の右舷後方より接近。威嚇のためか、射程外から火矢を放ってきた。当然外れる。しかし気味の良い物ではない。これが普通の商船ならば、パニックを起こして慌てふためくか、早々と応戦し空しく貴重な矢を使い果たしたかも知れない。
「まだです」
 スレナスは剣を杖に直立するマレシャルにアドバイス。
「ロングボウの射程に入ったら合図の銅鑼だ!」
 ファルネーゼに向かって言い放つ。
 遠矢で当たらぬとは言え、一方的に火矢が辺りに飛来する。まぐれ当たりで甲板に刺さる矢も出て来たが、まだ勢いはない。濡れた砂で自然消火した。

●射撃戦
 ジャーン! 射程に入った合図だ。
「距離80。撃て!」
 めいめい二本の火矢を番え一斉に矢叫びが上がる。矢は隊伍を揃え敵船を飛び越えた。
「距離70!」
 第二射は手前に。
「よし、交叉した」
 距離を修正し、今度はほとんどが敵の船に突き刺さった。人影が一つ海に転げ落ちるのが見える。直撃したようだ。
 互いに火矢を放つ中、次第に敵船は近づいてくる。敵も今は物陰に隠れて放つため、なかなか射殺すことは難しい。それでも敵船の火災が攻撃を削ぐ。船員はオールを懸命に動かして必死だ。
 こちらの矢は弧を描き敵の帆を狙う。しかし、当たるはずの矢が失速するかのように急降下。弓隊を応援するミヤの声。
「これからもっと危険だと言うのに‥‥元気だな」
 苦笑混じりにマレシャル。
「よし、ショートボウだ。ミヤ、これから射撃の指揮を執れ」
「指揮ったって、どうすりゃいいんだ?」
「取りあえず誰でもいいから狙え」
「わ、わかったっ!!」
 なんか判らないままに引き受けた。そうする内にも向こうの火矢は飛んでくる。距離が近づいて、人に当たらずとも船板や帆に命中するものが多い。船員達の疲労は極限。次第に船足が落ちて行く。
 ファルネーゼが銅鑼の三連打をリズミカルに繰り返す。ショートボウの射程だ。ミヤの矢は敵の胸板に当たったが、弓勢いが弱すぎ、着込んだ革鎧に弾かれた。
と、14本の矢が軌跡を追って飛来。瞬時にハリネズミにする。矢は次々と襲い、敵は船縁に磔だ。
「し、死んじゃった?」
あっけに取られたミヤが呆然としている間も、息絶えた海賊に林のように矢が突き刺さり続ける。
「躊躇うな。こっちがやられる」
「‥‥分かったぁぁぁ!」
 返事が途中で悲鳴に代わった。
「ミヤ! マスト横に魔法使いぢゃ!」
 ウインドスラッシュを喰らい傷を負ったミヤは、気丈にも次の矢をそいつに向けた。二度目の呪文を放つまでの隙を突いて、正確に魔法使いの方へ。そして、スレナスを加えた14本の矢が一斉にそれらに続く。悪運強く致命傷には為らなかったが、傷を負わせ、少なくとも続く斉射を恐れて出て来れない。
 手渡されたポーションを飲んで傷を癒す。傷は浅くはなかったが、指揮は続けられる。

●岩礁へ
 一方、ボートで後方に回り込んだ五十鈴桜(ea9166)とフランカは苦戦していた。
 バイキングボートの存在である。しかも、
「おいおいおいおい!! なんだよあの武器は?!」
 正確な投げ槍が桜を襲う。フランカは必死にローリンググラビティーを仕掛けるが、成就しない。身を低くして避けながら桜の軍配の影に隠れた。
「こっちじゃ!」
 老漁師が指し示すその先は岩礁地帯。
「底に穴あけんじゃねえぞ。この岩場との戦いがおめえの舞台だ」
「じじいカッコイイ事言ってねえでどうすればいいのか教えろーーーーっ?!」
 普段よりも荒っぽい悲鳴のような声。
「あの大岩を目指して漕げ!」
「なんだって? 正気かぁ」
「いいから早く漕ぐのぢゃ」
 水深が浅くなってくる。槍の射程からは外れた。しかしこちらは風下だ。帆を張り嵩に懸かって攻めてくる。オールの掻いた水の勢いが下の泥を巻き上げるような浅瀬。だが敵も名うてのバイキング船だ。構わず追ってくる。恐らく、両者の喫水は対して変わらないのだろう。
「当たる。ぶつかる。絶対当たります」
 フランカすら動転するピンチにあって、老漁師はしっかりと舵を固定し、自らも全力で漕ぐ。ところが、どうだろう。ボートは魔法でも懸かったかのようにするりと岩礁を抜けて行くではないか。
 困惑するフランカ。状況が掴めずやったと歓声を上げる桜。
 敵の船は思いっきり岩礁に穴を開けられ乗り上げた。
「ここいらの潮は複雑じゃ。よけようとすればぶち当たる。岩に向かって漕げば、風の加減や潮の流れで航路がずれて、見事岩を外して行く寸法ぢゃ」

●白兵戦
 雨霰と飛来する火矢。だが、味方には強力な護り人アスターがいる。そのプットアウトの魔法が、帆や甲板で勢いよく燃える炎を忽ち消してゆく。
「アスター君、見事な消火である」
 隣からジークの声。
「ジークさん、黙って燃やして下さい」
「私はさっきから燃やしているのだがな」
 会話の意味は余人には分かるまい。彼はイリュージョンの魔法を使って炎上する船の幻を見せ、敵が飛び込んでくるように謀っている。しかし熟練が足りず失敗の連続。その間にも海賊船との距離はぐんぐん縮まる。
「仕方ない、ここは大物狙いでいくか」
 ジークは狙いを一人に絞った。

 海賊船の側では斬り込み隊の頭が苛立っていた。
「ええい、根性無しの火めが! 何ですぐに消えちまうんだ!?」
 と、その目前で獲物の商船の帆がめらめら燃え始めた。ついに待ちに待った時が来たのだ。
「野郎ども、白兵戦だぁ!」
 しかし手下どもは、ぽかんとした顔。炎は頭の目にしか映っていない。
「もたもたしてるんじゃねぇ! さっさと俺に続けぇ!」

「来たな!」
 海賊船は体当たりも同然の荒っぽさで、商船の真横に横付けになり海賊どもがわらわらと飛び移ってきた。一番乗りしてきた敵に唯は手に持つ盾を投げつけ、敵は船と船との狭間に落ちる。代わりに唯も盾を失う。
「勿体無いが仕方がない」
 船上の乱戦で、かえって邪魔だ。
 唯はあえてじりじり壁際に後退。敵は追い込んだ積もりだろうが、背後を気にしなくて済む。唯の小太刀が煌めいて敵の喉を掻ききり真っ赤な血が飛び散った。

「馬鹿野郎! 飛び移るのが早すぎるんだ!」
 海賊の首領が怒鳴る。
「うぎゃあっ!!」
 突然の断末魔。3人ばかりの海賊があっという間に斬り倒され、全身真っ赤に返り血を浴びたサミルが、髪振り乱して斬り込んできた。
「船を操るウィザードはどこだ!?」
 狂化したサミルの姿を見るや、海賊どもの目に恐怖の色が浮かぶ。
「ヤツはハーフエルフだ! ‥‥ぎゃあ!」
 無駄口が運の尽き。隙を逃さずサミルの右手のショートソードが敵の心臓を貫く。サミルの後に続くはレティア。海賊の一人がレティアに剣を振り上げるのを見るや、咄嗟に左手のダガーを投げつける。背に深々と埋まるダガー、血の中に倒れる海賊。
 サミルの左肩を敵の寝刃が裂く。不思議と痛みは感じない。狂化による高ぶりのせいだ。あふれ出る血などお構いなしに、サミルは敵に斬りつける。敵は倒れ、サミルの血で濡れた剣が転がった。
「悪魔の‥‥申し子め‥‥」
 海賊が死に際に放った呪いの言葉など、聞く耳持たぬ。体を幾度となく切り刻む敵の刃も、サミルを支配する殺戮衝動を阻めはしない。もっと血を流せ! もっと血を見せろ!
 一方、レティアは乱戦の中をかいくぐってマストに近づき、甲板に手を当ててウインドレスの呪文を唱える。マスト周辺は無風の空間となり、風にあおられていた帆の動きがぴたりと止まった。

「今だ、一気に乗り込め!」
 マレシャルは声を上げた。サミルの攪乱攻撃に乗じ突撃だ。エスメラルダもマレシャルの左に連なり、トールの十字架を振り回して文字通りの殴り込む。その後に仲間が続く。
「セーラは言った、ぶっ潰せってねぇ。幾らでも潰してやるさ!」
 戦いの最中に折れた刀、失ったダガーは数知れず。矢もダーツも全て撃ち尽くし、既に誰もが傷だらけ。それでも戦いはこれからが正念場だ。
「あれは、誰じゃ!?」
 逃げるように物陰から飛び出たローブ姿の男に、ファルネーゼが目敏く気づく。
「あれが敵のウィザードじゃな!」
 ローブの男もファルネーゼに気づき、二人は甲板上で相対する。
「(一か、八かじゃな)」
 ファルネーゼ、高速詠唱でビカムワースを放つ。しかし呪文は効果が無かった。
「ふん! 未熟者め!」
 罵りの言葉と共に、ローブ男の手が魔法印を切り、その口が呪文を‥‥。
「させるかい!」
 ごんっ! エスメラルダのトールハンマーにぶちのめされ、ローブ男は倒れる。

 そして、夕映えに輝く海の上。傷付きながらも冒険者達は勝ち鬨を上げた。