井中の冒険・参 探索れーす

■シリーズシナリオ


担当:松原祥一

対応レベル:2〜6lv

難易度:難しい

成功報酬:1 G 69 C

参加人数:10人

サポート参加人数:-人

冒険期間:09月21日〜09月26日

リプレイ公開日:2004年10月03日

●オープニング

 先日、江戸から徒歩2日の距離にある村で遺跡が見つかった話はもうしたろうか。
 村の枯れ井戸の底に隠された通路が発見され、石組みの通路の先には沢山の埴輪が守る部屋があった。
 早速冒険者ギルドに依頼が持ち込まれ、9人の冒険者が調査に向ったのだが、不首尾に終わる。
 ギルドの失敗で宙に浮いた遺跡の探索、これを手にしようと村には山賊崩れの山師や発掘屋がやってきた。そこで探索権をめぐって村は一触即発の事態に陥り、仲裁の依頼が届いたのだったが。

「最近、どこか調子が悪いのですかねぇ‥‥」
 冒険者ギルドの年配の手代は無意識に煙管に伸ばした手を途中で引っ込め、ぶらぶらと所在無げに動かした。仲裁に行った冒険者達から状況が更に拗れたことは聞いていたが。
「年は取りたくないもんだ」
 何やら不穏な雰囲気も出てきていた。冒険者には不穏や不逞はお得意様みたいなものだが、己が火元であっては不味い。冒険者ギルドは役に立つうちは持て囃されるが、屋台骨はそれほど強固ではないのだ。
「村長から使いが来まして、また頼みたいと‥‥」
 二度も迷惑をかけたので一旦は辞退しようとしたが、どうしてもと言うので依頼を預かったと手代は口にした。話は簡単ではない。
 冒険者達が居なくなった後で四組の発掘屋達は村長に談判した。使いの者の言うには、まず賊崩れの山師の親分である霞の文蔵がこう切り出したそうだ。
「このまんま決着がつかねぇんじゃ、俺達もおまんまの食い上げだぜ。パパッと片をつけてぇんだ。新兵衛さん、あんたにもそこん所を承知して貰いてぇ」
 新兵衛とは村長の名前である。
「それはもう‥‥」
 無論、新兵衛も早く決着がつくのが望みだが、押しの強い探索屋達に対してこの村長はどうも優柔不断の向きがある。尤も、下手に断ればどんな災いが残るか分かったものではないから無理もないことだが。
「だがね、俺達もずいぶんと関わっちまってるんだ、この話に。だから今更、どいつこいつに決めた、残りの人はご苦労さんじゃあ通らない」
 文蔵と同じ穴の狢と言われる河田屋与平の言葉に、村長は青くなる。彼らの村での滞在費、食糧の一部は村から出させているが半ば以上は自腹である。子分たちの不平不満は村長の耳にも入っていて、不安の種だった。
「何も取って喰おうというのではないのじゃ、村長。この件ではワシも、相良さんも同意している」
 怯える村長を落ち着けようと発掘屋の白河重庵が言った。白河は自称遺跡発掘の専門家で今回の遺跡探索にかける想いは最も強い。
「‥‥白河殿の言う通りだ」
 相良縞之介はギルドが打ち漏らした埴輪を仲間三人と共に排除したフリーの冒険者だ。恐らく実力は四組で一番と思われているが、その分高い仕事料を要求していて村長は決めかねていた。

「四人が村長に提案したのは、ともかくも井戸の探索をさせろと、そう言った話でございました。順番は入れ札で決めて、四組とも井戸の中に入るのはどうだと」
 既に一回井戸に入った相良達は別にして、あとの三組はまだ井戸の底の遺跡を見てもいない。想像だけは膨らませているが取らぬ狸の皮算用、己の手に負えないかもしれず、また宝など大して無い事も十分に有り得る。これは大勢の子分を引き連れている文蔵や与平には切実な問題だ。彼らは子分を養わなくてはならない。古代遺跡そのものが目的の白河にしても焦らされるばかりでは埒もないと提案に乗った。相良にしても特に断る理由が無かったようだ。
「この面子で攻めりゃ、一発よ。よしんば、しくじったってこっちの都合だ。どう転んだって、村長さんには損のねぇ話だと思うがどうでぇ?」
 大筋は以下のような話だ。
 最初に仕事料の入れ札をして、安いチームから井戸に潜る。30分経つか、先のチームが戻ってきたら次のチームが中に入る。報酬の支払いは宝を手に入れた1チームのみ。途中で引き上げる事になった時は成績を比べて今度こそ探索チームを決める。もし最後まで探したが宝が無かった時は功績のあった全チームに報酬の半額を支払う。また前回、サポートを約束した冒険者ギルドには各チームの補助要員として参加を要請する。

「もうお分かりと思いますが、今回の依頼人は村長ではありません。霞の文蔵、川田屋与平、白河重庵、相良縞之介がそれぞれ依頼主、という事になるようですね」
 手代は説明を終えて、冒険者達の顔を見渡した。
 さて、どうしたものだろう。

●今回の参加者

 ea0176 クロウ・ブラッキーノ(45歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea0707 林 瑛(31歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea1244 バズ・バジェット(35歳・♂・ウィザード・人間・ビザンチン帝国)
 ea1672 安来 葉月(34歳・♀・僧兵・人間・ジャパン)
 ea3462 咲堂 雪奈(25歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea4653 御神村 茉織(38歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea4660 荒神 紗之(37歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea5428 死先 無為(32歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea5999 不動 金剛斎(34歳・♂・志士・ジャイアント・ジャパン)
 ea6147 ティアラ・クライス(28歳・♀・ウィザード・シフール・ノルマン王国)

●リプレイ本文

●順番
 村に入った冒険者の数は18人。
「‥‥一人少なくねぇか?」
 ジャイアントの不動金剛斎(ea5999)が呟く。
「いつものことよね」
 シフールのティアラ・クライス(ea6147)は淡々と応じた。常習者はいないがここに来る時は毎回必ず一人少ない。ただの偶然である。
「何か、気になることでもあるの?」
 不動の様子を訝ってティアラが聞いた。
「いや。ただ山師達に雇われる羽目になったかと思うと‥‥少しぐらい気も重くならぁ」
 今回の依頼人が先日、不動が因縁をふっかけた者達だと知ればティアラにも彼の心境は分かるか。
「その態度、改めた方がいいよ。依頼人が見たら冒険者の値が下がるわ」
 さて、その依頼人だが今回は四人いる。
 霞の文蔵、河田屋与平、白河重庵、それに相良縞之介。
 二十弱の冒険者達の任務は各々の依頼人の探索補助だが、ここで少し問題が発生した。
「順番で決めるだとぉ?」
 冒険者達が出した提案に、文蔵らは露骨に不信感を示した。
 それぞれの冒険者が誰のサポートに付くかは入れ札の後に知らせる提案。
「はい、それと言うのも‥‥」
 予想通りの反応に頷き、安来葉月(ea1672)が説明する。
「公平を期す為です。私達は予め一組目から四組目まで井戸に入る順番を決めておきますから、不足は無いと思いますわ」
 詭弁だ。実は複雑な編成をどうするかで冒険者達が揉めた事が原因だった。嫌がらせとも取れた、誰が誰に付くか分からなければ、入れ札の値の予想が立たない。本当は半数以上が誰の下につくか決めていたが、安来が道中で口外無用と言い含めていた。
「何考えてんだい?」
 与平は安来の表情を盗み見るが、安来は答えない。
「ま、教えないってんなら仕方がないか‥‥」
 こうなれば入れ札は運否天賦の博打。猛反対も予想されたが、いい加減に焦れていた山師達は延期を嫌い、渋々と安来の提案を容れた。

 入れ札が決まるまで冒険者達は一時の暇を得た。
「待って」
 ばらける前に林瑛(ea0707)は仲間達を呼び止める。
「さっき言えなかったから、みんなに先に伝えるわ。村のなかは一人で出歩かないようにしてほしいの。誰かに会う時は必ず二人以上にして」
「‥‥なんでそんな面倒くさいこと気にしなくちゃいけないのよ?」
 仲間の忍者が不平を漏らす。対して、此処に来た事がある者達は林の意図を察した。バズ・バジェット(ea1244)もその一人だ。
「分からなくも無いですが、それほど警戒する意味がありますか?」
 バズ達が言うのは前の依頼で起きた事故だ。
 忍者が封印した井戸に、五郎という名前の文蔵の子分が落ちた。五郎は誰かに突き落とされたと証言したが、誰も見た者はいないから事故として扱われた。しかし証言が事実なら十分にきな臭い。
「瑣末な事に気を取られていると、大事な部分を見落としますよ」
 バズは雑魚がどうなろうと意味が薄いと言外に言う。酷薄なウィザードに、林は言葉をそのまま返そうとして思い直し、口に出したのは別の台詞になった。
「無理じいはしないけど、後で依頼人にも同じことを話すから覚えておいてね」

「うーむ、何か段々ややこしいコトになってきたなぁ」
 仲間と別れて御神村茉織(ea4653)は村を歩く。林の忠告は聞いていないのか独りだ。
 御神村は何か用があって散歩している訳ではない。村へ来るのもこれで数度、顔見知りの村人もいたし、忍者の習性か、何気なく辺りを確認している。
「では僕が井戸に入っている間、八雲君の面倒はお願いします」
 もっと積極的なのは死先無為(ea5428)で、死先は村人に挨拶に回ると同時に愛馬の世話をお願いし、更に久松町の己の民宿「おいでやす」の宣伝までした。冒険者長屋はまだ借家だというのに民宿を名乗るとは太い男である。
「あれ?」
 死先の民宿営業に少し協力させられた御神村が村外れまで来ると、木陰でクロウ・ブラッキーノ(ea0176)が誰かと話している。
(「あの男は‥‥」)
 忍者の習性か、御神村は側の民家の影に隠れた。

「だから、知らねえって言ってるじゃねえすか。旦那、勘弁してくださいよ」
 相手の男――五郎の顔は迷惑げだ。離れているので会話の内容までは御神村には分からない。
「可哀想に、落ちたショックで記憶飛んでるんですネェ」
 クロウは五郎の肩を掴み、彼の身体を引き寄せた。クロウはウィザードの割に体格がよく、体力も人並みに備えている。五郎は怯えた。
「これは五郎サンの物です。もう落としちゃ駄目ですヨ」
 御神村からはクロウが五郎に何かを渡しているのが見えた。
(「あ、あやしい‥‥なんて怪しい男なんだ」)
 御神村に仲間を疑う資質は無い。深くは考えず、その場を後にした。

 そうこうするうちに入札結果が出た。発表の場でティアラは村長の横にいた。不正防止のために彼女は入れ札の一部始終を監視していた。
「不平不満は一切受け付けないからそのつもりで聞いて」
 ティアラがまず釘を刺し、村長が井戸探索の順番を読み上げる。
「なんだと!」
 意外な番狂わせがあった。驚きの声をあげたのは白河重庵。
 下馬評では人数が少ないが遺跡への情熱は一番の白河が、最安値を付けると誰もが思っていた。実際、白河は相場よりも安い勝負値で一番手を取りに来ていた。所が、一番手に呼ばれたのは文蔵。
「へへ、悪いな爺さん。この俺が先のようだぜ」
 不正は無かった。文蔵が滅茶苦茶な値を付けたのだ。最も人数の多い文蔵が最安値を付けると誰も予想はしていない。無論、これでは赤字である。井戸の底が宝の山で、文蔵がそれを着服するか相当な歩合が出るのでなければ、自腹を切るコトになる。
「‥‥」
 冒険者達も順番を公表し、井戸探索の順番と編成が決定する。

 一組目は霞の文蔵。同行する冒険者は安来、クライス他、計5名。
 二組目は白河重庵。冒険者は林、バジェット、御神村、死先他、計6名。
 三組目は河田屋与平。冒険者は咲堂雪奈(ea3462)、荒神紗之(ea4660)他、計3名。
 四組目は相良縞之介。冒険者はブラッキーノ、不動他、計4名。

 白河に少し集中したが元々の人数が少なかったので文句は出なかった。
 そして彼らは井戸の底にやってきた。

●探索・表
「サァ、縞チャン。私と一緒に井戸のずんどこ‥‥イエ、どん底へ参りまショウ。ウフ」
 四組目の相良達が井戸に降りる。クロウは相良に明け透けな秋波を送るが全く相手にされていない。
「しかし、ホントに俺達まで中に入る羽目になるたぁな。先の連中は口先だけだったって事か?」
 不動は遺跡の人間サイズの通路に巨体を押し込めながら、不甲斐ない先発の三組をこき下ろす。
「うふ、皆サンの死体を順番に回収することにならなければ良いですネェ」
 一組目が出発して、もう一時間半が経過している。なのに誰も戻ってこないのは奇怪だった。
 相良達はまず埴輪の残骸が沢山残された部屋を過ぎる。続く二番目の部屋は前の部屋よりは小さい。中で争った形跡はあるのに一つの血痕もなかった。
「レイスを倒して、先に進んだな」
 相良の仲間が探査の魔法で確認し、近くに不死者の気配は無い事が分かる。
「所で‥‥入る前に私、この村の古老から話を聞いたのですが」
 部屋の周囲を探っていたクロウが何気なく話し始めた。
「知るわきゃ無いと思ったんですがね‥‥」

「どっちだ?」
 三組目の与平達は亡霊の部屋を出て分岐に差し掛かった。忍者の咲堂が先発組の痕跡を探す。足跡はどちらにも付いていた。
「ここで二手に分かれたみたいやね」
 咲堂は壁に印を見つけた。それで左を白河が、右を文蔵が進んだと分かる。
「よし分かった。行こうか」
「うわっ」
 与平の指示で前進しようとして突然、荒神が転んだ。
「気ぃつけるんやで」
 咲堂が倒れた女志士に手を貸す。荒神は手に何かを握っていた。それで足を滑らせたようだが。
「‥‥このなか、何か居るわ」

 時間を少し遡り、一組目の文蔵達が二つ目の部屋に入った頃。
「もし幽霊がこの遺跡に縛られた存在なら、情報を引き出せるかもしれません‥‥危険過ぎるでしょうか?」
 安来の提案を文蔵は検討する。
「‥‥お化けはおめぇらの専門だ、こっちに否も応もねんだが、かもしれねぇで喧嘩出来るかい? もっと気のきいた台詞を言ってくんな」
 文蔵が言うと、仲間の戦士がさも自信ありげに話しかける。
「ムククク、任せて下さいよぉ、依頼人殿ォ」
「おう、頼りにしてるぜ」
 順番が決まってから文蔵の機嫌はずっと良い。彼の班は組み合わせの妙から、戦闘力は飛躍的に向上していた。懸念の幽霊対策はバーニングソードを使うティアラの為に解消し、更に回復魔法も使える僧侶が二人も揃った。自信を持つのも無理はない。
「早いとこお宝を探すんだ」
『去れ』
 部屋に踏み込んだ文蔵の子分達は亡霊の声を聞く。驚いて辺りを見回すと、部屋の中央に青白い人影が出現していた。
『去れ』
 壮年の亡霊は理性を殆ど残していなかった。三度退去を連呼したが安来の呼びかけには応えない。触れられて子分達の数人が手傷を負い、ティアラの魔法を付与した冒険者が主導で撃滅する。

 二組目の白河達は地上に出た。
「どうやら一番乗りのようですが‥‥ここは?」
 死先は背負っていた荷物を下ろし、周囲の林を見回した。細かい位置は分からないが、村からは大分離れたようだ。
「多分、村の裏山だろう」
 御神村は自分達が出てきた洞穴を見ながら答える。分岐を左に進んだ彼らは途中で石組みの通路が終り、閂をかけられた扉を見つけた。開けると、通路の代わりにここまで洞窟が続いていた。
「一旦、戻った方が良さそうですね」
 洞窟の途中でバズは生活の痕跡を見つけていた。
「そうだね。おそらくオーガがいたんだと思う。もう移動した後かもしれないけど、戻ってこないとも限らないし」
 仲間の一人が痕跡から、鬼族のキャンプと推測した。依頼とは別件と思えるが、他の者達と村にも警告しておくべきだろう。戻る途中、扉のところで林が死先に聞いた。
「その扉、外からは開けられないの?」
「本来ならそうですけど、これは少し歪みがあって‥‥心得のある者なら出入りは可能ですね」

●迷宮
 文蔵の班は仲間の志士が発見した隠し階段から遺跡の更に奥、遺跡の第二層部と思しき所まで進んだ。それに与平の班が追い付いた時には、文蔵達は無数の敵に囲まれていた。
「キリないわ!」
 咲堂は揺れる灯火に照らされた死人憑きに両手の金属拳を叩き込む。命中はするものの、腕力不足で大したダメージにはなっていない。
「こんな事なら刀を持ってくるんだったわね」
 背中を合わせて戦う荒神の得物は十手。受けにも適した便利な武器だが、タフな死人憑きを相手すると威力不足は否めない。敵を倒せない二人は今にも押し包まれそうだ。
「く‥‥これは使いたくなかったんやけど」
 咲堂が何故か攻撃の手を休めたので、一体の死人憑きが正面から彼女を襲った。押し倒される寸前に咲堂は体を沈めて自分から死人の腕と首を掴んだ。死人はくるりと一回転して、石の床に叩きつけられる。
「うう、匂いが染み付いたらどないしょ」
 腐った死体と密着するから嫌悪はこの上ないが、有効な技だ。
「おい、何とかしてくれ!」
「数が多すぎて‥‥」
 死人にやられた子分の傷をリカバーで治す安来はそろそろ魔力が心もとない。死人憑きは少なくとも数十体、文蔵と与平の二班が合流して辛うじて抑えられているが、しかし損耗も激しい。
「死んだはずだよお富さん生きているとはお釈迦様でも〜♪ ‥‥退き時よ」
 ティアラは潮時だと文蔵に諫言した。
「むくく、ここで退いちまったら‥‥」
 逡巡する文蔵だが、ここまでの探索で疲労の色も濃い。今はまだ僧侶達の頑張りで死人は出ていないが、時間の問題だった。
「真打ちの登場だぜ!」
 突然グラビティーキャノンが数体の死人憑きを吹き飛ばす。不動だ。相良班、白河班も隠し通路に気づいてやってきた。
「ちっ、負けだ負けだ。こいつは貸しとくぜ」
 文蔵は撤退を決めた。元気な相良班と白河班が殿を引き受け、何とか井戸の外まで逃げる。

 帰還した文蔵達は探索の途中で見つけた年代物の装飾品と幾許かの金銀を村長に渡すが、井戸の底に大量の死人憑きが居た事を告げられて、村長は気絶した。他にも遺跡が自然の洞窟に繋がっていて、その先でオーガの痕跡を見つけた事や与平達が未踏破の筈の通路で腐った干し肉を見つけた事も報告された。
 冒険者達はひとまずギルドへの報告の為に帰還する。
 山師達も傷を癒すためにそれぞれに一旦、村を離れるようだ。だが戻ってくるかは分からない。