しかばね・二 回

■シリーズシナリオ


担当:松原祥一

対応レベル:9〜15lv

難易度:難しい

成功報酬:5 G 94 C

参加人数:7人

サポート参加人数:2人

冒険期間:11月24日〜11月30日

リプレイ公開日:2005年12月08日

●オープニング

 火群。
 破滅を照らす灯火の如く。
 蒼空を昇る火炎。
 情焔の稲妻。

 ‥‥回天の時。


 神聖暦一千年ジャパン京都。
 紅葉本番、11月も終わろうとする頃のことだ。

 京都冒険者ギルド。
「熊野の追加報告ですが‥‥」
 冒険者ギルドの手代は、集めた冒険者に熊野の調査報告を聞かせた。
「事の起こりは、今年の春に堀内氏隆様が新しく熊野の領主になられた直後の事です」
 堀内氏は屋敷に漁村の代表を集めて、税の引き上げを申し渡した。
 理由は、山の民に比べてこれまで海の民の税が不当に低すぎたからだと。驚く代表達を前にして氏隆は、
「前任者は貴公らを甘やかしたようだが、このわしは容赦せぬ!」
 と大喝した。
「承服できぬ。話がそれだけならば、わしは帰らせて貰う」
 漁民を束ねる三鬼、九鬼ら主だった者達は氏隆のやり方に反発した。氏隆は山の民を味方にして対抗する。両者の間では何度となく交渉が行われたが折り合いはつかなかった。
「妙だな。そのような経緯ならば都か誰かが仲裁を行うであろう?」
「そうですな。しかし、折り悪く黄泉人騒動で都はそれどころではありませんでしたからな」
 話は平行線で双方、戦を決意するまでに至り、そして冒険者を使った三鬼村殲滅、九鬼村敗走の戦いに続いた。
「それで、どちらが悪いのだ?」
「さて」
 堀内にとって漁村は領主に逆らう反乱分子、漁村にとって領主は暴君。無論、誰かが法を当て嵌めれば、どちらかが悪くなる。ギルドは立場上中立だが、実際それぞれに味方が居た。
「いまは領主側の旗色が悪いようですな」
 九鬼の敗戦の後、漁村側が堀内屋敷を攻撃し、何とか撃退したが侍衆が何名も死んだらしい。

「堀内家の家臣、颪一鬼と申す」
「‥‥き来た」
 手代は飛び上がるほどに驚いた。
「だ、誰か一緒に話を聞いて下さいよ」
 先の依頼では冒険者の一部が裏切り行為を働いて依頼が失敗している。ギルドで刃傷沙汰は無い筈であるが手代も恐い。
「あの‥‥二木様は?」
「二木吉兼は先の不始末の責を追及された、ここには来れぬ」
 颪は前任者とは対照的に四角四面の愛想の無い男だった。
「それゆえ、某がお役目を引き継ぎ申した」
「と申されますと?」
「鬼退治だ」
 九鬼村の鬼退治を再び行うと颪は告げた。
「汚名返上の機会だ」
 此度は決戦となる。


 ここに三鬼村の惨劇を生きのびた兄妹がいる。
 何故彼らが生き残ったかは当人達にも分からない。気が付けば救援に駆けつけた九鬼村の人々に助けられていた。兄の名を隼太、幼い妹の名を静香という。
「隼太、冒険者が憎いか?」
「先生‥‥親父もお袋も奴らに殺されました。今俺が生きているのは奴らを殺す為です」
 先生と呼ばれた旅の浪人は、隼太の決意を確認すると少年に剣を教えた。元々隼太の親は三鬼村の武士であり、少年も幼い頃から剣を握っていたが、今のままではとても冒険者に勝てる腕ではない。
「隼太、近いうちにな、冒険者が再びこの村に現れるだろう」
「本当ですか! 京で探すつもりでしたが‥‥好都合です」
 兄は本願成就に闘志を燃やす。
 九鬼村は反乱軍の本拠として傭兵も増え、警備も物々しいが果たして冒険者は来るだろうか。

●今回の参加者

 ea0984 平島 仁風(34歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea1289 緋室 叡璽(30歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea3108 ティーゲル・スロウ(38歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea4465 アウル・ファングオル(26歳・♂・神聖騎士・人間・神聖ローマ帝国)
 ea6415 紅闇 幻朧(38歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea8545 ウィルマ・ハートマン(31歳・♀・ナイト・人間・ロシア王国)
 eb1822 黒畑 緑太郎(40歳・♂・陰陽師・人間・ジャパン)

●サポート参加者

黒畑 丈治(eb0160)/ 黒畑 五郎(eb0937

●リプレイ本文

「はぁっ!」
 掛け声をあげて駿馬を走らせる浪人の姿を、付近の農夫は怪訝な表情で見送った。
 春から戦の続く大和においては見慣れた光景ながら、武士が急ぐその理由を思えば心は重くなる。
「急がねば‥‥」
 緋室叡璽(ea1289)は単騎で大和路を進んでいた。
 案内人の颪一鬼から熊野の山村の場所を聞いた叡璽は、仲間の制止を振り切って一人で山の民の村を目指していた。胸に一計あっての事だが、些か浅慮であろう。
「あっ‥‥!」
 戦いが始まる前に仲間の元に戻ろうと急いだ叡璽は山々を越えるうちに道に迷い、焦る思いからか山道で馬ごと崖に転落した。剣を取っては人後に落ちない男だが、力を持つが故にかくも無力だ。
「‥‥くっ」
 話を京都を出る仲間達に戻す。

「おやアウルさん、もう出発の時刻じゃないですか?」
 京都冒険者ギルドに姿を見せたアウル・ファングオル(ea4465)と黒畑緑太郎(eb1822)に、手代は首を傾げる。
「弓削さんは居ますか?」
 依頼を放って京都ギルド総元締め弓削是雄に用件とは穏やかではない。ともあれ手代は用件を聞く。アウルは渋ったが、責任者に話を通して下さいねと前置きして話し始めた。
「熊野の件です。ギルドは舐められていますよ」
「ほう? それは何故そう思うんです」
 手代はアウルと緑太郎に茶をすすめた。
「だってそうでしょう。依頼内容を偽り、非戦闘員を含む皆殺しなんて‥‥それを普通に通すのなら、流石に依頼を受ける気にもならないんですがね。もう関わってしまったものは仕方ないんで、ギルドから上に働きかけて双方の仲裁を行って貰いたいと思ってるんですよ」
 話すアウルの表情は苦い。冒険者の評判を落した熊野の事件を余程気に病んでいるのだろう。
「反乱の首謀者だけならとにかく、税を払わせる漁村の人々を殲滅しても益はないよね」
 緑太郎も茶をすすりつつ、うんうんと首を動かしている。
「ま、堀内様も切羽詰っていたのでしょうな」
 他の冒険者は不満を胸に熊野に赴いたが、この善良な神聖騎士の少年にはそれが我慢ならないのだろう。
「遠い熊野の事ではギルドの前調査もたかが知れていますし‥‥熊野には近いうちに検非違使が派遣されるそうですよ。堀内様の所にも都へ来るように便りが届いているでしょう」
 熊野の反乱は冒険者の活躍(?)により京に伝わった。
 役所では調査の必要を感じ、堀内に使者も送っているようだ。12月中には更に現地に検非違使を送り、実態調査を始めるだろう。尤も、調査には時間がかかるので、先に勝敗が付きそうな気配である。
「今すぐ止めさせないと意味ないですよ。俺達も寝覚めが悪い」
「そうだ、私も陰陽寮に手紙を書いた」
 アウル達は叶うなら自分達を仲裁の使者として行かせて欲しいと言った。
「‥‥無理ですな。堀内様も九鬼衆も冒険者ギルドの仲裁を認めないでしょう。火に油を注ぐようなものだ」
 仲裁にも色々あるが、熊野の場合は当事者達を裁断できる権力と武力が必要だろう。冒険者ギルドにはどちらも無い。強面の冒険者が数多出入りしてもギルドの私兵ではないし、役所を飛び越えて領主や村々をどうにか出来る立場ではない。役所もこの件に関しては冒険者を使う気は無いだろう。
「どうこうできる立場じゃない? どの口が言うんですか、そんな綺麗事を。それなら堀内の依頼なんか受けないで、もうこの件は無視したらいいじゃないですか?」
 冒険者ギルドの立場は常に中立。しかし、どこかで反乱が起きて反乱の討伐に強兵が必要だからと領主が頼んでくれば冒険者を紹介するし、或いは領主が悪いと民から依頼が来ても冒険者を紹介するかもしれない。冒険者の善悪は表裏一体である。人鬼の異名が悪名と名誉を共に示すように。
「しかし、双方の仲裁ですか。‥‥お望みなら、今の話を聞かせたら貴方の助けになってくれるかもしれない御仁がいますよ」
「え?」
 アウルと緑太郎の二人が手代の旧知の貴族の屋敷を訪れたのは11月25日。この時、二人はたまたま屋敷を訪れていた大納言華山院忠朝とすれ違っている。忠朝は多忙な男でこの後、更に友人宅を訪れた帰り道に凶賊の手にかかって死去した。大貴族も軽々と命を落とす、アウルはジャパンの荒れ様に開いた口が塞がらない。

「アウルもいねえ、緑太郎も来ねぇ、叡璽は一人で行っちまった。‥‥それで物は相談なんだが」
 京都を出る前に、十文字槍を背負った浪人平島仁風(ea0984)は案内人の颪一鬼に方針の変更を進言した。村攻めを中止しようというのである。気持ちは良く分かる。
「出来ぬ」
「おい、悪い話じゃないと思うんだけどな。村を攻めるよりも今は堀内の殿さんの守りが大事さ。ここは態勢の立て直しを図ってみちゃどうかと思うんだがね‥」
 村攻めの間に雇い主にズッコけられちゃ困るもんでねぃと、仁風は聞こえないような小声で呟く。颪は表情を変えず仁風を見つめ。
「あいわかった」
「お、颪殿は話が分かるねぃ」
「お役目を果たしたならば、某から殿にお伝えいたそう」
 仁風の進言を一蹴する。侍とはかくやと言わんばかりの真面目加減だ。
「‥‥ま、駄目ってんなら仕方ないな。だけど、正面から言ったら勝ち目はないってことはお前さんも承知だろう? そこで俺に考えがあるんだがなあ」
 仁風は粘り強く、別の作戦を話した。ともかく兵が足りない。颪からは熊野に着けば堀内の侍衆が待っている心配無用だと言われても、鵜呑みにするほど初心では無い。
「話し合いの余地は無いのか?」
 複数の立場を持つ騎士のティーゲル・スロウ(ea3108)が言う。ティーゲルには新撰組一番隊士の肩書きがある。彼は組長の沖田に事前に相談したが、新撰組が動けば事が大きくなるからと釘を刺された。
 新撰組は京都の治安を預かると言っても源徳の私兵である。職権から言っても熊野は管轄外。熊野の反乱の仲裁に新撰組が行動を起せば、近頃関係が悪化している平織派との軋轢が深まるのは必定だ。
「命懸けの任務だ、余人には務まらぬ。何か思案があるか?」
 颪は冒険者達を見た。戦争状態でも話し合いは無くならない。堀内と九鬼の間は今も度々使者が行き交いしているが、堀内と九鬼に縁のある寺の僧侶や豪族が行うもので、冒険者には期待されていない。普通に考えて、どこの馬の骨か分からぬ傭兵が適当な論を吐いた所で無駄なだけである。
「俺は新撰組隊士だ。名を出して再度降伏勧告をすれば向うも無碍にはすまい」
「馬鹿な。新撰組など熊野の村では虚仮おどしにもならぬぞ」
 颪の目が光った。新撰組は洛中でこそ高名だが、山城とその周辺だけの事だ。国を一つ二つ飛んで熊野のような他国ではその評判は怪しい。
「ふん、田舎侍は俺達の大和での活躍も知らないと見えるな。やってみなくては分からんよ」
 ティーゲルは少しむきになっていた。口にはしなかったがティーゲルは沖田総司の一番隊と共にあの黄泉比良坂を破って黄泉軍の総大将を倒した決死隊の一人である。云わば英雄であり、あの時に死んだ名も知らぬ戦友達の事を思うと、馬鹿にされるのは気に食わない。
「‥‥」
 ティーゲルと同じく一番隊の試験を受けて落ちた仁風は複雑な思いで頭をかく。
「こんな調子で熊野に着けば、私達は戦の良い生贄だな‥‥いや、思い上がるも思いつめるも人の性だが、こうも滑稽では笑えんよな」
 女騎士のウィルマ・ハートマン(ea8545)は仲間達の口論を後ろで見て、肩を竦めた。依頼で仲間達の息が合わないのはいつもの事だが(どちらかと言えば息が合う方が少ない)、今回は顕著だ。
「的が定まらないのでは、如何な名手でも当てようがないというものだ」
 手足が急に重くなる。ウィルマは、とうとう己にも死に場所が来たかと錯覚した。
「先に行った一人はまあ同じ運命として、来ない二人は賢い選択をしたのか。まあ私はやれる事をやるだけだが」
 陰鬱な笑みを浮かべたウィルマは並んで歩く紅闇幻朧(ea6415)を見た。無口なこの忍者は平島やスロウのように颪を説得しようとはせず、ただ黙々と死地へ歩みを進めていた。
「‥‥」
 幻朧はウィルマのような陰鬱な皮肉屋でもなければ、老僧の如く悟っている訳でも無い。本心では仲間達と同様に惑っていたが、それを抑えてただ意識を仕事に集中していた。

 ともかくも依頼を受けた七人は七様の態を見せて、そのうち四人が熊野に入った。
 九鬼村まであと一里の所で冒険者達は立ち止まり、幻朧が言う。
「俺が偵察に行こう」
「いや待て‥‥然程に言うのならば、使者に立て」
 幻朧を止めて颪はティーゲルを見つめた。
「いいのか? 領主の許しを得ず、俺を使者に立てても?」
 良い筈は無い。例えティーゲルが交渉に成功しても約束が守られる証しが無い。交渉とは約束を守れる者を送る事が大前提である。
「正面から戦っても勝てぬと申したのはその方らでは無いか」
 颪は待機していた繋ぎの者に侍衆を返すよう連絡すると、五人で九鬼村に使者として乗り込むと言った。
「故に紅闇殿、偵察は無用だ。使者が村を偵察しては返って面倒なことになる」
「‥‥俺は残る。仲間の援護が俺の仕事だ、いざという時の助けが要るだろう」
「私も右に同じだ」
 幻朧とウィルマを残して、颪とティーゲル、それに護衛として仁風の三人が村へ入る。


●敵討ち
「小僧‥‥名前は?」
 崩れた村の中央で、緋室叡璽は剣を握った少年と対峙していた。
「‥‥」
「冒険者は嫌いか‥‥?」
「‥‥」
「そうか‥‥俺も嫌いだ‥もしかしたらお前の両親を殺したのは俺かもしれないな‥‥」
 無言の相手に独白した叡璽の足元で不意に世界が崩れた。
「うぉぉぉぉぉぉ!?」
 自らの大声で叡璽は目が覚めた。
 村も少年も姿は無く、そこは見知らぬ部屋の中だった。
「俺は‥‥?」
 崖に落ちた所までを思い出す。地面に叩きつけられて瀕死の彼を通りかかった猟師が助けて、大和の寺へ運び込んでくれたのだった。彼の馬も無事らしい。
「世話になった‥‥この礼は必ず改めて伺う。今は熊野に行かねば‥‥」
「余程の事情がおありと存じますが、その傷では無理でございましょう。貴方の命が今あるのも御仏の慈悲です。どうかお体を治して下さい」
 温かな僧の言葉を聞いて、叡璽は自分が壊れそうだった。

 その頃、九鬼村では使者としてやってきた三人を一人の少年が待ち構えていた。年齢は十五、六と言った所か。侍の子供とはすぐ分かった。
「貴方達の姿は旅の冒険者とお見受けしますが、お名前をお聞かせ頂けますか?」
 三人が素直に名乗ると、仁風の名前に少年は反応した。
「見つけた‥‥この俺は、三鬼村でお前達に殺された尾上小十郎が一子、隼太! 今この場で尋常に俺と勝負をしろ!」
 冒険者を前に堂々とした名乗りだが、体は震えている。面食らう仁風と少年の間に、ティーゲルが割って入った。
「お待ち願いたい! 深い事情がある事とは思うが、私達は争いに来たのでは無いのだ。堀内との戦の事で、腹を割って代表者と話をしたい」
 冒険者を囲むように武装した村人が取り巻いている。
「愚弄するな! 俺では相手にならないと言うのか、お前達も武士なら潔く戦え!」
「‥‥弱ったねぃ」
 この場に緑太郎が居れば、その違和感にはすぐ気付いただろう。仁風もティーゲルも一番隊の試験を受けるほどだから戦士としては一級だが。

「‥‥妙だ」
 一方、外で待機する幻朧は遅まきながら異変に気付いた。
「京都で聞いた所では、九鬼村は堀内攻めの準備を行って兵士を雇い入れていると言っていた‥‥ならば以前に来た時よりも活気がある筈なのに、見張りの数も少なく思えるのは何故だ」
「ほう、つまりはこういう事だな。私達が間抜けだと」
 ウィルマは弓を手に取る。即席で矢に火を点すと、合図もなく村に向けて撃った。
「なんだとっ?」
 家の上に落ちた火矢がめらめらと屋根を燃やす。村人が騒ぐ隙に幻朧が走りこんできた。
「なんてことをっ」
「‥‥予定が変わった。説明してる暇はないが、今は退け」
 殺気だつ村人達を牽制して四人は後退した。
「待てぇ!」
 追ってきた少年の刀を仁風は軍配で受けた。軍配が割れるが、十文字槍の柄で少年の足をすくい上げる。
「悪ぃね、俺もまだ死にたくねぇんでよ」
 倒れた少年に詫びて、仁風は仲間達と共に逃げる。
「某は殿にこの事をご報告せねばならん。その方達は一端、京へ戻れ」
 颪と分かれた冒険者達は来た道を戻る途中で怪我の治った叡璽、それに追いかけてきたアウル、緑太郎と合流する。
「一体何があった」
「道中で堀内の屋敷が九鬼衆に襲われたと聞きましたよ?」
 道を進むうちに九鬼村を首魁とする漁村の民の奇襲を受けて堀内屋敷が陥落した事を冒険者達は知った。堀内の一族は多数が討ち取られ、当主の氏隆は生死不明。
「‥‥参った。本当にズッコけちまいやがった‥‥」
 苦悩も悪評も過ぎ去り、空から舞う小雪を見上げる冒険者達にただ虚ろな想いが積もる。
 堀内氏は滅びた。

つづく