『メイドインジャパン 放蕩娘の冒険記8』
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■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:1〜5lv
難易度:やや難
成功報酬:1 G 75 C
参加人数:6人
サポート参加人数:-人
冒険期間:07月27日〜08月04日
リプレイ公開日:2005年08月02日
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●オープニング
■メイドインジャパン
江戸から北東へ4日ほど進んだ山奥の小さな村に西洋風の大きなお屋敷が有りました。
お屋敷の主人の名前はアルフォンス。当年取って125才のドワーフの元騎士です。
若い頃に数々の武勲を重ね、今では喰うに困らない程度の蓄えを持ち、この東の国ジャパンの片田舎で、老後の余生を静かに送る為に引っ越してまいりました。
私有地にはぶどう園を作り、梨園を作り、ワインを作り、果実酒を作り、慎ましくも一人娘(養女)とメイドさん達数名と質素ながらも静かな生活を送っておりました。
「やはり平和が一番じゃ。私が戦場で冒険者として生き残って来れたのも、儂がみんなよりずっと臆病者だったから、生き延びてこれたのかもしれんのぉ。後は娘が、一人娘が元気に育ってくれれば、後は何も言う事はないんじゃがのう」
夕日の差し込むベランダで、丸テーブルで静かにワインを嗜む初老の老人。それが彼の今の姿である。
だが、親の心子知らずという奴か、その娘は元気に冒険者を目指していた。年の頃は数え年で15才。戦災孤児で5才の時にアルフォンスの手に引き取られてからはすくすくと元気に成長していった。いや、元気すぎるのが彼女の難点なのである。
見た目だけなら艶やかな髪と白い肌、絶世の美女と呼んでもおかしくない彼女。アルフォンス曰く『儂があと100才若ければ、娘ではなく妻にするんじゃがのう』と言う彼ご自慢の娘である。
だが、闘う父親を見て育ったせいか、彼女の感覚は偏っていた。
「私は大きくなったらお父様みたいな立派なドワーフの騎士に成るの」
それが彼女が物心ついてからの口癖である。
今では『ドワーフの』は取り除かれてしまったが、それでも騎士に成る夢は捨てきれない様子。毎日剣の修行に励み、オーラの技の修行に励み、日々鍛錬に鍛錬を積んでいるおてんば娘に成ってしまったのだ。
アルフォンスの胸の内は旗本の冷や飯食いの婿養子でももらって、静かに平穏な生活を送ってもらいたいと言うのが願いでは有るのだが。
●腕を磨き・心を磨き
右手に忍者刀を握りしめ、真っ赤なビキニの鎧は縁が白いクリスマス使用。(水着やビキニ等と言う物は存在しないが、そんな感じのソフトレザーの鎧で、防御力はほとんど無い)
庭で素振りをする彼女はいつにもなく元気である。
っと言うか、全然騎士に見えないのだが。
「私もそろそろ冒険者として、ベテランと言うか、熟練のレベルに成ったと思うんだよね。どうかな?」
お付きのシフールメイドのクレッセントに質問するソレイユ。クレッセントはどこから突っ込んで良い物やらと絶句している。
「そう言えば村の貯水池に巨大カエルがでて困ってるって言ってましたけど、どうします?」
話題を変えるべくクレッセントが討伐の話をソレイユに振った。
「コボルトやホブゴブリンと違って、そう言うのは初めてだね。色々冒険者のみんなに聞いて、討伐してみましょう。‥‥ついでに水浴びも出来るしね」
そう言ってソレイユはにっこり微笑んだ。
そんなわけで彼女と一緒に水浴びしつつ大蛙討伐をしてくれる人を募集。
一緒にパーティを組んで大蛙を倒しましょう!!
●リプレイ本文
●メイドインジャパン 放蕩娘の冒険記8
その日も暑い夏の日差し。じんわりと肌にまとわりつくような湿度。
汗が止まらないと言うのはこういうのを言うのだろうという典型的な暑さ。
そんな中でソレイユ+冒険者ご一行様は貯水池に住む蛙を退治するために、貯水池に移動。カエルが出てくるまでのんびり池のほとりで待つことにした。
「そう言えば私あれ以来剣の修行をしていた、何か悟りを開いたって感じなんだよ♪」
嬉しそうに語るソレイユ。木刀片手に山下剣清(ea6764)に殴りかかる。
山下はそれを軽く楽に木刀で捌く。
悟りを開いたと言うソレイユの剣は上達していた。専門レベルに入ったばかり‥‥2〜4程度の腕前だろうか、初級から専門に入ったことで悟りというのを開いたのだろう。
打ち筋は上場、スピードも早い、威力もオーラで上げることが出来る。
だが、無駄のない動きは読みやすい、フェイントもなく真っ直ぐ単調なソレイユの剣術は山下の前では簡単に捌かれてしまうレベルである。
「ソレイユがんばれ、だいぶ動きは良くなってるぞ?」
山下に言われ、汗びっしょに成りながら木刀を振るうソレイユ。しかし、結局の処彼女の悟りは専門止まりだったようだ。
「無理はするな。前よりはだいぶ良くなってるんだしな」
リューガ・レッドヒート(ea0036)に言われて、手ぬぐいで汗を拭うソレイユ。
「そう言えばみんなは、私が琵琶湖観光協会に就職したら一緒に来てくれるの?」
ソレイユが手ぬぐいで汗を流しながら質問する。
「あぁ、俺は付いていっても良いぜ? どうせやることは決まってるしな」
リューガだそう言って微笑する。
「えーとそれじゃ8月末から夏期合宿があるからその時改めてね? みんな」
そう言ってソレイユがテヘテヘと微笑する。
「琵琶湖に行ったら毎日琵琶湖で泳ぎ放題お魚食べ放題ですよ〜」
クレッセントがパタパタと飛び回りながら当たりをキョロキョロする。
「貸し出し券が有るんですけど‥‥彼女は付いてきてくれるかしら‥‥」
見知らぬ土地に行くときは、いつでも不安が付きものである。
「アビュタの剣術‥‥教えてやろうか?」
レイナス・フォルスティン(ea9885)の言葉に目をぱちくりさせるソレイユ。
「アビュタは半裸で斬り合うことを得意とする高等剣術ですよ。お嬢様。」
クレッセントの説明に半分納得するソレイユ。
「へー、エジプトの剣術なんだ‥‥すごいねぇ〜」
レイナスの剣術に感心するソレイユ。彼のフェイントアタックEXはそれほどまでに舞うように華麗な剣舞なのである。
「ソレイユ‥‥ユーは後衛に回る気は無いのでやんすか?」
ファニー・ザ・ジェスター(eb2892)の言葉に首をかしげるソレイユ。
「なんで? オーラシールドもオーラパワーも戦闘を補助する力があるし、前衛の方が後衛より有利じゃない? オーラシールドは他人にかけれないしさ」
そう言って不思議そうな顔でファニーを覗き込むソレイユ。
「はいは〜いお弁当でも食べながら、お話しましょ〜」
米粉を付けたソーセージの様な細長い挽肉の塊を、油でからっと上げて塩をかけて頂く。
既に完全な無国籍料理である。それをバターたっぷりのコッペパンに挟んで食べる。
サンドイッチと呼ぶんだろうか? ホットドックと呼ぶんだろうか?
「はーい、クレッセント特性の『肉棒天ぷらバーガー』再登場デース」
元凶の発案者がエプロンドレスに身を包み、羽をパタ付かせながらお客様に配る。
「ジャパンの人は獣の肉を食べたがらないって言うけど、やっぱり私はお肉食べないと力が出ないと思うんだ。肉棒良いよね〜。肉棒」
そう言ってハムハムと肉棒天ぷらバーガーを頂くソレイユ。
「年頃の女の子が肉棒肉棒と口走ってはいけませぬぞ?」
早乙女博士(eb3063)がソレイユのそんな言動を注意しながら肉棒を頂く。
「そうなの? 私は余り気にしないんだけどな」
足を池に入れてジャバジャバと遊ぶソレイユ。相変わらずクリスマスカラーのビキニアーマー(もちろん水着やビキニはこの世界に存在しないがそんな外見)の格好なので、水浴びもへっちゃらである。
「着替えを覗こうと思ったが‥‥着替えないのか‥‥」
桜葉猫人(eb3070)がそう言って舌を打つ。水着のない世界である。着替えるといっても着替える対象物が存在しない。もっとも、全身が濡れれば乾いた服に着替えるのだが。
「着替えを覗くより一緒に水浴びを楽しんだらどうですか〜?」
猫人の横をクレッセントがパタパタと飛んで行く。普通なら覗きを止める立場にある筈なのだが、余り気にしていないようだ。っというか、ソレイユ自体に自らを女性だという認識が欠落しているのかも知れないが。
「カエルでないねぇ‥‥餌でも持ってくれば良かったねぇ〜」
すっとソレイユが視線を流す先にはクレッセントの姿が、クレッセントは無言で池と反対方向へと飛んで行く。
「あぁうそうそ、冗談だってば、そんなことしませんから〜。戻っておいで〜」
へそを曲げたクレッセントをなだめるのに30分。その間も必死に水面をぱしゃぱしゃさせていたが、カエルの現れる気配は無かった。
「釣り上げる方法考えてませんでしたねぇ〜」
クレッセントが木陰に座ってのんびりしている。
ソレイユは相変わらず水浴びを楽しんでいる。
そんな彼らに突然カエルは襲いかかってきた。
‥‥後ろから‥‥。
「あら〜池からお出かけしてたんだ。コイツは盲点」
言って猫人が銅鏡を持って木に登っていく。
「喰らえィ! サンレェェザァァァァ!!!」
早乙女博士が先生攻撃で正面のカエルに光の矢を放った。
カエルは合計で3匹居るようだ。
ソレイユが大きく息を吸い込み、ゆっくりと10秒間はき続ける。
その右手は山下剣清の日本刀に添えられていた。
収束されたオーラが彼の刀に宿る。
「アビュダの剣筋、対応できるかな」
レイナス・フォルスティンがすらりと刀を抜き、一気にカエルとの間合いを詰める。
初太刀を浴びて、体液を吹き出すカエル。
2匹目のカエルが舌を使って攻撃してくる。
リューガ・レッドヒートはそれをオフシフトで避け、カウンターの一撃をたたき込んだ。
またしてもカエルの体液が空中を舞う。
早乙女が魔法攻撃を与えた一匹に、山下がソニックブームの一撃を放つ。
オーラで補強された威力に寄って、改心の一撃が敵を襲う。
「あ〜私の分残しておいてくださいね〜」
そう言ってソレイユは今度は自らの忍者刀にオーラパワーを付与する。
ゆっくりと息を吸い10秒間息を吐く。
「ソレイユはオーラの付与で初動が遅いからな、エリヴェイション、シールド、パワー。30秒のロスタイムは大きいな」
今回は同行者にもかけているので40秒以上のロスタイムである。戦闘が始まる前に終了していそうな気配がプンプンする。
やっと準備が整った時には、最後の一匹に成っていた。
ソレイユがその蛙の舌の攻撃を盾で受け止める。
舌を伸縮させる蛙にジリジリと引っ張られていくソレイユ。
「久々必殺!! グレイテスト・ペレスロイカ!!」
オーラパワーを乗せた必殺の一撃が蛙にたたき込まれる。
無論CO等と言うしゃれた物は無い。力一杯殴るだけである。
蛙の体液がソレイユの身体全身に降りかかる。
全身をべたべたに汚しながらも辛くも蛙を倒すことに成功する。
「‥‥これで全部かな?」
貯水池にへそまで浸かって、ジャブジャブと蛙の体液を洗い流すソレイユ達。
リューガは岸辺で濡れた手ぬぐいで体液をぬぐっている。
よく見るとため池の水でなにやら洗濯しているご様子のソレイユ。付けていた革の胸当てを外して洗っている様だ。
こちらに背中を向け、ポニーテールを降ろし、前屈みになっているため確認できないが、対岸に回れば彼女の胸を見ることが出来るかも知れない。
既に猫人は全力疾走で対岸に向けて走っているが。
「髪の毛もべたべただよ〜。次はこんな事に成らないようにしないとね」
振り向いた彼女の両胸は下ろした髪で隠れているがきわどい。
そんな青春の甘い壱ページを残して、彼らは家路につくのであった。
どっとはらい。