『謎の温泉教団の温泉宿8』
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■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:2〜6lv
難易度:やや難
成功報酬:2 G 21 C
参加人数:12人
サポート参加人数:-人
冒険期間:03月03日〜03月11日
リプレイ公開日:2005年03月11日
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●オープニング
暦の上では春なのであるが、山奥に有る温泉宿の雪解けは遠い。
雪化粧の中の露天風呂が信者と観光客の目を引いている。
相変わらずの説明で申し訳ないが、謎の温泉教団は、八百万の神を信仰する宗教団体で、温泉には神が住んでおり、温泉に入ることが教義と成っている団体である。
温泉に入るための礼儀作法には厳しいがそれ以外はおおむねざっくばらんである。
彼らは温泉寺に住み、檀家の者達も温泉へといざなう。
温泉寺の裏はもちろん温泉である。温泉に入り身体を癒し、心を癒し、平和に生きていこうと言うのが彼らの考え方である。
石灯籠の明かりの中でのんびりと温泉に入るのが彼ら流のやり方だ。
温泉脇には屋台が数軒並んでいる。甘酒や蜜柑酒、干し柿や山芋、苺などが売られている。
冬の味覚の牡蠣鍋やアンコウ鍋を看板に、甘酒を片手に土瓶蒸しを楽しむ人達、山の清流で取れた虹鱒を使った鱒寿司に甘美の声を上げる者達、鯨肉のステーキ丼を笑顔で頬張る人達。野生の黒豚の肉で作った焼き豚(串焼きの様な物)を頬張り満面の笑みをあげる物達、謎の温泉教団の温泉宿は温泉を楽しみながら紅葉と食欲の秋を満喫する人達でいっぱいであった。
無論温泉と女体を楽しむ者達も多い。
うら若き乙女によるマッサージのサービスを堪能することも出来るサービスや、真夜中に女性従業員の入浴を覗くことが出来る覗き部屋なども好評で連日連夜客足の絶えない状況が続いている。
竹林の温泉の中では竹のニオイ香しく温泉を満喫することが出来る。温泉宿としては大繁盛を納めていた。連日連夜の満員御礼に嬉しい悲鳴は鳴りやまなかった。
そして順風満帆。遂に温泉宿の専用の宿屋(別館)が建築され、お客の入りも前とは比べ物にならないほどの入りに成っていた。
「女将さん。とうとう念願の戸棚風呂(とだなぶろ)が完成しましたね?」
檜で囲まれた外壁と竹で彩られた室内。窓も竹の葦簀で包まれている。密閉された部屋の中で熱く焼いた石の上に水をかけ、蒸気を出して体を蒸らす蒸し風呂。だが、この戸棚風呂はタダの蒸し風呂ではなく、下半身はお湯に浸かり、温泉を楽しむことが出来るのである。故に蒸し風呂の中に浅いお湯の湯船が用意されており、それに浸かりへそから下までお湯に浸かって湯を楽しむ。蒸し風呂の中にさらに湯船まであるので、中の湿度はすばらしい状態になり、蒸し風呂とお湯の両方を楽しめるように成っている。
一応中で座ったり横に成ったりするための竹製の縁台も用意されている。
竹製の縁台に腰掛け、手ぬぐいで汗を拭きながら女将さんが最終チェックをする。
「せっかくの完成披露宴ですし、冒険者の皆さんもお招きしましょうか?」
彩花はそう言っていそいそと文を纏めると、お使いの女中に持たせて急ぎ山を下りさせた。
こうして冒険者ギルドに新たな依頼が舞い込んできた。
『戸棚風呂の完成をお祝いに来てください』である。
●リプレイ本文
●謎の温泉教団の温泉宿
新設された戸棚風呂。蒸し風呂と足風呂が合体したようなこのお風呂は江戸の銭湯では比較的ポピュラーである。っというか江戸では肩まで疲れる銭湯はそんなに多くはない。
やっぱり温泉をじっくり肩まで疲れるのは湯治場や保養地、温泉教団など限られた場所なのである。まぁそんな中で温泉と蒸し風呂両方楽しめる親しみ有る戸棚風呂を作ったのは正解かもしれない。無論男女混浴なのは変わらないが、手ぬぐいを巻いて風呂に入ることを禁止している代わりに、蒸し風呂の中では手ぬぐいの持ち込みを許可している。
無論汗を拭うためなのであろうが。
「どうですか? 新しい戸棚風呂の加減は、良い蒸し加減ですやろ?」
じんわりと汗をかき、手ぬぐいで汗を拭う彩花。そんな彩花にマッサージをして居るのは鳳刹那(ea0299)である。
「彩花さん。早く身体治してバリバリ仕事してくださいね」
鳳刹那の言葉に彩花がにっこり微笑む。
「ありがとな。これからは身体大事にしつつがんばるわ」
彩花の笑顔に頬の綻ぶ鳳刹那。彩花の胸は鳳刹那の手に溢れんばかりでしかもとても柔らかくしっとりと手になじんで行く。
「戸棚風呂、パラの私には丁度良いですわ。彩花さん」
如月あおい(ea0697)がゆっくりと蒸し風呂を楽しみながら彩花に話しかける。
彩花もにっこりと、いつの間にか体を入れ替え、鳳刹那の胸を揉みしだきながらあおいに相づちを打つ。
「そーいえば、この間作ったカスタード餅は量産出来ないんですか?」
あおいの言葉に彩花が首をかしげる。
「量産しても良いですけど、名物になりますやろか? それに砂糖を使ったお菓子は基本的に砂糖が高いよってコストがかさみますえ?」
彩花の言葉を聞いて、あおいがすこし首をかしげた。
「戸棚風呂良いですねぇ。やっぱり温泉の中ではタオルを巻くのは禁止ですよねぇ?」
橘命(ea8674)がそう言って戸棚風呂に入ってくる。
そのころには鳳刹那は既にぐったりとのぼせ上がっていた。
「この戸棚風呂と言うのはとても良い物ですね。竹と杉の香りの心地よさが最高ですね」
鷹神紫由莉(eb0524)がそう言ってほうほうと蒸し風呂を堪能する。
「そう言えば皆さん舞台劇をココの名物にしようと言う案を出していましたが、どうでしょう?」
彼女の質問に彩花がすこし考えてから答える。
「それだと、冒険者全員ここで毎日芸をやるハメに成るから駄目なんじゃないかい?」
確かにもっともなご意見だ。
●卓球!? 新スポーツ
しゃもじ片手に糸巻きボールをテーブルの上で打ち合うスポーツ(謎)卓球。
温泉には卓球が付きものであるという議案から野村小鳥(ea0547)は卓球にいそしんでいた。現在の卓球と違って良く弾む弾。問答無用のシャモジなので、玉がとんでも無い方向に飛んだりしてるが、それもご愛敬。浴衣を着崩し、乱しながら、右へ左へぴょんぴょん跳び回っている。
ちなみに玉の大きさはこぶし大であり、シャモジの大きさは羽子板並である。
卓球の相手をしているのは如月妖乱(ea2948)
お互い裾ははだけ、胸ははだけ、お色気満点の状態に成っている。
「確かにコレは殿方が観ていても良いかも知れませんねぇ」
如月妖乱案に彩花は興味津々で覗き込んでいた。
「皆さん楽しんでいらっしゃいますねぇ」
場所は変わって露天風呂。
初参加のネイフェリア・ディブレーク(ea9924)が温泉と言う物を満喫するべく露天風呂へと足を運ぶ。初めての露天風呂混浴に動揺しながらも、湯を堪能するネイフェリア・ディブレーク。
「温泉の中は男女混浴、タオルなので身体を隠したり覆ったりしてはいけないんですよ」
神山明人(ea5209)がネイフェリア・ディブレークに温泉の入り方を一つ一つ教えている。
「食い物や酒は美味ぇし、美人多いし言う事ねぇなぁ」
レイヴァン・クロスフォード(eb0654)がのんびりと温泉に浸かりながら甘酒を堪能している。
何故か顔には先ほどの卓球の球の後が有るのは抜群に内緒であるが。
「さぁ、小鳥ちゃんも脱いで脱いで、おねぇさんがマッサージしてあげますからねぇ」
そう言って小鳥の服を脱がすと湯船の中で彼女の胸を優しく揉みほぐす彩花。
唇をかみ締めていた小鳥だが、次第に甘い声が漏れ始める。
巽弥生(ea0028)と奉丈遮那(ea0758)が影ながらそれを見つめている。
自分たちは手が出せない状況であり、尚かつ小鳥が望んでマッサージをうけているので手が出せないのである。
「彩花さん、えーと、私にもまた気持ちいいマッサージしてくれますか?」
高町恭華(eb0494)の言葉に彩花は目を猫の様に鋭く光らせてつつつと近寄った。
「あら、私のマッサージ気に入ってくれたのかしら? おねぇさん嬉しいわ」
そう言って豊満な恭華の胸をわしづかみにしてぐりぐりとマッサージを始める彩花。
恭華の口からやがて甘くせつない声が聞こえてくる。
「彩花さんも‥‥病気‥‥治ったみたいで‥‥良かったですねぇ‥‥」
ちっちゃな胸を隠すこともなく、小鳥が温泉の縁でぐったりとうなだれていた。
流石に手加減されていたとはいえ、彩花のマッサージを長時間うければ、全身の力が抜けてグニャグニャに成ってします。意識を保っているのがやっとと言う状況だ。
「あら、おかしいわねぇ? 胸のマッサージをしてるのに‥‥段々硬く成って行くみたい‥‥」
彩花が恭華を言葉攻めしながら怪しくも艶めかしくせめたてる。
今日も温泉教団は平和に平和にこともなく進むのだった‥‥。
●追伸
舞台劇は芸人を常に雇い続けなければいけないので問題が有った。
温泉饅頭。温泉カスタード饅頭など食べ物での候補が有力。
露天風呂や蒸し風呂も看板になるが、宣伝の必要性があるだろう。