魔法少女は振り向かない。5
|
■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:1〜5lv
難易度:難しい
成功報酬:1 G 75 C
参加人数:10人
サポート参加人数:-人
冒険期間:07月15日〜07月23日
リプレイ公開日:2005年07月24日
|
●オープニング
●魔法少女誕生
とある所に一人の魔法少女に憧れる一人の女の子がおりました。
彼女の名前はシーマ・グリューネワルト、親しい友人からは由美(ゆみ)ちゃんと呼びます。それは彼女の本名が葉月由美(はづき ゆみ)だからです。
彼女はとある志士の家に生まれました。彼女の家には嫡男が折らず、女性では有りますが、彼女は家を継ぐことが定められておりました。
厳格なお父様から剣術と精霊魔術、それに武芸や学問を教わる毎日ですが、それでも魔法少女に成りたいという夢は捨てきれず、日々魔法少女に憧れていました。
ある日を境に、彼女は魔法少女に成るために家をでて、この江戸近郊で見聞を広めていた。(本当はチョット違うけど)
●魔法少女って何だろう?
「魔法少女ってなんだろう? 魔法少女って素敵だね? そんな魔法少女に成りたい。
この物語は一人の魔法少女がを目指す女の子が、一人前の魔法少女を目指す。そんなお話です。」
一人ナレーションを入れる魔法少女。葉月由美。
今回も出来るだけ涼しそうな水場の依頼を探している。
前回魔法少女のローブをプレゼントされ、気分は120%魔法少女。
そう、魔法少女シンドローム満開である。
「どっちがいいかな〜。こっちかな?」
魔法少女が手にした依頼のお手紙はにこう書かれていた。
『拝啓、魔法少女様。ウチの村ではこの時期に夏祭りをやります。っと言っても普通の夏祭りとは少々異なり、雨乞いのお祭りをやります。
神社にみんなで集まって、雨雨降れ降れと唄い、踊り、お酒を飲んで賑わいます。
でも、最近村の若い人が少なく活気がありません。どうか魔法少女様ご一行で盛り上げてください』
「よし、これで行こう」
今回も早々と依頼が決定した。
●リプレイ本文
●魔法少女は振り向かない。5
楽しみましょう。喜びましょう。笑顔で雨を呼びましょう。
踊りましょう。唄いましょう。雨の神様呼びましょう。
天に手を挙げ、リズムを踏んで、祭囃子も軽やかに。
魔法少女一行は雨乞い祭りのお手伝いに来ていました。
ユキネ・アムスティル(ea0119)が猫連れて、シーマと共に踊りを踊る。
取りあえず大技は後に取っておくとして、まずは地味に攻めていこうという作戦だ。
「こういうお祭りは楽しよね? シーマ」
シーマ・グリューネワルトこと葉月由美は水飴片手に踊っている。
「さぁ舞台がはじまるよぉ」
ユキネの合図で早速劇が始まった。
「今日も雨がふりません…このままでは村が飢え死にしてしまうわ〜よよよ」
「ああ、噂に聞く正義の魔法少女がこの村に来てくれたら」
悲しみに暮れる月詠御影(ea3107)。そんな彼女の前にシーマ・グリューネワルトが現れる。
「あ、あれは噂に聞く世直し天使、魔法少女シーマちゃんや」
月詠御影の演技と共に彼女に近づくシーマ。
「わしの事も忘れてもらっては困るのじゃ〜」
バルムンク・ゲッタートーア(ea3586)がシーマの後を付いて回る。
どうやら彼は彼女のお付きの魔法使いらしい。
「私も忘れて貰っては困るわよ?」
女装して登場したのはポトフ事結城夕貴(ea9916)。
案外女装が似合うからお似合いだ。
「はっはっはっ、貴様らが如きに負けはしない」
悪役で登場したのはアグリット・バンデス(ea9789)。どうやら
「悪を倒し一輪の紫陽花見参!!」
柳花蓮(eb0084)がそう言って颯爽と現れる。
悪を倒すのに彼女は印を結び、ブラックホーリーを放つ。
「はははっ、こんな物、この私には利かないぞ!!」
アグリットの言葉に、どこからともなく高笑い。
「困った方ですね…、おいたが過ぎますよ?」
元鈴蘭(ea9853)がそう言ってアグリットに近づいて行き、彼を投げ飛ばす。
投げ飛ばされたアグリットを倒すべく、シーマが立ち上がる。
「シーマに魔法少女の力を与えよう。そーれ!!」
バルムンクがそう言ってシーマにバーニングソードを施す。
身体が燃えるシーマが、アグリットを抱きしめてダメージを与える。
「そいつはわしの部下に過ぎぬ。真の敵はわしじゃ!!」
早乙女博士(eb3063)がそう言って颯爽と現れる。
シーマは抱きしめているのを解き、静かに対峙する。
「お困りのようね、お嬢さん」
何時もの如く高い場所から名乗りを上げて登場する十六夜熾姫(ea9355)
そして力を合わせて早乙女と戦う所で第一幕終了である。
「いやぁ面白いけど難しいねぇ」
ダレが考えたわけでもない、全員がアドリブで話を進めるため、なかなか思うようにうまくいかないのである。どっちが勝つかが決まってない劇ほど難しい物はない。
「取りあえず、一休みして、お祭りを楽しもう。第2幕までにはまだ間があるんだから」
そう言ってシーマ・グリューネワルトはにっこり微笑んだ。
「そうだ、ポトフ。チョット相談があるんだった。女の子同士内緒のお話だよ?」
そう言ってシーマがポトフ事、結城夕貴を薄暗い楽屋裏に連れて行くと、着物の帯を外し、前をはだけさせてポトフに自らの胸を見せる。
「どうかな? 最近ふくらみかけてきたんだけど、魔法少女はやっぱりツルペタの方が良いのかな? それとも有る程度、胸とお尻はふくらんでた方が良いのかな?」
そう言ってシーマはポトフの手を取り、自分の胸に押し当てた。
結城が生唾を飲み込み、心臓をバクバク言わせながら、返答に困る。
女装なんだと言うべきか、自分の好みを言うべきか‥‥。
「あっ、いや、シーマは可愛いし、ふくらみかけの胸も良いと思うよ」
しどろもどろに成りながら応えるポトフ。
「そうか、ありがとう。でも私がこんな事聞いたのは、みんなには内緒だよ? 女の子のひみつ」
そう言ってシーマは小さく微笑み照れ笑いを浮かべた。
シーマがユキネと一緒に水飴食べながら屋台を回る。
舞台よりこちらの方が彼女には楽しいらしい。
微かだがぽつりぽつりと雨も降り出している。恵みの雨である。
「やったね。雨も降り始めてきたよ」
月詠御影がシーマの手を取りぴょんぴょん跳び回る。
別に舞台劇のおかげで雨が降ったわけではないが、それでも嬉しい事ひとしおである。
「氷作ったよ。シーマ」
クーリングで作った氷で遊ぶシーマ。冷たくて気持ちが良い。
水に濡れた浴衣が透けてチョット色っぽい状況に成っているが、シーマはそれを気にする様子もない。
氷の一つを柳花蓮の背中に入れ、お返しに柳花蓮もシーマの服に氷を入れて、2人でバタバタ騒いでいる。
ファニー・ザ・ジェスター(eb2892)がピエロとして仕事をこなす。
沢山の人達が彼のジャグリングに目を奪われる。
当人のシーマ達でさえ、それを楽しそうに眺めている程である。
「すごいね。私には出来ないよ。魔法少女には必要な事なのかも知れないね」
シーマが唐突にジャグリングに着いて考える。
確かに魔法少女に有った方が良いが、無くても困らない芸当である。
まぁ必要ならポトフが何とかしてくれるであろう。
雨を呼ぶ村祭りはほどほどに成功した。
きっと神様も私たちを祝福してくれているだろう。
どっとはらい。