新撰組三番隊 番外編3−4
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■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:11〜lv
難易度:難しい
成功報酬:11 G 94 C
参加人数:4人
サポート参加人数:-人
冒険期間:02月05日〜02月11日
リプレイ公開日:2007年02月12日
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●オープニング
●新撰組三番隊 番外編3−4
「新撰組御用改めである!」
斉藤一を筆頭に新撰組三番隊が船宿を当たる。
「なっ新撰組だと!」
宿屋に潜伏していた不定の輩‥‥先の大戦の残党に当たる浪人達は、刀を抜いてそれに応戦する。
「抵抗するなら切り捨てる! 神妙にしろ!」
刀を抜いて斬りつけてきたごろつき浪人を、斉藤一がカウンターの一撃で屠る。
5〜6人の浪人が刀を抜いて襲ってくるが、次々と切り捨てられ行く。
これはイカンと二階の窓から逃げ出す不定浪人の輩。
だが、窓の外には十手を持って待ちかまえてる小春組長補佐の姿が前後で挟み撃ちを喰らった浪人達は素直にお縄を頂戴する。
「今回は上手く仕事を治めることが出来た‥‥だが次もこう上手く行くとはかぎらねぇ。西洋河童、河上彦斎、岡田以蔵、それに石川五右衛門‥‥奴らは京都のどこかに息をひそめている筈だ‥‥是非にでも捕まえ無ければ京都の治安が守れん」
仕事を治めた斉藤一が小春と共に屋台のおでん屋を突きながら相談する。
「今三番隊の実質人が斬れる人間は私と斉藤さん入れて10名、勘定方が夏草薫薫組長補佐入れて3名、後は草が少々‥‥もっと派手にやるならもっと人数が必要ですよ?」
おでんを口いっぱいに頬張りながら小春がそう言って斉藤を見つめる。
「あぁ副長にも相談したが1つの隊の平均人数は15名。それ以上に大幅に増やすには金もかかるし許可がおりねぇんだ」
そう言って言葉を続ける斉藤。
「だから冒険者を隊士扱いにして人数が少ない分は補うしかないな」
斉藤一の言葉に小春も首をぐんぐんと縦に振った。
そんなわけで石川五右衛門以下不定の輩のあぶり出しも兼ねて、御用改めを行います。
五条軍の残党や不定浪人と斬り合いに成ると思うので、腕の立つ人募集です。
●リプレイ本文
●新撰組三番隊 番外編3−4
「良く集まった。我が精鋭達よ、参集にお集まり頂いて感謝する」
京都某所の宿屋にて4人の冒険者と合流する斉藤一と小春。
今回は総勢6名での御用改めとなる。
「腕の立つのが集まってくれて幸いだ。一つヨロシク頼む」
そう言って天城月夜(ea0321)に手を伸ばし握手を求める斉藤一。
お尻に手が伸びるのかと少し躊躇したが、とりあえず握手に応える天城月夜。
「はい、それじゃ段だら羽織貸し出しますね〜」
新撰組三番隊の刺繍がコッソリと入った新撰組の仮隊士用の貸し出し用の羽織が貸し出される。
全員それを羽織ってからお出かけだ。
神楽聖歌(ea5062)が段だら羽織に袖を通すと、小春組長補佐にぴたりと張り付く。
今回は小春ちゃんと行動を共にするようだ。
「じゃ私が相手の剣を受け流すから、その間に斬りつけるって戦法で」
小春と綿密な打ち合わせをする神楽聖歌
「新撰組助っ人浪人と名乗ろうかな?」
神田雄司(ea6476)が太刀を抜き構えながらぽつりとつぶやく。
「新撰組だって壬生浪士組‥‥浪人の集まりみたいな物だ。浪人の助っ人名乗るより、羽織を着てれば新撰組の一員と分かると思うがな」
斉藤もそう言って静かに笑みを浮かべながら、愛刀の鬼神丸の手入れをしている。
「私は剣の腕は無いので、テレスコープで状況判断をしてお伝えしましょう」
宿奈芳純(eb5475)が斉藤にそう言って近付く。
「あぁでも‥‥その術は壁を透視出来ないだろう? 透視できたとしても、普通の客と不逞浪人の区別もつかないと思うが‥‥どうするんだい?」
斉藤の言葉に困り顔の宿奈芳純。もっとも仮面をしているので分からないのだが。
「では、宿屋へ突入後は、後方にてテレスコープで宿屋から逃げ出す浪人がいないかを確認しましょう」
そんなわけで手はずを整える6名。
さて、戦いの幕は切って落とされたのである。
●御用改め
「新撰組御用改めである」
最初の宿屋の戸を叩いたのは斉藤一。
御用提灯片手に入るのは小春。
それに付いて中に入る神楽聖歌と神田雄司。
斉藤と共に行動を取るのは天城月夜。
外で様子を窺うは宿奈芳純。
御用改めと言っても、全ての宿屋に不逞浪人の輩が居る訳じゃない。
一つ一つ確かめ歩く‥‥のが今回の仕事である。
「おのれ、新撰組か!?」
「相手は少数だ。かかれ!」
3件目の宿屋で、不逞浪人の奇襲を受ける。
相手は10人。
突然斬りかかってくる不逞浪人。何とも分かり易い反応である。
天城月夜がそれを躱し、カウンターの一撃を放つ。
胴薙ぎの一閃で戦慄の血が染まる。
彼女の鉄扇が見事に敵を撃破した。
小春が右手に構えたライトニングソードで敵の攻撃を受け流す。
神楽聖歌が駿と前に飛び出すと野太刀の一撃が敵を襲う。
敵はそれほど強くない‥‥数が多いだけだ。
神田雄司の抜刀術をもって敵の手や足を切りつける。
殺すのでは無く、戦力を削ぐ斬りつけ方だ。
斉藤の平突き、突きから斬るに変わる閃光一閃で敵を沈めて行く。
あっと言う間に宿屋の中は血で染まって行く。
何人かは屋根づたいに逃げた様だがそれを追う戦力が無い。
深追いは禁物だ。
「ひーふーみーよー、今日はダイブ斬りましたね‥‥そう言えば、怪しい浪人を追っていると‥‥まずは西洋河童、河上彦斎、岡田以蔵。そして石川五右衛門。この4名について教えておいて貰えるでござろうか?」
御用改めを10件ほど終え、屋台でおでんを突きながら、天城月夜が斉藤一に話を振る。
斉藤は熱燗を2本空けながらそれに応える。
「河上彦斎はすばしっこいちっこい浪人だ。岡田以蔵は長身の斬馬刀使いとしか分かってない。あとは西洋河童。やりと盾を使う名手と聞いている。それを束ねているのが石川五右衛門と言うたちの悪い悪党だ」
そんな話をしながら大根を突く斉藤。
酒を呑むと人が切りたくなる。
人を切ると女を抱きたくなる。
そんな斉藤も今回ばかりは手を出さない‥‥紳士的な対応だ。
「西洋河童。名の通りで体格が2mくらいの達人を超える槍の使い手。手数が多く甲羅と硬い皮膚が難点だが、回避はそこそこ。河上彦斎。不知火抜刀術の使い手。小さな体躯を生かしたスタッキング戦闘。達人クラス?」
聞いた話を一人纏める天城月夜。
「見つけたぞ! 斉藤一!」
先ほど逃げていった浪人の残党が突然あわられ斉藤へと斬りかかる。
半歩前にでて、敵の攻撃を肩で受け止める斉藤。
そのまま右手で小太刀を抜くと、カウンターシュライクの一撃が相手の胴へとたたき込まれる。
待ち伏せを喰らった‥‥っと言うより、逃げた敵が来ても良いように、奇襲を待っていた‥‥っと言う方が正しいのだろう。
結局4日間の戦闘の末、18人を斬り26人を捕まえた。
その中に河上彦斎や岡田以蔵、西洋河童や石川五右衛門の姿は無かった。
「大金星は無かったが、そこそこ戦果を上げることが出来た。感謝している。さすが腕利きの冒険者‥‥っと言うべきなんだろうな」
斉藤がそう言って4人と握手をする。
「これから宿を借りてある。湯豆腐でも食べながら無事任務を終えたことを祝おうじゃないか?」
すっかり食べる気満々の小春。
豆腐はこの時代案外貴重品なので値が張る。
それをご馳走してくれるというのだ、冒険者達への感謝の気持ちだろう。
そんなわけで人は少なかったが無事御用改めは幕を閉じる。
次の依頼まで、深く静かに、刀をとぎすませながら。