【封印司洞、六道辻】明かされた地獄道
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■シリーズシナリオ
担当:西川一純
対応レベル:11〜lv
難易度:難しい
成功報酬:9 G 4 C
参加人数:8人
サポート参加人数:5人
冒険期間:01月12日〜01月17日
リプレイ公開日:2008年01月20日
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●オープニング
世に星の数ほど人がいて、それぞれに人生がある。
冒険者ギルドでは、今日も今日とて人々が交錯する―――
「け、汚らわしい! なんて破廉恥な‥‥!」
「‥‥‥‥」
新年となり、祝賀ムード一色であった冒険者ギルド。
その雰囲気をぶち壊すかのように、職員の西山一海の声が響き渡った。
読んでいた巻物を力いっぱい地面に叩きつけ、肩で息をしている。
それは、今まで冒険者たちの道しるべとなっていた、陰陽寮で発見されたという例の巻物。
六道辻の世界が一つ安定するたびに記述が増えていく、よくわからない理屈の魔法の書物だったのだが‥‥?
それを見ていた友人の情報屋、藁木屋錬術は何も言わずにしばらく黙っていたが、やがて巻物を拾いなおして言う。
「‥‥気持ちはよく分かる。私も最初にこの部分を読んだ時は戦慄が走ったものだ。しかし、これは紛れもない事実なのだよ。六道辻を語る上で、避けては通れない」
藁木屋に諭され、少し落ち着いた様子の一海。
普段おちゃらけている彼がここまで激昂した、巻物の内容とは以下の通りである。
残念ながら、修羅道にて調査隊は全滅。全員修羅道内で死亡した。
それとなく助言していたとはいえ、ここまでよくやったものだと褒めるべきだろう。
だが、これ以上進んで、偶然に残りの二つを突破されても困る。この辺が潮時か。
術の実験としては充分。後世にこの巻物が発見されても、また被害者を出す罠として活躍してくれることだろう。
読む人間がいるかどうか分からないが、最後だから一応記しておいてやろう。
次なるは地獄道。先人が全滅した文字通りの地獄のような世界だ。
この偉大なる陰陽師‥‥立町の作り上げた秘術、六道辻の中でも特に厳しい。
さぁ諸君。この地獄道を突破することができるかな―――?
「つまり、行方を晦ませていたと見せかけて、変身魔法か何かで化け、自分から調査隊に加わっていたってことですよね!? 術の実験とか言ってますけど、絶対他の調査隊の人たちが苦しんでるのを見て楽しんでましたよね、こいつ!」
「陰陽師、立町‥‥これで以前突破された際に解放されたはずの武具が再封印されていた理由も分かったな。彼が再び持ち出したか何かで、あの場所に戻したのだろう。どれだけの悪意を内包しているのだ‥‥彼は‥‥」
古の陰陽師、立町。
底知れぬ闇と悪意を身にまとい、作り出したのは数々の邪悪な術。
その一つである六道辻の世界は、残すところあと二つ。
地獄道と人道のみで、封印された武具も日本刀と大斧だけとなった。
しかし、侮るなかれ。今までの経過を見れば分かるとおり、一つ突破するのも紙一重の過酷な世界。
次なる地獄道も、上手くいくとは限らない。
新年一発目のお仕事としては、少々縁起が悪すぎるだろうか―――
●リプレイ本文
●我が行くは
「年が明けて早々に地獄行き。今年の厄を全部置いていきたい気分だ」
「まったくもって。残り二つの六道辻‥‥どっちもすっきり突破といきたいわ」
「しかし、前回の修羅道をも越えた世界となると、そう簡単にはいかないだろう。より気を引き締めねば‥‥!」
年も明けた一月某日。
すでに見慣れた封印司洞への道を五度辿り、冒険者一行は地獄道へと挑む。
鷲尾天斗(ea2445)が言うように、年明け早々に地獄などと名のつくところに行くのは縁起が悪すぎる。
シオン・アークライト(eb0882)も別に楽観視しているわけではないのだが、シグマリル(eb5073)の言にもあるように気を引き締めなおさないと本当にあの世行きになりかねない。
何故なら、六道辻が作り出す地獄道は名ばかりのものではないからだ。
「申し訳ありません‥‥難関に挑むというのに懸念事を増やしてしまいまして‥‥」
「そんなことはありませんよ。確かに戦力減は痛いですが、それ以上に真相に迫れるかも知れないんですから」
「そうです。それに、皆さん少なからず立町氏を殴ってやりたいと思っているはずですから」
僧侶である琉瑞香(ec3981)の過激な発言にも、大半の者がうんうんと頷く。
御神楽澄華(ea6526)が言った『懸念事』というのは、黄泉将軍の十七夜という不死者が六道辻に挑んでいる最中‥‥つまりは全員が意識をなくしている最中に身体を殺しにかかってくるのでは、というもの。
別件の依頼で、彼女が持つ長槍『畜生道・解』を見せた際の反応が、どうも怪しいとの理由かららしい。
確かに、陰陽師の立町と黄泉将軍の十七夜‥‥どちらも読み方は『たちまち』ではあるが‥‥?
雨宮零(ea9527)が言うように、真相に迫れるとよいのだが。
「今回は仲間割れの心配もないでござろう。拙者たちが意識を失った後のことはお願いするでござるよ」
「‥‥任せておけ。シオンが連れてきた魔獣もいる。早々抜かせはせん」
先ほど雨宮もチラッと触れていたし、久方歳三(ea6381)の言からも分かるように、今回は念のために二人が六道辻に行かず、残ることになっている。
シオンと紅闇幻朧(ea6415)がその担当となるわけだが、もしその黄泉将軍が立町のなれの果てだとしたら、二人と魔獣一匹だけで防げるのだろうか?
二人は歴戦の冒険者であり、戦闘能力も折り紙つき。しかし、立町には他者を焼かんが如き悪意がある。
六道辻の内容からも分かるように、搦め手搦め手で攻められたら‥‥果たして。
そうこうしているうちに、六道辻が発動する洞窟前に到着。
地獄道への道が、いざ開かれる―――
●地獄道
一行は念のために辺りを警戒した後、突入したと見せかけてから一時間ばかり様子を見た。
しかし、辺りは変わらず静かなもので、動物の気配がたまに感じられた程度。
安心したというわけではないのだが、当初の予定通り六人が地獄道へと突入する。
仲間の意識が途絶えたのを確認したシオンと紅闇は頷きあい、更に警戒を続けた。
そして、地獄道内部では―――
「ここは‥‥賽の河原!? どうやら今回は不意打ちされるということはなさそうでござるな‥‥」
「いいえ、安心するのは早いです。人数が足りませんよ、久方さん」
「やれやれ、何とも好きになれない世界だねぇ。辛気臭くっていけねぇや」
三人が目を覚ましたのは、どんよりと薄暗い灰色の世界。
大きな川の川辺らしく、水気の多い空気が肌を撫で、そこかしこからカラカラと石で遊ぶような音が聞こえる。
三人。そう、ここには三人しか居ないのだ。
鷲尾、琉、久方の三人だけがこの場所で目を覚ました。
暗い世界に目が慣れてきた三人が辺りを見回してみると、そこら中に石で詰まれた山と、それを積み続ける子供の姿。
賽の河原の詳しい説明は省くが、ここで何かすることが突破条件なのだろうか?
「鬼らしき姿も、襲い掛かってきそうな亡者の姿もないでござるな‥‥」
「石を積む子供にメンタルリカバーをかけてみましたが、意味が無いようです。やはり、かけるなら鬼なのでしょうか‥‥」
「どうかな。もし、俺の予想通りなら護ってやる事が出来るが、かなり俺自身も危ないので虫の息になったらよろしくな」
と、その時である。ふっと世界が歪み、三人の意識が途絶える。
これは、帰還の時とは感覚が違う。何だ?
答えは、もう一方の三人がすでに経験していた―――
「がっ! ぐぅぅぅっ、うあぁぁぁぁぁっ!?」
「ぎっ‥‥! がぁぁぁっ!」
「うぅぅぅっ‥‥! あ、ぐ、あぁぁぁぁぁっ!」
そこは、さながら灼熱の世界。
壁も、地面も、空さえも真っ赤に焼け爛れた煉獄。
雨宮、シグマリル、御神楽の三人は、燃え盛る炎に全身を焼かれ、抵抗することも出来ずにのた打ち回っていた。
服などとっくに燃え落ち、皮膚が真っ黒に焼け焦げる。最早声すらもしゃがれきり、誰が誰か分からない。
地獄の釜の底でのたうつ亡者となんら区別のつかない、阿鼻叫喚の渦中‥‥!
一分か、一時間か。どれだけその煉獄に放り込まれていたのかは不明だが、不意に世界が歪んで切り替わる。
すると、三人は肉体的には一切ダメージの無い、突入前の状態となって次の地獄へと立っていた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、ま、また‥‥世界が、変わった‥‥!?」
「ど、どうやら、各地獄で受けた傷は、身体には反映されないようですが‥‥せ、精神力が‥‥!」
「今も鼻に残ってる、自分の身体が焼かれる臭い。身を焦がす炎の熱‥‥。あ、あれが仮想の出来事なんですか‥‥!? 僕には、とてもそうは‥‥!」
そう、どうやら冒険者たちは二班に分けられ、いくつかある地獄を順々に強制的に回らされているようなのだ。
すでに風が吹き荒れ、全てを切り刻む地獄を通過していたシグマリルたちは、火炎地獄を終え、今度は亡者たちがごろごろと丸い岩を転がしている地獄に飛ばされたらしい。
特に襲って来るようなことはないのだが、何故か身体が勝手に岩を転がし始め、その作業を止められない。
その岩が、また重いのだ。重い上に、どこに辿り着いたらゴールなのか、どれだけ押せば終るのか見当がつかない。
終わりの見えない不安さと、身体への負担が更に精神力を削っていく―――
「俺の天命、天意がまだあるならこんな所では死にはしない! さぁ、きやがれ! 俺は俺の業から目を背けないし逃げもしない! どうした、鷲尾天斗はまだまだ元気だぜ!」
「か、数が多いでござるよ! 琉殿、拙者たちから離れないようにお願いするでござる!」
「わかりました。この鬼たちにも、メンタルリカバーは意味がない‥‥救うことが、できない‥‥!」
針の山の地獄で体中を滅多刺しに貫かれた鷲尾たちは、今度は鬼が大量にうろついている、さながら修羅道のような闘いの地獄に飛ばされていた。
奮戦した鷲尾と久方ではあったが、如何せん敵の手数が多すぎる上に味方も少なすぎる。
回避に通じていない鷲尾が怪我を重くし、力尽きた後はもう凄惨なものだった。
流石の久方も圧倒的物量で囲まれては避けきれない。
守っていたはずの琉もろとも、体中を金棒で殴りつけられ、頭をも叩き潰された。
しかし、死ねない。たたきにされる魚の気分が痛いほど分かるくらい、意識が続いて痛みが送り込まれてくる。
そして、一定時間が過ぎると身体だけが完全回復し、また次の地獄に放り込まれるのだ。
「は、はは‥‥今度は、焦熱地獄か? なんだよ、このからっからの地面と空気は‥‥」
「あの黒いお天道様のせいでござるな‥‥。日の光という僅かな希望さえも、持たせてもらえないわけでござるか‥‥」
「このままでは‥‥気が狂うのが先か‥‥それとも、精神の死を望んでしまうのが先か‥‥」
そして、どれだけの地獄を巡ったか。
疲れきった雨宮・シグマリル・御神楽たちの前に、更なる絶望が待ち構えていた。
「そ‥‥そんな‥‥。こ、ここは、一番最初の‥‥風の地獄‥‥!? 地獄が‥‥繰り返される‥‥?」
「まさか‥‥また最初からやり直すというのか!? くそっ‥‥立町‥‥貴様への憎悪だけを生の執着にしてやる‥‥!」
「ここは立町という人物が『作った世界』であって本物の地獄ではありません。僕達は生きているし、死者ではないはず。なら、戻れるんです。どんなことを課されようとも、皆で生きて戻る‥‥! そう信じなければやっていられませんよ‥‥! シオン‥‥絶対に、君のところへ戻る‥‥!」
決して殺されないが、突破条件が皆目見当つかない地獄道。
この繰り返す悪夢に、精神の死以外の終わりはあるのか。
痛みや死は、いくら繰り返しても慣れる事はできない。
心を‥‥存在を、確実に削ってゆく―――
●明かされた真実
六人が地獄道で、文字通りの地獄巡りを強いられていたころ、外は外で厄介なお客さんがやってきていた。
それは、御神楽が危惧し、一行が備えていた相手ではあったのだが‥‥!
「ぐっ‥‥な、何‥‥!?」
「‥‥後ろか!? しかし、姿が‥‥くっ‥‥!」
洞窟の前で待機し、備えていたシオンと紅闇。
見張りを始めて役三時間後に、急に二人同時に眩暈を覚え、足元がおぼつかなくなる。
首の後ろ辺りを掴まれたような感覚があったので、背後に向って武器を振るってみるが、敵の姿も手応えもなし。
しかし、まだ首は掴まれたままだ。絶対に何かが居る‥‥!
仕方なく、二人は身体を捻り、互いの首の後ろ辺りを狙って攻撃を繰り出す。
掴まれた感覚は消えたが、相変わらず気配も姿も無い。
この脱力感‥‥精気を吸われた!?
「ククク‥‥やはり備えていたか。あの女の姿が見えんが‥‥やつは中か。修羅道か地獄道か分からんが、六道辻で死ぬのを待つまでも無い。すぐに消してやる‥‥!」
なんと、シオンたちの頭の上で何者かの声がする。
台詞の内容から、紅闇にはピンと来た。
「‥‥ちっ‥‥貴様が御神楽が言っていた十七夜とかいう黄泉将軍か‥‥!」
「その通り。ならこれも予想がつくだろう?」
次の瞬間、紅闇にライトニングサンダーボルトが直撃する。
気配は無い。姿も見えない。しかも空を飛んでいる?
吸われた精気と魔法のダメージで、手持ちのポーションだけではとっさに対応が出来ない!
右往左往しているうちにシオンにもLTBが叩き込まれ、崩れ落ちる。
すると、魔法の効果時間が切れたのか、かさかさに乾いたミイラのような妖怪‥‥黄泉将軍が姿を現した。
その手には勾玉、懐には巻物が数本。まだ空は飛んでいるからには、リトルフライも使っていたのだろう。
「か、隠身の勾玉‥‥!? それに、インビジブルのスクロールを合わせたってわけね‥‥て、手の込んだことを‥‥!」
「‥‥さ、流石は元陰陽師‥‥。巻物の仕様も朝飯前と言うわけか‥‥!」
「この勾玉に限らず、最近の人間が作り出す道具は便利よな。しかし、人間と同等の知能を持つ存在にも使えるということを念頭に置かないからこういうことになる。さて‥‥」
「ま、待ちなさい! 行かせるわけにはいかないのよ‥‥! テュール!」
「ほう‥‥見たことの無い妖怪だ。しかし」
シオンの言葉に従い、上空から急襲をかけたヒポグリフのテュールであったが、高速詠唱からの高威力LTBで撃墜。
一応、この隙にシオンと紅闇は薬で回復はしたが‥‥不利が動かない。
「‥‥魔法力を使うアイテムや術ばかり使えば、そろそろ打ち止めになる。接近戦になれば俺たちが有利だ‥‥!」
「テュール‥‥時間稼ぎみたいに使ってごめんなさい。あとでたっぷり御褒美あげるからね‥‥!」
「甘いな。陰陽師は常に準備を怠る無かれ。私が遥か昔に教わった言葉だ」
十七夜が口にしたのは、なんとソルフの実! あんなものまで持っているとは‥‥!?
「ということは、認めるわけね。あなたが六道辻を作った古の陰陽師‥‥立町だってことを!」
「ふん‥‥古い話だ。人間など、老い易く傷つき易い脆過ぎる生物だ。黄泉人はいいぞ‥‥こうして永く永く生きられる‥‥!」
「‥‥貴様が陰陽師の立町なら、何故ここに来た。ロープを使ったブービートラップを飛んで避けてきたのは分かる。そもそもここに来た理由が知りたいものだ」
「ククク‥‥時間稼ぎはそちらを不利にするだけだがな‥‥。なに、簡単な話だ。畜生道を突破したなら、残るはもういつ死んでもおかしくない難関しか残っていない。せっかく過去に封じた忌々しい魔法の武器を解放されるのも癪なことだし、あの女をこの手で殺してやるのも一興だと思ったまで。六道辻はお前たちが思っている以上に上出来な術なのだよ」
「っ! 零‥‥地獄道に屈したりしないでよね‥‥!?」
「地獄道だと? そうか‥‥修羅道を突破したとは大したものだ。そして、地獄道だから貴様らが外に居るのか‥‥チッ」
立町の言い回しが微妙におかしいと気付いたのは紅闇だった。
地獄道だから外に居る? そういえば先ほど、時間稼ぎはこちらを不利にするとも言っていた。
自分たちのことを、立町を待っていたのではないと思う理由。それは‥‥!
「‥‥シオン、やつをなんとか抑えてくれ。訳は後で話す。絶対に通すな」
「幻朧‥‥? わかった、やってみる。絶対に零たちを助けてよね‥‥!」
「‥‥自分の心配もしておけ‥‥!」
ふと、紅闇が放置してあった余りのロープを持って洞窟の中へ駆け込んでいく。
それを見た十七夜は、自らの失言にすぐに気付く!
「なっ‥‥貴様ら、地獄道の突破条件を見破っていたわけではないのか!?」
「漠然とそういう可能性もあるかな、くらいだったけどね! あなたのリアクションで確信が持てたわ! 地獄道は、外からの蜘蛛の糸‥‥助けがないと絶対に突破できない。そうでしょう!?」
「チィィィッ! 退け、女ぁぁぁっ!」
「ぐぅっ! LTB‥‥身体が‥‥痺れ‥‥! テュール‥‥幻朧‥‥!」
「‥‥酷な注文だったか‥‥! 間に合え‥‥!」
意識を持っていかれない距離からロープを投げ、一番手前に倒れていた琉の身体にロープが触れるのと、洞窟の中央辺りに倒れていた御神楽の身体にLTBが直撃したのは、ほぼ同時であった。
洞窟内にLTBのものとは違う不思議なスパークが発生し‥‥壊れた大斧の出現と同時に収まる‥‥!
「遅かったか! 武具の破壊しか出来ないとは‥‥おのれっ!」
十七夜の言動から考えると、六人は無事に戻ってくるのだろう。
それを裏付けるかのように、十七夜は洞窟を素早く出て、逃走する。
予めこの可能性を予測してロープの用意をしておかねば、六人は確実に死んでいただろう。
戻ってきた後、受けていた精神ダメージに等しい瀕死の重傷を身体も負ったので、追撃もままならない。
今、はっきりしていることは‥‥大斧『地獄道・解』が破壊されてしまった事実―――