【六道辻外伝】斧と鍛冶屋と冒険者

■シリーズシナリオ


担当:西川一純

対応レベル:11〜lv

難易度:普通

成功報酬:5 G 55 C

参加人数:8人

サポート参加人数:2人

冒険期間:02月23日〜02月28日

リプレイ公開日:2008年03月02日

●オープニング

世に星の数ほど人がいて、それぞれに人生がある。
冒険者ギルドでは、今日も今日とて人々が交錯する―――

「さて‥‥六道辻自体は完全に突破し、武具の封印は全て解除されました。あれから新たな六道が展開されたと言う話も聞きませんし、あとはコレが直れば万々歳なんですけどねぇ」
 ある日の冒険者ギルド。
 職員の西山一海は、柄が真っ二つに折れ、刃の部分にも多くのひびが入った大斧を手に溜息を吐いた。
 その斧は、彼の言葉にも出てきた『封印が解除された武具』の一つであり、遥か昔に製作された魔法の武器である。
 銘が刻まれているわけではないので、今では地獄道・解と呼称されている。
「すまないね。一応様々な方面を当たってみたのだが、結果は芳しくない」
「やっぱり、魔法の武器を修理できそうな人は早々居ませんよねぇ‥‥。出来る人は忙しくて手伝ってくれないでしょうし」
「いや、実はそうでもない。確かに魔法の武器を修理できる人間は少ないが、出来る人はわりと興味を持ってくれたよ」
 一海の隣で茶を啜っているのは、京都の何でも屋、藁木屋錬術である。
 彼は地獄道・解を修理すべく、様々な刀工を訪ねていたのだ。
 地獄道・解は、言わば時を越えた武具。
 昔の魔法武具のなりたちや製造方法などは、現代の刀工たちにも興味が無いものではない。
 しかし、いざ見てもらっても、最終的な結果はいつも同じ。
 即ち、『お手上げ』である。
「どうも現代とは製造方法が微妙に違うらしい。元々魔法武器の修理は困難な上、失われた技術が使われているのでは迂闊な手出しは出来ない。破損状況が酷すぎる、とも。よほどの天才でないと修復は無理だろう、と言われたよ」
「もしかして、正宗とか菊一文字とかの作者じゃないと無理ですか?」
「レベル的にはそうなるのだろうね。が、それほどの名工に頼むツテがない」
 一流の名工は予定が詰まっているし仕事料も高い。それに大抵は有力者の庇護を受けているから、つてがないと仕事を頼み難い。別の意味でお手上げである。
 せっかく現代に蘇った武具も、壊れていては意味が無い。
 また、形だけ直しても魔法の武器でなくなってしまっては意味が無い。
 なんとか地獄道・解のまま修理することは出来ないだろうか‥‥?
「‥‥あ。私、一人だけ可能性がありそうな人を知ってますよ」
「ほう。一海君が刀工に縁があるとはな」
「どっちかってゆーと、馬鹿と天才は紙一重の馬鹿の方ですけどね。以前、珍妙な武器ばかり作る刀工見習いの女の子が依頼を持ち込んだんですよ。名前は‥‥アリサ・シュヴェールトさんでしたっけか(『あるてぃめっと・うぇぽん?』を参照)」
「‥‥いたかね? そんな娘‥‥」
「まぁ無理も無いです。二年以上前、ちょっと関わっただけですからね。でも、かなりの問題はあれど魔法の武器が作れるみたいですし、馬鹿か天才か試すのも一興かと」
「今日は随分毒舌だな。そのアリサという娘に何かされたのかい?」
「危うく殺人犯にされかけました」
「‥‥そ、そうか。まぁ、深くは聞かないことにしよう‥‥。では私は引き続き地獄道・解の出自を調べることにするよ。その刀工の娘との繋ぎは任せていいかね?」
「りょーかいです。まぁ、期待はしないでください」
 人知を越えた術でこの世に蘇った武器‥‥大斧『地獄道・解』。
 修理には、やはり人知を越えた何かが必要となってしまうのであろうか?
 その結末は、一先ず一人の少女に委ねられることとなったらしかった―――

●今回の参加者

 ea2445 鷲尾 天斗(36歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 ea6415 紅闇 幻朧(38歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea6526 御神楽 澄華(29歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea8802 パウル・ウォグリウス(32歳・♂・ナイト・ハーフエルフ・ビザンチン帝国)
 ea9527 雨宮 零(27歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 eb0882 シオン・アークライト(23歳・♀・ナイト・ハーフエルフ・ロシア王国)
 eb5073 シグマリル(31歳・♂・カムイラメトク・パラ・蝦夷)
 ec3981 琉 瑞香(31歳・♀・僧兵・ハーフエルフ・華仙教大国)

●サポート参加者

御堂 鼎(ea2454)/ 土御門 焔(ec4427

●リプレイ本文

●修理に当たって
 某月某日、曇り。
 まだまだ寒い京都近辺の山道を歩く冒険者の一団が居た。
 彼らはとある武器の修理を依頼すべく、多数の魔法の武具を所持して鍛冶屋を訪ねようとしている。
 そう‥‥大斧『地獄道・解』。黄泉将軍にして古の陰陽師、十七夜が創造した奇術、六道辻を突破することで現世に蘇った古代武器の一つである。
 近場の鍛冶屋が総じて匙を投げたこの武器を、なんとかと天才は紙一重のなんとかの方に見せなければならないのがちょっと不安なのだが、過度な期待をせずにいたほうがいいかもしれない。
「ふむ。根本的に人を殺める目的で刀作ってないな。『なんか凄いの作ろう』という動機が先にあって、妙にズレてるタイプか」
「それでも魔法の武器を作れるって言うんだから、才能はあるんじゃない? 私はわりと好きよ、彼女が作るっていう武器」
「六道辻は全てを突破‥‥しかし、砕かれた地獄道・解の修復がならなければ、十七夜が六道辻を使ってまで封じようとしたものを解放したことになりません。かの黄泉人に完全に勝つ為に‥‥低い可能性でも勝負をかけていきませんと」
 道すがら、自然と訪問するアリサ・シュヴェールトという少女の腕や人となりに話がいく。
 パウル・ウォグリウス(ea8802)やシオン・アークライト(eb0882)の言で分かると思うが、アリサは鍛冶屋と言う心構えの時点で少々ズレているようなのだ。
 それでも、御神楽澄華(ea6526)の言うように、今は藁にもすがりたい状況なので致し方あるまい。
 しかし‥‥相手はところどころ間抜けな面があるとはいえ、常に冒険者を翻弄してきた黄泉将軍。
 この修理のための紀行が事もなしというわけにはいかなかった。
「くぁっ!? ら、雷光だと‥‥!? くっ、十七夜か!」
「射線が見えませんでしたが‥‥どこから‥‥」
「‥‥ぬかったな。山中ならば奇襲する場所に事欠かん。無論、隠れる場所もだ」
 不意にシグマリル(eb5073)を直撃したライトニングサンダーボルトの魔法。
 まだアリサが居る鍛冶場まではそこそこの距離があるというのに、何者かの襲撃に会う一行。
 敵の姿を探してキョロキョロする琉瑞香(ec3981)を引っ張り、木の陰に隠す紅闇幻朧(ea6415)。
 相手は恐らく、先にも触れた黄泉将軍、十七夜。
 今回は、身を隠しつつ遠くから魔法で狙撃するゲリラ戦法を選んだか。
「‥‥第二射がないわね。まさか一撃で手を休めるはずは‥‥くっ!?」
 多少の間があったが、言っているそばからシオンをLTBが襲う。
 どうやら移動しているらしいのだが、その姿は見えない。またインビジブルの魔法で姿を消しているのか。
「どうもまずいな。このままだとジリ貧になるぞ。かと言って距離を詰めるにもどこにいるか分からない」
「くっ‥‥相変わらず姑息な! ここは強行突破が得策かと‥‥!」
「動かなければなぶり殺しか。危険だがそれしかないか‥‥」
「‥‥追われるぞ。下手をすれば依頼終了後、アリサとかいう鍛冶屋が襲われる可能性もある」
「姿が見えないのでは、撒いたかどうかも図りかねますから、確かに危険といえば危険です」
 とはいえ、退く訳にもいかない。ただ退いては何のためにここまで足を運んだかわからくなる。
 こうなればアリサを京都に連れ帰るくらいの気概で挑むしかあるまい。
 六人は意を決し、背後から狙い撃たれるのを承知で突破を図った。
 当然、幾度となくLTBを叩き込まれる結果となったが、しばらく走るとそれもなくなった。
 上手く撒いたと思いたいところだが‥‥件の鍛冶場へ着くころには、全員かなりの手傷になっていたという―――

●鍛冶場にて
 そんなこんなで、一行は思わぬタイミングで疲弊したがなんとか到着。
 シグマリルが鍛冶場周辺を警戒したり、琉がホーリーライトで鍛冶場を照らしたりと保険をかけておく。
 先ほどまでのダメージがあるので正直しんどかったが、用心に越したことは無い。
 そして火事場に声をかけると、一人の少女がひょいっと顔を出した。
「あ、こんにちは。冒険者ギルドの職員さんからお話は伺ってます。アリサ・シュヴェールトです」
「ほう。鍛冶屋なんていう無骨な生業をしている割になかなかどうして。いい女じゃないか」
「ふえっ!? え、い、いえ、私なんてそんな‥‥て、手とかごつごつしちゃってますし、基本汚れてますし!」
「仕事に忠実っていう証拠じゃない。可愛いわね‥‥久々に女の子にときめいちゃうわ」
「お二人とも、気を許しすぎかと。その、まだ‥‥」
「お前さんの疑惑はわかってるさ。まぁ、さっき撒いたんだ‥‥先回りされていることも無いと思うが、手っ取り早くいこう」
 と、パウルが不意にアリサの背後に回り、彼女の着物をダブルアタックを使ってまでたくし上げる!
 純白の下着が日の下に晒され、眩しく反射した。
「き‥‥きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!? な、な、な、何するんですかぁぁぁっ!」
 素手でパウルをポカスカ殴ろうとするアリサの攻撃を、パウルは軍配斧で華麗に防ぐ。
「ふっ。とりあえずこの反応は本物だと思うぜ」
「思うぜ、ではありませんっ! な、な、なんという破廉恥なことをなさるのですか!」
「軽蔑します」
「ま、まぁ、下着を穿いていてよかったと言う所か‥‥」←首の後ろをトントン叩いている
「‥‥緊張感の無いことだ‥‥」
「ご、ごめんなさいね、アリサ。後できつく言っておくからそんなに怯えないで。っていうか鍛冶場の陰に隠れないで。ね?」
 涙をだぅー、と流しながら、アリサはパウルから距離を取った。
 その後も常にパウルと一番離れた席に居て、警戒し続けていたという。

●気を取り直して
「うわぁ〜‥‥凄い! こんなに魔法の武器がたくさん! ‥‥改造したい‥‥じゅるり」
「じゅるり!? っていうか改造って何!?」
「はっ。き、気にしないでください。で、私はどの武器を修理すればいいんですか? 斧だって聞いてますけど」
「‥‥これだ。この地獄道・解なんだが‥‥」
 シオンのツッコミを無視し、紅闇が壊れた大斧を床に置く。
 その周りには、冒険者が資料用にと持ってきた多数の魔法武器が置かれている。
 目を輝かせて喜ぶアリサであったが、果たして手助けとなるかどうか。
「う〜ん‥‥無理です。直せません」
「早いな!? もう少し粘ってはもらえないのか」
「だってこれ、凄く昔の武器ですよね? 構造や材料、形状なんかは現代の物とさして変わりませんけど、付与されている魔法に違いがありすぎます」
「それは承知しています。しかし、アリサさんなら何とかできるかもと聞いて来たのですが」
「いえ、あの‥‥私、ご存知の通り半人前ですし(汗)。一応魔法の武器は作れますけど、狙っては作れないんです。ですから、例え上手く修理できても、ただの大斧になっちゃう可能性のほうが高くて‥‥」
「そんな時のための俺たちだろう? お前らの持ってる武器が参考になるかも知れないな」
 パウルが促すと、御神楽、紅闇、琉、シグマリルがそれぞれ六道の武器を取り出す。
 地獄道・解と同時期に作られたこの古代武器ならば、魔法もかかっていることだし、道しるべになれるか。
「あ、もしかしてそれが六道の武器ってやつですか? わぁ、助かります! それがあれば、もしかしたら直せるかも知れません! 見せていただいていいですか?」
 そして、次々と六道の武器を受け取ってはしげしげと眺めたりこんこんと叩いてみたり、アリサは検分を開始する。
 しかし、最後の身神楽が持つ武器まで来た時‥‥。
「? あの‥‥手を離していただけないと、見れないんですけれど(汗)」
「お気になさらず。槍は長いものですから、手渡さなくても用は足りるかと」
「なんだ、まだ警戒しているのか。それならアリサを警戒するより外の警戒をしたほうが無難だろう」
「‥‥確かに。追ってきている可能性は高いからな」
「念のためです。アリサ様、お気を悪くされたのなら申し訳ありません」
「いえ、大丈夫ですよ。二つくらい見れなくても、他の三つで充分参考になりましたから。それじゃ、ちょっと道具を取ってきますから待っててくださいね」
「‥‥そうですか。それは僥倖です」
 と、部屋の隅に移動したアリサ。
 それに御神楽が畜生道・解を突き出したのと、アリサが振り返ってLTBを叩き込んだのはほぼ同時!
 お互い少なからずダメージを貰い、大きく後退する!
「何っ!?」
「どういう‥‥このアリサさんは偽物ということですか?」
「チィィッ! どうしてわかった! 私の物真似は完璧だったはずだ‥‥!」
 今までのほんわかした雰囲気をかなぐり捨てたようなアリサの言動。
 これはつまり、御神楽が危惧していたように‥‥!?
「この場には四つしか六道の武器がないのに、あなたは『二つくらい見れなくても』と言いました。つまり、六道の武器があと一つ現存していることを知っていたんです。予め記録係様に確認しておきました。アリサ様は六道辻の一件を殆ど知らないはずだ、と」
「あのミイラが女の子を演じて‥‥うわ、ときめいちゃった私、馬鹿みたいじゃないの(汗)」
「あの黄色い悲鳴も演技か。すごいを通り越して気色が悪いな」
「ぬかせ! 女‥‥またしても借りが増えたな!」
「正直に言えば私のほうがよほど借りを作っているのですが‥‥その借り、ここでお返ししましょうか?」
「できるかな? アリサとか言う娘はまだ死んではいないが、手当てをしなければ後数時間で死ぬぞ。そら、母屋で倒れたままになっているんだが‥‥助けに行かなくていいのか?」
「‥‥貴様を倒してからそうさせてもらおう」
「お待ちください。また例の幻惑の術か何かで時間を稼がれても困ります。ここは素直に見過ごしましょう」
「人命第一ね。次に会ったらアリサの分もただじゃおかないわ‥‥!」
「ふん。途中で襲撃してやれば警戒を解くと思ったものを‥‥!」
 インビジブルとリトルフライを併用し、山へと消える十七夜。
 本物のアリサを保護した一行は、すぐに京都へと引き返したのであった―――

●倭国
「しかし、この京都とその周辺はホントに黄泉人との関連が強いなぁ‥‥」
「黄泉人たちの拠点、大和地方と近いですからね。昔から争いが絶えなかったんでしょう」
「黄泉大神‥‥大和地方、飛鳥の地と石舞台‥‥黄泉女神と八百比丘尼‥‥それらと倭国大乱には何か関連があるのか?」
「資料によれば、黄泉人とは元々は神と崇められていた一族だったのだとか。物部氏と協力体制にあった彼らは、魔法武器の発達や精霊魔法術士、陰陽師の台頭により立場を揺るがされ、最終的には封印されたとか‥‥」
 ここは京都、陰陽寮。
 大量の本を前に、藁木屋錬術の調査の手伝いをしているのは、鷲尾天斗(ea2445)と雨宮零(ea9527)の二人である。
 新撰組一番隊組長代理の鷲尾が一緒なので、資料提供には問題ないが、如何せんその数は膨大。
 依頼初日からキバッてはいるが、結局黄泉人との過去のやり取りなどを知るくらいしかできていない。
 しかし、目下の敵は十七夜という黄泉将軍。黄泉人の項を掘り下げれば、あるいは‥‥。
「なるほど‥‥昔は今ほど魔法の武器が流通していなかったんでしょうね。だから、黄泉人に傷を与えられる装備が少なく、人々は恐れながらも黄泉人と表面上仲良くしていた‥‥」
「しかし、六道の武器をはじめ、魔法の武器がそこそこ作られるようになったから争いになった。黄泉人からしてみれば、自分たちを傷つけられる装備なんてあられちゃ困るから、少しでも数を減らしたかったってわけだ」
「丁度、六道辻は難攻不落の自信がある力作。罠にする意味も込めて封印と言う形にした‥‥」
「元々、黄泉人は個々が強力でも数がそんなに多くないようですしね」
「それじゃあなんだ。黄泉大神が倒された以上、黄泉人の戦力はもう大して残ってないんじゃないのか?」
「いや、それはありますまい。黄泉女神等の記述もあることですし、日本各地に大和のような黄泉人の集落があるのでしょう。そして、その黄泉人全てを統括するのが黄泉女神‥‥」
「資料を読む限りでは、とりあえずの可能性があるのは‥‥出雲と、恐山辺りでしょうか」
「ふーむ。こりゃ、大和の残党黄泉人が出雲辺りに増援要請でも出しそうな雰囲気だなぁ」
「そ、そんな縁起でもない‥‥」
「いや、ありえない話ではないさ。十七夜といい、比良坂冷凍といい、大和の黄泉人勢力の一端が丹波で活動しているのは、出雲に近いからかも知れない」
「‥‥なんだか、六道辻関連のことはさっぱり分からないのに、黄泉人のことばかり知識が豊富に‥‥(汗)」
「知名度の違いだろうね。黄泉人については、日本を揺るがす大事件だったのだろうから」
「もしそれが、現代に蘇ったら‥‥か。ハ、乾かず飢えず無に帰してやりたいところだ」
「‥‥ん? ちょっと待ってください、これ十七夜のことじゃありませんか!?」
 ふと、雨宮が手にしていた資料に、よく知った黄泉人と思わしき記述を見つけた。
 幻術を得意とし、既存の術とは違う正体不明の術も使う黄泉将軍。
 かの者の仕業と思わしき暗殺が、過去に幾度となく行われていたと言う。
 本来黄泉人が使えるはずのない魔法を習得している、人類にとって恐るべき敵であったと書いてある。
 しかし、当然ながら弱点などは書いていない。
「ふむふむ‥‥これは面白そうだな。もういっぺんくらい調べに来るべきかなぁ」
 果たして、今から黄泉人勢力の復興などありえるのか。
 そして、助け出されたアリサと、地獄道・解の修理の行方は。
 どうやら、もう一度くらいはこの一件は続きそうである―――