黒き死天使2〜フェール奪還
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■シリーズシナリオ
担当:立川司郎
対応レベル:8〜14lv
難易度:やや難
成功報酬:4 G 98 C
参加人数:8人
サポート参加人数:3人
冒険期間:10月20日〜10月25日
リプレイ公開日:2005年10月29日
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●オープニング
シャンティイ領地にある、砦の明け渡しを要求する。
レイモンドからの書状を、アルジャンエール隊長のラッシャはすう、と蝋燭へと近づけた。燃えていく手紙を薄く笑いながら見つめるラッシャを、横から無表情のままフェールが見ている。
「いよいよメテオールのお出でか。これだけの人数で砦を占拠すれば、いずれレイモンドが出てくるとは思っていたけど‥‥意外に早かったね」
「‥‥作戦は‥‥」
フェールが聞くと、ラッシャはふり返った。
既に、イングリートの指示により兵は増員されている。メテオールが現在動かせる兵員を考えれば、まずこちらが有利に運ぶであろう。
「クレルモンでの戴冠式を控え、レイモンドは戦地に赴く事が出来ない。領地の警備も考えると、動かせるのはメテオールを含めて3割だ」
おまけに、クレルモン騎士の参加数に限りがある。クレイユは騎士を抱えていない‥‥となると益々負ける要素は無い。
フェールの顔にそっと手をやる、ラッシャ。
「期待しているよ‥‥」
君が完全に自分を失う時‥‥悪魔の媚薬から解放され、君は本当の意味で悪魔の使徒になるのだから。
シャンティイ城内には、既に人が集結していた。
今回の作戦にあたって、メテオール及び各騎士は隊長であるデジェル・マッシュが指揮をとる事になっている。別働隊が二隊、ギルドの依頼で派遣される。
うち一隊は、ガスパー指揮下だ。
今回は砦攻めにもかかわらず、既に兵の数で劣っていた。
レイモンドは地図を出して、静かな口調で説明をはじめる。
「周囲は森に囲まれています。入り口は南北一つずつ、ただし砦は占拠したばかりで、まだ住める状態にはありません。砦に籠もって籠城戦をする事は、まず無いでしょう」
相手は。
「作戦はまた詰めていきましょう」
「何か策でも?」
「そうですね‥‥たとえ勝っても、こちらの兵力を減らされれば、今後大きく戦力を削がれる事になります。一つは、相手を砦に押し込めて一気に殲滅する方法。もう一つは‥‥追い出してから殲滅する方法ですね」
レイモンドが語る作戦のうちの一つは、砦の耐久度に目をつけたものだった。
「長い間手が加えられず、オークの巣になっていた砦です。耐久度は低くなっているでしょう。相手を押し込めておいて壁を崩せば、投石と同様の効果が得られます」
それだけの魔法を使う魔法使いが居る事が前提だが。レイモンドは、一つため息をついて視線をあげた。
「‥‥この作戦には、それだけの魔法を使う者が居る事が前提ですが‥‥最悪、あれを呼ぶしか無いですねえ‥‥」
「アッシュですか」
「あまり彼を公務で利用したくは無いのですがね。‥‥もう一つの作戦は、森に火を放つ方法です。風上から火を放ち、砦から彼らを追い出します。風下に騎士団を配置し、火を放つ任務と逃走路での挟撃はギルドの隊に任せます」
それ以外に良い案があれば、それを使いましょう。
レイモンドは背筋を伸ばして、皆を見まわす。
「私は参戦出来ませんが‥‥デジェル、信用してますよ」
「かしこまりました」
「‥‥どうですか?」
どう‥‥と言われても。
ガスパーは笑いながら頭を掻いた。いつもガスパーは、少し悲しそうな顔で笑う。
「フェールを救出するなら、今しかありませんよ。ギルドからもう一隊を要請したのは、あなた方のフォローをさせる為でもあるのですから。あなたは彼らが崩れた後、別働隊のフォローを受けてフェールを奪還してください」
彼が人間と戦う事を恐れているのは、レイモンドにもよく分かっている。しかし、もしフェールを連れ戻すとなれば、戦いは避けられない。弟との戦いが。
ガスパーは、戦えるのか、弟と‥‥。
「生きて戻りなさい、ガスパー‥‥あなたの死期は、今ではありませんよ」
「‥‥そうですねえ‥‥」
視線を逸らし、ガスパーが小さな声で答えた。
それから、ルー“狼”の剣にそっと手を添える。
「それも‥‥コイツ次第ですかね」
こいつが死ねというなら、俺の命も‥‥。
すう、とガスパーは目を細めた。
●リプレイ本文
パリギルドからガスパー支援組が到着した頃、既にシャンティイ騎士団メテオールは配置についていた。
レイモンドをクレルモンまで送り届けたばかりのメテオールは、彼が戴冠式のためにクレルモン城に到着するのを見届けると、即座に砦へと向かった。
メテオールが五十名、その他騎士隊が二十名。加えて、アッシュが手を貸すギルド隊が十名居る。こちらからは、三名敵陣を縫って報告に来る事になっている。
むこうのギルド隊に知り合いが居るマリーは、彼らと待ち合わせて事前に作戦を聞いていた。
「あちらの報告では、火を放つ事になったそうです。北側から火を放ち、砦を挟んで南側に追い込む作戦だそうです」
南側にはスクロールで迷いの森を二つ造りだし、追い込む。
「よくあちらの作戦を聞いておかなければ、こちらがあちらの罠にかかってしまう事になります」
白い鎧とローブを身につけ、ショウゴ・クレナイ(ea8247)がマリーに言った。
一足先に様子を見てきたトール・ウッド(ea1919)によれば、彼らは北側の街道を封鎖する準備をしていたようである。
「それで‥‥どうしますか?」
ショウゴが、不安そうに皆を見まわす。
このまま突っ込んでも勝てやしない、とは何度もガスパーが言っている。
「ラッシャとフェール‥‥わたくし達は揃ってフェール殿救出に全力を挙げるべきかと考えます。そのため、ラッシャを引き離す事を考えた方がいいかと存じます。彼が側に居ると、フェール殿の洗脳も解けにくいでしょう」
「でも、あっちの班は火を放つんでしょう? そんな中であの二人を見つけられるでしょうか‥‥」
前回森で迷っているアルル・ベルティーノ(ea4470)は、ただでさえ迷いやすい森の中でラッシャとフェールを見つける事に不安があるようだ。
一応森は一通り歩いたとはいえ、知った森ではない場所のこと‥‥アルルも、もちろん森に慣れたエルフであるムーンリーズ・ノインレーヴェ(ea1241)とて、確実とは言い切れない。
するとムーンリーズは、バックパックを探ってスクロールを引っ張り出した。
前回の失策がある為、今回はムーンリーズも準備は念入りに行ってきた。
「テレスコープのスクロールがあります。移動の際には誰かに付き添ってもらう必要がありますが、これを使えばある程度発見が楽になると思いますが? どこか見渡せる場所でもあれば、なおいいのですが」
見渡せる場所が無いのは、前回トールが確認済みだ。
だが一人より二人。ムーンリーズは、アルルの協力を得てフェールとラッシャの発見に専念する事にした。
ガスパーはそれでも、まだ不安が残る様子だ。キサラ・ブレンファード(ea5796)は彼の様子を見て、口を開く。
「ラッシャとフェール、撤退するにしろ騎士を何人か連れているはずだ。気は抜かない方がいい」
「ガスパー殿。目的を果たさずして死を選ぶは逃避也」
「分かってるさ。俺だって死にたかねえよ」
フランシア・ド・フルール(ea3047)に、ガスパーが答えた。
探すだけなら、アルルが持っているインビジブルとリトルフライを使えば良かったんじゃないか、と後から思ったガスパーの意見はさておき。
メテオール本隊の攻撃が、ついに始まった。
こちら側が七十名に対し、アルジャンエール百名。砦の南側、メテオールに向けて騎士を配置し、砦の中と騎士の後ろから魔法隊が雷と真空刃をメテオールに向け、寄せ付けない。
騎馬で一気に間を詰めると、とたんに乱戦状態となった。
ここからでは戦況がよく見えないが、まだ砦に居るアルジャンエールには余裕があるように思われる。
ムーンリーズは、砦を挟んだ北側に目を向ける。
「火を放ったようですね。微かに火が見えます」
彼が差した方を、アルルも確認する。確かに何かちらちらと燃えるものが見えた。
ふ、とマリー・アマリリス(ea4526)が視線を戦地の方に向ける。木々の影から駆けつける影に、手を振る。
伝令に来たウリエルはこちらに気づくと、真っ直ぐに駆けつけて馬から飛び降りた。岬は韋駄天の草履で、ウリエルの肩に捕まっていたセルミィは、ふわりと羽を広げて飛ぶ。
「もう火が回って来ています。あちらにアッシュ様がいらしていて、火を広げるのを手伝ってくれているんですよ」
「南側に森を二つ配置している。途中には罠を設置し、その端で青い鉢巻きをした仲間が戦ってる。目印にしてくれ」
岬が伝えると、ウリエルがガスパーをすう、と見た。
「フェールさんは‥‥頼む」
ひょいとガスパーは手を挙げ、答える。
それから、静かに自分の剣を見つめた。
燃え広がった火は、風に乗って北側から南方向へと移っていく。更に、西側を封鎖するように火を放っていく。
このまま西側と北側を封鎖し、ラッシャとフェールを東側へ、あとの本隊を南側で待ち受けて迎撃する。
「デジェル、これ位で十分ですか?」
本隊に戻ってきたアッシュが、メテオールのデジェルに聞いた。顔にはうっすら微笑が混じっている。デジェルはいつものようにむっつりした顔で、ちらりと前方を見る。
「‥‥悪魔め、少しはレイモンド様の恩義に答えたらどうだ」
「私は悪魔ほど純粋ではありませんから‥‥終わった頃、火を消しに戻ってきますから。それでは失礼」
背を向けたアッシュの後ろに燃え広がる炎。じりじりと広がり、全てを飲み込んでいく。
砦を盾にして戦っていたアルジャンエールも、それに飲まれつつあった。むろん、砦内部に居たラッシャとフェールも‥‥。
フェールは北側を窓から確認すると、ラッシャの所へと戻った。
「隊長‥‥北側が封鎖されています。火も強い」
「メテオールの兵力さえ削げばと思っていたが‥‥レイモンド。やはりもう‥‥」
ラッシャは目を細めて戦況を眺めると、すうとフェールに向き直った。
「ルー、支度をなさい」
こくり、とフェールが頷いた。
くぐり抜けて来たのは、六名‥‥。
ラッシャは背後をふり返ると、呟いた。なるほど、迷いの森を使うとは随分と念を入れたものだ。
ラッシャはくすりと笑うと、正面を見据えた。
「‥‥さて、そろそろ鎖を解いてもいいようだね」
ラッシャの言葉に対し、無言でトールが突きかかった。ラッシャを守るように、騎士がトールの前に立ちふさがる。
「退け!」
さすがにトールとて、二人を相手にすると手数が足りない。フェールは視界の端で、ぼんやりとラッシャを見上げている。すぐ隣で、別の騎士と剣を交え出したレムリィ・リセルナート(ea6870)の動きにも反応しない。
フェールが側に居るかぎり、ラッシャを狙う事が出来ない。後方に立って居たムーンリーズは、フェールの後ろをかすめるようにして、騎士を狙った。
雷が地を這い、二人程なぎ倒す。
「ルー、片づけなさい」
ラッシャは静かな口調で言うと、ムーンリーズに手をかざした。黒い光がムーンリーズに叩き込まれる。衝撃で地面に叩き付けられたムーンリーズの耳に、ガスパーの声が聞こえる。
「おい、立て!」
ぐいとムーンリーズを掴むと、ガスパーが剣を抜いて身を寄せた。マリーがすぐさま、傷の治癒にかかる。ラッシャは、立て続けにトールへ攻撃の手を差し向けていた。
「兄ちゃん、お前はレムリィとトールで周りの連中を片づけろ!」
ガスパーはムーンリーズに言い残すと、フェールを見据えた。
マリーが叫ぶ。一瞬迷いを見せたが、ガスパーは斬りかかった。ガスパーの剣をフェールはするりと避け、腰の刀を抜き放つ。
「フェールさん!」
マリーが声をあげた。
きいん、と金属音が響く。トールの鎧を何かがかすめた。少しだけ眉をぴくりとつり上げ、キサラが剣を抜く。思ったより傷が深かったようだ。力を入れすぎたか?
「ええと‥‥こういう場合はどうするんですか?」
ちょっと困ったように、アルルが聞いた。アルルが呼びに言っている間に、状況は変化していた。
せっかく頑張ってラッシャにミミクリーで変装しようとしたショウゴだったが、ラッシャとフェールが同行していてはフェールだけを連れ去るのはちょっと無理がある。
加えて、キサラとフランシアが現れては‥‥。
その上、本人を実際に確認していないショウゴでは、変装もややアヤシイ。
あっ、とアルルが悲鳴を上げると同時に、ショウゴはふり返って剣を構えた。受け止めきれずに、剣が肩に食い込む。
アルルはわたわたとスクロールを取り出そうとしているが、その間にもじりじりと敵の手は迫っていた。
いつの間にか、ショウゴとアルルも四人に囲まれていた。
アルルがスクロールを握りしめて、ショウゴの後ろに立つ。
「ええと‥‥こういう場合はどうしましょう?」
「‥‥とりあえず、皆と合流する‥‥ですか?」
苦笑まじりで、ショウゴが答えた。
剣で押し返されたトールから視線を逸らさず、キサラが声をあげた。
「‥‥早くしろ!」
「ここはひとまず、お引きになるのが策かと。ラッシャ様、お助け致しましょう」
フランシアがラッシャに言った。
信仰を同じくする兄弟を救うは、主の御心に叶うこと‥‥。
だがくくっ、とラッシャは笑った。
「それは必要無いようだ。‥‥運命や偶然を信じるほど神に信心深くはなくてね」
それほど容易くは無いと思ったが‥‥。
フランシアは、小さく何かを呟くと、手をフェールへとかざした。しかしそれは瞬時に破られる。
それには構わず、フェールは身を転じてガスパーに刀を叩き付けた。
フェールを拘束しようとしたマリーの詠唱も虚しく、刀がガスパーを切り裂く。キサラはぴくりとそれに反応するも、じり、とフランシアの方へと後退する。
「ちっ‥‥俺しか居ないのか!」
トールは立ち上がり、槍をラッシャの方へと構えた。
崩れるガスパーに一瞥も返さず、フェールが姿勢を低くする。その視線は、ムーンリーズとぴたりと合っていた。
フェールを狙うか、それとも‥‥。
トールはラッシャと、キサラはフランシアを守っている。フランシアは何かを取りだしていた。そしてマリーは、ガスパーに駆け寄り、傷に手をかざす。
ムーンリーズとフェールのあいだに割って入ったのは、騎士達を阻止していたレムリィだった。
左手の十手で刀を受け止め、ぎりぎりと押し返す。
「‥‥ちょっと‥‥やっぱり‥‥結構大変‥‥かも」
十手を流し、右手に握っていた剣を突きつけるレムリィ。しかしその一閃はフェールの体を切り裂く事は無く、かわりにフェールの一撃が体をかすめるようにして食い込んだ。
「く‥‥うっ‥‥」
膝から力が抜け、地に膝を付いたレムリィを、フェールが見下ろす。
フェールにかざしたムーンリーズの手を掴み、マリーが声を上げた。同時に、フランシアの声が響く。
「フェール殿!」
フェールがフランシアをふり返る。
フランシアの手の中にあったのは、枯れ草‥‥。ただの枯れ草。しかしそれはマリーから預かった、フェールにとって重要なモノ。
「フェール殿、これが何かわかりますか?」
「主!」
ラッシャが再度攻撃を加えようとしているのに気づき、キサラが前に立ちふさがる。トールの槍が風を斬り、ラッシャを阻止しようとした。
その槍の前に、ラッシャを守るべく騎士が盾を構える。
「ラッシャ様‥‥撤退の時期です」
騎士が言うと、ラッシャは肩に手をやった。したたる血を押さえ、静かに詠唱する。
やがて手を離すと、フェールの方へ声をかけた。
「ルー! ‥‥あなたの教育係は僕では無い。シシリーだという事を、忘れて無いかい?」
「‥‥シシリー‥‥」
「君を連れて帰らなかったら、奴はどんなに怒るだろうね」
ずる、とガスパーが立ち上がった。フェールがガスパーを見返す。刀を構え、ガスパーに向かうフェール。ラッシャは、騎士二人に連れられてじりじりと撤退しつつあった。
この瞬間を、ムーンリーズは見逃さなかった。
瞬間、雷を放つ。
雷が轟き、ラッシャを、側に居た騎士を巻き込む。
ふり返ったフェールに、ガスパーが組み付いた。
「‥‥今だ、マリー!」
マリーが魔法を放つ。ガスパーに組み付かれたフェールの動きが止まる。
足取りをふらつかせながら、ガスパーはフェールを肩に抱え上げた。
「行くぞ‥‥もし側に神父やシシリーが居たら‥‥俺たちゃ皆殺しだ‥‥」
「ガスパー! こいつはどうする」
トールがラッシャを指さすと、ガスパーは首を振った。
戦地を脱出した頃、皆体力も精神力もすっかり使い果たしていた。
荷物を探って薬を出す間もなく、ムーンリーズの手にソルフの実が乗っている。
馬車の中でじっと自分の手を見つめ、彼は外に視線を向けた。先ほどまで暴れていたフェールは、今はトールが気絶させて、大人しく眠っている。
フランシアによると、彼はシャンティイ大聖堂に運ばれるらしい。本当はアブリテの教会に収容しようとしたが、やはり危険が伴う為、シャンティイに運ぶ事になったらしい。
側で彼を見張りながら、レムリィがガスパーに声をかけた。
また、死に損なったな。ガスパーが先ほど、そう呟いていたのを聞いた。
「‥‥あのさ、なんでその剣を捨てないの? そんな恐ろしいもの、継がなきゃいいのに」
「この剣は必要なものだ。‥‥って聞いている。まあ、俺達ゃ生け贄って所かねえ」
「生け贄なんですか?」
驚いたようにマリーが声をあげた。
「いや、まあたとえばの話だ」
ガスパーは苦笑して、剣を見つめた。
「嫌でもなんでも、その古びた使命の為に、くそ長い間‥‥うちの血縁が死に続けたんだ。今止めたら、それまでの奴らの人生‥‥なんだったのか考えちまうんだ。それに、捨てたら呪われるかもしれんし」
ふ、とガスパーは笑って言った。
すう、とフェールが目を薄く開ける。
シャンティイに付きますよ、と御者席に居たショウゴの声が聞こえた。
(担当:立川司郎)