ギルフォードの迷宮2:調査隊救出!

■シリーズシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:2〜6lv

難易度:普通

成功報酬:2 G 3 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:11月09日〜11月14日

リプレイ公開日:2004年11月10日

●オープニング

 キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
 領主、紅茶男爵本邸の庭に出現した謎の穴から、ズゥンビコボルトの大群が這い出してきたのを冒険者達の助力を得て殲滅したのは記憶に新しい。
 現在、バリケードを築いて封鎖されている。

 穴の下には一体何があるのか?
 紅茶男爵の指示でギルフォードの文献を調べてはみたものの、地下に何かがあるといった記述は一切発見することができなかった。
「男爵様。文献の方からは何も情報は得られなかったとのことです」
「そうか。街の方はどうだ?」
「街には被害は出ておりません。御安心下さいませ」
 執事の報告を受ける紅茶男爵。
「しかし、このまま封鎖しただけで事なきを得られるとは限らんな‥‥。念のため、地下の調査をしておくように」

 紅茶男爵の指示で衛兵から調査隊を数名選抜して、穴から地下を調査させたところ。
 地震でできたと思われる亀裂を進むと、明らかに人工的な部屋の一角へと到達したのだ。
 部屋にはズゥンビコボルトは残っていなかったが、さらにどこかへと続く通路があった。
 調査隊は一度報告に戻り、装備を調えてから再調査に向かった。
 通路の先は入り組んだ迷路のようになっていた。
「いったいなんだここは。遺跡か何かか?」
 調査隊は分かれ道の壁に印をつけ、先へ進んだ矢先だった。
 もう一方の道から、ズルズルと引きずるような足音のようなものが聞こえたかと思うと、ズゥンビが迫ってくるではないか! しかも、普通のズゥンビでは無さそうだ。
 調査隊は交戦を試みるも、勝てないと判断し、やむなく通路を進んで逃げる。その先にあった扉に逃げ込んだとき、何かの仕掛けが作動する音がした。

「何? 調査隊が戻ってこないだと!?」
「無理はせず、何かあれば報告に戻るよう言ってあったのですが‥‥」
「いったい、あそこには何があると言うのだ‥‥やはり彼らを、冒険者達を呼ぶしかあるまいな」
 紅茶男爵は、再び冒険者達に依頼を出すのだった。

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? 急ぎの依頼があるんだが引き受けてくれないか?」
 冒険者ギルドのおやっさんが依頼人を紹介する。
 依頼人は紅茶男爵の使いだと名乗り、庭の穴へと向かった調査隊が消息を絶った経緯を説明する。
「調査隊は充分な装備を持っているので、何らかの理由で戻れないだけならば、きっと生き延びて救助を待っているはずとのことです。すでに亡くなられていた場合は、遺品の回収と死因の調査をお願いします。
 この依頼は、先日の依頼を引き受けて頂いた冒険者に依頼するよう仰せつかっておりますが、都合がつかない場合は他の冒険者にも依頼するよう言われております。
 ギルフォードまでは二日もあれば到着できます。食料は用意してありますのでお持ちになって下さい」
 こうして、新たな依頼を受けた冒険者達。
 ギルフォードの地下に眠るもの。それが何か、少しずつ見え始めていた。

●今回の参加者

 ea0021 マナウス・ドラッケン(25歳・♂・ナイト・エルフ・イギリス王国)
 ea0337 フィルト・ロードワード(36歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea0356 レフェツィア・セヴェナ(22歳・♀・クレリック・エルフ・フランク王国)
 ea0640 グラディ・アトール(28歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea0974 ミル・ファウ(18歳・♀・バード・シフール・イギリス王国)
 ea1402 マリー・エルリック(29歳・♀・クレリック・パラ・イギリス王国)
 ea3117 九重 玉藻(36歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea5592 イフェリア・エルトランス(31歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)

●リプレイ本文

 ギルフォードの紅茶男爵本邸へとやってきた冒険者達。
「‥‥念のためロープと縄梯子準備しとくか」
 装備を確認しているファイターのマナウス・ドラッケン(ea0021)。
 紅茶男爵に挨拶を済ませると、早速穴へと降りる。
「前回の依頼の時から、この穴の奥に何かの謎が隠されていると思っていた‥‥」
 呟くナイトのグラディ・アトール(ea0640)。
 冒険者の勘が告げている。ここは古代の遺跡ではないか、と。
「生存の可能性があるなら少しでも早く救出する必要があるわね。自力での脱出が不可能なら精神的にもかなり負担のはずよ」
 調査隊の生存を祈るようにレンジャーのイフェリア・エルトランス(ea5592)。
「うーむ‥‥謎の穴で消息を絶つ‥‥かぁ、何処か崩れたりして落ちたのかな?」
 ランタンで照らしてみるマナウス。
 通ってきた亀裂とは裏腹に、この遺跡の造りはしっかりしているようだ。
 隊列を組み、調査隊の残した印を追うように通路へと進み始める冒険者達。
 そこは、遺跡は遺跡でも迷宮と称される複雑に入り組んだ構造物であった。
「僕はこういうのは嫌いなんだけどな‥‥」
 実は極度の方向音痴なグラディ。少し不安そうに分かれ道を覗いている。
「迷宮内でのトラップの発見と解除が私の主な役割ね」
 先頭を進むイフェリア。ランタンで周囲を照らしながらトラップに対応できるようにしておく。匂いなどにも注意する。
「ギルフォードの文献にこの迷宮の事が何も残ってなかったって事は、少なくとも文献を纏め出すよりか、ギルフォードの街そのものより古い遺跡‥‥って事かな。いつ頃作られたのか、見当も付かないね」
 イフェリアと並んで先頭を行くバードのミル・ファウ(ea0974)。主に調査隊の痕跡を探しつつ、敵の接近を警戒している。
「この地下を色々と調べてみたい気はするが、それどころではない。好奇心はネコを死なせると言うしな」
 戦闘になれば、すぐに前衛を入れ替われる位置に続くナイトのフィルト・ロードワード(ea0337)。探索は専門家に任せて、敵の接近や仲間の体調などに気を配っている。
 その隣には同じ理由でグラディ。いつも以上に慎重に行動している。
 そして照明係を担当するマナウス。優良聴覚を活かして音に注意を払っている。
「‥‥注意して、探さなくてはなりませんね‥‥」
 中衛として、前後にいつでも魔法で支援を出来るようにしているクレリックのマリー・エルリック(ea1402)。無表情で不思議な雰囲気を持った少女である。隠密スキルも修得しており、罠などにも注意を向けている。
(「転ばないようにも気を付けなくちゃ」)
 同じく中衛に位置するクレリックのレフェツィア・セヴェナ(ea0356)。仲間達からはレツィアと愛称で呼ばれている。
 最後尾を担当する忍者の九重玉藻(ea3117)。奇襲を受けないように背後に気をつけて進んでいる。同時に壁などにも注意を払い何か変わったものがないか調査する。

 時々休憩を取り、皆の意見をあわせて迷宮の地図を筆記用具で書いていくマナウス。
「下手にいじって罠を発動させては元も子もないが、気になるものは書きとめておこう」
 気付いたことを意見として出しつつフィルト。
「結構大規模な迷宮のようね。研究や財宝を守る、何かを封印する‥‥構造からこの迷宮が何のために建造されたのか推測できないかしら」
 調査隊以外の痕跡なども注意深く観察するイフェリア。
 迷宮は明らかに侵入者を嫌った造りになっていた。
 そして、通路に戦闘の痕跡を発見!
 別方向から来る引きずったような足跡、血痕、それらは奥へと続いている。
 警戒心を強めつつ、先へ進む冒険者達。
 呻き声と壁を掻きむしるような音。直感的に人の発してる音ではないと分かる。
 隊列を戦闘フォーメーションに移行させ、フィルトは『オーラパワー』を自らと仲間達に掛ける。
「頑張れ‥‥負けるな‥‥力の限り‥‥」
 『グットラック』をかけておくマリー。
 慎重に進む冒険者達の前に現れたのは、袋小路にたむろするズゥンビであった。
 それも、ゴブリン戦士やホブゴブリン戦士がズゥンビ化したもののようだった。
「またズゥンビか‥‥」
 ノーマルソードとライトシールドを構えるグラディ。
「このズゥンビはゴブリンとホブゴブリンの戦士なんだね。どれだけの種類のズゥンビがいるんだろう? 誰がこんなコトしたのかな‥‥」
 身構えるレツィア。アンデッドについては解明されていないことが多い。
「腐っても敵は戦士級、まともに戦うと下手に消耗するのは目に見えている。ここは接近戦と弓と魔法とで連携して着実に倒す」
 ロングソードを構えるフィルト。
 戦闘開始!
「お行きなさい! エリザベス!」
 玉藻の『大ガマの術』で、煙と共に大ガマのエリザベスが出現する!
 戦闘で大暴れしても崩れる心配は無さそうである。
 呻き声を上げながら襲いかかってくるズゥンビ。
「私は直接戦うのは苦手だから、その他の場所で働かないとね」
 囮役として回避に専念しつつ、ズゥンビの攻撃を撹乱するミル。
 シルバーダガーによる『カウンターアタック』を主体として戦うマナウス。見事な足捌きで回避すると、遠心力を込めてカウンターを叩き込む。
「ふう、狭い迷宮内で耐久力の高いズゥンビが相手‥‥弓兵の私とは相性が悪いわね」
 ランタンを腰に下げるイフェリア。ロングボウを構えると、射線が通った瞬間を見逃さず『シューティングPAEX』で射抜く!
 剣と『オーラショット』を使い分けて戦うグラディ。
 と、そこへ。
「救助隊か!? 何か仕掛けが作動したのか部屋に閉じこめられてしまったんだ!」
 戦闘の音を聞きつけたのか、壁の向こう側から声が聞こえてくる!
 調査隊がこの先にいる。生き延びていたのだ!
「‥‥絶対に助けるんだ。そのために来たんだ‥‥」
 ゴブリン戦士ズゥンビを睨み付けるグラディ。
「ちいっ。お前ら邪魔だ! そこを退けぇぇぇぇぇぇ!!」
 フィルトが道を切り開こうと『チャージング』を仕掛ける!
 エリザベスの背後から手裏剣を投擲して援護する玉藻。
「いい加減しつこいんだよ!」
 何度も斬りつけるグラディ。なかなか倒れないズゥンビ。しつこさには定評がある。
「神の力の元に‥‥朽ちよ‥‥」
 前衛にガードして貰える位置で『ピュアリファイ』を発動させるマリー。それがトドメとなったのか、ゴブリン戦士ズゥンビが消滅する。
 冒険者達も無傷ではないが、レツィアとマリーの『リカバー』ですぐさま回復することで、少しずつ有利に戦闘を展開させていた。
 念のため、後方に移動して後方の警戒に移行しているミル。
「罪業はこの手に、刃を振るう俺が担う。故に速やかに逝け、安らかに」
 最後のホブゴブリン戦士ズゥンビを『カウンターアタック』で仕留めるマナウス。
「前に出てきたのはコボルトのズゥンビで今度はゴブリンにホブゴブリン‥‥。なんで、こんな所に入ってたのかな?」
 首を傾げるミル。だが、その答えを知る者はいない。

 ズゥンビを全滅させ、壁の向こうに声を掛ける。
「さっきも言ったとおり、部屋に閉じこめられているんだ。怪我人もいる。そちらから開けられないだろうか?」
 そう声が返ってくる。
 一見すると普通の壁だが、探索の結果、玉藻が開閉スイッチらしきものを発見。
 それを作動させると、壁が持ち上がって通路が出現する。
 部屋には怪我人を含む調査隊の面々。口々に救助に来た冒険者達に礼を述べる。
「神の名において‥‥今‥‥奇跡の力を‥‥リカバー」
 怪我人には、マリーとレツィアが『リカバー』を掛けていく。フィルトも傷を見て応急手当てを手伝っている。リカバーポーションの提供を惜しまないグラディだったが、魔法と手当てだけで調査隊は全員回復する事が出来た。
 その間に調査隊の居た場所もトラップの類に気を付けながら調べておく玉藻。どうやら、侵入者を閉じこめるための罠の部屋のようである。
「この迷宮で何か変わったものはなかった?」
「我々には何もわからなかったよ。ただ漠然とだが、この遺跡は広いな‥‥という事くらいだろうか」
 玉藻に尋ねられ、調査隊のリーダーらしき男が答える。
 自分の書いた地図と調査隊の書いた地図を照合しておくマナウス。
 その地図には、先の分からぬ多くの枝道が残されている。

 警戒を怠ることなく、冒険者達と調査隊は帰路に着く。
 そして無事、全員生還することが出来たのだった。
「ああ、太陽だ‥‥有り難う。本当に有り難う‥‥」
 調査隊にとっては数日ぶりの太陽の光である。お互いの無事を喜び、何度も感謝の言葉を述べる。
 紅茶男爵に報告をする冒険者達。
「調査隊諸君、生還おめでとう。冒険者諸君には、我が輩からも礼を言わせてもらおう」
 頭を下げる紅茶男爵。
「迷宮の探索なんかは衛兵より経験のある冒険者を最初から雇うべきね」
 そう進言するイフェリア。
「まったくもってその通りだな。まさか迷宮が眠っていようとは思いもしなかった。甘く見ていたようだ」
 苦笑する紅茶男爵。
「迷宮には、まだまだ先がありそうだ」
 地図を紅茶男爵に提出するマナウス。
「ふむ‥‥」
 それに目を通す紅茶男爵。
「次から、この迷宮の探索は冒険者諸君に任せようと思う。近い内に依頼を出すので、準備を調えておいてくれたまえ」
 紅茶男爵の申し出に頷く冒険者達。元よりそのつもりだと言わんばかりである。
「さあ、そろそろティータイムの準備ができる頃だ。一緒に楽しんでいってくれたまえ」
 男爵自慢の紅茶を御馳走になってから帰路に着く冒険者達であった。