採石場決戦2『新たなる刺客!』

■シリーズシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:3〜7lv

難易度:やや難

成功報酬:2 G 70 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:11月29日〜12月05日

リプレイ公開日:2004年12月01日

●オープニング

 キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
 街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
 領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
 道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。

 とある山賊団の秘密アジト。
「何? 筋肉怪人ハンマッチョがやられただと!?」
「ギーッ、ギルフォード戦隊と名乗る冒険者どもに‥‥」
「我らの計画のためには何としても、あの採石場を押さえる必要があるのだ。誰か名乗りをあげる者はおらんのか?」
「僭越ながら、この弓の名手『ビ・ケイダー』にお任せ下さい」
「良かろう。ギルフォード戦隊を叩きつぶすのだ!」

 そこは『採石場』だった。様々な用途に使われる石を削りだし、外観は『切り立った崖』のようである。今日も多く人足達が働いていた。
「さあ皆さん。華麗に占領するのです!」
 そう指示したのは、整った顔立ちの弓を手にした優男だった。
「「「ギーッ!」」」
 覆面をした戦闘員達が、いつもより多くバク転しながら、あっと言う間に採石場を占領する。
「私の名は『ビ・ケイダー』。ギルフォード戦隊とやらに伝えなさい!」
 『シューティングPA』で放たれた矢文が逃げ惑う人足達の合間を縫って木に突き刺さるのだった。

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
 いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『ギルフォード戦隊ギルレンジャー宛
 再び、採石場がビ・ケイダーと名乗る輩と、覆面をしたヤツらに占領されてしまったのです!
 ビ・ケイダーを退治し、採石場を取り戻して下さい!
 ギルフォード採石場責任者』

「それから、これは諸君宛の矢文だそうだ」

『拝啓、ギルフォード戦隊の諸君
 私の名は『ビ・ケイダー』。弓を得意とする者だ。ハンマッチョを倒した諸君に正々堂々、華麗に勝負を申し込む。
 採石場にて待つ』

「ただちに現場へ出動し、速やかにビ・ケイダーを倒すのだ! 健闘を祈る!」
 今回も、やけにノリノリで冒険者達を送り出す冒険者ギルドのおやっさんであった。

●今回の参加者

 ea0827 シャルグ・ザーン(52歳・♂・ナイト・ジャイアント・イギリス王国)
 ea2307 キット・ファゼータ(22歳・♂・ファイター・人間・ノルマン王国)
 ea2889 森里 霧子(30歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea3468 エリス・ローエル(24歳・♀・神聖騎士・エルフ・イギリス王国)
 ea3665 青 龍華(30歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea5322 尾花 満(37歳・♂・ナイト・人間・ジャパン)
 ea5876 ギルス・シャハウ(29歳・♂・クレリック・シフール・イギリス王国)
 ea7522 アルフェール・オルレイド(57歳・♂・ファイター・ドワーフ・ノルマン王国)

●リプレイ本文

 おやっさんの指令を受け、出動した冒険者達。
「僕はギルス。ギルホワイトになって、悪人どもをなぎ倒すよ」
 白いスカーフをするクレリックのギルス・シャハウ(ea5876)。
「うむ、美とは外見でなく、質にあるものだ」
 美学を語るファイターのアルフェール・オルレイド(ea7522)。意外と家事が得意で仲間達にスカーフを用意している。
「‥‥何だか美形の人、ギャグ好きそうだったり、話の中盤辺りで唐突に仲間になったりしそうな名前の響きよね‥‥」
 何やら先読みしている武道家の青龍華(ea3665)。
「紅葉柄か枯木柄か‥‥。この時期、どの柄がクリアに見える迷彩だろう? どの柄でもロゴばかり目立つが、スポンサーだしな(嘘)」
 エチゴヤマフラーに迷彩を施している忍者の森里霧子(ea2889)。
 道中、冒険者達が人知れず色々な特訓をしていたのは秘密である。

 人足達の避難所に到着した冒険者達。
「僕達が来たからには、悪筋肉なんてあっという間に粉砕するよ」
 開口一番ギルス。
 情報を聞き、怪我人には手当てと『リカバー』をし、偵察と戦闘準備を調えて採石場へと乗り込む!

「この採石場を我が組織のために‥‥!」
 採石場ではビ・ケイダー指揮の元、悪の作業が華麗に進められていた。
 そこへ。
『待てぇぇぇい!!』
 声と共に採石場に現れたのは8つの影!
 腕組み仁王立ちで背を向け、横一列で崖の上に並ぶ姿が美しい!
「哀愁の騎士、ギルセピア推参」
 振り向き、ビ・ケイダーを指差すナイトのシャルグ・ザーン(ea0827)。
「イヤよイヤよも好きのうち。軽い気持ちで色選び。今ではノリノリ真っピンク! ギルピンク参上!!」
 普段は無愛想なファイターのキット・ファゼータ(ea2307)も、アルフェールのメイクでノリノリである。
「いびつな美学に酔う輩! さすらうバンシーの美しき影、東洋の神秘ギルクリアー!」
 いつの間にかキラキラハデハデな装いの霧子。
「黄色が大食いなのは昔の話! 今時の黄色は華麗なお姉様! 新戦士ギルフォードイエロー参上です!」
 続いて神聖騎士エリス・ローエル(ea3468)が叫び、
「‥‥なぜわたくしはこんな事をしているのでしょう」
 黄色のエチゴヤマフラーをなびかせながら、赤面しつつ呟く。
「悪を砕けと使命を受けて、唸る右手の龍叱爪! 電光の拳士ギルライトニング! 電光石火で決めるわよっ!」
 続いてポーズをキメる龍華。
「黒で染まらぬ色は無し。邪色のその心、我が信念が塗り潰す‥‥黒き疾風ギルブラック推参!」
 抜刀でビ・ケイダーを指し、クールに決める浪人の尾花満(ea5322)。
「『白き神よりの使者』ギルホワイト参上! 徒党を組んだ正義の力を見せてやるよ」
 白いマフラーをなびかせて合掌、羽を広げたシルエットが十字架に見えるギルス。
「そして、豪傑の燻し銀ギルシルバー!」
 最後にポージングをキメるアルフェール。
 そして!
『我ら、ギルフォード戦隊ギルレンジャー!!』
 全員両腕で顔の前に『G』の文字!
 まだ少し恥ずかしそうにしている者が居るのが残念か。
「プリティでキュアキュア! 8人は‥‥!」
 さらに付け加えようとするギルクリアー=霧子だが、何かに引っかかったようだ。
「現れたなギルフォード戦隊!」
 弓を構えるビ・ケイダー。戦闘員数人がクラシカルなイメージの曲を奏でる。
「ぐわっはっは!」
 わざと不似合いな美しくない格好をしたギルシルバー=アルフェールが『バーストアタック』で手近な岩を破壊してガサツさを豪快にアピールする。
「なんと野蛮な。私が美しく散らせて差し上げよう!」
 ビ・ケイダーが戦闘員達に指示を出し、射撃しようとしたその時!
『必殺・ギルフラッシュ!!』
 息のあった銅鏡による太陽光一斉反射!
「くっ、目眩ましとはやりますね‥‥!」
 ビ・ケイダー達の目を眩ませると一気に攻勢に出るギルレンジャー!
「おのおの方、我が背に隠れられよ。では、ゆくぞっ!」
 事前に『オーラボディ』『オーラエリベイション』『オーラシールド』を掛けたギルセピア=シャルグが、仲間を背中に守りながら突撃する!
 盾を構え両サイドを固めるギルブラック=尾花とギルシルバー=アルフェール。
「「「ギーッ!」」」
 バク転しつつ襲いかかる戦闘員を蹴り飛ばして進むギルセピア=シャルグ。
 そして、ギルブラック=尾花の刀とギルシルバー=アルフェールの剣が群がる戦闘員から活路を開く!

 敵陣深く切り込んだギルレンジャー!
「「「ギーッ!」」」
 取り囲む戦闘員達!
「貴様等の相手はこの我が輩である。覚悟せいっ!」
 スピアを抜き、飛び掛かってくる戦闘員達を『カウンターアタック』で迎撃するギルセピア=シャルグ。
「気弾拳・シューティングフィスト!」
 『オーラショット』を放つギルライトニング=龍華!
「肩借りるわよ!」
 さらにギルセピア=シャルグの肩を借りてジャンプキック!
 そして、子供の体躯を活かし体勢を更に低くし、隠れるように敵の間を抜けていくギルピンク=キット。ダーツ投擲で仲間の援護も怠らない。
 『春花の術』で戦闘員達を無力化していくギルクリアー=霧子。
「さあ正義の時間です!」
 慈愛神により邪悪と断定された戦闘員がギルイエロー=エリスの『ホーリー』で悶絶する。
「この程度で、拙者の心を折ることはできぬ。さぁ、悪党共、神妙に致せ!」
 ビ・ケイダーの矢を受けるも、見得を切るギルブラック=尾花。
「神様がじ〜っと見ていますよ。頑張ってくださいね」
 すかさず『リカバー』を掛けるギルホワイト=ギルス。
「「「ギーッ!」」」
 次々に倒されていく戦闘員達。

 そして残るはビ・ケイダーと曲を奏でていた戦闘員達のみ!
「あなたは自分の美に酔い、道を踏み外した愚か者の極みですね」
 挑発するギルイエロー=エリス。
「フッ、悪こそ至高の美学だということを教えて差し上げよう‥‥!」
 矢をつがえるビ・ケイダーと、守るように陣形を組む戦闘員達。
「ぶっちゃけ、そんな美学ありえな〜い」
 『分身の術』を掛け、自らの美しさで対抗するギルクリアー=霧子。
「ギルフォード戦隊にも美しいお嬢さんが多いようだが、その口の聞き方はいただけないな‥‥」
 戦闘員と連携し、射撃COを巧みに操って男性陣を攻撃するビ・ケイダー。
「ぐわっはっは! へなちょこ男の攻撃など効かんわ!」
 更なる挑発をするギルシルバー=アルフェール。
「やるな‥‥だが俺を射止めるにはお前があと五人は要ると知れ!」
 ギルピンク=キットの『オフシフト』を持ってしても避けきれないビ・ケイダーの射撃だが、
「正義は負けません!」
 すかさず『リカバー』を掛けるギルイエロー=エリス。
「私は女性を傷つける趣味は無い。射抜くのはハートだけさ」
 女性陣には流し目を送るビ・ケイダー。
 しかし、女性陣もギルフォード戦隊の一員。そう簡単になびきはしない。
「悪は無力なのです!」
 『コアギュレイト』で戦闘員の動きを止めるギルイエロー=エリス。
「墨でもかぶって反省しなさい!」
 ビ・ケイダーにインク壷を投げつけるギルクリアー=霧子。
 更に隙をつき、太陽を背に飛来したのはギルホワイト=ギルス!
「心黒きものよ、黒き世界に帰れ! 必殺ギルマッドハンド!」
 ペタペタペタペタ。泥を付けた両手でビ・ケイダーの顔にへばりつく!
「私の美しい顔がっ!?」
 美形の性と言おうか、動揺するビ・ケイダー。

 チャンス! ギルレンジャーの必殺コンボは準備完了だ!
 先頭を切ってギルブラック=尾花が斬りかかり、
「ギルスタンフェイント・ツインエイリアス! ミューズにかわっておしおきだ!」
 ギルクリアー=霧子が『フェイントアタック』から『スタンアタック』に繋ぐ!
「必殺ギルチャージャー!」
 更にギルセピア=シャルグの『チャージング+スマッシュ』が!
「そこだ! 必殺のGPA(ギルポイントアタック)!!」
 ギルピンク=キットのナイフ二刀流『ポイントアタック』が!
「正義はわたくし達にあり! 必殺ギルホーリー!」
 ギルイエロー=エリスの『ホーリー』が!
「必殺ギルバスター!」
 ギルシルバー=アルフェールの『スマッシュEX+バーストアタックEX』が!
「電光一閃! 龍の拳が悪を討つっ! 龍翔拳・ドラゴニックライザー!!」
 ギルライトニング=龍華の『龍飛翔』が炸裂する!!
『ギーーーッ!!』
 断末魔の叫び!
「成敗!」
 背を向け、親指を下に向けるギルライトニング=龍華。
 しかしそれは、咄嗟にビ・ケイダーを庇った戦闘員達の叫びだった。
『ギー‥‥ビ・ケイダー様‥‥』
「おまえ達の死、決して無駄にはせん‥‥」
 息も絶え絶えな戦闘員達に言葉を掛けるビ・ケイダー。
「今日の所はギルレンジャー諸君に花を持たせよう‥‥さらばだ!」
 マントを翻すと花びらが舞い散り、撤退するビ・ケイダー。
「この世に悪の栄えた例しは無いのですよ」
「これにて一件落着である」
 ギルイエロー=エリスとギルセピア=シャルグの決め台詞。
「あやつらは、いったい何者だ‥‥?」
 彼らの組織に疑問をもつギルシルバー=アルフェール。
「二度あることは三度あると申す‥‥油断は出来ぬな」
 空を見上げ、
「しかし、我等は負けぬ。如何なる脅威にも、この採石場は渡さぬぞ」
 刀を突き上げるギルブラック=尾花であった。
 こうして悪は退散し、採石場に平和が戻った。

 採石場に戻ることの出来た人足達がギルフォード戦隊に感謝の言葉をかけていく。
 最後に、特訓を活かして霧子発案『ギルレンテーマ』を披露するギルレンジャー。
『ギルレンテーマ〜♪』
 歌も踊りも曲も素人だが、キラキラハデハデな装いのギルクリアー=霧子が何故だかマッチしている。中でも飛び抜けた歌唱力を見せたのはギルシルバー=アルフェールであった。
『パチパチパチー』
 人足達の拍手が彼らを讃える。
「ギルフォード戦隊ギルレンジャーは、あなた達をじ〜っと見守っていますからね、じ〜っと」
 人足達にポージングしてみせるギルホワイト=ギルスであった。
 頑張れ負けるなギルレンジャー!
 ギルフォード戦隊に栄光あれ!