採石場決戦3『ヒレッツの罠!』
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■シリーズシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:3〜7lv
難易度:やや難
成功報酬:2 G 70 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:12月12日〜12月18日
リプレイ公開日:2004年12月14日
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●オープニング
キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。
とある山賊団の秘密アジト。
「ビ・ケイダー殿ともあろうお方が逃げ帰ってくるとは不甲斐ない‥‥」
「ヒレッツか‥‥フッ、ギルフォード戦隊を甘く見ると痛い目を見ますよ?」
「負け惜しみにしか聞こえませんなぁ? 失敗したビ・ケイダー殿には相応の処罰を。そして、この魔炎怪人ヒレッツがギルフォード戦隊を殲滅して御覧に入れましょう」
「良かろう。行け! 魔炎怪人ヒレッツ!」
そこは『採石場』だった。様々な用途に使われる石を削りだし、外観は『切り立った崖』のようである。今日も多く人足達が働いていた。
「パパー、はいお弁当〜♪」
のどかなお昼御飯の風景。働く父に弁当を届ける子供。家族とは大切な物である。
それを見下ろす悪の影。
「能無しのハンマッチョ、美学にこだわるビ・ケイダー、二人とも甘い甘い。やるからには徹底しなくてはねぇ?」
黒ずくめで、いかにも悪知恵の働きそうな悪人顔の男が、覆面をした戦闘員達に指示を出す。
「「「ギーッ!」」」
あっと言う間に人足達を蹴散らし、子供を取り囲む!
「助けてパパー!」
「ストンっ!? 一体何者だ!? 息子に何をする気だ!」
子供はストンという名前らしい。父親は採石場責任者のようだ。
「キヒヒッ、私は魔炎怪人ヒレッツ。息子を返してほしければ、ギルフォード戦隊を呼ぶのですな。彼らさえ大人しく死んでくれれば、大事な息子はお返ししようじゃありませんか」
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。
『ギルフォード戦隊ギルレンジャー宛
再び、採石場が魔炎怪人ヒレッツと名乗る輩と、覆面をしたヤツらに占領されてしまったのです!
しかも私の息子ストンが人質にされてしまったのです!
息子と採石場を取り戻して下さい!
ギルフォード採石場責任者』
「ただちに現場へ出動し、速やかに魔炎怪人ヒレッツを倒し、ストン少年を救出するのだ! 健闘を祈る!」
今回も、やけにノリノリで冒険者達を送り出す冒険者ギルドのおやっさんであった。
再び悪の手に落ちた採石場、そして囚われのストン少年を救うことが出来るのだろうか!?
●リプレイ本文
おやっさんの指令を受け、出動した冒険者達。
「子供を人質に取るとは卑怯千万。ヒレッツなる者、けっして許してはおけぬ」
ナイトのシャルグ・ザーン(ea0827)と、
「小さき者達の伝道師の名に賭けて、ヒレッツめ、絶対に許さないぞ」
クレリックのギルス・シャハウ(ea5876)と、
「無関係な者を巻き込むのは許せぬ。ヒレッツとやら、己の所業を思い知らせてくれようぞ」
浪人の尾花満(ea5322)らは、ヒレッツの手口に怒り心頭の様子だ。
人足達の村で準備を調え、いざ採石場へ!
しかし採石場では新たな事件が起こっていた!
「同じ人質なら私が代わります。どうかストン君の代わりに私を!」
「私がストン君の身代わりになります! だから‥‥あの子は放してあげて下さい、お願いします!」
人質に取られたストン少年の安否を気遣い、差し入れに向かった姉妹が人質交換を要求するが、
「甘いですね。全員人質にすれば済むこと、キヒヒッ」
まとめて人質にされてしまったのである!
『待てぇい!』
崖の上に立つ八つの影!
「人質を取る愚劣者! そんな人は天に変わってお仕置きして差し上げます!」
ヒレッツを指さすギルイエロー=エリス!
「ギルレンジャー推参! 悪漢ヒレッツ、覚悟致せ!!」
ギルブラック=尾花と、
「わしに魔法など効かぬわ」
ギルシルバーことファイターのアルフェール・オルレイド(ea7522)と、
「哀愁の騎士、ギルセピア推参!」
すでに『オーラボディ』を掛けているギルセピア=シャルグが名乗りを上げ、ヒレッツ達に向かって突撃する。
「今日は皆さんの援護をさせてもらいます」
崖の上から援護射撃するギルイエロー=エリス。
「威勢が良いようですが、こちらには人質がいます。刃向かうならば命の保証はできませんなぁ‥‥さあ、武器を捨てなさい!」
向かってくるギルレンジャーを制するヒレッツ!
「卑怯者め!」
「卑怯は悪の専売特許というわけか」
武器を捨て、罵るギルセピア=シャルグ、ギルシルバー=アルフェール。
「「「ギーッ!」」」
取り囲む戦闘員達!
ギルレンジャー絶体絶命のピンチ!
そこで人質達の方に動きが‥‥!
少し時を戻そう。
「ギルレンジャーの人数が少ない事に気付かれれば、敵は警戒し、人質救出は困難になってしまうであろう。前に出る役は我らが担当するゆえ、人数あわせに後方に立っていてもらえまいか。無事人質を救出するため、どうかお頼みいたす」
そう切り出したのはシャルグ。
「少年救出のために是非協力してください」
「お父さん達の協力が必要です。お子さんを助けるためにもお願いします」
そして神聖騎士エリス・ローエル(ea3468)とギルス。人足達はストン少年のためならばと快く承知してくれたのだ。
更に。
(「潜伏にも難儀だな‥‥」)
事前に忍び込んだ忍者の森里霧子(ea2889)は、
「ギー。ちょっと来てくれ‥‥(ガスッ)」
戦闘員の覆面を奪って潜入している。
更に更に。
「うむぅ、魔法使いは苦手なのだが」
珍しく、ちょっと弱気なアルフェールだが、理美容などを活かして仲間達のメイクを手伝う。
「ふ‥‥、とうとう女装する羽目になったか。いいだろう。毒を食らわば何とやらと言うしなあ!」
すでに目が据わっているファイターのキット・ファゼータ(ea2307)。変声期前のキットは妹役だ。そして武道家の青龍華(ea3665)が姉役だったのである。
「安心しろ。俺達が必ずお前を助けてやるぞ(小声)」
ストン少年に囁くギルピンク=キット。すでに縄抜けでロープを緩めている。
そこへ飛来した矢がストン少年のロープを切ったのだ!
「むっ‥‥、アレはまさかギル・ド・マスターでは!」
「助太刀に来たぞ!」
ギルセピア=シャルグの示す先には、弓を手にした採石場責任者が!?
どう見ても弓の名手には見えないが‥‥。
「ストン君助けに来たわよ。大丈夫か?」
微妙に棒読みな台詞と同時に『春花の術』が発動し、バタバタと倒れていく戦闘員達。
そしてストンらしき少年を抱えた姉役のギルライトニング=龍華っぽい姿が二つ、逃走していく!?
「「「ギーッ!?」」」
慌てて追いかける戦闘員達。
「いったい何事だっ!? ええい、あれは偽者だ! 本物はまだそこに!」
そう、二つの姿は『分身の術』をかけ、ストンの服を毛布に着せた物を抱えたギルクリアー=霧子だったのだ!
戦闘員の覆面の下に、事前にギルライトニング=龍華と同じ服を着ていたのである。
ヒレッツが気付くが混乱した戦闘員達は役に立たない!
「『白き神の使者』ギルホワイト参上! 子供を人質にするなんて、許さないぞ!」
更に上空からギルホワイト=ギルス登場!
白いマフラーをなびかせ、手は合掌、羽を広げてシルエットが十字架に見える。
『我ら、ギルオルタナティブ! ギルレンジャーをサポートするぜ!』
そして崖の上のギルレンジャー内四人の正体は人足達だったのだ!
「もう大丈夫だからね、ストン君。さぁ、逃げるわよ!」
混乱に乗じて、ストン少年の手を引いて駆け出すギルライトニング=龍華!
「「ギーッ!」」
混乱しつつも向かってくる戦闘員には、忍ばせておいたナックルと蹴りで撃退していく!
「女でなくて残念だったな! 馬鹿共が!」
同じく忍ばせておいたダーツでの牽制するギルピンク=キット。更に人質だと安心して目の前で『ファイヤートラップ』を張っていたヒレッツの動きを仲間達に伝える!
「女装は勝利の必要事項。ピンクを舐めたら怪我するぜ。ギルピンクだ!」
更に隠し持っていたナイフを構え『オフシフト』で戦闘員の攻撃を避けつつ名乗る!
「皆さんやりましたね!」
更に救出を弓矢で援護するギルイエロー=エリス!
「確かに拙者はブラックだが、黒焦げになるつもりはない!」
『ファイヤートラップ』を踏まないよう立ち回るギルブラック=尾花。盾を有効活用しつつ、戦闘員を倒していく!
「貴様等の腐った拳でギルレンジャーは倒せぬ」
拳に『オーラパワー』をかけて戦闘員を蹴散らしていくギルセピア=シャルグ!
「こんな雑魚ではわしは止められんぞ!」
『スマッシュEX』で次々に戦闘員を切り倒していくギルシルバー=アルフェール!
「こうなればっ!」
戦闘員もろとも巻き込んで『ファイヤーボム』を撃ちまくるヒレッツ!
「「「ギーッ!?」」」
吹っ飛ぶ戦闘員達。
「味方ごと攻撃するとは‥‥!」
「料理人にとって炎は道具であり友。この程度効かぬ!」
ヒレッツを睨むギルクリアー=霧子、ギルブラック=尾花。
「人質逃がすのって大体追加人員の役目だしね。皆、私達が戻ってくる前にバッチリ決めちゃってよ!」
『ファイヤーボム』からストン少年を庇いつつ、安全域まで逃がすギルライトニング=龍華。
煙に紛れて一気にヒレッツに詰め寄ったギルシルバー=アルフェールが一刀両断にする!
「キヒヒッ、それはアッシュエージェンシーですよ!」
嘲笑うヒレッツだが、
「元より気付いておるわ!」
戦闘中もずっとヒレッツの動きをギルシルバー=アルフェールは警戒していたのだ。
撹乱されないよう、わざと倒しておいたのである。
「神様がじ〜っと見ていますよ。頑張ってくださいね‥‥ギルリカバー!」
『リカバー』で仲間達を癒して回るギルホワイト=ギルス。
「東洋の神秘ギルクリアー! 食らえ! じゃんがら忍法全部入り!」
名乗りを上げると、持てる忍法とCOを総動員して本物のヒレッツに攻撃するギルクリアー=霧子!
その間に、戦闘員達を全滅させた仲間達もヒレッツ攻撃に加わる!
「貴様も漢なら自らの力で勝負して見せよ」
武器を回収したギルセピア=シャルグと、
「人質などに頼った時点で、敗北は決まっておったのだ‥‥思い知れ!」
ギルブラック=尾花が一気に間合いを詰める!
「父と子と白き神の御名において、卑劣漢を拘束するよ‥‥ギルギュレイト!」
ギルホワイト=ギルスの『コアギュレイト』!
「必殺の、G・P・A!!」
ナイフ二刀流からの『ポイントアタック』を放つギルピンク=キット!
「ギルバスターッ!」
「ギルアロー、シューート!」
そしてギルシルバー=アルフェールの『スマッシュEX+バーストアタックEX』と、ギルイエロー=エリスの矢がヒレッツに炸裂する!
「この魔炎怪人ヒレッツが‥‥バカなーっ!?」
断末魔。そして、
『我ら、ギルフォード戦隊ギルレンジャー!』
全員で『G』ポーズ!
こうして悪は滅び、採石場に平和が戻った。
「この採石場には一体何があるのだ」
ギルシルバー=アルフェールの問いに答える者はいない。敵は何故ここを狙うのだろうか?
「我らは負けぬ。この採石場を狙う悪が潰えるまでな‥‥」
「ギルレンジャーはたった一つの小さな命も全力で助けるぜ!」
「ギルレンジャーと白い神様は、君の事をじ〜っと見守っていますからね、じ〜っと」
ストン少年に笑いかけるギルブラック=尾花、ギルピンク=キット、ギルホワイト=ギルス。
「有り難うギルレンジャー!」
笑顔いっぱいで応えるストン少年。
「それにしてもキット君‥‥随分と似合ってて可愛かったわよー♪」
キットの頭撫でるギルライトニング=龍華。
「そう言えば、途中で助けてくれた人が居たけど‥‥誰かしらね、あれ?」
ギル・ド・マスターでは無い存在に気付いたようにギルライトニング=龍華。
(「フッ‥‥ヒレッツ如きに負けて貰っては困りますからね」)
物陰から立ち去る男。その手には弓が‥‥。
何やら身震いし、警戒しているギルクリアー=霧子。
「ギルレンジャーに敵は無しです」
「これにて事件解決! 卑怯な悪が栄えた例し無しってね♪」
再び『G』ポーズを決めるギルイエロー=エリス、ギルライトニング=龍華。
頑張れ負けるなギルレンジャー!
ギルフォード戦隊に栄光あれ!