採石場決戦4『解き放たれた悪魔!』
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■シリーズシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:4〜8lv
難易度:やや難
成功報酬:3 G 16 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:01月04日〜01月10日
リプレイ公開日:2005年01月06日
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●オープニング
キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。
とある山賊団の秘密アジト。
「ヒレッツもやられただと? 大口を叩いた割には不甲斐ない。他に名乗りを上げる者はおらんのか!」
「首領閣下に進言します。現在幽閉中のヤツを差し向けてみては如何でしょう?」
「私は反対だ、暗黒軍師殿。ヤツは危険すぎます」
「これはビ・ケイダー殿。先日は謹慎中にどこかへ出掛けられていたようですが、一体どこへ行っていたのでしょうな?」
「それは‥‥」
「まあ良い。暗黒軍師ブラックよ! ヤツを、流血怪人ブラッドを使い、今度こそギルフォード戦隊を叩きつぶすのだ!」
そこは『採石場』だった。様々な用途に使われる石を削りだし、外観は『切り立った崖』のようである。今日も多く人足達が働いていた。
覆面をした戦闘員達を引き連れて現れたのは黒ずくめの男、そして鎖に繋がれた戦士。
「行けっ!」
「「「ギーッ!」」」
「ウガーッ! ブッ飛ばすっ!」
鎖を解かれ暴れまくる戦士に、人足達は怪我人続出である。
黒ずくめの男の『悪の采配』によって、瞬く間に占領される採石場。
「我は暗黒軍師ブラック。さあ、ギルフォード戦隊を呼ぶが良い。この流血怪人ブラッドが血祭りにあげることでしょう‥‥」
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。
『ギルフォード戦隊ギルレンジャー宛
再び、採石場が暗黒軍師ブラックと名乗る輩と、覆面をしたヤツらに占領されてしまったのです!
しかも流血怪人ブラッドという怖ろしい怪人によって、多くの人足達が大怪我をしています。
採石場を取り戻して下さい!
ギルフォード採石場責任者』
「ただちに現場へ出動し、速やかに流血怪人ブラッドを倒し、暗黒軍師ブラックの野望を阻止するのだ! 健闘を祈る!」
今回も、やけにノリノリで冒険者達を送り出す冒険者ギルドのおやっさんであった。
再び悪の手に落ちた採石場を取り戻すことが出来るのだろうか!?
●リプレイ本文
おやっさんの指令を受け、出動した冒険者達。
「強そうな奴に、黒幕っぽい奴かぁ。今回も負けないぞ」
意気込みを見せるクレリックのギルス・シャハウ(ea5876)。
「今度の相手は二人か、まぁ、わしは採石場を解放するだけだ」
新メンバーの予感に、得意の家事でスカーフを用意しているファイターのアルフェール・オルレイド(ea7522)。
「雪が降った事だし、靴とお揃いの雪柄迷彩にしよう♪」
遅れない程度に道々薬草採取に励む忍者の森里霧子(ea2889)。クリアーを表現するのも大変である。
「あーもう、年明けても襲ってくるのね‥‥。まぁいいわ、ぶつける相手が逃亡して溜まりに溜まった怒りと鬱憤っ。あいつ等にぶつけてやるわ‥‥」
何やら機嫌の悪い武道家の青龍華(ea3665)。何かあったのか?
無事、目的地へと到着。
「ギルレジャーが来たからには、悪人どものいいようにはさせませんよ〜」
早速、怪我人の治療に当たるギルス。
薬草を煎じて薬湯にする霧子。
「さあ、この越後屋湯呑の煎薬をぐぐぐいっと! 一気! 一気!」
「ぶはーっ、マズイッ! もう一杯!」
怪我人の割にはノリの良い人足。
「包帯や糸がこんな色しかないが‥‥、お洒落ステッチということで勘弁してくれ」
そう言って裁縫道具を出す霧子。‥‥あ、怪我人が逃げた。
採石場へと向かう頃には日も暮れ、辺りは暗くなり始めていた。さらに怪我で逃げ遅れた人足が残っているらしい。
「ギルレンジャーに強敵現わる、か。ギルフォードには何かと縁があるし、ここは一肌脱ぐとするか」
別行動をしているファイターのリ・ル(ea3888)。
「しかし広場に彫刻があるくらい、俺の顔はギルフォードでは知られているからな。よし、ここはそれを逆手に取って‥‥」
『待てぇい!』
月明かりに照らされ、崖の上に立つ複数の影!
「哀愁の騎士、ギルセピア推参!」
すでに四種のオーラを纏ったナイトのシャルグ・ザーン(ea0827)が名乗りを上げる!
「俺に触ると怪我するぜ! ギルピンク参上!!」
続いてファイターのキット・ファゼータ(ea2307)が名乗る!
「白き神の使者ギルホワイト参上! 猪突猛進は猪だけでたくさんだ!」
羽を広げたシルエットが十字架のようなギルス。
「繰り出す拳は電光石火! 電光拳士ギルライトニング!」
ビシッとポーズを決める龍華!
『我ら、ギルフォード戦隊ギルレンジャー!』
全員で『G』ポーズ!
「ギルレンジャー、その力がどれほどのものか、見せて貰いましょう」
「「「ギーッ!」」」
戦闘員達に『悪の采配』を振るう暗黒軍師ブラック!
「纏うは闇、示すは光。ギルブラック、参る!」
日本刀とパリーイングダガーを二刀流に構え、突進する浪人の尾花満(ea5322)。
「貴殿等、大丈夫であるか?」
『オーラシールド』を構え、逃げ遅れた怪我人を庇うギルセピア=シャルグ。
「神様がじ〜っと見ていますよ。頑張ってくださいね‥‥ギルリカバー」
安全な場所まで誘導し、『リカバー』を掛けていくギルホワイト=ギルス。
「ギーッ!」
突然、怪我人を装っていた戦闘員が襲いかかる!
「我が輩は騙されんぞ!」
殺気感知したギルセピア=シャルグが見事に対応!
「ほほう、少しは知恵もあるようだな」
感心した、とばかりに暗黒軍師ブラック。
「その程度で黒き疾風は止められぬ。おとなしく道をあけるがいい!」
ブラック・ローブを翻し、『バックアタック』を利用して群がる戦闘員達を切り伏せていくギルブラック=尾花!
「気弾拳・シューティングフィスト!」
援護するように『オーラショット』を撃つギルライトニング=龍華!
「そこを退けぃ、ギルスマッシャー!」
更にギルセピア=シャルグが『スマッシュEX』で加勢する!
「ブラック様はどこギー? 鎖が解けないギー! 手が滑って味方に当たったギー!」
さりげなく戦闘員に混ざって撹乱している霧子。
「発見、発見、はっけ〜ん」
怪我人の治療と避難を済ませたギルホワイト=ギルスが暗黒軍師ブラックを指差す。
「こっち、こっち、こっち〜」
仲間達へ合図を送り、飛行して接近する。
「ものには順序というのがあるのだよ‥‥」
「安全な所にご案内するギー! こっちだギー!」
戦闘員達に先導され、離れようとするブラック。
「逃がさないったら逃がさない〜」
足元を飛び回って妨害するギルホワイト=ギルス。
「月食脚・ムーンエクリプスクラッシュ!」
「ギーッ!」
月を背にした飛び蹴りで戦闘員をブッ飛ばし、援護に駆けつけるギルライトニング=龍華!
「この程度の策にかかるとは残念だよギルレンジャー。‥‥これはどうしたことだ!?」
罠へと誘導したはずが、その罠はすでに無力化されていたのだ!
「策士、策に溺れる! 遥か極東、深雪の里よりギルクリアー見参!」
『春花の術』を発動させ、正体を現す霧子!
さらに投網を投げつけ、薬草採取のついでに拾っておいた尖った小石をマキビシのように撒き散らす!
「「「ギーッ!?」」」
護衛の戦闘員達も大半は眠り、残りも投網とマキビシにもがく!
「軍師ならもっと良い作戦考えなさいよ。あんた程度じゃ、まだまだね。電光爪・ライトニングクロー!」
ギルライトニング=龍華の龍叱爪を着けた右ストレートが唸る!
「クックックッ、その程度で我をハメたつもりか‥‥?」
いつの間にか距離をとっている暗黒軍師ブラック。すでに察知され、高速詠唱『ムーンシャドゥ』によって影間移動したのである。
更に伏兵の戦闘員達が現れ、ギルレンジャーに襲いかかる!
そこへ!
「ギルフォードの民が願う時、真の勇者は現れる。彫刻に封印されしギル戦士、ギルペイルブルー。蒼天に代わって悪を討つ!」
崖の上、愛馬に乗って登場したのは蒼を基調にしたリル! 馬から飛び降り、ロングスピアを振り回しながら突入!
そして、戦闘員達と戦いつつ全員合流した所で。
「さぁみんな、流血怪人ブラッドと存分に闘うがいい」
戦闘員を蹴散らしつつギルペイルブルー=リル。
「ウオオオオオッ!」
ギルピンク=キットとギルブラック=尾花の投擲したダーツとダガーを『デッドorアライブ』でものともしない流血怪人ブラッド! 『チャージング』で突撃してくる!
「ブラッドとやら、この戦いはおぬしの意思か?」
それを盾受けしたギルシルバー=アルフェールが尋ねるが、ブラッドは暴れるばかりだ。
「ブラッドよ! 我と鎖でほ〜みたい♪」
軍師の声色で怪人に偽指令を出して撹乱を試みるギルクリアー=霧子。
「クックックッ、無駄だ。解き放たれた悪魔は止まらぬよ」
嘲笑うブラック。しかしそれは制御できないってことでは?
「人の心を失ったか、愚か者め」
暴れるブラッドを睨むギルシルバー=アルフェール。
「「「ギーッ!」」」
「しまった!」
戦闘員達の攻撃で刀を落とすギルブラック=尾花!
「ブッ飛ばす!」
チャンスとばかりに『スマッシュ』で襲いかかるブラッド!
「ブラック無刀取り! 血煙で曇った剣など止めるのは容易い‥‥」
『真剣白羽どりEX』で受け止める!
そう、刀をわざと落としてブラッドの攻撃を誘ったのである。
「ギルバースト!」
剣を引き戻した瞬間を狙ってギルシルバー=アルフェールが『バーストアタック+スマッシュEX』で剣を叩き壊す!
剣を失っても素手で殴りかかるブラッド!
「カウンターを使うのはお前だけじゃないんだぜ! バージョンアップした必殺のG・P・A!!」
『カウンターアタック+オフシフト+ポイントアタック』のコンボで切り返すギルピンク=キット!
「善悪とわず、戦いとは大切な人のため、己の野望のためなど、思いをもって行うものだ。理由なき戦いは無意味だ」
チェーンホイップでブラッドを絡め取るギルシルバー=アルフェール!
「父と子と白き神の御名において、汝を拘束するよ‥‥ギルギュレイト!」
更にギルホワイト=ギルスが『コアギュレイト』を掛ける!
「新春初売り特大忍法福袋! 流血大サービスだ!」
『分身の術』を掛けたギルクリアー=霧子が斬りつける!
「ギルシュート!」
力任せにロングスピアを投擲するギルペイルブルー=リル!
「龍翔拳・ドラゴニックライザー!」
「見えたっ、ファイナルギルチャージャー!」
ギルライトニング=龍華が『龍飛翔』で、ギルセピア=シャルグの『チャージング+スマッシュEX』で一気に踏み込む!
「ウガアアァァ‥‥」
雄叫びを上げて崩れ落ちる流血怪人ブラッド。
「成敗っ!」
ギルライトニング=龍華のキメ台詞!
崖の上から手を叩く音がする。
「ほほう、流血怪人ブラッドを倒すとは予想以上ですね。良いデータが取れました」
暗黒軍師ブラックだ!
「そろそろ、目的を教えてもらおうか?」
睨みつけるギルシルバー=アルフェール。
「教えてやろう‥‥この採石場を足がかりに我が暗黒山賊団によるイギリス征服だ! 次は盤石の策を持って我自らお相手しよう‥‥さらばだっ!」
大それた事を宣うと、姿を消すブラック。
「敵がどれだけ強くなろうと、私達はそれを上回って倒さないと。それが私達の使命‥‥そして宿命‥‥ね」
呟くギルライトニング=龍華。
こうして悪は滅び、採石場に平和が戻った。
「良い子のみんな、彫刻は芸術品だ。落書きはイカンぞ。ギルレンジャーとの約束だ!」
「ギルレンジャーと白い神様と広場の彫刻は、この採石場をじ〜っと見守っていますからね、じ〜っと」
ポーズをとっているギルペイルブルー=リルとギルホワイト=ギルス。
「皆の力の集結だから‥‥どんな名がよいだろう?」
考案中のギルレンジャー連携必殺技の名前を憂慮しているギルクリアー=霧子。
「‥‥『戦隊必須』ってことはひょっとして俺がリーダーなんじゃ?」
などと言い出すギルピンク=キットに、皆からツッコミが入る。
「リーダーは大切だぞ。烏合の衆が戦隊として成立するためにも」
そう熱弁するギルピンク=キットは、ジャンケンでリーダーを決めようと提案。
不公平がないよう全員強制参加で‥‥、
『ジャーンケーン‥‥ポン!』
『あーいこで‥‥しょっ!』
結局、夜明けになっても決着つかなかったらしい‥‥。
頑張れ負けるなギルレンジャー!
ギルフォード戦隊に栄光あれ!