ガンツの護衛2『冒険者?』
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■シリーズシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:4〜8lv
難易度:普通
成功報酬:3 G 60 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:12月19日〜12月29日
リプレイ公開日:2004年12月21日
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●オープニング
キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
近頃ギルフォードで有名になりつつある彫刻家のガンツという男の工房にて。
「‥‥完成だ!」
冒険者達の協力を得て作られた熊の彫刻は本物に近い迫力を醸し出していた。
「次の作品はアレしかない‥‥!」
彼の飽くなき創作意欲は、次なる作品の構想を始めていた。
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? ギルフォードの彫刻家ガンツから依頼が来てるんだが‥‥」
いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書を見せる。
『冒険者のみんなのおかげで熊の彫刻が完成したぜ。
良かったらギルフォードまで見に来てくれないか?
ついでにモデルの依頼も引き受けてくれると嬉しい。
冒険者を彫刻するなら、やはり迫力ある闘いをモチーフにしたいと考えてるんだ。
さすがに命がけなんて無茶は言わないが、出来る限り真剣勝負が見たいかな。
場所はギルフォードの広場にしようと思ってる。役人には許可貰っておくからよ。
出来れば、この前のメンバーが希望だが、みんなの都合もあるだろうし、他の冒険者と新たに交流を持つのも良いと思ってる。
依頼期間は六日間だ。往復に四日かかるだろうから合わせて十日みといてくれ。‥‥ってことは『聖夜祭』を一緒に迎える事になるな。よし、完成目標は『聖夜祭』だ!
俺の情熱が冷めないウチに急いで来てくれよな!
彫刻家ガンツ』
「コイツを引き受ければ、もしかして彫刻がそのまま広場に飾られちまったりするのか? しかも、普通に報酬も出るってんだから凄くラッキーな依頼じゃないか!」
おやっさんは少し羨ましそうな目を向けるのだった。
●リプレイ本文
ギルフォードにある依頼人ガンツの工房へとやってきた冒険者達。
「まずはおめでとうってトコか。なるほど、こいつぁ確かにあの時戦った熊だな。いい仕上がりだぜ」
完成された熊の彫刻を誉める浪人の陸奥勇人(ea3329)。
「どれも素晴らしい作品ですね」
様々なガンツの作品に感嘆しているナイトのミルク・カルーア(ea2128)。
「ありがとよ。また俺の依頼に付き合ってくれて感謝してるぜ」
冒険者達を歓迎するガンツ。
「で、今回は俺達がモデルってことだが‥‥具体的にはどうするんだ?」
「試合形式で実際に闘ってるのを見せてもらって、ポーズを決める」
尋ねる勇人に答えるガンツ。
「存分に技を競い合えるよう少し考えてきた」
熊の彫刻を眺めていたナイトのシュナイアス・ハーミル(ea1131)が、致命的な事故が起こらないための制限を提案し、ガンツを含む全員がそれに賛成する。
「今度は僕達自身がモデルですか。カッコ良く彫って下さいね〜☆」
銀色の蝶の羽を羽ばたかせるクレリックのギルス・シャハウ(ea5876)。
「石化されたことはあったが、石像のモデルになるとはなぁ」
苦笑いするファイターのリ・ル(ea3888)。今回もギルスの荷物を運んだのは彼だ。
「自分の像を彫られるのって少し恥ずかしいものがあるかな‥‥」
はにかむ浪人の御山閃夏(ea3098)。例によって胸をサラシで巻いて固定している。
「さて、行くとしようか」
ガンツの言葉で移動する冒険者達。
広場には、すでに彫刻用の岩が運び込まれており、噂を聞きつけたギャラリーが集まっていた。
今回も美術的センスを生かしてガンツの助手を担当するミルク。更に場所が場所なだけに体が冷えた時の為、焚き火をして飲み物を用意しておく。
前回、ガンツの仕事ぶりを見て、少し美術を学んできたギルスも手伝う。
早速、試合の準備をする冒険者達。
『オーラボディ』『オーラパワー』『オーラシールド』と掛けていくナイトのシャルグ・ザーン(ea0827)。
好勝負必至、シャルグvsシュナイアス。
そして『オーラエリベイション』を掛ける二人。
「コナン流剣士、シュナイアス!」
「ウーゼル流が騎士、シャルグ・ザーン!」
軽装にジャイアントソードという典型的コナン流のシュナイアスと、ロングソードとチェーンヘルムやレザー装備をしたシャルグがお互いに名乗りをあげる。
「レディ〜、ゴ〜!」
「「‥‥参る!」」
審判兼回復役のギルスの掛け声と同時に、試合開始だ!
「これが俺の戦い方だ!」
防御を捨てて全力攻撃に勝負をかけるシュナイアス!
「来るか!‥‥せやっ!」
『オーラシールド』で連撃を受け、反撃を仕掛けるシャルグ!
それを『デッドorアライブ』で耐えるシュナイアス!
再び、交錯する剣と剣!
「きたーっ! それだっ!」
そこにガンツの声がかかる!
それに合わせてポーズをとろうとする二人をギルスの『コアギュレイト』が援護する。
ミルクのサポートを受けつつ、彫刻に打ち込むガンツ。ポーズとイメージが決まって満足したのか、暫し休憩。
「神様とガンツさんはじ〜っと見ていましたからね。ナイスポーズでした」
二人に『リカバー』を掛けるギルス。
「貴殿の剣、我が心にしかと刻ませていただいた」
「良い勉強をさせて貰った。礼を言わせて貰おう。‥‥俺の目指す境地にはまだ遠いな」
握手を求めるシャルグに応えるシュナイアス。剣の求道者の目指す所は何処にあるのだろうか。
続いての試合。
「ま、俺は強い相手なら誰とでもやるぜ」
ニッと笑う勇人。
「魔法が俺の武器と防具‥‥なんてな」
ウィザードのロット・グレナム(ea0923)だが、見せる試合をする為にあえて接近戦を行うつもりでいる。装備も普段着のみだ。
三つ巴、ロットvs勇人vsリル。
「相手にとって不足はねぇさ」
旅装束に日本刀だけの勇人。
「蒼天二刀流師範リ・ル、いくぜ」
シールドソード構え、左手を空けておくリル。
「レディ〜、ゴ〜!」
ギルスの掛け声で試合開始!
「俺の武器はどんな剣や槍よりも長いんでね」
まずは高速詠唱の『ライトニングサンダーボルト』で先手を取ったロット!
お返しにリルのダーツが飛ぶ!
「冷や汗モンだぜ、いい腕だ」
その間に死角を取りに行く勇人にも迅速に対応し、シールドソードで受けるリル。そして反撃!
「なるほど、この太刀筋は相当なもんだ。俺でも見切れるかは五分五分って感じか。だがそうでねぇと‥‥面白くねぇ!」
それを『オフシフト』で辛うじて見切る勇人!
「そして、どんな達人の剣よりも速い‥‥何せ、雷は光の速さだからな」
至近距離から高速詠唱の『ライトニングサンダーボルト』を放つロット!
「前に言わなかったか? 俺は背中にも目があるってな」
魔法に耐えると同時にロットに斬りつけると見せかけ、『バックアタック』で背後のリルに対応して回し蹴りを放つ勇人!
「強ぇな、アンタ。だから勝負は面白いぜ」
それも受けてみせるリル!
「今のだ! 今のをもう一度!」
興奮したように再現を要求してくるガンツ!
「っと、これをやり直せって? せっかく乗って来たとこなんだが」
「いいから早くっ!」
苦笑する勇人、無心にハンマーを振るうガンツ。
「ま、いい経験にはなったよ」
要求に応えつつ呟くロットであった。
最後の組み合わせは、閃夏vsミルク。
「どの組み合わせでやって欲しい?」
「自分を最もアピールできる装備で頼む」
幾つか武器を見せる閃夏に答えるガンツ。
「レディ〜、ゴ〜!」
ギルスの掛け声で試合開始!
「いくよ!」
刀とパリーイングダガーを二刀流に構えた閃夏。
「宜しくお願いします!」
ロングソードを構えるミルク。
彼女達は、ビジュアル重視でお互いの剣技を出し合った。パリーイングダガーでミルクの剣を受けたポーズがガンツに気に入られたようだ。
「父と子と精霊の御名において、ナイスポーズ!」
『コアギュレイト』でベストショットを援護するギルスであった。
交代でモデルを務める冒険者達に比べ、彫刻に打ち込むガンツは冬だというのに汗だくになっている。
「そこは、こうしてみたらどうかしら?」
「ふむ、そうだな‥‥」
ミルクは冒険者としての立場からの意見を出し、ガンツが効率よく尚且つより見栄えのある作品が出来る様にサポートしている。
そうして時は流れていった。
聖夜祭前日。残念ながら、まだ彫刻は完成していないが無理に仕上げを急ぐより、聖夜祭の準備をすることになった。
彫刻用ポーズのスケッチをガンツの工房にに飾るミルク。
その他には、
「ふむ、流石にこの時期、獣もあまり出歩いてはおらぬか‥‥。なれど、聖夜祭晩餐のメインディッシュが肉になるか豆スープになるかはこの猟にかかっておるゆえ、こちらも諦めるわけにもいかぬ‥‥」
聖夜祭に向けて狩猟を試みるシャルグとリルの結果は‥‥。
そして聖夜祭当日を迎えた。
「これも聖夜祭を祝う神の贈り物かもな」
わずかではあるが獲物を提供するリルとシャルグ。シャルグは発泡酒も提供している。
勿論、一般的な聖夜祭の用意はガンツもしてくれている。
「できれば恋人と過ごしたかったんですけど」
料理を簡単に出来る範囲で手伝う閃夏。恋人とは最近会えない日々を送っているらしく、冒険者とは因果な商売である。
「天にまします白き神よ、今日ここに集いし仔羊達に祝福を与えたまえ」
正装し、ミサを執り行うギルス。『ピュアリファイ』を掛け、祈りを捧げた聖水を振り撒く。その手伝いをしているリル。
「願わくばとこしえに、迷える仔羊達をじ〜っと見守りたまえ」
クレリックの面目躍如である。
「祝い事なら遠慮はいらねぇぜ。さぁ、やってくれ」
秘蔵の『スイートベルモット』を振舞う勇人。
ミルクの持つ『禁断の壷』に『スイートベルモット』を注げば効果を発揮しそうだが、聖夜祭という事で使用されることはなかった。ちょっぴり残念?
「私からは『馬乳酒』を。モンゴル特産だそうだよ」
続いて閃夏も『馬乳酒』を提供する。
「今年は素晴らしい聖夜祭を迎えられたよ。まだ彫刻が完成してなくて悪いが、期間内には終わらせるからよ」
祝杯を手に取るガンツ。そして冒険者達。
『聖夜に乾杯〜!』
こうして聖夜も更けていく。
「夜更かしは健康に悪いからな」
仲間達と酒を楽しんだ後は、聖夜祭と言えど、普段のリズムを守るリル。仕舞い稽古を済ませると早々に就寝する。
「普段は依頼が無くても生業の方の研究で忙しいしな。こういう時くらいはゆっくり過ごすか」
同じく、酒を楽しんだ後は、適当に高い建物の屋根に『リトルフライ』で登り、空や星を眺めて過ごすロットであった。
翌日からもガンツの彫刻は続いた。
「‥‥何か、普通にモンスターの相手でもしてた方が楽な気がしてきたぞ‥‥」
愚痴りながらも素直にポーズをとるロット。
寒風吹きすさぶ中、モデルの依頼を全うした冒険者達。期間ギリギリではあるが全員分の彫刻が完成した。
「最高の作品ができた。この勇姿は末長くギルフォードに飾られるから誇りに思ってくれると嬉しい。また次の作品にも良かったら力を貸してくれよな!」
ガンツは最高の笑みを浮かべて、冒険者達と握手を交わしていくのだった。
「神様はいつでも、あなたの創作活動をじ〜っと見守っていますからね、じ〜っと」
ニッコリ笑って返すギルス。
「この彫刻に恥じないよう精進せねばな」
そう言って再び、剣を交えるポーズをするシャルグとシュナイアス。
「変な笑い方をする連中が来ても、石像に落書きさせんようにしてくれよ。芸術品だからな」
帰り際、広場の人達に頼んでおくリルであった。
いずれ彼らが彫刻の価値を更に高める真の英雄になれる日が来ることを願っている。