正義のヒーロー2『悪・毒・斬!』
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■シリーズシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:7〜11lv
難易度:普通
成功報酬:4 G 55 C
参加人数:8人
サポート参加人数:1人
冒険期間:06月28日〜07月04日
リプレイ公開日:2005年06月30日
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●オープニング
キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。
オーガ山賊団エヴォリューションの秘密アジトにて。
「首領、ゴブリン怪人ブリリアントがやられたって本当でヤンスか!?」
「うむ、この目でしかと見届けてきた。ギルセイヴァーΧ、面倒なヤツらが敵にまわったものだ」
「ぽっと出の冒険者如きにやられるなど、ブリリアントも大したことないコボ。オレ様なら、そんな失態有り得ないコボ」
「自信がありそうだな、コボルト怪人ボルツ。行け! そして、エヴォリューションに刃向かう代償がどれほど高くつくか、思い知らせてやれっ!」
採石場。そこは様々な用途に使われる石を削りだすギルフォード重要地点のひとつ。
再び、この地を狙う悪の影は、すぐそこまで迫っていた。
「これじゃ仕事になりませんよ、ロックさん」
「こうも病人続出じゃあな‥‥かく言う俺も、体調不良気味なんだが‥‥」
ここ数日、人足達から病人が続出し、作業の進み具合は停止寸前だった。
「ハーッハッハッハだコボ!」
「「「ゴブブブ〜っ」」」
バカ笑いをあげて現れたのは、覆面ゴブリン(通称ひらりん)を多数引き連れた、犬のような覆面をした男だった。
「また出やがったな、オーガ山賊団エヴォリューション‥‥!」
腹をさすりつつ、気丈に睨み返すロック。
「虚勢を張っても無駄だコボ! オレ様の流した毒によって、すでにお前達はまともに動けない筈だコボ!」
「毒だと‥‥まさか、採石場の井戸に‥‥!」
「そのと〜りだコボ! この採石場は、コボルト怪人ボルツ様が占領するコボ!」
そう、卑劣にもボルツは、採石場の水飲み場である井戸に鉱物から採取した毒を入れていたのだった。人足達を蝕んでいたのは病ではなく、毒だったのである。
そして、ロック達は抵抗らしい抵抗もできないまま、避難所へと逃げ込むしか無かった。
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。
『ギルセイヴァーΧ宛
採石場に再び、オーガ山賊団エヴォリューションが現れました!
コボルト怪人ボルツと名乗る輩で、卑劣にも毒を使って採石場を蹂躙してしまったのです!
どうか、ボルツを倒し、採石場に平和を取り戻して下さい!
ギルフォード採石場責任者ロック』
「毒を使うとは卑怯なヤツらだ‥‥。
諸君! 正義の心をもってコボルト怪人ボルツを倒すのだ! ギルセイヴァーΧ出動!」
ノリノリのハイテンションで、冒険者達を送り出すおやっさんであった。
●リプレイ本文
「知っているかね? 史上最も多く生命を冒してきた武器は何か。それは毒だよ。つまり今回彼らの採った戦術はある意味正解だ」
ナイトのレイヴァント・シロウ(ea2207)。苦々しい表情。
「だが私が許さない。あまりに無粋、そして美しくない」
拳を握るシロウ。
思わず、昔スコーピーにやられた古傷が疼くナイトのアリアス・サーレク(ea2699)。
「怒りに燃えるギルセイバーXが、きっちりはっきり叩きのめしてやろう」
「ギルセイヴァーX、出動ですわね」
「行こう、アクテさん!」
ウィザードのアクテ・シュラウヴェル(ea4137)の手を引っ張って、飛び出していく志士の沖田光(ea0029)。これが青春の始まりだ。
その一方。
「‥‥やっとここまでこれたね。たとえこの関係が認められないものでも世界で誰よりも君を愛してるよメロディ」
「シン、お守りだよ‥‥」
見送りに来たメロディと口づけを交わすナイトのシン・バルナック(ea1450)。いきなり見せつけてくれます。
道中、肝心な愛妻弁当を忘れてきた事に気付くシン。仲間達に冷やかされつつも、食料を分けてもらうことに。
そして、到着した避難所では、人足達が毒に苦しんでいた。
「取り急ぎこれで凌いでくれ」
酒と解毒剤を提供し、応急処置を手伝う忍者の森里霧子(ea2889)。
「困っている人が居れば問答無用で助ける、それがギルセイヴァーΧさ」
大量に用意した解毒剤を症状の酷い人から順に、惜しげもなく使っていくウィザードのユウン・ワルプルギス(ea9420)。
「さ、行こうぜ相棒」
「相棒って言うな」
シロウ&アリアス。息もピッタリ(?)採石場へと赴く!
採石場。背を向けて崖の上に立つ複数の影!
「貴様らのその行為、宣戦布告と認識する! 覚悟完了、当方に迎撃の用意有り!」
悪事を咎める叫び声!
「我が剣は己の為の剣に非ず。牙持たぬ人の剣也。故に剣を抜くのは牙持たぬ人の祈りの為に! 零鬼ギルシャドウムーン!」
一番名乗りはレイヴァント!
「人は如何に傷つき穢れようと、自らを傷を癒して再び立ち上がる‥‥それは世界とて同じ! 貴様らが世界を穢す『毒』ならば、我らは世界を護る『薬』となりて貴様らを討つ!」
キラッと陽光を反射するは、三日月を象徴する太刀!
『オーラエリベイション』を発動させるアリアス!
「蒼き月が示すのは、浄化と癒しと闇裂く正義! 月の銀龍ギルムーン、此処に光臨!」
『オーラシールド』でキメポーズ!
「井戸に毒を盛るとは‥‥外道が! ギルフォード戦隊ギルキャリバーの名において成敗してくれる!」
「修羅と羅刹の狭間の闇を、神秘の煌きで引き裂かん‥‥。東洋の神秘ギルジルコン! 安物言う奴は必ず泣かす!」
続いてシンと霧子!
「琥珀の洞察が真実を見抜く、悠久の探求者ギルトパーズ!」
そして『アースダイブ』によって、ずぶずぶと地中から登場したユウンがビシッと指差し、キメポーズ!
「この目が黒いうちは悪を見逃しません! 瞳は茶色のギルジェット、遅れて出てきて初めまして!」
トリを飾るは、忍者の大隈えれーな(ea2929)!
また誰か足りない気がするが‥‥。
「現れたなギルセイヴァーΧ! 我が毒に苦しみながら死ぬがいいコボ!」
「「「コブーッ!」」」
コボルト怪人ボルツの指令で、ひらりんズの‥‥なぜか足取りが重い。
「その眠気と眩暈、自ら仕掛けた毒水にはまったな? ほぅら、動くと毒が回って大変だぞぉ♪」
ハッタリをかますギルジルコン=霧子!
「「「ゴブッ!?」」」
かなり動揺してボルツを見る。
「オマエら、まさか井戸水を飲んだコボ‥‥?」
首を横に振るひらりんズ。
実は、ギルジルコン=霧子が名乗る時、『春花の術』を発動させていただけなのだが、この動揺を見逃さず!
「さあ行くぞ諸君。Ahead Ahead Go Ahead だ! 銀の剣で夜を斬り、金の翼で騒々しく夜明けを告げ、百鬼夜行をJUSTに斬るぞ! 返事はどうした!」
愛馬に跨り、雄々しきギルシャドウムーン=レイヴァント!
『イエッサー!』
先制攻撃をかけるギルセイヴァーΧ!
「キャリバーパンチ&キック!」
今回も素手のまま、ひらりんズを相手取るギルキャリバー=シン!
戦闘向きではない駿馬から降り、接近戦に挑むギルシャドウムーン=レイヴァント。スピアと『オーラソード』の間合いの違いが敵を惑わせる!
「かって『盾』の異名を持った者として、仲間は万が一にもやらせはしない!」
仲間達を冷静にフォローするのはギルムーン=アリアス!
なおも数で押すひらりんズが、ギルセイヴァーΧを完全に包囲しようとしたその時!
崖の上に現れた逆光の人影が二つ!
「僕のこの輝きは、悪を滅ぼす正義の光。集まれ太陽の欠片‥‥『結晶!』」
高速詠唱で『フレイムエリベイション』と『クリスタルソード』を一気に発動させたのは、
「ギルフォード戦隊行動隊長、ギルクリスタル!」
光だ!
「夏も間近で汗ばむ暑さのこの良き頃に、人足達の何より大事な飲み水に毒を盛るとは許せません。ギルセイヴァーX別働隊隊長・ギルガーネットはとーってもご機嫌ナナメですわよ」
同じく、『フレイムエリベイション』を掛けての登場はアクテだ!
「「いざ、参る!」」
真っ先に飛び出したはずの二人だが、結局、人足達の介抱に励みすぎて遅刻してしまったようである‥‥。
彼らを合流させまいと、ひらりんズが動く!
「「「コブッ!?」」」
バク転中、突然体勢を崩すひらりんズ!?
「ギル・ストーントラップ!」
ギルトパーズ=ユウンが『サイコキネシス』で、着地点に岩を移動させていたのだ!
見事、合流成功!
「家事全般に重要なお水を汚すとは、許せませんわ!」
ギルガーネット=アクテの『バーニングソード』をその身に受け、『疾走の術』によって炎のように戦場を駆けるギルジェット=えれーなの姿に、ひらりんズも及び腰だ!
「我が前に立つ敵に灼熱の滅びを与えましょう」
近づく敵には冷笑と共に、高速詠唱『ヒートハンド』をお見舞いするギルガーネット=アクテ!
「栓を抜いて‥‥と。疾れ! ぢょりぃ!」
ギルジルコン=霧子に、前と違う名で呼ばれ、発泡酒を撒きながら走り抜ける犬!
「今だ! 焔の術師殿!」
「ファイヤー・ギルホイップ!」
たいまつの炎を『ファイヤーコントロール』で鞭状にするギルガーネット=アクテ!
って、発泡酒では発火しない‥‥。
「ギルファイヤーハンマー! ギルファイヤーフレイル!」
だがしかし、更に千変万化する炎で、ひらりんズを蹴散らす!
そして、コボルト怪人ボルツとの対決!
「喰らえ! この剣はカスッただけでも地獄行きコボ!」
先制攻撃を仕掛けてきたボルツの毒剣『フェイントアタック』を受け、意識が遠のくギルキャリバー=シン!
その時、彼の心を繋ぎ止めたのは「シン、帰ってきてね」という愛する妻の声。
「‥‥ありがとう‥‥メロディ‥‥」
致命傷にならなかったのは、首に下げたペンダントのおかげかもしれない。
「くのいち二人の合せ技、ギルスタン&フェイント! フェイントは貴殿の専売特許ではないのだよ!」
「秘技・千手の舞!」
ギルジェット=えれーなの連続『スタンアタック』とタイミングを合わせ、分身したギルジルコン=霧子が、更に『微塵隠れ』で背後に出現!
発泡酒を頭部に叩きつける『フェイントアタック』!
「コボッ!」
目を瞑って、滅茶苦茶に剣を振り回すボルツ!
「大人しく解毒剤をお渡しなさい。さもなくば‥‥」
ギルガーネット=アクテの最後通告。勿論、耳を傾けるボルツではない!
「ギルガーネット、ギルトパーズ。セイヴァーブレイクを仕掛ける、力を貸してくれ!」
「タッチ&ゴー」
ギルムーン=アリアスへ『バーニングソード』を掛けるギルガーネット=アクテ!
「ギル・インビジブルアーム!」
『サイコキネシス』で毒剣に直接干渉するギルトパーズ=ユウン!
その毒剣を『オーラシールド』で受け、ギルムーン=アリアスの『カウンターアタック+バーストアタック』が炸裂!
ボルツの毒剣が砕け散る!
「‥‥フフッ、後ろに女神がついている限りこのぐらいで負ける気がしませんね! 愛と正義のキャリバー雷光キック!」
『チャージング』の飛び蹴りでボルツをブッ飛ばすギルキャリバー=シン!
「ファイナルギルフレアー‥‥ソードエンド! 今です、ギルムーン、爆炎の中心核を斬れ!」
そこへギルクリスタル=光の『ファイヤーボム』が炸裂!
「これで、終わりだ! ソードエンド・ムーンシャイン!」
爆風の中に飛び込んだギルムーン=アリアス、ギルシャドウムーン=レイヴァントが『X』に斬る!
「夏ですしね」
風流な雰囲気でギルガーネット=アクテ。
「やったな、相棒」
「相棒って言うな」
倒れるボルツをバックに肩を叩き合うギルセイヴァーΧであった。
その後、ボルツが隠し持っていた解毒剤を発見したのは、ギルジェット=えれーな、ギルジルコン=霧子の忍者コンビだった。
「よし! いきなりだが今回から、こういう時は各々素敵なポージングで語るぞ。背中で人生を!」
いつの間にか衣装を着替えたギルシャドウムーン=レイヴァント。
「薬はスリ盗ったし、井戸は‥‥、よし、ポチ! 裏の畑でワンと鳴け! 掘れば名水がザックザクと‥‥」
またも犬を違う名で呼び、裏手の方へ消えていくギルジルコン=霧子。
「水は大切に扱わなければ」
来る暑い季節に想い馳せるギルガーネット=アクテ。
「次はオークかホブゴブリンか‥‥だが、ギルセイヴァーΧは負けない。この水に誓って」
解毒の済んだ井戸水を配るギルムーン=アリアス。
「決めろ勝利のポージング。それが君の響き」
ギルシャドウムーン=レイヴァントの音頭で、
「この世界の平和と、みんなの笑顔を守るのが、僕達ギルセイヴァーXの使命だから」
夕日をバックに腰に手を当てるギルクリスタル=光に倣う。
皆でイッキ飲み!
こうして、井戸水の安全はギルセイヴァーΧによって保証されたのだ!
頑張れ負けるなギルセイヴァーΧ!
ギルフォード戦隊に栄光あれ!