【Divina Commedia∴Paradiso】
|
■シリーズシナリオ
担当:Urodora
対応レベル:11〜lv
難易度:難しい
成功報酬:11 G 76 C
参加人数:10人
サポート参加人数:5人
冒険期間:03月02日〜03月10日
リプレイ公開日:2008年03月10日
|
●オープニング
★Stella
星が落ちる時、消える輝きに時代の終わりを感じる。
その想いを感じたあとで、今が真実だったことさえ疑った。
疑う気持ちに終止符を打つため、剣を用いて扉を斬る。
あの宙に浮かぶ光は陽炎のようなもの、遠いからこそ美しい、だから燃え尽きるまで、眺めていたい。
【悪魔の門】門の終 縁の無尽に散り行く斬
●ヴォルニフ
すでに広間に立つ影は少。
先ほどまで婚礼が行われていた場所は、不思議なほどの静けさを保っていた。
場の中心は、対峙した二人が立つ。どちらも無言のまま見つめている。
先に声をかけたのは、壇上に立つ男だった。
「おかえり。などと旧交を温めるのは、無駄だろうなテオドール」
「全てを終わらせる時です、兄上」
壇上に立つ彼の言葉に、蒼い鎧を纏った男は返す。
抜いた刃は二つ、彼と彼の間にあるのは、過去呼ぶには遠く、思い出というには冷たい年月だ。突きつけられた剣を見た壇上の男はなぜか、穏やかな笑みを浮かべて言った。
「そうだな、終わりにしよう。お互い、つまらない生だった」
壇上の男は、振りかざした杖を掲げる。
閃光の後やって来たのは轟音と衝撃、空気の渦に巻き上げられ粉塵が舞い散る。霧氷、弛む霧の如き場を走り、剣を構えた男は腕を交差した後、解放した・・・・・・。
しばらく経ったのち。行く中で残った男は傍らに何かを感じた。
吹きつける風と冷気の存在に気がついた男は、傍らで控える女に向かって言った。
「契約を果たす時だな」
「御意」
愚者は、未来を歩むと同時に過去を振り返る旅人。
彼の行く先には無限、彼の後ろには無が横たわる。
最後に残ったカードを切り、訪れる運命を享受してこそ、自由という名の枷に対する自らの責務を果たし、役目を終わらせることができる。
男は、そう思った。
●キエフ
リュミエールの元に一通の手紙が届いたのは、ヴォルニで騒動が起きた少し後のことだった。
彼女はその内容に驚いたが──納得して頷いた。
「始まりこそが終わりの地か、詩人だね。いや、決着をつけるには手頃というわけかな・・・・・・不利といえば不利に違いないけど。まあ、いまさら逃げたりしないよ」
彼女はしまっておいた白い眼帯を取り出した。血に染まった眼帯は、一度悪魔の門を去った時に二度とつけないと決めたものだった。
この戦いが終われば、今度こそ役割を終える。彼女はそれを悟っていた。
導く光は必要ない。
道を進む手段をきっと彼らが自分自身で見つけるだろう、この決戦を最後に彼女はリュミエールの名を捨て去ることを決めた。
輝きにも色々種類がある。
だが、自分は闇を照らす光にはなり得ない。デビルに対する復讐のみで彼女はリュミエールを名乗っていたのだ。その名が最初から相応しいとは思っていない。そろそろ過去の面影を追いかけることに疲れた。自らを解放しても良いころだろう。
「失った愛なんて、取り戻せない時への懺悔でしかない」
呟き赤のリボンで、後ろ髪を束ねる。
彼女は、彼女なりの正装でギルドへと向い歩き出した。
いまさら、愚者と戦うことに何の意味があるのか? きっとそこにあるのは、戦う者同士の矜持の問題にしかすぎない。
だが、それでも良いと彼女は思う。
この手で終わらせてこそ、今まで紡いだ過去の鎖を断ち切れるのだから。
●リプレイ本文
●序曲
リュミエール・テッセンは、一つの疑念を抱いていた。
しかし、その問いかけを投げかける時はすでに無く、彼女は目の前にある封印の箱について、最後の調査を行う。
この箱は、彼女の予想ではヴォルニ伝わる二つの魔器の力を解放するためのアイテムをを封印しているものだった。だが、事後の経過により、真実ではないことを彼女は知った。
よって、この箱を開くことは今回の予想される懸案にとって、死活問題である事を彼女は悟る。
結果、一つの答えは導き出された。
箱に鍵穴と思しきものはあるが、その鍵はどこにも存在しない。
鍵となるべきものは、他にある。
リュミエールがたどりついた先は、丘の上に立つ教会だった。
「君が鍵の持ち主だね」
リュミエールは、目の前に立つハーフエルフの少女にそう言った。
少女は何のことか理解していなかったようだが、話を聞いた後、リュミエールの提示されたものを引き渡す。
少女が胸にかけていたロザリオ、箱の封印を解き、リュミエールは蒼い宝石を手に入れた。
しかし、手に入れた切り札を使う機会が出来るのか? それは彼らの活躍にかかっているだろう。
●Inferno
玄室に灯火がある。
人影は互いを見つける。
アレーナ・オレアリス(eb3532)は目の前の立つ女に声をかけるべきか、ふと迷った。
アレーナにとって、この場にいるのは必然ではなく偶然に近い。
だが、どちらにせよ。
「お独りですか?」
玄室の入り口、その存在に気づいた人物は、アレーナに問いかけた。
「ああ」
答えたアレーナに紫色のローブを羽織った女は言った。
「それでは、はじめましょうか」
沈黙。アレーナは、ふと言葉を口にする。
「名を教えてもらおう、倒す相手の名くらい知っておきたいからね」
「イレーネ。いえ、遥風。どちらでも同じ、私達は二人で一人ですから」
「よかろう、推して‥‥‥参る」
駆け出したアレーナの足元に、輝き広がった。一面に張ったそれは撃。
自らは、宙に浮く魔術師は無言のまま、走りよるアレーナを見つめている。
走りよる無効化された電撃の罠は一つのみ。
進むに痛みを伴うことに気づき足を止めたアレーナ。
アレーナが躊躇するのを見計らい、魔術師は己のもつスタッフをかざす。
収縮する律動は雷光の裁きをもって焦がす、暗闇に閃光と轟音が迸ったあと、焼けつくような痛みがアレーナを襲う。
「歓迎の洗礼。満足していただけたでしょうか?」
アレーナは魔術師を睨んだ。
●Purgatorio
所所楽柳(eb2918)、エセ・アンリィ(eb5757)の二人の前に、彼が現れたのはアレーナが戦闘を始めた頃だった。
柳はシシルから聞いた話を元に、目前に立つ男に問う。
「君の忠義は、言われるままに動くこと? だからこそ真実に辿り着くのが遅くなった。それを後悔はしていない? 今はまだ、今ならまだ間に合うとは考えて、ないかな? 」
ドワーフは斧を地に立てると、自らの体を支え、柳に視線を合わし、答えを返した。
「‥‥‥戦士とは、死に場所を求めるものだ、お若いお嬢さん。もはや忠義を尽くす相手もいない、友も死んだ──。戦士の誇り、自己満足にしか過ぎないとしても、付き合ってはもらえないかね。そちらのでかいのはやる気のようだが」
エセは、闘志を隠しきれず、二人の様子伺っている。
「そうだね、初めから説得できるとあまり思っていなかったけれど、無駄な血を流したくなかったから」
「時間もあまりないはずだ。急ぐとしよう」
そのドワーフ、バルタザールは言った。
構えた斧、柳はエセとバルタザールを挟むように対峙している。
間合いをはかる柳。
エセは、バルタザールの初撃を狙いすまし、待っている。
バルタザールが大きく息を吐く。
踏み込み上体をひねるとドワーフにしては大柄な体、上体が沈み込む、跳ねた。
上方より振り上げることを想定していた柳は、目の前に迫る大刃が下線より迫って来ること戸惑い後ずさる。
それが死線を分けた。
叩きつけられた一撃は顎先から伝わる。
鈍い衝撃。
吹っ飛んだ柳は床を這う。
乾いた音は立て転がった面はすでに形を成していない。
柳の脳を叩きつけるような音が続いている。
「命拾いしたな、お若いの」
エセは後背が空いたことを確認すると駆け出す。
迫る彼の気配を感じ、振り向くドワーフ。
空を切る二刀を体で受け止めた、バルタザールは斧で天を指し。
直後、下ろした。
真直に落ちる刃、受ける剣、その砕ける音をエセは確かに聞く、
「これで五分だな」
血に塗れたバルタザールは、満足げに微笑んだ。
●Paradiso
吹く風が凪いだ。
暴風は勢いを削がれる。
侵入する口、数度の攻防が続き、彼女は勝った。
「借りは返しました」
シシルフィアリス・ウィゼア(ea2970)は言った。
現れた人影を確認した愚者は
「来たか」
言った。
「来た」
ロイ・ファクト(eb5887)は返した。
四方は閉じ大気が肌に沁みる。
翻がえる蒼、先にあるのは、三つの影。
互いに何を思っていたか別として、言葉を交える隙もなく、戦いはすでに始まってる。
メティオスは、迫ってくる脅威を、和やかともいえる表情で見つめていた。
「犠牲もまた神の教え、左様」
振るわれる剣を受けた時、誰でもなく彼は言った。
易々と僧衣が切り裂かれる。あるべきはずの障壁はそこには無い、代わりにメティオスの手から放たれたのは、魔力を打ち消す輝き。
「謀られた! クレリックを捨て駒にするなんて邪道よ、戻れ、戻らないと」
ルカの心話が響いた。
メティオスを斬った剣をエリヴィラ・アルトゥール(eb6853)が戻すより、ルカが振り向くより、速く。
頃合を計り、後方に下がった愚者、切りかかる二人の剣士の前には、女が立ち消え失せていたはず暴風を呼び戻した
陣列を吹き崩す、風に抗せぬものは、倒れた。
吹き飛んだ彼ら、動けぬものを確認した愚者は、体勢を立て直し縋るロイと、アーデルハイト・シュトラウス(eb5856)など見向きもせず駆け出す。
最終防壁であったはず神聖なる壁はすでに失った。
愚者は呆然と立ちつくすシシルの前に立ち、斬った。
「シシルさん!」
エリヴィラが叫んだ。
薄れゆく意識の中で、シシルは精一杯笑った。
「負けないで」
言葉にしようと願うが続かない。
咳き込むたび、血が混じる。
重くなる瞼に逆らうが、冷やかな温もり、閉じる前に最後に。
自分の役割は果さないと。
それだけで十分だから
シシルは思い、唱え、落ちた。
「一つ」
愚者は数えた。
「おいらが、治療を」
イルコフスキー・ネフコス(eb8684)が駆け寄る。
詠唱を始めると同時に、続けざまに振るわれる双刀。
宙を切る音。
咄嗟に胸の十字架に手をやったイルコフスキー、両の手で瞬時、障壁を生み出す。
右一刀を弾き崩れた壁、愚者は再度左より剣を撃つ。
貫く切っ先は、数度イルコフスキーを突き刺す、傷口より溢れ出る温もりに気づいたイルコフスキーは、自らの命の終わりを察する。
神様? 神様。ごめんなさい、おいらがんばるから、みんなに祝福を。
思い、問うべきもの、問いかけるより先、答えを知る前に彼の意識を暗闇が覆った。
「二つ」
愚者は数えた。
再度彼は、後方へ攻撃を加えるか迷った。
だが、間際にイルコフスキーの放った障壁を認めるとマクシーム・ボスホロフ(eb7876)を斬るのを断じた。
体勢を立て直した戦士達。
彼らの視線の先に、血の海に沈むシシルとイルコフスキーの姿が見えた。
愚者は血糊のついた刃を数度振るった後、追いついた戦士達に、
「来い」
とだけ、言った。
その頃。
シシルが最後に放った水球によりひるんだ隙の見た、ルカ・インテリジェンス(eb5195)は愚者ではなく、魔術師の牽制に向かう。
向かってきたルカを見、すぐさま迎撃の竜巻が放たれ、巻き込まれたルカは地に叩きつけられる。
「終わりの為の終わりなんてクソ喰らえ、これならどうよ、とっておきよ」
闇。
ルカの放った闇により、彼女の位置は察せられなくなる。
しかし、その間にマクシームは矢を放つ準備を終えた。
暴風の死角をつくルカは背後より月矢、錯乱するように渦巻く竜巻。
マクシームは、ただ目標も見えず、ひたすら矢を撃ち続ける。
どちらが先に‥‥‥倒れるか。
ロイ・エリヴィラ・アーデルハイトの三人は、どこか既視感を感じている。
いや、二度目であるのだ当然のことだろう。
エリヴィラは、目の前に立つ男に対して、やりきれない思いと憤りを感じていた。しかし口先でどうなる相手でもないことも、また理解している。
だから握った柄、向ける剣でただ、彼女は斬った。
両脇、ロイとエリヴィラは挟み込むように攻める。
囮となったアーデルハイトは自らの誇りをかけて言った。
「奇妙な縁だったけど、これで幕よ。カーテンコールは貴方が主役。残念ながらアンコールは無し」
返答は、剣にて返される。
想定したよりも速く、鋭い。
紙一重、避けたがアーデルハイトの頬に血が伝う。
次は、ないかしらね。
心の中でそう呟いた彼女の姿は、なぜか楽しげに見えた。
アーデルハイトが囮となっている間、ロイは斬った。ただ斬った。
いったい、そこに何があるかが問題ではない。
彼にとって、目の前の男は乗り越えるべきものだから。
振るう剣、受けられる。
振るわれる剣、受けては叩き返す。
何度応酬が繰り返されただろう。
翻ったマント。
愚者の白刃がロイの体を斬る。
自らの体を盾にして痛みをこらえ、勢いを殺し受けきったあと、ロイはエリヴィラに視線をやる。
ロイの目が何かを告げた。
エリヴィラの振り上げた剣、渾身の力を込めて叩く。
鈍い衝撃が愚者を襲う
肩をゆらし息を吐いたエリヴィラは、
「自由を名目にして逃げるなんて、卑怯だ。この大馬鹿野郎あんたは‥‥‥結局逃げてるだけ。契約っていうならあんたの契約はまだ残ってるはずだよ、テオドール!」
叫んだ。
すぐさまアーデルハイトが踏み込む払う、旋風ともに愚者の脇腹めがけて、エリヴィラの斬撃を飛び退り回避した愚者だったが、アーデルハイトの払った剣が直撃する。
愚者は、返す刃でアデールハイトを斬りつけた。
苦痛に耐えるアーデルハイトが立ち上がった時。
再度ロイとエリヴィラの二人の剣が愚者を捕らえ、彼はついに膝をついた。
魔剣を杖に、這い上がった愚者は、無言のまま後方を振り向く。
彼の先にあるのは、魔剣が眠りし祭壇。
無に戻す証。
あえて、全てを捨てて、愚者は進みはじめる、いまさら何を戸惑うというのだろうか。
「貴方が幕を閉じなさい」
進む愚者の姿を見て、アーデルハイトは、ロイに向かって言った。
玄室の中を、蒼い輝きが舞う。
戦場を避けていたリュミエールが放ったものだ。
落ちた石は転がり澄んだ響きを立てた。
ロイは輝きを拾うと、ゆっくりと歩き出す。
愚者の騎士。
その仮面を打ち破るため。
●終曲
燻る匂いがあたりに満ちている。
「貴婦人と歌われた私が、こうまでもぼろぼろにされるとは」
焼け焦げた黒ずんだ、髪を見、アレーナは言った。
自らの役目を果した後、アレーナは倒れた魔術師を背負い。
「もっと似合いの場所があるはず」
その場を去った。
「わしは仲間を100%信じた。おぬしにはどこかに迷いがあるように感じられた、その差が勝敗を決めたまで」
「エセさん、格好つけるのはいいけど、倒れてるとあんまり説得力ないよ、はいポーション」
柳は、倒れているエセに言った。
「か、勝ったことには違いない」
「そうだけど、手加減していたと思うよ‥‥‥なんとなくだけどね」
「じじいは無事なのか?」
「気絶してるだけ。僕じゃ背負えないから、帰り道。頼むね」
それを聞いたエセは、止めを刺さなかったことを少し後悔した。
倒れたメティオスを見、マクシームは呟いた。
「全て終わった今、もはや貴方を縛るものは何もない。ただ安らかに眠ってくれ」
それにしても、不器用な奴らばかりだった。
マクシームの視線の先には、最大の要因である男がいる。
しかし、あれが父親代わりだと毎日窮屈そうだな。
その光景を思い浮かべ、おかしさをこらえられなくなり、彼は一人笑った。
シシルとイルコフスキーは仲間の手によって地上へと運ばれた。
早急に蘇生する必要があるだろう。
遺跡を出ると、夕闇が訪れ、月が昇りはじめている頃だった。
それを見たルカは、月光を浴びたいと思った。なぜなのかは分からない。
「同じ暗闇でも、夜闇のほうが気持ちよい」
誰にとも無く彼女は言う。
合流したメンバー。
エリヴィラに抱かれたシシルと、ロイに背負われたイルコフスキーの姿を見た柳は、歩み寄ると二人の頬を撫で
「お疲れ様でした。無事終わったよ」
言った柳は、なぜか旅に出よう。そう思った。
歩き出した仲間達を見届けたアーデルハイトは出発する前、シシルが彼女に食事をご馳走する。
そう言っていたことを、ふと思い出した。
「奢り‥‥‥か。貸しにしてあげる」
月が昇った。
アーデルハイトの銀髪が月光を浴びて、きらめいた。
愚者は、すでに愚者である意味を失った。
彼とその一党がその後どこへ行ったのかは、不明である。一説によるとヴォルニ領内に隠遁しているという話もあるが、定かではない。
だが、ときおり蒼い鎧を着た男が、ある村で目撃されたという話は伝えられている。
リュミエール・テッセンは、元の名であるソフィアに戻った。
彼女がリュミエールを名乗る事は、きっともうないだろう。
ヴォルニ領は、アレクサンドルの片腕であった男が統治を行っている。
テオドール・ヴォルニの名は、反逆の罪を持ってヴォルニの正史から消えたが、彼に追っ手が掛かる事は無かったという。
陽射しを受け、湖に張った氷が軋む。
孤島に掛かる橋に積もる雪が泣いている。
足音は、遠くからやって来た。
滑らなぬよう橋を踏み行き渡り、立ち止まる。
視線の先にあるのは、古びた石碑。
足音の主は、文字を指でなぞる。
瓦礫に埋もれた石碑。
記されている文字は読めない。
主は、胸元から取り出した木片をじっと見つめる。
刻まれた印、歪な微笑みを浮かべた道化師に向かい、主は言った。
「借りは返しましたよ」
足元に転がる面頬に木片を添えると振り返り歩み出した彼女の髪は、金に輝いている。
陽射しが揺れ、太陽が西に傾く。
降り注ぐ陽光の中で、愚者は静かな眠りについた。
【Divina Commedia】
完