大和の人斬り事件

■シリーズシナリオ


担当:ゆうきつかさ

対応レベル:11〜lv

難易度:難しい

成功報酬:10 G 85 C

参加人数:11人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月08日〜01月13日

リプレイ公開日:2007年01月16日

●オープニング

●謎の男
「ば、馬鹿な!? 有り得ない!」
 一筋の光と共に刀が地面に突き刺さる。
 大和で起こっていた辻斬り事件。
 その事件の犯人と榊倉之助は戦っていた。
「‥‥愚かな。自分の実力さえ分からぬのか」
 男の鋭い視線が倉之助の身体に突き刺さる。
 まったく隙のない動き。
 ‥‥倉之助は驚愕した。
「お、俺は京都でも名の知れた剣豪だ! 辻斬りなどに負けるわけがない!」
 自分自身に言い聞かせ、倉之助が刀を握る。
 もちろん、単なるハッタリだ。
 本当は辻斬り事件を解決して名を上げるつもりでいた。
 辻斬りを捕まえれば、名を上げる事が出来る。
 そんな単純な理由から依頼を引き受けた。
「辻斬り‥‥か。どうやら俺の事を知らぬようだな」
 含みのある笑みを浮かべながら、男がゆっくりと刀を握り締める。
 ‥‥独特な構え。
 それと同時に男の殺気が膨れ上がる。
「き、貴様、何者だ!」
 ガタガタと身体を震わせながら、倉之助が男と間合いを取っていく。
 本当なら今すぐ逃げ出したかった。
 しかし、恐怖で身体が動かない。
「‥‥俺か?」
 男の持っていた刀がキラリと光る。
「うわああああ!」
 刀を振り上げ、倉之助が攻撃を仕掛けた。
 次の瞬間、倉之助の首が宙を舞う。
 一瞬の出来事だったため、倉之助自身も何が起こったのか分かっていない。
 ‥‥気がついた時には地面が見えた。
「俺の名は‥‥沖田総司!」
 そう言って男が刀をしまう。
 その直後、倉之助の身体がゴロリと音を立てて転がった‥‥。

●樹
「‥‥大和の地に沖田組長の名を語る者が現れ、辻斬りを行っています。この男は沖田組長の太刀筋を真似、わざと目立つような行動を取っています。そのため、新撰組内部でも本物と判断し、関係者である一番隊に対しても処分を考えているようです。これはある意味、罠かも知れません。しかし、このまま放っておけば、一番隊に影響が及ぶのも事実。そこで沖田組長の名を語る者を捕まえようと思うのですが、協力していただけますか?」

●今回の参加者

 ea0031 龍深城 我斬(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea0085 天螺月 律吏(36歳・♀・侍・人間・ジャパン)
 ea0629 天城 烈閃(32歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea2445 鷲尾 天斗(36歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 ea3225 七神 斗織(26歳・♀・僧兵・人間・ジャパン)
 ea4141 鷹波 穂狼(36歳・♀・志士・ジャイアント・ジャパン)
 ea7871 バーク・ダンロック(51歳・♂・パラディン・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 ea8802 パウル・ウォグリウス(32歳・♂・ナイト・ハーフエルフ・ビザンチン帝国)
 eb1935 テスタメント・ヘイリグケイト(26歳・♂・神聖騎士・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb2284 アルバート・オズボーン(27歳・♂・ナイト・人間・ノルマン王国)
 eb3393 将門 司(39歳・♂・浪人・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

●宿屋にて
「‥‥大和で沖田組長の名を名乗って辻斬りか。わざと目立つような行動を取っているのか、それとも本物を誘き寄せようとしているのか分からねえが、以前から沖田組長を狙う組織がいるのはジェロニモの件でも明らかだ。‥‥今回の件もそいつらなのか?」
 今後の話し合いをするため宿屋に集まり、鷹波穂狼(ea4141)達が情報交換を始めていた。
 ‥‥今月に入って既に五件。
 何者かが大和の地で沖田組長の名を語り、辻斬り事件を起こしている。
「‥‥偽者退治か。俺は本物に会った事がないんでよく分からねえが、首を飛ばすって事は、やっぱ居合い急所撃ちか?」
 事件の内容が書かれた瓦版を読みながら、龍深城我斬(ea0031)がボソリと呟いた。
 先程まで辻斬り事件の情報を得るため、大和の酒場に行っていたのだが、どの話も尾ひれがついており信憑性に欠けている。
「また沖田組長の偽者か。――否、まだ偽者と決まったわけではないな。‥‥いずれにせよ、かなりの力量の持ち主であるようだし、気を引き締めてかからねば、という事か」
 険しい表情を浮かべながら、天螺月律吏(ea0085)が溜息を漏らす。
 場合によっては黄泉人も絡んでいる可能性もあるため、慎重に行動しておかねばならない。
「面白れぇじゃねえか。心技体全ての防御を極めた『鉄壁の防壁』の称号を持つ俺としては、自称沖田総司の剣を受けてみてぇもんだ」
 含みのある笑みを浮かべながら、バーク・ダンロック(ea7871)が酒を飲む。
 どちらにしても沖田組長の名を語っているのだから、それなりに実力のある者が犯行を行っている可能性が高い。
「それにしても今回の事件、引っかかるな‥‥」
 事件の起こった町の地図を広げ、鷲尾天斗(ea2445)が瓦版を参考にして印をつけていく。
 念のため、自らの身分を明かして律吏達と共に辻斬りの犠牲者を調べていたのだが、既に埋葬が終わっていたので詳しく調べる事は出来なかった。
 そのため、担当者から死体に関する情報を得ようとしたのだが、大和の治安が乱れているせいか、大した調査は行われず目撃者の証言だけで事件を処理していた事が判明した‥‥。
 しかも、目撃者の身元を調査していなかったため、何処の誰だか分からない状況である。
「‥‥樹。この事件、どう思う? おまえの意見を聞かせてくれ」
 何も言わずにお茶を飲んでいた樹を見つめ、パウル・ウォグリウス(ea8802)が口を開く。
 元々、樹は一番隊の隊士として沖田組長と行動をしていたため、何か分かる事があると思ったからだ。
「今回の一件については、沖田組長の仕業ではないと思います。天斗さん達も調査しているので、気づいているかも知れませんが、何か妙に引っかかる点が多過ぎます。ただでさえ大和の治安が乱れているのですから、役人の情報を鵜呑みにするわけにも行きません」
 あくまで自分の意見として、樹がパウルに対して答えを返す。
 ‥‥大和の治安は乱れる一方であった。
 冒険者ギルドの依頼にも参加する者が少ないため、犯罪を起こしても野放し状態になっている事が多く、役人達の間で賄賂が横行しているという噂もある。
 そのため、役人の答えであっても、すべて信用する事は出来ない。
「‥‥となると、役所もグルかも知れないって訳か。だからと言って何の証拠も無いからなぁ〜。無闇にこっちから喧嘩を吹っかけるわけにもいかんやろ?」
 大和の地に一番隊の味方が少ないため、将門司(eb3393)が困った様子で腕を組む。
 犯行のあった現場は酒場の近くにある事が多く、誰かに目撃される可能性が高い。
 その上、都合の悪い証言は『酔っていて勘違いしたのだろう』という理由で揉み消す事が出来るため、役人達にとっても都合が良さそうだ。
 もちろん、その場合は役人達が今回の一件に絡んでいる必要があるため、もう少し調査が必要になるのだが‥‥。
「この辻斬り‥‥解せんな。新撰組の名を落とす目的であれば、大和でする必要性はない。それなら京ですべきだからな。しかし、本物を呼び出す為であれば納得する事が出来る。だが、そうなると黄泉人がらみの可能性が高い、か」
 クールな表情を浮かべながら、テスタメント・ヘイリグケイト(eb1935)が自分の考えを述べる。
 大和の地には黄泉女神がいるため、その可能性も捨て切れない。
「何だか面倒な事になってきたな。ただでさえ新撰組は、ここ一、二年の間に随分とゴタついているようだし、誰かが一番隊を陥れようとしているんじゃないのか?」
 嫌な予感が脳裏を過ぎり、天城烈閃(ea0629)が樹の顔を見る。
 烈閃は此処に来る前、霊鳥の瑠羽宮に棲家での待機を頼み、今回の件について陽の高位精霊の考えを聞いていたのだが、瑠羽宮の答えも彼とまったく同じであった。
「‥‥可能性はありますね。一番隊に関しては、新撰組内部でもあまり良く思っていない人達がいますから‥‥。何か大きなミスをさせて、一番隊を解散させようと思っている者もいるはずです」
 のんびりとお茶を飲みながら、樹がさらりと答えを返す。
「‥‥なるほどな。一番隊組長が犯人だった場合は、連帯責任で一番隊隊士にまで処分が及ぶというわけか」
 報告書に目を通しながら、アルバート・オズボーン(eb2284)が納得した様子で溜息をつく。
 一通り報告書に目を通してみたのだが、被害者に関しては身元不明と書かれており、きちんと調査している感じがしない。
 役人達の話では治安が乱れているせいで、聞き込みをしても成果がないという話であったが、それだけが理由でないような気がしている。
「沖田組長様を誘き出したいのか、1番隊を誘き出したいのか。‥‥どちらにせよ放って置く訳には参りませんわね」
 そう言って七神斗織(ea3225)が仲間達と共に、事件の犯人捜しを始めるのであった‥‥。

●イ班
 沖田組長を捜すために宿屋を出た後、イ班とロ班に分かれて辺りを見回る事になった。
 真夜中の町は異様な雰囲気に包まれており、胡散臭い連中が辺りをウロついている。
「まさかここまで治安が悪くなっていたとはな。まぁ‥‥、ただでさえ黄泉人が跋扈しているような場所だから、仕方がないのかも知れないが‥‥」
 険しい表情を浮かべながら、我斬が囮役となって先に進む。
 なるべくロ班のオーラセンサーから外れないようにして、指定されたルートを通っているのだが、辺りには異様な気配が漂っているので気は抜けない。
「この状況じゃ、敵の内通者がいても分からないからな。とにかく辻斬り犯を見つけて、敵の正体を確かめよう。このままじゃ、俺達にまで責任が及ぶ事になるからな」
 オーラセンサーを律吏に指定し、天斗が我斬の後をつけていく。
 我斬は打ち合わせしたとおりに道を進み、わざと無防備なフリをして歩いている。
「まぁ、片っ端から辻斬りをしているようだから、この辺りを歩いていれば見つかるだろ。‥‥敵も俺達を必要としているようだしな」
 場合によっては辻斬りの協力者がいるのではないかと思いつつ、パウルが裏通りに入った我斬の後を追う。
 辻斬り犯が奇襲を仕掛けるとしたら、人気の少ない場所を選んでくる可能性があるからだ。
「‥‥そろそろだな。うまく引っかかってくれるといいんだが‥‥」
 頻繁に辻斬り事件が起こっている現場の周辺まで来たため、アルバートが警戒した様子で物陰に潜む。
 辻斬り犯が何を基準にして相手を襲っているのか分からないが、あれだけアルバート達が派手に行動していたのだから、相手が何らかの行動を起こしてきてもおかしくない。
「‥‥何だか、ますます物騒になってきたな。本当に俺達だけで大丈夫なんか?」
 心配した様子で我斬を見つめ、司が疲れた様子で溜息を漏らす。
 此処に来るまで辻斬り事件の情報を集めていたのだが、あまりにも住民達が非協力的だったため、悪い考えばかりが浮かんでしまう。
「とにかくやってみるしかないだろ。いまさら逃げるわけにも行かないしな。これだけ腕の立つ者が集まっているんだから、何とかなるだろ」
 苦笑いを浮かべながら、穂狼が司の肩をポンと叩く。
 穂狼も酒場で情報集めをしていたため、住民達の様子がおかしかった事は分かっている。
 もしかすると‥‥、酒場に辻斬り犯がいたのかも知れない。
 しかし、それを証明するには、証拠となるモノが必要になる。
「‥‥来たか」
 オーラエリベイションを発動させ、アルバートが仲間達の士気をあげた。
 辻斬り犯と思しき人物は橋の真ん中に立っており、青白く輝く刀を抜いて我斬の行く手を阻んでいる。
「逃げられない様に囲むんだ!」
 足音を立てないようにしながら、天斗が我斬の援護にむかう。
 それと同時に我斬が呼子笛を鳴らし、辻斬り犯が現れた事をロ班に伝えるのであった。

●ロ班
「これは‥‥呼子笛の音色!?」
 別働隊として行動をしている途中で呼子笛が鳴ったため、律吏がハッとした表情を浮かべて現場にむかう。
 律吏達はバークを囮にしてイ班と同じようにして辻斬り犯を捜していたが、呼子笛の音色が響いた以上その必要は無くなった。
「‥‥で、沖田組長なのか」
 まったく驚いた様子もなく、テスタメントが口を開く。
 いま確認しなければならない事は、辻斬り犯が沖田組長か、否か。
 ‥‥それ以外の事は二の次だ。
「いや‥‥、沖田組長の気配じゃない。やはり辻斬り事件は偽者による犯行‥‥。そう考えて良さそうだな」
 すぐさまオーラセンサーを発動させ、律吏がホッとした様子で溜息をつく。
 最初から沖田組長の仕業ではないと思っていたが、これでようやく安心する事が出来る。
「‥‥となると、敵の罠か。この様子じゃ、役人達もグルである可能性が高くなったな」
 険しい表情を浮かべながら、烈閃がチィッと舌打ちした。
「それよりもこの状況を何とかしないとマズそうだな」
 再びオーラセンサーを発動させ、律吏が真っ先に異変に気づく。
 それに合わせて長屋からゾロゾロと住民達が現れ、農耕具を構えて律吏達をジロリと睨む。
「‥‥いまさら気づいたのか。まさかお前達が引っかかるとはな」
 含みのある笑みを浮かべながら、住民達がまわりを囲もうとする。
 しかし、それよりも早く律吏が住民達に当て身を放ち、呼子笛の鳴った現場を目指す。
「ひょっとしてお金で雇われた人達でしょうか?」
 大和の治安状況を考えた上で、斗織がボソリと呟いた。
 黄泉人の出現以降、大和の治安は乱れ貧富の差が激しくなっている。
 そのため、悪に手を染めてしまう人々も少なくない。
「‥‥そう考えて間違いないな」
 デティクトライフフォースを発動させ、テスタメントが住民達を見つめて溜息をつく。
 この状況でイ班と合流すれば余計に面倒な事になるため、先に住民達を何とかしなければならない。
「とにかくコイツらを何とかするか」
 そう言ってバークが住民達に当て身を放っていくのであった。

●沖田
「‥‥たくっ! またハズレか」
 面倒臭そうな表情を浮かべながら、偽沖田が青白く輝く刀を握る。
 一瞬、沖田組長の持っている刀と同じ物のように見えたが、よく見れば単なる模造刀のようだ。
「新撰組一番隊組長代理の鷲尾天斗だ。お前には色々と聞きたい事がある。大人しく縛に付け」
 険しい表情を浮かべながら、天斗が仲間達に指示を出す。
 それと同時にパウルがダブルアタックを放ち、徐々に偽沖田の逃げ道を塞いでいく。
「おっ! ようやく骨のあるヤツが現れたか。そう来なくっちゃ面白くねえな」
 満足した様子で笑みを浮かべ、偽沖田が隙を見て居合い斬りを放つ。
 沖田組長と比べれば実力は雲泥の差だが、それでも偽沖田の実力は凄まじかった。
「なるほど、確かにそれなりに実力はありそうだな。だがっ!」
 すぐさまブラインドEX+ポイントアタック+シュライクを放ち、我斬が偽沖田を見つめてニヤリと笑う。
 単体で戦った場合は我斬でも苦戦していたかも知れないが、仲間達と連携を取りながら戦っているため、苦戦する事は無さそうだ。
「いい加減に正体を見せろよ、どうせ誰かに雇われたんだろ!」
 不機嫌な表情を浮かべながら、我斬がオフシフト+カウンターを叩き込む。
「何処の誰だっていいだろうが!」
 我斬の攻撃を喰らって呻き声を上げ、偽沖田が刀を構えて後ろに下がる。
「どうせ、お前が平織公暗殺の下手人だろう。だから大和で沖田組長の名で辻斬りをして、沖田さんを釣ろうとした‥‥違うか?」
 偽沖田と間合いを取りながら、天斗が大声をあげてジロリと睨む。
「平織だか機織だか知らねえが、そんなヤツには会った事がねえ」
 本当に何も知らないのか、偽沖田がペッと地面に唾を吐く。
「‥‥妙だな。何故、律吏達が現れない」
 鳴子笛を鳴らしてからしばらく時間が経ったため、アルバートが心配した様子で辺りを見回した。
「アイツらなら今頃ヒドイ目に遭っている頃さ」
 含みのある笑みを浮かべながら、偽沖田が居合い斬りを炸裂させる。
「‥‥残念だったな。おまえの思い通りにならなくて‥‥」
 暗がりの中から飛び出し、律吏が偽沖田めがけてスマッシュを放つ。
 何とか住民達を倒す事が出来たのか、ようやく合流する事が出来た。
「てめぇが噂の沖田総司を名乗る辻斬りか。そこまで大口を叩くだけの実力があるか、俺が確かめてやろう!」
 雄叫びを上げてオーラボティを発動させ、バークが全身の筋肉を隆起させる。
 そのため、偽沖田は引きつった笑みを浮かべ、警戒した様子でバークの傍から離れていった。
「‥‥どうやら本物ではないようですね」
 偽沖田の顔を確認した後、斗織がホッとした様子で溜息をつく。
「‥‥目的は討伐ではなく捕縛だったな」
 これ以上、戦いを長引かせるわけには行かないため、烈閃が偽沖田の足を狙ってシューティングPAを放つ。
「よくもやりやがったな!」
 それと同時に偽沖田がバランスを崩し、近くの堀に転がり落ちた。
 不機嫌な表情を浮かべながら、偽沖田がずぶ濡れになって堀から上がる。
 それに合わせて隠身の勾玉を使って物陰に隠れていた司が姿を現し、刀の峰を使ってダブルアタックを叩き込む。
「ち、畜生! せっかく大金を手に入れるチャンスだったのに‥‥」
 フラつきながらも刀をギュッと握り締め、偽沖田がしつこく攻撃を仕掛けていく。
 しかし、パウルが太刀と十手のダブルアタックを放ったため、誰も傷つける事が出来ずに穂狼の放ったアイスコフィンの餌食になった。
「ふ、残念だったな。それじゃ、雇い主の事を聞かせてもらおうか」
 そう言って天斗が偽沖田をジロリと睨む。
 その後、天斗達によって偽沖田の取り調べが行われる事になったが、依頼主に関しては黒ずくめだった事しか分からず、一緒にいた住民達も金で雇われた事しか分からなかった。
 こうして偽沖田事件は多くの謎を残したまま、幕を閉じるのであった‥‥。