巳忍の章

■シリーズシナリオ


担当:ゆうきつかさ

対応レベル:6〜10lv

難易度:普通

成功報酬:3 G 71 C

参加人数:13人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月12日〜01月17日

リプレイ公開日:2005年01月18日

●オープニング

●五輪祭
 我ら河童忍軍は未曾有の忍者不足に陥っている!
 4年に一度開かれていた『五輪祭』も参加者不足で未だに開催されていない。
 ‥‥にもかかわらず若い河童達はキュウリ泥棒に明け暮れている毎日だ!
 こんな状況が許されていいのか!
 ‥‥答えは否!
 
 例えそこに河童でないものがいたとしても‥‥。

 ‥‥五輪祭。
 それは河童忍軍の間で互いの技を競い合う祭り!
 河童忍軍は競技の審判を務める『麒麟衆』を頂点に『玄武衆』、『白虎衆』、『青龍衆』、『朱雀衆』の5衆が存在し、五輪祭にむけて各地に散らばり任務を遂行しながら己の技に磨き続けている。

 麒麟衆は純粋な河童だけが所属出来るエリート忍軍。
 リーダーは九千坊と呼ばれる河童。
 キュウリの違いが分かる通な男。

 玄武衆は河童を愛す者達が所属する忍軍。
 河童以外の冒険者達も受け入れており、忍者であるかは拘らない。
 首領は亀の甲羅を背中に背負い、三日月の仮面を被った怪しい奴。
 変態と天才は紙一重である事を自ら証明したいらしい。
 誰かのツッコミがなかった場合は、夕日にむかって泣きダッシュ。

 青龍衆は実力のある者ばかりが所属する忍軍。
 河童以外の者も多数所属しており、任務に失敗した者にはキツ〜イお仕置きが待っているとか。
 首領の名はゴルゴ。
 ハードボイルド系の河童で、首に巻いた赤い布がトレードマーク。

 白虎衆はビジュアル重視の忍軍。
 表向きは旅芸人の一座をしているおり、色仕掛けなどを得意としているらしい。
 首領は河童の女性で、西洋文化を愛している。
 彼女は中華系の巨乳美女。
 甘い言葉で誘惑するぞ!

「新年明けましておめでとう。しばらくぶりだったが、元気にしていたかな? 今回の試練は巳忍の試練。ある程度の実力がなければ、試練を乗り越える事は不可能だ。気合を入れてた頑張れよ」
 新鮮なキュウリをパリポリと齧り、麒麟衆の審判がニヤリと笑う。
 前回まで審判をしていた河童が問題を起こしたため、今回から微妙に色の違う河童が審判をするらしい。
「試練は全部で3種類。まずは巳の壷、この試練は壷の中から蛇を出す試練で、使用する笛によって出てくる蛇の数が異なっている。蛇1匹につき1ポイント。大蛇が出たらポイント2倍。壷から蛇が現れなかった場合はマイナス5ポイントだ。同じ笛は選べないから、よく話し合っておくように! ちなみにこの試練は参加者からの投稿作品をアレンジしたものだ。現在、麒麟衆では多くの参加者からネタを募集中である。‥‥続いて巳の木だがこれは蛇の棲む木のてっぺんまでいけばいい。1がスタート地点で、10がゴール地点になっている。2〜9までの枝には蛇がおり、たくさんの蛇を捕まえて登れば、それだけポイントが高くなる。最短でゴールした者はポイントが2倍。枝によっては蛇が少なかったり、毒を持っている蛇がいるから注意しろ。毒蛇にかまれたらポイントは半分になる。最後に巳の瞳だが、これは大蛇を睨みつけたまま何処まで近づけるのか競い合う試練だ。大蛇は1の位置にいるから、ギリギリまで近づくとしたら2までだな。行動次第では1までいけるが、大蛇にかまれたらマイナス5点だから注意しておけよ」
 そういって麒麟衆の男が頭の上にみかんを乗せた。
 どうやら皿が餅の代わりらしい。

●今回の参加者

 ea0282 ルーラス・エルミナス(31歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea0489 伊達 正和(35歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 ea1050 岩倉 実篤(37歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea1774 山王 牙(37歳・♂・侍・ジャイアント・ジャパン)
 ea2476 南天 流香(32歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea2478 羽 雪嶺(29歳・♂・侍・人間・華仙教大国)
 ea2557 南天 輝(44歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea2657 阿武隈 森(46歳・♂・僧兵・ジャイアント・ジャパン)
 ea3809 山浦 とき和(33歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea4568 錬 金(64歳・♂・僧兵・ドワーフ・華仙教大国)
 ea5927 沖鷹 又三郎(36歳・♂・僧兵・人間・ジャパン)
 ea6177 ゲレイ・メージ(31歳・♂・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea6195 南天 桃(29歳・♀・志士・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

「今回は巳の試練らしく『まむし』じゃ〜!」
 ぱんぱかぱーん、と独特な効果音を響かせ、錬金(ea4568)がアツアツのご飯の上にタレのかかったウナギを乗せる。
「はっはっは、驚いたようじゃな。まむしといっても蛇料理じゃないぞ! これはれっきとした鰻丼じゃ! そもそも、まむしとは‥‥」
「てめぇか! 俺のマムシを食ったやつは! せっかく精力をつけようと思ったのに!」
 すぐさま金の顔面に飛び蹴りを放ち、玄武が胸倉を掴んで涙を流す。
「ご、誤解じゃ! これはウナギであって、マムシでは‥‥うごうごっ」
 ブンブンと首を横に振り、金が何とか誤解を解こうとする。
「言い訳なんか聞かねえぞ! あれは絶倫効果のある特別製のものだったのに‥‥」
 金にマムシを食べられてしまったと思い込み、玄武が大粒の涙を浮かべると雄叫びを上げてドツく。
「だから誤解‥‥だと‥‥あ、あれは‥‥」
 薄れ行く意識の中、金は草叢へと逃げていくマムシを見つけ、プルプルと指差し気絶した。
「今回の試練はまさに命懸けですね。生きるか‥‥死ぬか‥‥。そのくらいの覚悟が必要かも知れません」
 グッタリとしている金を見つめ、山王牙(ea1774)が解毒剤を忍ばせ念入りに太刀を研ぐ。
 麒麟衆の審判からきちんと許可を貰い、試練で使った蛇を食べるつもりでいるらしい。
 もちろん、河童達も味の良し悪しで蛇を選んだわけではないため、どんな味がするのか食べてみないと分からない。
「蛇を‥‥食うのか?」
 鋭い視線で牙を睨み、ゴルゴが表情を険しくさせた。
「あ、はい。挨拶が遅れました。頭領、初参加の新米ですが、宜しくお願いします。牛、猪と食材を狩って来た称号の中に、蛇を付け加えるつもりで頑張ります!」
 ゴルゴの傍まで駆け寄り、牙が礼儀正しく頭を下げる。
「油断するんじゃないぞ。‥‥蛇は執念深いからな」
 ヤル気に満ちた牙を見つめ、ゴルゴがクスリと笑って背をむけた。
「ええ、分かっています。そのための準備は怠っていません」
 研ぎ澄まされた太刀を握り、牙がゴルゴに一礼すると試練の行われる場所にむかう。
 会場には既に参加者達が座っており、選んだ笛を握り締め開始の合図を待っている。
「青龍衆はやる気だな。それじゃ、こっちも頑張るか」
 苦笑いを浮かべながら、南天輝(ea2557)が蛙の形を模した笛を選ぶ。
 どんな音色がするのか想像する事も出来ないが、一番独特な形をしているため何だか期待が持てそうだ。
「おっ、久しぶりに参加したら、白虎衆も結構いるんだね。まあ、試練は運が左右しやすいし蛇に咬まれないようにしないな」
 辺りをキョロキョロと見回しながら、羽雪嶺(ea2478)がチョコンと座る。
 笛は全部で5種類あり、どれかひとつがハズレのようだ。
「ふたりとも頑張ってね。期待しているわ」
 自分の忍軍の所属しているふたりにむかって声をかけ、白虎が持参したおにぎりを配っていく。
「これはありがたい! 白虎さん、この間は挨拶でみっともない所を見せた。いや、前回はいっぱいだったもんでな。今度、俺と食事でもどうだ。落ち着いてみたら美しい事に気が付いたんでな」
 爽やかな笑みを浮かべながら、輝がおにぎりを一気に平らげる。
「この試練で巳忍の称号を得たら‥‥考えてあげるわ」
 含みのある笑みを浮かべ、白虎がボソリと呟いた。
「それじゃ、約束だ。忘れるなよ」
 そう言って輝がニカッと笑い、気合を入れて笛を握る。
「よし! みんな位置についたようだな。若干、1名ズタボロのようだが‥‥。そろそろ試練を始めるぞ!」
 むりやり倒れている金を位置につかせ、麒麟衆の審判が試合開始の合図を出す。
「まずは私から行きますね」
 いかにもアレな笛を吹き鳴らし、牙が目の前の壷を黙って睨む。
 壷の中からは一匹の蛇が顔を出し、優雅にダンスを踊っている。
「出てきたのはコレだけですか。やはり形がアレですからねぇ」
 威嚇し始めた蛇を睨みながら、牙がゆっくりと手を伸ばす。
「さすが頭領が警告しただけの事はある。捕まえるだけでも一苦労ですね」
 なかなか蛇を掴む事が出来ないため、牙が険しい表情を浮かべて溜息をつく。
 これでは捕まえるまでしばらく時間がかかりそうだ。
「次は僕だね。それにしても‥‥この笛長いな。吹く前に折れたりするのは勘弁だよ」
 心配そうな表情を浮かべ、雪嶺が妙に細長い笛を吹き始める。
 壷の中からは妙に細長い蛇が3匹ほど顔を出し、長い舌をペロリと出すと身体を怪しくクネらせた。
「「はっはっは、みんな甘いのお。ここでわしの実力を見せてやろう。気合じゃーーーーー!」
 奇跡の復活を遂げムックリと起き上がり、金がやけに気合の入った笛を鳴らす。
 それと同時に辺りがシーンと静まり返り、空でカラスがカァと鳴く。
「うーむ、わしの『めろでぃー』が美しすぎようじゃな。蛇達も壷の中でウットリと聞き惚れておるわ。はっはっは」
 乾いた笑いを響かせながら、金が気まずく誤魔化した。
「最後は俺か。上手く蛙の鳴き声に近い音色を鳴らせれば何匹か蛇が出るだろう。まあ、大物狙いだがな」
 蛙を模した笛をゲコゲコと鳴らし、輝がゴクリと唾を飲み込んだ。
 壷の中からは小さな蛇が五匹現れ、輝の持っている笛を威嚇するようにして首を揺らす。
「勝負あったな。この試練の勝者は輝! ちなみに最後まで残っていた蛇の姿をしている笛だが、これは大蛇を呼び寄せる事の出来る特殊な笛だ」
 そして麒麟衆の審判はニヤリと笑い、笛を吹いて壷の中から大蛇を出した。

「新年明けましておめでとう、玄ちゃん。今年もよろしくね」
 玄武にむかってウインクしながら、山浦とき和(ea3809)が投げキッスを送る。
 今年からコスチュームを新調したらしく、たくさんの蛇を捕まえるための魚籠を背負う。
「随分と気合が入っているじゃねえか。どうせ蛇を掴むのが恐くて悲鳴を上げるんだろ」
 苦笑いを浮かべながら、玄武がとき和の事をからかった。
「蛇なんていや〜ん、恐い! なんて言うと思ったら大間違い。蛇はネズミなんかを駆除してくれるありがたい生き物だもの。恐がるわけがないだろ。玄ちゃんのためならえ〜んやこらさ」
 玄武を見つめてニコリと笑い、とき和が気合を入れて拳を握る。
「期待していいんだな。だからって無理して怪我するなよ」
 恥かしそうに頬を染め、玄武が気まずく頬をかく。
「今回の試練はどれも比較的楽な気がするのは俺の気の所為か? まあ、試練が楽でも競争相手がいる以上、欠片を手に入れれるかは別問題だけどな」
 立て看板に書かれている注意書きを読みながら、岩倉実篤(ea1050)が麒麟衆の審判を睨む。
「そんな事はない。一歩間違えばあの世逝きだからな。もちろん、毒消しも解毒剤も用意していない。必要ならば河童に秘薬でも使うがいい」
 あからさまに怪しい薬を取り出し、麒麟衆の審判が実篤の肩を叩く。
(「ちっ、解毒剤は結構 値が張るからな。手持ちに無いがさてどうするか? まあ、咬まれなければ済む問題だが‥‥。黒勾玉もあるし運勝負といくか」)
 険しい表情を浮かべながら、実篤がチィッと舌打ちする。
 木に登っている間は毒蛇の判別が出来ないため、後は運を天に任せるだけだ。
「太助殿も応援に来ているようでござるな。この勝負‥‥負けるわけにはイカンでござる」
 太助の期待に応えるため、沖鷹又三郎(ea5927)が籠を背負う。
 ここで惨めな姿は見せられないため、最短ルートを登ってゴールする気らしい。
「1と10は参加者の皆様が通るとして、残る8本の内3本がハズレって事ですね〜。白虎お姉様のためにも頑張りますです」
 自分の兄である輝が巳忍に選ばれた事もあり、南天桃(ea6195)が白虎衆の勝利を願って気合を入れる。
「蛇1匹につき1ポイントか。こういう事は事前に教えてもらえないと困るんだが‥‥。ん? また始末されたのか」
 ぬか漬けにされている河童を見つめ、実篤が呆れた様子で溜息をつく。
 最近、麒麟衆の忍者がたるんでいるらしく、次第に罰則も厳しくなっているらしい。
「それじゃ、お先に失礼するよ。早めの方が今回は有利そうだしさ。冬眠している蛇が目覚めたら厄介だろ?」
 1→2→4→8→9→10の順にルートを選択し、とき和が蛇の気持ちになりきり腹をペタリとつけ、滑るようにして木を登っていく。
 籠の中には1の枝で捕まえた1匹と、2の枝で捕まえた8匹が入っており、スヤスヤと寝息を立てている。
「上の枝にはあまり蛇がいないようですね〜。はうっ!」
 3の枝でいきなり毒蛇に襲われ、桃が持っていた蛇を落とす。
 毒蛇に咬まれる事は無かったが、籠の中には蛇がいない。
「知り合いの蛇取り名人に話を聞いておいて正解でござるな。面白いように蛇が取れるでござる」
 1→4→8→9→10の枝を選択し、又三郎が4の枝で休んで籠の中を確認する。
 蛇の数は全部で8匹。現時点では第2位である。
「ここまで来て14匹か。これなら楽勝だな」
 何とか5の枝まで登りきり、実篤が身体の汗を拭う。
 今のところハズレの枝は選んでいない。
「ちょっと悔しいですね。せっかく最短でゴール出来たのに‥‥」
 7の枝で蛇を4匹捕まえ、桃が最初にゴールした。
 思ったよりも蛇を捕まえる事が出来なかったため、少し落ち込んでいる様子である。
「クッ‥‥、油断した。まさかこんなに毒蛇が多いとはな」
 9の枝で毒蛇の群れに噛みつかれ、実篤が青ざめた表情を浮かべてゴールした。
 途中で籠を落としてしまったため、8匹の蛇しか持っていない。
「これだけあればまむし酒が出来るでござる」
 実篤と同じく9の枝で毒蛇に咬まれ、又三郎が疲れた様子で籠を置く。
 最短ルートを選んだためか、籠の中には蛇が5匹しかいない。
「おやおや、みんな苦戦していたようだねぇ。私は全部で9匹さ。これでようやく甲羅の中身が見えるんだねぇ。こら、待ちなさい。玄ちゃ〜ん!」
 そして、とき和は毒蛇に咬まれた事も忘れて、玄武を追いかけていくのであった。

「仲間達が他の依頼で抜けてるのは痛いな。だが、俺には応援してくれる人がいる。逆境ならばなおさら燃えるぜ!」
 巳の瞳で使用する大蛇を睨みつけながら、伊達正和(ea0489)がニヤリと笑う。
 朱雀の機嫌が悪いため、ここで負けるわけには行かないようだ。
「これ以上黒く染まる訳には行かないのです。此度こそ必ずや勝利を‥‥」
 度重なる失敗により、罰として『負け兎の参式(兎の扮装<腹まで黒く染まった衣装、背中に薪を背負った姿)』の刑に処され、ルーラス・エルミナス(ea0282)が覚悟を決めて位置につく。
 これ以上の失敗は許されないため、ルーラスも必死なようである。
「みんなピリピリしているわね。こっちはのんびり行きましょう」
 参加者達の緊張を解すため、白虎が冗談まじりに微笑んだ。
「お心遣いありがとうございます♪ それにしても白虎さんの着ているチャイナドレスって綺麗ですね。わたくしも着てみたいです♪」
 白虎の服をマジマジと見つめ、南天流香(ea2476)が羨ましそうに呟いた。
「あ、これ? ミンメイブランドの服よ。最近、密かなブームなんだって」
 微妙な言葉のマジックに気づかぬまま、白虎がチャイナドレスを自慢する。
 あまりの安さに纏め買いした事もあり、流香も一着貰える事になったらしい。
「「お楽しみの最中すまないが、そろそろ試練開始の時間だぞ」
 流香達にむかって声をかけ、ゲレイ・メージ(ea6177)が合図と共に大蛇を睨む。
 大蛇は河童達に棒で刺激され、今にも襲い掛かってきそうな勢いである。
「さて悩む。蛇は1にいるから、2まで行けばほぼ勝てる。しかし咬まれる確率も非常に高い。今回は肝っ玉だけじゃ難しいな」
 慎重に大蛇の傍まで近づき、正和がゴクリと唾を飲み込んだ。
 視線を逸らす事が出来ないため、大きく深呼吸して先に進む。
「蛇は蒲焼、蛇は蒲焼、蛇は蒲焼‥‥‥‥!」
 蛇を喰らう気持ちで瞳を血走らせながら、ルーラスが地面をスタスタと這って行く。
 大蛇はルーラスを威嚇しているようだが、罰を受ける事に比べれば可愛いものだ。
「‥‥意外と神経を使いますね」
 ようやく5の位置まで進み、流香が額に浮かんだ汗を拭う。
「いつ襲ってくるのか分からないからな。おたくも覚悟しておくといい」
 含みのある笑みを浮かべ、ゲレイが一気に大蛇の傍まで近づいた。
「それじゃ、この辺りにしておきますね。高得点を狙って咬まれてしまったら意味がありませんし‥‥」
 3の位置で立ち止まり、流香がホッと溜息をつく。
 巳忍の称号は遠のいてしまったが、これで最低限のポイントはゲット出来る。
「これ以上は無理ですね。間違いなく襲われます」
 大蛇の身体から放たれる殺気に気づき、ルーラスが流香の隣で息を殺す。
 咬まれてしまっては元の子も無いため、これ以上先に進む事は出来ないようだ。
「切り結ぶ太刀の下こそ地獄なり、踏みこみ行けば後は極楽っ! 俺はここに胆力の全てを賭けるっ!」
 大きな声を上げながら、正和が2の位置で大蛇を睨む。
 大蛇はペロリと舌を出し、正和の顔を睨んでいる。
 大蛇が襲ってきた瞬間を狙い、ゲレイがアイスブリザードを放ち、動きが鈍ったところで掴み取り、勝ち誇った様子で高々と掲げる。
「まさか大蛇を掴み取るとはな。‥‥恐れ入った」
 勝負に負けた悔しさも忘れ、正和がゲレイと握手した。
「黒き淵が私を飲み込む」
 それと同時にルーラスが青ざめた表情を浮かべ、慌てた様子で玄武から視線を逸らす。
 玄武はニコニコとしているが、甲羅を奪われ不機嫌そうだ。
 果たしてルーラスの運命は!?

           結果  累計
<白虎衆> 巳の欠片を入手
南天桃         8  17
沖鷹又三郎       5  11
南天輝         5   7 巳忍の称号
南天流香        3   6
羽雪嶺         3  −3
総合ポイント     24+32=56

<青龍衆>
ゲレイ・メージ    10  10 巳忍の称号
岩倉実篤        8  35
山王牙         1   1
総合ポイント     19+47=66

<玄武衆>
山浦とき和       9  27 巳忍の称号
錬金          0  10
ルーラス・エルミナス  3  10
総合ポイント     12+56=68

<朱雀衆>
伊達正和        5  18
総合ポイント      5+43=48

注:今回獲得したポイントが高い忍軍が欠片を入手しています。