撃退士とは名前から攻撃的なものだと誤解されがちだが、 本質的にその役割は守護にある・・・と、俺は思っている。 俺たちは新入生でも一般人の身体能力を大きく超えた力を出せる。 力と心のバランスを保ち、自分を見失なわないことだけは、心にとどめておきたいものだな。 堕天使・レミエル=ネフィリム=ヴァイサリス |
天魔との大規模な接触という、これまでの人類史上においても類をみない事態に対し、既存の警察・軍組織は十分に対抗する為の手段を持っていませんでした。この事態に対抗する為に現れた存在が『撃退士』です。
撃退士は、天魔に対抗可能なアウルの力を使いこなす存在であり、天魔が各地で起こしている事件を解決する役割を担っています。
撃退士が公に認められてから現在(2011年当時)まで十年も経過しておらず、久遠ヶ原学園以外に正式な育成機関もないことから、世の中にいる撃退士はほぼ久遠ヶ原学園の在校生か卒業生です。
撃退士はアウルの力を発動することにより、光纏(こうてん/オーラドレスト)という能力を使用できます。
光纏を行使している最中は、スキルの発動や魔具・魔装と呼ばれる武器や防具を呼び出す事が可能となり、魔具もしくはスキルを用いて天魔に有効な一撃を与えることが可能となります。
光纏中は光纏行使者本人の全身から黄金ないし黒色の焔に似たオーラが噴き上がり続ける状態へ変化します。ただし光纏行使者本人の意思により任意に消すこともできます。
アウル発動に適した才能を持った人間は、基本的には久遠ヶ原学園入学前に簡単なカウンセリングとスキャニングおよびトレーニングを経て、アウルを発動させることになります。
この時点で光纏をしなくても撃退士は50mを5秒程度で走れるなど、超常的な身体能力を保持できます。
ただし思考力が超常的になるわけではありません。
あくまで身体能力が高くなるだけです。
撃退士は、依頼を受けた場合任務に関連するものに限り国内の一定の法律に縛られることなく行動することができます。
基本的に依頼遂行に必要であった場合に限り罪に問われることはありませんが、任務遂行に必要ではない部分の行為については、学園内部で審議された後妥当でないと判断された場合、軽微なものは謹慎・停学などの措置に、重大なものについては通常の犯罪と同様に逮捕・起訴された後、司法に引き渡されることになりますので注意しましょう。
常人と比べるとかけ離れた身体能力を持つ撃退士といえども、この世界に存在し得なかった敵・天魔を相手に素手で戦うことは非常に厳しいものになるでしょう。
このため、国際撃退士養成機構をはじめとする各撃退士関連機関では、『魔具』と呼ばれる武器や『魔装』と呼ばれる防具(総称してV兵器)の開発を日々おこなっています。
撃退士はこれらの兵器を使いこなして自身の能力を高める必要があります。
一見すれば物騒な外見も多い魔具ですが、『ヒヒイロカネ』と呼ばれる小さな金属に格納することが可能ですので、潜入依頼に際しても目立たずに行動することができます。
強力なV兵器になればなるほどアウルを絶えず大量に送り続けなければならないため、『魔具・魔装の装備値を超えるほど強力な武器を装備した場合、最大生命力が減少します』。
装備値を1でもオーバーした場合は最大生命力が10%減少し、
その後10オーバーするたびに10%減少していきます。
装備を91オーバーした場合でも死亡したり再起不能になるわけではありませんが、
非常に危険な状態で戦う事になります。
装備の活性化をやめた時点で生命力最大値は本来キャラクターが保持しているステータスの数値まで戻りますが、現在の生命力は回復しません。
自身の能力に見合ったV兵器を使うように調整していきましょう。
撃退士は、アウルの活用方法によって、『ジョブ』と呼ばれるタイプ分類が存在しています。
タイプによって、成長する能力や使用できるスキルは大きく違います。
レート:0(中立) | 生命 | ↑↑↑ | 物攻 | ↑↑ | 物命 | ↑↑ | 魔攻 | - |
レート:0(中立) | 物命 | ↑↑↑ | 移動 | ↑↑↑ | 物攻 | ↑ | 抵抗 | ↓ |
レート:0(中立) | 魔防 | ↑↑↑ | 魔攻 | ↑↑ | 物防 | ↓ | 抵抗 | - |
レート:+1(天界寄り) | 生命 | ↑↑↑ | 物防 | ↑↑ | 魔防 | ↑↑ | 抵抗 | - |
レート:+2(天界寄り) | 抵抗 | ↑↑↑ | 生命 | ↑↑↑ | 魔防 | ↑↑ | 魔回 | ↓ |
レート:-1(冥界寄り) | 物攻 | ↑↑↑ | 物命 | ↑↑ | 生命 | ↑↑ | 魔防 | ↓ |
レート:-1(冥界寄り) | 移動 | ↑↑↑ | 命中 | ↑↑ | 魔攻 | ↑ | 物攻 | - |
レート:+1(天界寄り) | 装備 | ↑↑↑ | 防御 | - | 回避 | - | 攻撃 | ↓ |
レート:-2(冥界寄り) | 攻撃 | ↑↑↑ | 移動 | ↑↑ | 生命 | ↓ | 防御 | ↓ |
レート:0(中立) | 魔攻 | ↑↑↑ | 回避 | ↑↑ | 物攻 | ↑ | 物防 | - |
レート:0(中立) | 防御 | ↑↑ | 物攻 | ↑↑ | 魔攻 | ↑↑ | 回避 | ↓ |
レート:0(中立) | 回避 | ↑↑ | 物攻 | ↑↑ | 魔攻 | ↑↑ | 防御 | ↓ |
レート:0(中立) | 魔装 | ↑↑↑ | 魔防 | ↑↑ | 回避 | ↑↑ | 攻撃 | ↓ |
召喚スキルとは、かつて撃退士が生まれる前に日本や西洋において存在した、人とは異なる生物を現世に具現化させる技法の流れを汲むスキルです。
バハムートテイマーや一部陰陽師が使用できる召喚スキルは、過去の技術を久遠ヶ原学園で統一・発展させたものになります。
召喚獣がどこから来ているのか。どういった意思で撃退士に協力をしているのか。それらの理由の確かな所は未だ解明されていません。
ただし、彼等がどこから来るのかについては、天使や悪魔が並行世界から来ているように、召喚獣もまた並行世界の生物ではないかと考えられており、召喚スキルは並行世界から彼等をこの世に呼び出しているのではないか、と一般的には言われています。
(過去に何度かあった、天使や悪魔との遭遇記録なども、この召喚スキルの影響、あるいはそのものが関係しているのではないかと考えられています)
召喚獣は、呼び出された瞬間から、原則呼び出したものの意思に従い行動をおこないます。
命令に逆らうことは原則ありませんが、自分の命に係わるものや、明らかに無謀である行動などに関しては、ごく稀に渋る場合もあるようです。
召喚獣は呼び出した撃退士の能力に召喚獣の能力を加算(場合によっては減算)された状態で出現し、生命として現世に現れますが、スキルの効果時間を経過すると現世にとどまることができず消えてしまいます。
召喚獣は撃退士と生命力を共有しており、召喚獣が傷ついた場合は撃退士も傷つきます。撃退士が気絶してしまった場合は召喚獣は消滅してしまいます。
ただし、どんなに傷ついても召喚獣は死亡することはなく、術者が望めば、前回召喚したものと同じ存在が現れることになります。(召喚獣が並行世界から来ていると確実に言い切れない原因のひとつです)
いずれにせよ、撃退士の能力に自身の力を加算した状態で現れ、撃退士に使えないスキルを使用することができる召喚獣は、依頼において非常に頼りになるパートナーとなるといえるでしょう。
呼びだされる召喚獣は外見の通り獣並の知能である者が多いですが、中には人間並の知能をもった者も存在します。また、短期間ではなく非常に長時間召喚しておける者も存在しています。
使役の仕方に左右される点もありますが、召喚獣はあなたの良きパートナーとなって戦ってくれるでしょう。